おっさんの異世界生活は無理がある。
第32話
街から出て、何匹かのモンスターと戦いながら森の入り口へと進む。
「えっと、確かダンジョンはこの森に入らず右の方へ進んだ方だな。」
「あぁそうだね、向かおうか。」
左手に森を見ながらしばらく進むと、もう分かりやすいほどのダンジョンの入り口が現れた。
「てか入り口でっか!そして凄い!地面は普通だが壁も天井も木や蔦で出来てやがる・・・」
「うん、火を付けたらよく燃えそうだ。」
「恐ろしい事言うなよ・・・まぁそうだな。ここで火を扱う魔法は自殺行為だな。」
(それじゃあご主人様!油断せずに行きましょう!もしかしたらリリアさん達はもう最奥の部屋に辿り着いてるかもしれませんから!)
(まぁ負けてもロイドがファンたちに取り囲まれてチヤホヤされるだけだからなぁ・・・正直そこまで勝ちたいとも思わないんだが。)
(でも、ただ負けるのは悔しくないかい?)
(まぁそうだな。善戦できましたくらいの感じにしときたいわな。じゃあ早速マップを見ながら中に入るか。今回は俺が前の方を歩くからロイドは後ろの方の警戒を頼む。)
(了解だ。)
それからダンジョン内部の探索を始めた。ダンジョン内部は前のダンジョンとは違い外からの光が木々の間から入ってきていて、とても綺麗で幻想的で優しい雰囲気だった。しかし何いたモンスターはちっとも優しくもなく、きっちりこっちを殺しに来ていた。スライムや人面草、はたまた体が植物で構成されたアンデッド。
スライムや人面草は外のモンスターよりも大きめのサイズで、凶暴性も違っていた。
「ふぅ、モンスターは強いけど特に問題ないな。なぁあの二人は大丈夫だと思うか?」
「あぁ、リリアさんは戦闘の訓練を沢山しているからね。何度か私の家の道場で試合をしたが彼女の勝率は3割ほどだね。」
「ロイド相手に3割勝てるなら結構な実力があるか。ならライルさんも
安心して戦えそうだな。ってか家に道場があるってどれだけデカい家なんだよ・・・」
「聞いた話ではあの街では一番デカい家らしいね。」
「うへぇ・・・そんな家に住む貴族の娘が同じギルドとか改めて恐ろしいな・・・」
「そうかい?私にはよく分からない感覚だね。」
「まぁそうだろうな。お、宝箱発見っと。」
俺は通路の途中にあった木で作られた小部屋にあった宝箱を開けた。中には宝石のような物が少量入っていた。
「うーん、なんでダンジョンってのは宝箱があって中にこんな値打ち物が入ってるんだ?」
「さぁ?誰もが疑問に思っているけど誰にも解けない謎みたいだね。でもそれで生活できている人もいるから、深く調べようとする人はいないないようだよ。」
「そんなもんかね。ってかダンジョンに入って20分くらい経ったけどまだ最奥の場所がわかんねぇな。」
「でも結構奥の方に来たと思うから目的の場所は近くにあるんじゃないかな。」
「うーん・・・これはヘタするともうリリアさん達は最奥までいってダンジョンの外に出てる可能性があるな。少し急いで探してみるか。」
「そうだね。もしも彼女達が先に戻っていたら待たせるのも悪いからね。」
それから5分ほどダンジョン内をさまようと、通路の奥の方に広い空間を見つけた。
(あ!多分あそこが最奥の部屋じゃないですか!?)
(多分な、よし行くか。)
それから少し急ぎながら奥にある空間を目指した。到着すると目の前に広がったのは、木と蔦で構成されたドーム状の空間だった。そして部屋の中央部分では、何故だかリリアさん達が腕を組んで待っていた。
リリアさんはこちらに気づくと何故だか怒ったような表情で睨んできてこっちに早足で歩いてきた、ライルさんはその後をついて来てぺこりとお辞儀をしてきた。
「遅いですわよお二人共!私達長いこと待っていましたのに!」
「え?何で待ってたんだ?先に戻ってるもんだと思ってたが。」
俺が疑問に思って聞くと、リリアさんは怒った表情から一転して慌てたような顔をし出した。
「え?あっ、それはその・・・・」
「実はリリアさんがお二人の事を心配していまして、この部屋に人の入った形跡が無かったのでまだ来ていないのではないか。もしかしたら良くない事が起きたんじゃないかと思ったようで、お二人が来るのを待つことになったんです。」
「ちょ、ちょっとライルさん!」
「あぁ、それは心配をかけてすまなかったね。でも安心してくれ私達は怪我も何もないから。」
「あぁ、それなら良かったです!ロイド様がお怪我をしたのではないかと心配で心配で!」
「うん、分かってたけどね。ところで気になったんだが、さっき部屋の中央にいたと思うんだが宝箱はもう取ったのか?」
「宝箱?そんなものありませんでしたよね、ライルさん。」
「え?そうなのか?」
「はい・・・私も前回のことがあるので宝箱には注意していたのですがこの部屋の中には宝箱はありませんでした。」
「おかしいな・・・それともこの部屋には何もないのが普通なのか?」
そんな疑問を抱いていると、いきなり部屋の中央から宝箱がバシュッとという音を立てて地面から出現した?!その宝箱はそのまま空中に留まると、それを覆うように大量の枝や蔦が現れ宝箱を凄い勢いで覆い始めた!
「全員この部屋から撤退!何か嫌な予感がする!」
俺は大声を出して部屋から出ようと振り返った。しかし・・・
「部屋の入り口が閉じられてる?!」
さっきまであった大きな入り口は、大量の枝や草で消えてしまっていた?!
「だったら切り刻むまでだ!」
俺は魔法を発動してかまいたちを起こし、入り口を塞いでいる物を切り刻んだ。だが、切り刻んだ端からすぐに別の枝などが現れ修復してしまう。
「ど、どうなっていますの!一体何が!」
「まぁ簡単に言えば・・・」
突如、背後から木々を揺らす咆哮が聞こえた。振り返ると、全身が枝や蔦で出来た巨大な二息歩行のボスが出現した。
「強制戦闘って所だな!」
(ご主人様とロイド様!気をつけて下さいね!)
(あぁ、前回の様な遅れは取らないよ!)
(今回こそは無傷でお家に帰りたい!)
それぞれに覚悟を決め、強制ボス戦が始まった。あぁ畜生が!!今回こそ絶対に無事に帰ってやるからな!!
「えっと、確かダンジョンはこの森に入らず右の方へ進んだ方だな。」
「あぁそうだね、向かおうか。」
左手に森を見ながらしばらく進むと、もう分かりやすいほどのダンジョンの入り口が現れた。
「てか入り口でっか!そして凄い!地面は普通だが壁も天井も木や蔦で出来てやがる・・・」
「うん、火を付けたらよく燃えそうだ。」
「恐ろしい事言うなよ・・・まぁそうだな。ここで火を扱う魔法は自殺行為だな。」
(それじゃあご主人様!油断せずに行きましょう!もしかしたらリリアさん達はもう最奥の部屋に辿り着いてるかもしれませんから!)
(まぁ負けてもロイドがファンたちに取り囲まれてチヤホヤされるだけだからなぁ・・・正直そこまで勝ちたいとも思わないんだが。)
(でも、ただ負けるのは悔しくないかい?)
(まぁそうだな。善戦できましたくらいの感じにしときたいわな。じゃあ早速マップを見ながら中に入るか。今回は俺が前の方を歩くからロイドは後ろの方の警戒を頼む。)
(了解だ。)
それからダンジョン内部の探索を始めた。ダンジョン内部は前のダンジョンとは違い外からの光が木々の間から入ってきていて、とても綺麗で幻想的で優しい雰囲気だった。しかし何いたモンスターはちっとも優しくもなく、きっちりこっちを殺しに来ていた。スライムや人面草、はたまた体が植物で構成されたアンデッド。
スライムや人面草は外のモンスターよりも大きめのサイズで、凶暴性も違っていた。
「ふぅ、モンスターは強いけど特に問題ないな。なぁあの二人は大丈夫だと思うか?」
「あぁ、リリアさんは戦闘の訓練を沢山しているからね。何度か私の家の道場で試合をしたが彼女の勝率は3割ほどだね。」
「ロイド相手に3割勝てるなら結構な実力があるか。ならライルさんも
安心して戦えそうだな。ってか家に道場があるってどれだけデカい家なんだよ・・・」
「聞いた話ではあの街では一番デカい家らしいね。」
「うへぇ・・・そんな家に住む貴族の娘が同じギルドとか改めて恐ろしいな・・・」
「そうかい?私にはよく分からない感覚だね。」
「まぁそうだろうな。お、宝箱発見っと。」
俺は通路の途中にあった木で作られた小部屋にあった宝箱を開けた。中には宝石のような物が少量入っていた。
「うーん、なんでダンジョンってのは宝箱があって中にこんな値打ち物が入ってるんだ?」
「さぁ?誰もが疑問に思っているけど誰にも解けない謎みたいだね。でもそれで生活できている人もいるから、深く調べようとする人はいないないようだよ。」
「そんなもんかね。ってかダンジョンに入って20分くらい経ったけどまだ最奥の場所がわかんねぇな。」
「でも結構奥の方に来たと思うから目的の場所は近くにあるんじゃないかな。」
「うーん・・・これはヘタするともうリリアさん達は最奥までいってダンジョンの外に出てる可能性があるな。少し急いで探してみるか。」
「そうだね。もしも彼女達が先に戻っていたら待たせるのも悪いからね。」
それから5分ほどダンジョン内をさまようと、通路の奥の方に広い空間を見つけた。
(あ!多分あそこが最奥の部屋じゃないですか!?)
(多分な、よし行くか。)
それから少し急ぎながら奥にある空間を目指した。到着すると目の前に広がったのは、木と蔦で構成されたドーム状の空間だった。そして部屋の中央部分では、何故だかリリアさん達が腕を組んで待っていた。
リリアさんはこちらに気づくと何故だか怒ったような表情で睨んできてこっちに早足で歩いてきた、ライルさんはその後をついて来てぺこりとお辞儀をしてきた。
「遅いですわよお二人共!私達長いこと待っていましたのに!」
「え?何で待ってたんだ?先に戻ってるもんだと思ってたが。」
俺が疑問に思って聞くと、リリアさんは怒った表情から一転して慌てたような顔をし出した。
「え?あっ、それはその・・・・」
「実はリリアさんがお二人の事を心配していまして、この部屋に人の入った形跡が無かったのでまだ来ていないのではないか。もしかしたら良くない事が起きたんじゃないかと思ったようで、お二人が来るのを待つことになったんです。」
「ちょ、ちょっとライルさん!」
「あぁ、それは心配をかけてすまなかったね。でも安心してくれ私達は怪我も何もないから。」
「あぁ、それなら良かったです!ロイド様がお怪我をしたのではないかと心配で心配で!」
「うん、分かってたけどね。ところで気になったんだが、さっき部屋の中央にいたと思うんだが宝箱はもう取ったのか?」
「宝箱?そんなものありませんでしたよね、ライルさん。」
「え?そうなのか?」
「はい・・・私も前回のことがあるので宝箱には注意していたのですがこの部屋の中には宝箱はありませんでした。」
「おかしいな・・・それともこの部屋には何もないのが普通なのか?」
そんな疑問を抱いていると、いきなり部屋の中央から宝箱がバシュッとという音を立てて地面から出現した?!その宝箱はそのまま空中に留まると、それを覆うように大量の枝や蔦が現れ宝箱を凄い勢いで覆い始めた!
「全員この部屋から撤退!何か嫌な予感がする!」
俺は大声を出して部屋から出ようと振り返った。しかし・・・
「部屋の入り口が閉じられてる?!」
さっきまであった大きな入り口は、大量の枝や草で消えてしまっていた?!
「だったら切り刻むまでだ!」
俺は魔法を発動してかまいたちを起こし、入り口を塞いでいる物を切り刻んだ。だが、切り刻んだ端からすぐに別の枝などが現れ修復してしまう。
「ど、どうなっていますの!一体何が!」
「まぁ簡単に言えば・・・」
突如、背後から木々を揺らす咆哮が聞こえた。振り返ると、全身が枝や蔦で出来た巨大な二息歩行のボスが出現した。
「強制戦闘って所だな!」
(ご主人様とロイド様!気をつけて下さいね!)
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