022★桜の下着類ゲット

　優奈が嬉々として、買い物袋の中から、自分が選んだ可愛いウサギ柄のパンティーとキャミソールを出して見せる。
　自分に下着を嬉々として見せる優奈に、和輝は脱力しながらも礼を言う。

　本当は注意したいところだけど
　マジで、下着は助かったから……
　それは言わないでこう

　「助かる……流石に………
　　どうしようかと思った」

　そんな優奈と、側でちょっと傍観を決め込む真奈に言う。

　「わりぃーが、その下着類は
　　脱衣所のワンピースの上に
　　置いておいてくれ………

　　俺は、とりあえずあの２頭の
　　ボルゾイの様子を確認して来る

　　ああ、言っとくが、まだあの
　　２頭の性格がわからないから
　　俺が居ない時は、２頭がいる
　　待合室には勝手に入るなよ

　　あとで、たぁ～っぷりと
　　触らせてやるから………
　　あぁ…真奈は消毒薬ｅｔｃ．の
　　用意を頼むな……」

　　「はぁ～い」

　　「ＯＫ」

　それぞれ良い子のお返事をした双子の妹達は、自分のやるべきコトをする為に、優奈は下着を腕に脱衣所に、真奈は治療室へと消毒薬ｅｔｃ．を取りに向かった。
　２人がそれぞれの役割の為に脱衣所と治療室に別れたのを確認して、和輝も２頭が待機する待合室に向かう。

　そんなに距離も無いので、すぐに待合室に着いた和輝はそのまま待合室へと入った。
　和輝が待合室に入室すると………。
　それまで桜の衣類の残骸を抱え込むようにして丸まっていたらしい２頭は、ムクッと起き上がった。
　そして、和輝の姿を見て長いふさふさの尻尾を無意識にファッサファッサと振って見せる。

　疲れて半分うたた寝をしていたらしく、その足元には、桜から脱がせた残骸があった。
　どうやら、２頭はそれぞれをかき集めて、その上に乗っていたらしい。

　〈サラ〉がデニムの上着とＴシャツ
　〈レイ〉がズボンを抱えていたのか
　全然、知らないところだから
　寂しくなっちまったのかな？

　そう思う間に、和輝の姿を視認した２頭は、鼻を鳴らしながらゆっくりと立ち上がり、側によってスリスリと擦り寄る。
　和輝の推察した通り、待合室に置いていかれたコトが寂しかったようである。

　和輝は甘えの入った〈サラ〉と〈レイ〉の頭を交互に撫でてやりながら、改めて全身に触れて、毛玉を確認する。

　あ～あたしかに、ペットシッター
　雇えてなかったって言うだけあるわ

　頭から背中には、毛玉無いけど
　耳元や胸元には結構あるな
　特に、脇の下と腹………

　うわぁ～…内股と後ろ足周辺……
　とんでもなく悲惨な状態だわ
　毛玉が予想以上にあるなぁ………
　引き攣って痛いだろうに………

　あ～あ、こんなにボサボサにして
　きちんと毛を梳いたら
　さぞ綺麗になるだろうなぁ～

　今でさえ綺麗な姿なんだから
　綺麗に毛を梳いてから
　全身を弱酸性のシャンプーで
　洗ったなら………

　それこそ後光が差すぐらい
　美麗なボルゾイになるだろうなぁ～

　「ヨシヨシ
　　もう少し待っててくれな
　　そしたら、綺麗にしてやるからな」

　そう言いながら〈サラ〉と〈レイ〉の頭を軽くポンポンと叩いて立ち上がり、桜の洋服の残骸をかき集め、手に持つ。

　「それじゃ、いい子にしてろよ」

　そう言って、和輝は桜の洋服の残会を持って台所へと向かい、ゴミ箱にソレを放り込んで、風呂場へと向かった。