パーティーを追放された俺は、隠しスキル《縁下》で世界最強のギルドを作る
第24話 人面百足のコア
アンデッドマジシャンに強化魔法をかけ直してもらうと、俺とレアナは同時に人面百足へ向かっていった。
「あのお面をひっぺがすって、かなり大変よ。また鞭のように暴れられたら、剥がすどころか逃げ回るだけで精一杯だけど」
「大丈夫だ、考えがある」
まだ暴れ回る人面百足。多分、まだ時間に余裕はある。
「あいつが重力魔法を使うとき、中心から全く動かなかった。そして範囲は、あいつのいる中心を除いた部屋全体だろう。剥がすにはその隙を狙うしかない」
「……あんた、よく見てるのね」
「化け物と戦うなんて、日常茶飯事だからな。僅かなヒントから攻略法を導くのには慣れてるんだ」
あいつらが取りこぼした化け物を始末するのは、俺の役目だった。そのせいでいつもボロボロだったけど。
「レアナ、俺をあのお面の場所まで飛ばせるか?」
「出来なくはないけど……リエンに頼めなかったの?」
「見てみろ」
指を差すと、リエンが必死にエタやアンデッド軍を操って、時空間魔法を駆使して翻弄している。あれが無ければ、そもそも俺達はこうして喋ってる暇はない。それ程、リエンのアンデッド操作は完璧だった。
「……流石に無理そうね。分かったわ」
「頼りにしてるぞ、お前のパワー」
「それは私が馬鹿力だと言いたいの?」
ギクッ。
「……まあ、力とか諸々俺よりレアナの方が上だし?」
「それは私が男よりパワーのあるメスゴリラとでも言いたいわけ!?」
「そこまで言ってねーよ!? というか、俺と契約してること忘れんな! 適材適所! 行くぞ!」
「あっ! ……もう!」
とにかく今は言い争ってる時間はない。リエンの集中力だって、ずっとは続かない。現に今だって、何体か攻撃に巻き込まれている。
勝負を付けるなら今……!
胴体の鞭攻撃と細腕から繰り出される無造作のパンチを躱し、重力魔法の範囲外──人面百足の真下に潜り込んだ。
レアナが俺の前に滑り込むと、手を組んで深く構える。
「思い切り飛ばすわよ! どうなっても知らないからね!」
「ああ! 頼んだ!」
スピードに乗ったままレアナの構える手に足を乗せ、
「どおおおおおりゃぁぁぁああ!!!!!」
フルスイング──!
そこにタイミングを合わせて自己加速!
亜音速に迫るスピードで仮面まで飛び。
このまま仮面を掴んで……!
スカッ。
「いっ!?」
空ぶった!?
「ジオウ!」
「ジオウさん!」
っ、まだまだぁ!
空中に空気のクッションを作り、それを足場にさらなる加速を生み出した。
そして……掴んだ!
「せえええええええいッッッ!!!」
バリバリバリィッ!
剥がしたァ!
『ァァァァァァァァアアアアアアア!!! 私の仮面! 旦那様から頂いた私だけのぉぉおおおぉぉおぉおおぉぉぉおおおお!!! 返して返して返して返してええええええええあああああああああ!!!!!』
「誰が返すか!」
地面に素早く着地するとリエンの方に向かって投げ飛ばす。
「リエン、飛ばせ!」
「は、はい!」
エタの時空間魔法が発動し、仮面がグレゴリオ市の俺のホテルの部屋へ瞬間移動した。
これで顔を隠すものは無い。さあ、その仮面の下を見せてもらおう……か……。
「……何だよ、あれ……」
「……嘘、でしょ……だって、コアって球体のはずじゃ……」
レアナもショックを受けたような顔している。どうやら、見間違えじゃないみたいだ……けど……。
仮面の下にあったのは、赤く光る球体ではなかった。
俺達の目が狂っていなければ、そこにあったのは──生身の女性の体だ。
心臓部から一本、背中から二本、首から三本の管が肌を突き破り、下半身と両手首と一緒に百足の額と繋がっている。
『仮面……仮面あああああああ!!!!!』
女性が憤怒の表情で慟哭する。
生身の人間を元に、ゴーレムを作り出しやがったのか……そんなもの聞いたことないぞ……!
「レアナ、リエン! 人間を元にするゴーレムなんて作れるのか!?」
「聞いたことないわ!」
「私もです!」
俺達の誰も知らない……てことは、これはグレゴリオ・アルケミストだけが作れるゴーレムってことか!
しかもこのゴーレムの言葉から、グレゴリオ・アルケミストの事を心底好いて……いや、愛していたんだろう。
そんな人を材料にするなんて……生粋のマッドサイエンティストめ!
「あのお面をひっぺがすって、かなり大変よ。また鞭のように暴れられたら、剥がすどころか逃げ回るだけで精一杯だけど」
「大丈夫だ、考えがある」
まだ暴れ回る人面百足。多分、まだ時間に余裕はある。
「あいつが重力魔法を使うとき、中心から全く動かなかった。そして範囲は、あいつのいる中心を除いた部屋全体だろう。剥がすにはその隙を狙うしかない」
「……あんた、よく見てるのね」
「化け物と戦うなんて、日常茶飯事だからな。僅かなヒントから攻略法を導くのには慣れてるんだ」
あいつらが取りこぼした化け物を始末するのは、俺の役目だった。そのせいでいつもボロボロだったけど。
「レアナ、俺をあのお面の場所まで飛ばせるか?」
「出来なくはないけど……リエンに頼めなかったの?」
「見てみろ」
指を差すと、リエンが必死にエタやアンデッド軍を操って、時空間魔法を駆使して翻弄している。あれが無ければ、そもそも俺達はこうして喋ってる暇はない。それ程、リエンのアンデッド操作は完璧だった。
「……流石に無理そうね。分かったわ」
「頼りにしてるぞ、お前のパワー」
「それは私が馬鹿力だと言いたいの?」
ギクッ。
「……まあ、力とか諸々俺よりレアナの方が上だし?」
「それは私が男よりパワーのあるメスゴリラとでも言いたいわけ!?」
「そこまで言ってねーよ!? というか、俺と契約してること忘れんな! 適材適所! 行くぞ!」
「あっ! ……もう!」
とにかく今は言い争ってる時間はない。リエンの集中力だって、ずっとは続かない。現に今だって、何体か攻撃に巻き込まれている。
勝負を付けるなら今……!
胴体の鞭攻撃と細腕から繰り出される無造作のパンチを躱し、重力魔法の範囲外──人面百足の真下に潜り込んだ。
レアナが俺の前に滑り込むと、手を組んで深く構える。
「思い切り飛ばすわよ! どうなっても知らないからね!」
「ああ! 頼んだ!」
スピードに乗ったままレアナの構える手に足を乗せ、
「どおおおおおりゃぁぁぁああ!!!!!」
フルスイング──!
そこにタイミングを合わせて自己加速!
亜音速に迫るスピードで仮面まで飛び。
このまま仮面を掴んで……!
スカッ。
「いっ!?」
空ぶった!?
「ジオウ!」
「ジオウさん!」
っ、まだまだぁ!
空中に空気のクッションを作り、それを足場にさらなる加速を生み出した。
そして……掴んだ!
「せえええええええいッッッ!!!」
バリバリバリィッ!
剥がしたァ!
『ァァァァァァァァアアアアアアア!!! 私の仮面! 旦那様から頂いた私だけのぉぉおおおぉぉおぉおおぉぉぉおおおお!!! 返して返して返して返してええええええええあああああああああ!!!!!』
「誰が返すか!」
地面に素早く着地するとリエンの方に向かって投げ飛ばす。
「リエン、飛ばせ!」
「は、はい!」
エタの時空間魔法が発動し、仮面がグレゴリオ市の俺のホテルの部屋へ瞬間移動した。
これで顔を隠すものは無い。さあ、その仮面の下を見せてもらおう……か……。
「……何だよ、あれ……」
「……嘘、でしょ……だって、コアって球体のはずじゃ……」
レアナもショックを受けたような顔している。どうやら、見間違えじゃないみたいだ……けど……。
仮面の下にあったのは、赤く光る球体ではなかった。
俺達の目が狂っていなければ、そこにあったのは──生身の女性の体だ。
心臓部から一本、背中から二本、首から三本の管が肌を突き破り、下半身と両手首と一緒に百足の額と繋がっている。
『仮面……仮面あああああああ!!!!!』
女性が憤怒の表情で慟哭する。
生身の人間を元に、ゴーレムを作り出しやがったのか……そんなもの聞いたことないぞ……!
「レアナ、リエン! 人間を元にするゴーレムなんて作れるのか!?」
「聞いたことないわ!」
「私もです!」
俺達の誰も知らない……てことは、これはグレゴリオ・アルケミストだけが作れるゴーレムってことか!
しかもこのゴーレムの言葉から、グレゴリオ・アルケミストの事を心底好いて……いや、愛していたんだろう。
そんな人を材料にするなんて……生粋のマッドサイエンティストめ!
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