消えたお皿

お皿が消えたのは私のせいなのね…

　食洗機に入れると
　お皿が綺麗になるどころか
　消えてしまうなんて
　私も知らなかったわ。

ルイはイライラしていた

　お皿のことはいいよ、
　もうバイトもしたくないなら
　来なくてもいいから。
　君さぁ、働かなくていいのに
　なんでバイトなんかしたいの

ルイは怒ると口が止まらないらしい
私は、バイトがしたくないなどと
一言も言っていない！
と怒って帰った。

それにしても、お皿はどこに行ったのかしら。

ルイが一通り終わった後、
店長である父が厨房に戻ってきた

　ルイ、お前怒ってるな
　左の眉毛が上がってる
　彼女と何かあったかい？

特にないけど、お皿のことは伝えた

　割ったと思う？
　破片も、ゴミ箱にもそんなもの
　ないだろう？
　お皿を数えたかい？

それぞれ、30枚ずつ揃えていたので
数えたらわかるのだ。
小さいこの店には多いくらいの皿の数だった

　エルメスのカップは
　29だよ。

昔ルイが落として、ひとつ足りないのだ。

1,2,3,…あれ、30枚ずつある。

お皿もスプーンもナイフも、数はあった
あの子は食器を片付けていたのか
寝ぼけて入れっぱなしだと思ってたのか

でも寝てたのは許せない。仕事中なのに。

お前も昔あそこで寝てただろ、
初日なんだ、王女様だから
大目に見てあげなさい。

僕は閉店後に寝てたよ！と
反発して父に笑われた。

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