今まで視界にも入らなかった地味なクラスメイトが、実はかなりのイケメンチャラ男だったなんてことある!?(仮)
「ごめんなさい」と「初めまして」?
昼休みになっても、ふみかは来なかった。
「ラインは?」
「既読つかないー」
「私のもついてない」
「電話してみる?」
「でも、病院だったらアレだよね」
マリも由利ちゃんも心配してる。
詩織なんか、午前中何回もライン送ったらしい。2限までは既読ついてたんだけど、それ以降つかなくなったんだって。もちろん、返信もなし。
「あ、そっか。病院かもね」
「かも。先にご飯食べちゃおー」
「ラインだけしとく。学食?」
「のつもりだけど、どうする?」
「学食でいいよ〜」
「はいよー」
大丈夫かな。
詩織がグループラインを送るのを見ながら、私たちは学食へと向かった。
今日のお弁当、ふみかの好きな唐揚げ入れたんだけどな。
***
「よっ!」
「……どちら様?」
「いや、お前のがどちら様だわ」
昼休み、五月のクラスへ行ってみるとすぐに本人が出てきた。相変わらず、ダッセー格好してな。
オレもオレで、今日は撮影で使ったウィッグ姿で普段と違うけど。こいつほどダサい格好してるつもりはない!
「鈴木さん、学食だと思うよ」
「ほーい、行ってみるわ。五月はどうする?」
「俺は行かない。行ってどうすんの?」
「……オレ1人で行かせんのかよ」
「当たり前でしょ。俺はその場にいなかったんだから」
「……」
それを言われると弱い。
まあ、オレの独断で声をかけちゃったからな。五月が関係ないのは確か。
「わーったよ。行きゃいいだろ。行きゃあ!」
「ちゃんと謝らなかったら、次から家あげないよ」
「それは勘弁」
よくわかっていらっしゃる。
五月のマンション行けなくなったら、オレにとっては死活問題になっちまう。
オレは、そのまま五月に背を向けて学食方面へと向かった。
「すみませーん。アズサちゃん居ますか?」
すると、後ろからスポ専である意味有名なセンパイの声が。
チラッと振り向くと、やっぱあいつ。前に、正樹が言ってたヤベーやつが五月に話しかけている。
そいつ、見た目は黒髪で清楚感あって女子受けいいんだよな。スポ専だから、ガタイも良いし。男として羨ましいよ。
ただ、性格がな。
「……鈴木さんですか?クラスには居ませんよ」
「そっかー。学食かな?」
「さあ」
「ありがとう、探してみるよ」
アズサって誰だ?
あのセンパイが探してるってことは次のターゲットなんだろうな。ご愁傷様。
まあ、オレには関係ない。
それより、鈴木さんを探さないと。
学食に居ますよーに。
          
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