覇王の異世界転生
第3話 龍眼
キギィー!!
暗闇から現れたのは、巨大な蝙蝠だ。
デカい鼠に翼が生えた様な姿で、目は退化しており、豚の様な鼻と鋭い牙が特徴的だ。
翼を広げたら3mくらいにはなるサイズで、暗い洞窟の中でも獲物を狙って縦横無尽に飛び回っている。
オーラを解放すると副次的に得られる能力がある。
それは龍眼とも呼ばれ、オーラを視覚的に捉える事ができる力だ。
オーラは生命エネルギーの一種であり、あらゆる生物が保有しており、無意識的に微弱なオーラを身体から放出している。
龍眼を使えば、オーラを通して生物の気配を察知したり、動きを認識する事ができる。
当然、暗闇でも関係無い。
むしろ、よりオーラが鮮明に見える。
ガンッ!
俺は、鋭い牙で噛みつこうとしてきた蝙蝠へ石を投げた。
野球ボールくらいのサイズの石は、時速300kmを超える速度で蝙蝠の頭蓋骨を粉砕した。
「食えんのかこれ?」
俺は、地面に落ちた蝙蝠の死体を眺めて呟いた。
◆巨大蝙蝠
・種族:蝙蝠
・戦闘力:3
・状態:死亡
・洞窟に住まう血吸い蝙蝠、動物の血液を吸い尽くして殺す。暗闇でも超音波で正確に攻撃してくる。避けるのが上手く、攻撃がなかなか当たらない。味は不味い。
「味は不味いのか・・・やめとくか」
俺は蝙蝠の死体はそのままにして更に洞窟の奥へと進んで行った。
〜数時間後〜
「こんなものか」
俺は最初の池の前に戻って来ていた。
そこには狩った獲物が山積みにされている。
ロックリザード×8
巨大蝙蝠×12
ロックスパイダー×3
ロックスネーク×7
結局、巨大蝙蝠の死体も一応持って帰って来た。
「喰そうなのは、ロックリザードとロックスネークくらいか?」
巨大蝙蝠は、不味い上に疫病などを持っている可能性があるので、やめておく。
ロックスパイダーは、生理的に受け付けないので却下だ。
◆ロックスパイダー
・種族:昆虫
・戦闘力:5
・状態:死亡
・洞窟の中に住まう巣を作らないタイプの蜘蛛、岩肌に擬態して獲物が通りがかった所を襲う。力はそれ程強く無いが、牙に神経毒が仕込まれており、噛まれればひとたまりも無い。
◆ロックスネーク
・種族:蛇
・戦闘力:10
・状態:死亡
・洞窟の中に住まう巨大な蛇、岩肌に擬態して獲物を襲う。
毒は無いが、力が強く、捕まれば全身の骨を砕かれて丸呑みにされる。
ロックスネークもロックスパイダーも待ち伏せの狩が得意なタイプだが、龍眼がある俺の目は誤魔化す事は出来ず、先手必勝で倒す事ができた。
倒した死体は放置しておくと、病気の原因になったりする可能性があるので、面倒だが、食えない死体は燃やして処分した。
「さて、先ずは下拵えからだな」
ロックリザードは、一度食べた事があるので、改善点は把握している。
一つ目は臭みだ。
内臓が非常に生臭く、焼いても臭いが取れない。
二つ目は鱗と皮の硬さだ。
岩の様に分厚く硬い鱗とゴムの様な皮が食感を悪くしている。
俺はロックリザードの鋭い爪をナイフ代わりにして、腹を裂いて内臓を掻き出した。
凄い臭いで鼻が曲がりそうだ。
しかし、早く処理しなければ肉に臭いが移ってしまう。
次に、ロックリザードの分厚い皮を剥ぎながら硬い鱗も一緒に剥がしてしまう。
「ふぅ、これで大分食べやすくなったかな」
ロックスネークは、尻尾の方に切り込みを入れて、一気に頭まで皮を剥ぎ、頭ごと切り落とすと食べやすい。
どちらも肉は筋張っており、お世辞にも上手いとは言えないが、貴重なタンパク源であり、生きる糧だ。
そして、再び繰り返しが始まった。
オーラを限界まで消費して、肉を喰らう。
腹が満たされれば、また、オーラを限界まで消費して、肉を喰らう。
食糧は十分にある。
第三位階まで駆け足で解放出来そうだ。
〜それから数カ月後〜
俺は、全身にエネルギーが漲るのを感じていた。
既にオーラは第三位階の終盤に達しようとしていた。
凡人のオーラ使いの限界が第五位階である事考えると、中級以上のレベルになったと言って良いだろう。
また、オーラを解放すると、実年齢はあまり関係無くなる。
オーラで身体を満たすと歳を取らなくなる代わりに、身体が最適な状態に近づこうと変化する。
その証拠に、たった数カ月で俺の身体は12〜13歳に見えるまで成長していた。
身長も160cmに伸びた。
「久しぶりに鑑定をしてみるか」
俺は水面に写る成長した自分を見て鑑定を発動した。
◆クロード・ハンニバル
・種族:人間
・年齢:9
・オーラ:第三位階
・オーラの色:無色
・オーラ量:2480
・魔力:0
・スキル:鑑定
・戦闘力:32
・状態:健康
・称号:転生者、オーラマスター、復讐者
・捨てられた貴族の息子、暗闇の洞窟で凍死したが、転生者の魂が憑依して生き返った。
「戦闘力32か・・・基準が分からんな」
ってか鑑定スキルはオーラのレベルも認識できるのか。
俺の前世の知識が影響しているのだろうか?
「さて、もう直ぐ第四位階に達しようとしているが・・・やはり、決め手に欠けるな」
オーラの位階を上げると言うことは、簡単な事では無い。
自分の限界を超えて次の次元に昇華させる必要があり、その為には膨大なエネルギーとその負荷に耐えられる肉体が必要だ。
もう、ロックリザードやロックスネーク程度の肉から得られるエネルギーでは、次のレベルを解放するには不足している。
「もっと、高濃度のエネルギーが必要だ」
ロックリザードやロックスネークを遥かに超える高濃度なエネルギーをこの不毛な洞窟で発見する事は、非常に難しい。
しかし、俺は1つだけ心当たりがあった。
奴を初めて見たのは10日前の事だ。
近場は狩り尽くしたせいで獲物が減ったので、いつもより洞窟の奥へ行った時に奴を見た。
幸い先に俺が発見したので、戦闘は回避できた。
もし、あのまま出会していたら、喰われていたのは俺だったかも知れない。
俺が戦闘を避けたのは、あれが初めての事だ。
奴の体内からは濃厚な力が感じられた。
だが、それだけ危険も高い。
「・・・やるしか無いか」
俺は、覚悟を決める。
暗闇から現れたのは、巨大な蝙蝠だ。
デカい鼠に翼が生えた様な姿で、目は退化しており、豚の様な鼻と鋭い牙が特徴的だ。
翼を広げたら3mくらいにはなるサイズで、暗い洞窟の中でも獲物を狙って縦横無尽に飛び回っている。
オーラを解放すると副次的に得られる能力がある。
それは龍眼とも呼ばれ、オーラを視覚的に捉える事ができる力だ。
オーラは生命エネルギーの一種であり、あらゆる生物が保有しており、無意識的に微弱なオーラを身体から放出している。
龍眼を使えば、オーラを通して生物の気配を察知したり、動きを認識する事ができる。
当然、暗闇でも関係無い。
むしろ、よりオーラが鮮明に見える。
ガンッ!
俺は、鋭い牙で噛みつこうとしてきた蝙蝠へ石を投げた。
野球ボールくらいのサイズの石は、時速300kmを超える速度で蝙蝠の頭蓋骨を粉砕した。
「食えんのかこれ?」
俺は、地面に落ちた蝙蝠の死体を眺めて呟いた。
◆巨大蝙蝠
・種族:蝙蝠
・戦闘力:3
・状態:死亡
・洞窟に住まう血吸い蝙蝠、動物の血液を吸い尽くして殺す。暗闇でも超音波で正確に攻撃してくる。避けるのが上手く、攻撃がなかなか当たらない。味は不味い。
「味は不味いのか・・・やめとくか」
俺は蝙蝠の死体はそのままにして更に洞窟の奥へと進んで行った。
〜数時間後〜
「こんなものか」
俺は最初の池の前に戻って来ていた。
そこには狩った獲物が山積みにされている。
ロックリザード×8
巨大蝙蝠×12
ロックスパイダー×3
ロックスネーク×7
結局、巨大蝙蝠の死体も一応持って帰って来た。
「喰そうなのは、ロックリザードとロックスネークくらいか?」
巨大蝙蝠は、不味い上に疫病などを持っている可能性があるので、やめておく。
ロックスパイダーは、生理的に受け付けないので却下だ。
◆ロックスパイダー
・種族:昆虫
・戦闘力:5
・状態:死亡
・洞窟の中に住まう巣を作らないタイプの蜘蛛、岩肌に擬態して獲物が通りがかった所を襲う。力はそれ程強く無いが、牙に神経毒が仕込まれており、噛まれればひとたまりも無い。
◆ロックスネーク
・種族:蛇
・戦闘力:10
・状態:死亡
・洞窟の中に住まう巨大な蛇、岩肌に擬態して獲物を襲う。
毒は無いが、力が強く、捕まれば全身の骨を砕かれて丸呑みにされる。
ロックスネークもロックスパイダーも待ち伏せの狩が得意なタイプだが、龍眼がある俺の目は誤魔化す事は出来ず、先手必勝で倒す事ができた。
倒した死体は放置しておくと、病気の原因になったりする可能性があるので、面倒だが、食えない死体は燃やして処分した。
「さて、先ずは下拵えからだな」
ロックリザードは、一度食べた事があるので、改善点は把握している。
一つ目は臭みだ。
内臓が非常に生臭く、焼いても臭いが取れない。
二つ目は鱗と皮の硬さだ。
岩の様に分厚く硬い鱗とゴムの様な皮が食感を悪くしている。
俺はロックリザードの鋭い爪をナイフ代わりにして、腹を裂いて内臓を掻き出した。
凄い臭いで鼻が曲がりそうだ。
しかし、早く処理しなければ肉に臭いが移ってしまう。
次に、ロックリザードの分厚い皮を剥ぎながら硬い鱗も一緒に剥がしてしまう。
「ふぅ、これで大分食べやすくなったかな」
ロックスネークは、尻尾の方に切り込みを入れて、一気に頭まで皮を剥ぎ、頭ごと切り落とすと食べやすい。
どちらも肉は筋張っており、お世辞にも上手いとは言えないが、貴重なタンパク源であり、生きる糧だ。
そして、再び繰り返しが始まった。
オーラを限界まで消費して、肉を喰らう。
腹が満たされれば、また、オーラを限界まで消費して、肉を喰らう。
食糧は十分にある。
第三位階まで駆け足で解放出来そうだ。
〜それから数カ月後〜
俺は、全身にエネルギーが漲るのを感じていた。
既にオーラは第三位階の終盤に達しようとしていた。
凡人のオーラ使いの限界が第五位階である事考えると、中級以上のレベルになったと言って良いだろう。
また、オーラを解放すると、実年齢はあまり関係無くなる。
オーラで身体を満たすと歳を取らなくなる代わりに、身体が最適な状態に近づこうと変化する。
その証拠に、たった数カ月で俺の身体は12〜13歳に見えるまで成長していた。
身長も160cmに伸びた。
「久しぶりに鑑定をしてみるか」
俺は水面に写る成長した自分を見て鑑定を発動した。
◆クロード・ハンニバル
・種族:人間
・年齢:9
・オーラ:第三位階
・オーラの色:無色
・オーラ量:2480
・魔力:0
・スキル:鑑定
・戦闘力:32
・状態:健康
・称号:転生者、オーラマスター、復讐者
・捨てられた貴族の息子、暗闇の洞窟で凍死したが、転生者の魂が憑依して生き返った。
「戦闘力32か・・・基準が分からんな」
ってか鑑定スキルはオーラのレベルも認識できるのか。
俺の前世の知識が影響しているのだろうか?
「さて、もう直ぐ第四位階に達しようとしているが・・・やはり、決め手に欠けるな」
オーラの位階を上げると言うことは、簡単な事では無い。
自分の限界を超えて次の次元に昇華させる必要があり、その為には膨大なエネルギーとその負荷に耐えられる肉体が必要だ。
もう、ロックリザードやロックスネーク程度の肉から得られるエネルギーでは、次のレベルを解放するには不足している。
「もっと、高濃度のエネルギーが必要だ」
ロックリザードやロックスネークを遥かに超える高濃度なエネルギーをこの不毛な洞窟で発見する事は、非常に難しい。
しかし、俺は1つだけ心当たりがあった。
奴を初めて見たのは10日前の事だ。
近場は狩り尽くしたせいで獲物が減ったので、いつもより洞窟の奥へ行った時に奴を見た。
幸い先に俺が発見したので、戦闘は回避できた。
もし、あのまま出会していたら、喰われていたのは俺だったかも知れない。
俺が戦闘を避けたのは、あれが初めての事だ。
奴の体内からは濃厚な力が感じられた。
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俺は、覚悟を決める。
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