パーティーを追放された俺は、隠しスキル《縁下》で世界最強のギルドを作る
第4話 新たな力
「……っ。ぅぁ……」
うっ、眩しっ。どこだ、ここ……。
……ああ、そうか。クゥと契約して、それで俺……無事、戻ってこれたみたいだな。よく見ると、執務室の天井だ。
体の調子を確認しつつ、ゆっくり立ち上がる。
どこも悪くない。むしろ絶好調だ。
「動かないで!」
「……え?」
声のした方を見る。すると、レアナやアンデッド軍が、俺に向けて剣を構えていた。いやそれだけじゃない。周囲をアンデッド軍が俺を囲んでいる。
「ま、待てよ。何なんだいったい」
「……あんた、ジオウよね? 乗っ取られたりとかしてないわよね?」
「え?」
……あ、そういうことか。俺が悪魔に乗っ取られたかもしれないから、こうして囲んでるわけね。
「安心しろ。乗っ取られてないさ。悪魔に乗っ取られた人間は体を侵食され、体が悪魔仕様に改造される。もし俺がギガントデーモンに侵食されてたら、今頃巨大化してこの世界を食ってるところだ」
「ほ……よかった」
リエンがアンデッド軍を消すと、レアナと一緒に近づいて来た。
「ジオウさん。右腕を見せてください。確認します」
「ああ」
リエンに言われた通りに右腕を見せる。
そこには漆黒の右腕があった。俺の体に順応したのか、大きさは前の俺の腕と変わらない。動かしても、抓って痛覚を確認しても、間違いなく俺にくっ付いている。
「違和感はありますか?」
「いや、何も。元から付いていたみたいに、しっくり来てる」
それに、何だか妙な力を感じる。これって……まさか、クゥの力、か?
その力を確認するために意識を集中する。と……。
「おわっ!?」
な、何だ!? 黒い煙が腕から噴き出して……!
その黒い煙が渦を巻き、小さく、小さくなって──次の瞬間、ガチロリサイズのクゥが現れた。
「出れた、ですー」
ダブルピース着地。俺達、唖然してる件。
「……く、クゥ? おま、何で……!?」
「クゥ、お兄ちゃんの魔力ちょびっと使って、体作った、です。でもクゥの力全部、お兄ちゃんの中、です。今のクゥ、ただのロリ、です」
とてとてと歩き、俺の右腕にぎゅっと抱き着くクゥ。身長は一〇〇センチくらいか。確かに、知らない奴が見たらただのロリにしか見えんな。
「……な、な、な……何ですかっ、その子……!?」
「ろろろろろろろろロ、リ……!?」
巻舌止めろレアナ。
あー、これ、どう説明するよ……?
とりあえずざっくり、こいつのこと、中で起きたことについて話した。その間クゥは、ずって俺の右腕にしがみついてあっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと忙しなく部屋の中を見渡している。
「なるほどねぇ……にわかには信じられないけど、さっきの煙といい、腕から出て来たことといい、嘘じゃなさそうね」
「まさか、ギガントデーモンの中にこんな可愛いロリっ子がいたなんて……! このリエン、一生の不覚。うへっ、うへへへへっ」
おいリエン、ヨダレを飛ばすな汚いだろ! あとお前のその邪な感情で腕に触れたら、間違いなく乗っ取られてるからな!?
クゥは不思議そうに二人を見上げ、俺の腕をくいくいと引っ張る。
「誰、です?」
「ああ、そうか。紹介がまだだったな。こっちの金髪の方がレアナ。あっちのド変態の方がリエンだ」
「私の紹介の仕方雑過ぎません!?」
間違ってないだろ?
クゥは認識したのか、二人の前に立ってぺこりとお辞儀する。
「クゥレニア、です。レアナねぇね、ド変た……リエンねぇね、よろしく、です」
「キュンッ……どどどどうしようジオウっ。今、私の中の母性がキュンキュンしてるわ……!」
「待ってください! 今この子ド変態って言いかけましたよ!? やり直しをっ、やり直しを要求しますっ!」
クゥを囲んでキャイキャイと盛り上がるレアナとリエン。女三人よれば姦しいと言うが、こいつらも普通の女の子と変わらないな……。
三人が仲良くなってる間に、俺は俺で力の確認をしておこう。
意識を俺の中の、更に右腕に集中する。容量は分かってる。俺が《縁下》の力を確認するときと同じやり方だ。
どれどれ。
◇◇◇◇◇
スキル名:《暴食》
スキルランク:ユニーク
発動:オンオフ可能
効果:右腕で触れた物質、魔法を無限に喰らい、任意で吐き出すことが可能。
スキル名:《解析》
スキルランク:ユニーク
発動:オンオフ可能
効果:《暴食》で吸収した物質、魔法の性質を解析することが可能。
うっ、眩しっ。どこだ、ここ……。
……ああ、そうか。クゥと契約して、それで俺……無事、戻ってこれたみたいだな。よく見ると、執務室の天井だ。
体の調子を確認しつつ、ゆっくり立ち上がる。
どこも悪くない。むしろ絶好調だ。
「動かないで!」
「……え?」
声のした方を見る。すると、レアナやアンデッド軍が、俺に向けて剣を構えていた。いやそれだけじゃない。周囲をアンデッド軍が俺を囲んでいる。
「ま、待てよ。何なんだいったい」
「……あんた、ジオウよね? 乗っ取られたりとかしてないわよね?」
「え?」
……あ、そういうことか。俺が悪魔に乗っ取られたかもしれないから、こうして囲んでるわけね。
「安心しろ。乗っ取られてないさ。悪魔に乗っ取られた人間は体を侵食され、体が悪魔仕様に改造される。もし俺がギガントデーモンに侵食されてたら、今頃巨大化してこの世界を食ってるところだ」
「ほ……よかった」
リエンがアンデッド軍を消すと、レアナと一緒に近づいて来た。
「ジオウさん。右腕を見せてください。確認します」
「ああ」
リエンに言われた通りに右腕を見せる。
そこには漆黒の右腕があった。俺の体に順応したのか、大きさは前の俺の腕と変わらない。動かしても、抓って痛覚を確認しても、間違いなく俺にくっ付いている。
「違和感はありますか?」
「いや、何も。元から付いていたみたいに、しっくり来てる」
それに、何だか妙な力を感じる。これって……まさか、クゥの力、か?
その力を確認するために意識を集中する。と……。
「おわっ!?」
な、何だ!? 黒い煙が腕から噴き出して……!
その黒い煙が渦を巻き、小さく、小さくなって──次の瞬間、ガチロリサイズのクゥが現れた。
「出れた、ですー」
ダブルピース着地。俺達、唖然してる件。
「……く、クゥ? おま、何で……!?」
「クゥ、お兄ちゃんの魔力ちょびっと使って、体作った、です。でもクゥの力全部、お兄ちゃんの中、です。今のクゥ、ただのロリ、です」
とてとてと歩き、俺の右腕にぎゅっと抱き着くクゥ。身長は一〇〇センチくらいか。確かに、知らない奴が見たらただのロリにしか見えんな。
「……な、な、な……何ですかっ、その子……!?」
「ろろろろろろろろロ、リ……!?」
巻舌止めろレアナ。
あー、これ、どう説明するよ……?
とりあえずざっくり、こいつのこと、中で起きたことについて話した。その間クゥは、ずって俺の右腕にしがみついてあっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと忙しなく部屋の中を見渡している。
「なるほどねぇ……にわかには信じられないけど、さっきの煙といい、腕から出て来たことといい、嘘じゃなさそうね」
「まさか、ギガントデーモンの中にこんな可愛いロリっ子がいたなんて……! このリエン、一生の不覚。うへっ、うへへへへっ」
おいリエン、ヨダレを飛ばすな汚いだろ! あとお前のその邪な感情で腕に触れたら、間違いなく乗っ取られてるからな!?
クゥは不思議そうに二人を見上げ、俺の腕をくいくいと引っ張る。
「誰、です?」
「ああ、そうか。紹介がまだだったな。こっちの金髪の方がレアナ。あっちのド変態の方がリエンだ」
「私の紹介の仕方雑過ぎません!?」
間違ってないだろ?
クゥは認識したのか、二人の前に立ってぺこりとお辞儀する。
「クゥレニア、です。レアナねぇね、ド変た……リエンねぇね、よろしく、です」
「キュンッ……どどどどうしようジオウっ。今、私の中の母性がキュンキュンしてるわ……!」
「待ってください! 今この子ド変態って言いかけましたよ!? やり直しをっ、やり直しを要求しますっ!」
クゥを囲んでキャイキャイと盛り上がるレアナとリエン。女三人よれば姦しいと言うが、こいつらも普通の女の子と変わらないな……。
三人が仲良くなってる間に、俺は俺で力の確認をしておこう。
意識を俺の中の、更に右腕に集中する。容量は分かってる。俺が《縁下》の力を確認するときと同じやり方だ。
どれどれ。
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効果:右腕で触れた物質、魔法を無限に喰らい、任意で吐き出すことが可能。
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