パーティーを追放された俺は、隠しスキル《縁下》で世界最強のギルドを作る
第31話 戦争①
──レアナside──
「あーもうっ、しつこい!」
襲いかかって来るダークエルフ(テサーニャ族)の魔法を拳で消し、脇腹に蹴りを叩き込む。
ジオウがエンパイオの方に向かって、直ぐにレグド族とテサーニャ族が攻めてきた。まるで、ジオウがいない隙を狙ったような奇襲……絶対あいつらの差し金ね……!
と言うか、何でこいつらにトラップが通じないのよ!
「っ、そんな……!」
「シュユ、何か分かったの!?」
「お、恐らくだが、セツナ姉様が魔法陣を改定したのだ! 《神包み》に刻まれていた魔法が変わっているらしい!」
何ですって!? 《神包み》って、族長秘伝の魔法でしょ!? それを書き換えるって……セツナって実はとんでもない奴!?
シュユが弓矢を放って、近くのレグド族を穿つ。
「シュユ! ここは私に任せて、あんた族長二人の方に向かいなさい! まだ時空間魔法のある家屋は襲われてないけど、あそこが取られたら向こうが危ない!」
「し、しかし……!」
「大丈夫だから、行って!」
「……すまん、頼んだぞ!」
シュユが近くの時空間魔法の穴に向かう。それをハイエルフ(レグド族)が背後から襲う。
この……!
「レーヴァテイン!」
腰から下げていたレーヴァテインを抜き放つ。
その瞬間、まるで火口付近のような熱量の赤い炎が放たれ、ハイエルフを飲み込んだ。
ほんの数秒で全身が炭に変わる。とんでもない威力の炎ね。
……いや、違う。多分ジオウのスキルも大きく関わってるはず。リエンが使役するアンデッドが強くなってるように、レーヴァテインも強くなってるんだ。
「炎……!?」
「あの人間が出しているぞ!」
「あの人間から仕留めるんだ! 殺せ!」
「我らは水属性を得意とする! あんな炎消してしまえ!」
「あら、なら勝負してみる? レーヴァテイン、アイツらを飲み込みなさい!」
私の命令に従ったのか、レーヴァテインの炎はまるで大蛇のような形に変わり、意志を持ってハイエルフとダークエルフに襲いかかる。
「う、うわあああああ!?」
「あづっ!? あづあああああ!」
「あぶぁぁぁああぁああ!?」
一気に三人、消し炭に変わる。それを見て他のハイエルフとダークエルフはたじろいだ。
「ふっ……!」
数メートルの距離を一瞬で縮め、怯んでいたダークエルフの首を跳ねる。
胴体と頭が一瞬で燃え上がり、今度は消し炭ではなく、骨すら残さず灰になった。
炎だけでも凄いけど……剣で直接斬りつけたら、こうなるのね。本当、凄まじいわ。
「後衛部隊、水魔法放てぇ!」
「「「「「《ウォーターフォール》!」」」」」
っ! 巨大な水の壁……!? このままじゃサシェス族の里が飲み込まれる!
炎で蒸発させなきゃ……!
「レアナちゃん、落ち着いて下さい」
「ぇ……セラ……じゃない、リエンね?」
いつの間にか、リエンの使役しているアンデッドエルフのセラが、私の背後に立っていた。
「あれだけの量の水を蒸発させたら、水蒸気爆発でここらが消し飛びます。炎はダメです」
「そんな……じゃあどうすれば……!」
「セラちゃんに任せて下さい」
セラは私の前に立つと、手の平を水の壁に向けた。
とんでもない量の魔力が、セラを中心に溢れ出す。こんな量、私の倍はあるじゃない……!
「《永久なる氷河》」
魔法が発動する。
セラの手の平に魔力が集中し、形成されたのは槍のような形の氷。それが、私の目にも止まらない速さで飛んでいく。
氷の槍が《ウォーターフォール》を穿つ。
その瞬間、巨大な水の壁が、瞬きする暇もなく全てが凍りついた。
「ワォ……すっごいわね……」
「セラちゃんは氷の魔法が一番得意なんです。次ああいう魔法が来たら、セラちゃんに任せてください。レアナちゃんは敵対勢力の対応をお願いします」
「了解よ!」
本当、リエンとそのアンデッド軍が仲間で良かったわ。敵に回してたら絶対厄介な相手だと思うし。
でもこれなら──
「《爆裂》」
ゴォッ──!
「ぇ……?」
目の前に迫る、突然の高火力の魔法。ダメっ、避けきれない……!
「レアナちゃん!」
っ、セラ……!?
間一髪、セラが魔法と私の間に入って、氷の防御魔法を張ってくれた。
「あ、ありがとう、リエン。助かったわ」
「いえ。大丈夫ですか?」
「リエンのお陰でね」
それにしても……今の魔法って、見た事あるような……?
「っ! ……すみません、レアナちゃん。こっちの方にもお客さんが来たみたいです」
こっち、と言うのは、リエン自身がいる方かしら。
「大丈夫?」
「はい。ですが……あの方達は……!」
あの方達……?
「こっちにこの二人がいるということは……レアナちゃん、気を付けて下さい! 多分そっちにも、二人行ってます!」
二人?
「《爆裂》」
「っ!」
またこの魔法……! エルフは火属性を得意としない。という事は……!
《爆裂》をレーヴァテインの炎で相殺する。だけど、この炎でも相殺するのが精一杯なんて……!
「誰よ一体!」
「ジオウ……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「ジオウさんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
敵は二人。だけど……どこか生気を感じない。
男の方はヨダレを垂らし、憎しみと怒りに満ちた顔で呪詛を呟く。
女の方は死んだように無表情で、謝罪の言葉を繰り返していた。
……いや、待って……こいつら見た事あるような……? ……ジオウって言ってるってことは、まさか……!
「【白虎】……!?」
「あーもうっ、しつこい!」
襲いかかって来るダークエルフ(テサーニャ族)の魔法を拳で消し、脇腹に蹴りを叩き込む。
ジオウがエンパイオの方に向かって、直ぐにレグド族とテサーニャ族が攻めてきた。まるで、ジオウがいない隙を狙ったような奇襲……絶対あいつらの差し金ね……!
と言うか、何でこいつらにトラップが通じないのよ!
「っ、そんな……!」
「シュユ、何か分かったの!?」
「お、恐らくだが、セツナ姉様が魔法陣を改定したのだ! 《神包み》に刻まれていた魔法が変わっているらしい!」
何ですって!? 《神包み》って、族長秘伝の魔法でしょ!? それを書き換えるって……セツナって実はとんでもない奴!?
シュユが弓矢を放って、近くのレグド族を穿つ。
「シュユ! ここは私に任せて、あんた族長二人の方に向かいなさい! まだ時空間魔法のある家屋は襲われてないけど、あそこが取られたら向こうが危ない!」
「し、しかし……!」
「大丈夫だから、行って!」
「……すまん、頼んだぞ!」
シュユが近くの時空間魔法の穴に向かう。それをハイエルフ(レグド族)が背後から襲う。
この……!
「レーヴァテイン!」
腰から下げていたレーヴァテインを抜き放つ。
その瞬間、まるで火口付近のような熱量の赤い炎が放たれ、ハイエルフを飲み込んだ。
ほんの数秒で全身が炭に変わる。とんでもない威力の炎ね。
……いや、違う。多分ジオウのスキルも大きく関わってるはず。リエンが使役するアンデッドが強くなってるように、レーヴァテインも強くなってるんだ。
「炎……!?」
「あの人間が出しているぞ!」
「あの人間から仕留めるんだ! 殺せ!」
「我らは水属性を得意とする! あんな炎消してしまえ!」
「あら、なら勝負してみる? レーヴァテイン、アイツらを飲み込みなさい!」
私の命令に従ったのか、レーヴァテインの炎はまるで大蛇のような形に変わり、意志を持ってハイエルフとダークエルフに襲いかかる。
「う、うわあああああ!?」
「あづっ!? あづあああああ!」
「あぶぁぁぁああぁああ!?」
一気に三人、消し炭に変わる。それを見て他のハイエルフとダークエルフはたじろいだ。
「ふっ……!」
数メートルの距離を一瞬で縮め、怯んでいたダークエルフの首を跳ねる。
胴体と頭が一瞬で燃え上がり、今度は消し炭ではなく、骨すら残さず灰になった。
炎だけでも凄いけど……剣で直接斬りつけたら、こうなるのね。本当、凄まじいわ。
「後衛部隊、水魔法放てぇ!」
「「「「「《ウォーターフォール》!」」」」」
っ! 巨大な水の壁……!? このままじゃサシェス族の里が飲み込まれる!
炎で蒸発させなきゃ……!
「レアナちゃん、落ち着いて下さい」
「ぇ……セラ……じゃない、リエンね?」
いつの間にか、リエンの使役しているアンデッドエルフのセラが、私の背後に立っていた。
「あれだけの量の水を蒸発させたら、水蒸気爆発でここらが消し飛びます。炎はダメです」
「そんな……じゃあどうすれば……!」
「セラちゃんに任せて下さい」
セラは私の前に立つと、手の平を水の壁に向けた。
とんでもない量の魔力が、セラを中心に溢れ出す。こんな量、私の倍はあるじゃない……!
「《永久なる氷河》」
魔法が発動する。
セラの手の平に魔力が集中し、形成されたのは槍のような形の氷。それが、私の目にも止まらない速さで飛んでいく。
氷の槍が《ウォーターフォール》を穿つ。
その瞬間、巨大な水の壁が、瞬きする暇もなく全てが凍りついた。
「ワォ……すっごいわね……」
「セラちゃんは氷の魔法が一番得意なんです。次ああいう魔法が来たら、セラちゃんに任せてください。レアナちゃんは敵対勢力の対応をお願いします」
「了解よ!」
本当、リエンとそのアンデッド軍が仲間で良かったわ。敵に回してたら絶対厄介な相手だと思うし。
でもこれなら──
「《爆裂》」
ゴォッ──!
「ぇ……?」
目の前に迫る、突然の高火力の魔法。ダメっ、避けきれない……!
「レアナちゃん!」
っ、セラ……!?
間一髪、セラが魔法と私の間に入って、氷の防御魔法を張ってくれた。
「あ、ありがとう、リエン。助かったわ」
「いえ。大丈夫ですか?」
「リエンのお陰でね」
それにしても……今の魔法って、見た事あるような……?
「っ! ……すみません、レアナちゃん。こっちの方にもお客さんが来たみたいです」
こっち、と言うのは、リエン自身がいる方かしら。
「大丈夫?」
「はい。ですが……あの方達は……!」
あの方達……?
「こっちにこの二人がいるということは……レアナちゃん、気を付けて下さい! 多分そっちにも、二人行ってます!」
二人?
「《爆裂》」
「っ!」
またこの魔法……! エルフは火属性を得意としない。という事は……!
《爆裂》をレーヴァテインの炎で相殺する。だけど、この炎でも相殺するのが精一杯なんて……!
「誰よ一体!」
「ジオウ……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す……殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「ジオウさんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
敵は二人。だけど……どこか生気を感じない。
男の方はヨダレを垂らし、憎しみと怒りに満ちた顔で呪詛を呟く。
女の方は死んだように無表情で、謝罪の言葉を繰り返していた。
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