【ジョブチェンジ】のやり方を、《無職》の俺だけが知っている
不詳ながら
俺の歓迎パーティーが終わり、客室に通されたが……こ、こんな高級そうなものに囲まれた部屋にいるのって、緊張するな……。
キョロキョロと見渡し、どこに何があるのか見ていると、不意に扉がノックされた。
「は、はいっ」
「ゼノアー、いるー?」
あ、なんだクレアか。
「おう、いるぞ」
「おじゃましまーす。知り合いの《魔術師》連れて来たわよー。明日ハンターギルドに行く前にこう言った用事は終わらせようかと思って」
え、もう!? こ、心の準備が……!
「……って……レインさん?」
クレアの横にいたのは、俺のお目付け役に任命されたレインさんだった。他には誰もいない。ということは……。
「レインさんが、《魔術師》?」
「はい、ゼノア様。ゼノア様が《魔術師》について聞きたいことがあるとお聞きしましたので、私でよければお手伝いします」
そ、そうだな……。
「えっとまず……レインさんのステータスを見せて欲しいです」
「はい。どうぞ」
レインさんがステータス画面を開き、俺に見せてくれた。念の為、俺のステータス画面も開く。
ステータス
名前:ゼノア・レセンブル
レベル:15
職業:《魔術師》
職業レベル:3
物理攻撃力:650
物理防御力:540
魔法攻撃力:1190(+500)
魔法防御力:1020(+500)
スピード:430
魔力:1900(+500)/1900
スキル:<魔法攻撃力向上>
ステータス
名前:レイン・オーラン
レベル:75
職業:《魔術師》
職業レベル:30(MAX)
物理攻撃力:2540
物理防御力:2400
魔法攻撃力:6060
魔法防御力:5800
スピード:1500
魔力:8000/8000
スキル:<魔法攻撃力上昇>
お、おお! すげぇレベル高ぇ! 俺と同じスキルも持ってる!
「へぇ……お嬢様の言う通り、職業レベルが低いのにスキルを持ってますね」
「でしょ? で、このスキルってどんな効果があるの?」
「文字通り、魔法攻撃力のステータスを上昇させます。倍率計算で、スキルのあり、なしでは五倍の違いがあります」
「「ごば……!?」」
てことは……。
「クレア、俺の魔法攻撃力はいくつになるんた?」
「八四五〇よ! これ、スキルのもってない奴相手には無双出来るくらいのステータス値よ!? ほら、レインの魔法攻撃力も魔法防御力も、それより低いじゃない!」
た、確かに……。
「問題は……何故、このスキルをゼノア様が持っているか、です。スキルは職業レベルがマックスになった時に与えられるもの。ですがゼノア様は職業レベルも低い。何故でしょうか?」
どきーーーーんっ!
「さ、さあ。生まれつきだから、分からない……かな……?」
「その割にはレベルも、職業レベルも低いようですが」
どききーーーーんっ!
「お、俺の住んでた村、平和だったから……」
「レベルはともかく、職業レベルは魔法を使えば上がります。……今まで、魔法を使ってこなかったんですか?」
どきききーーーーんっ!
くそぅ、レインさんの指摘が的確過ぎる……!
こうなったら……!
「……俺にも、人には言えないことの一つや二つはある。……アルフレッド家のメイドさんは、それを詮索するように教育されてるの?」
「っ……そう、ですね。出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ございません」
秘技! 虎の威を借る狐!
え? 卑怯? 違います、正当な権利を使ったまでです。だからクレア、そんなゴミを見るような目で俺を見るな。
「……はぁ。まあいいわ。それでレイン、ゼノアに魔法について教えて欲しいのよ。この子、《ファイアーボール》と《ウォーターボール》と《ライト》しか出来ないのよ」
「正確には、《ファイアーボール》と《ライト》を混ぜた《ライト・ファイアーボール》も出来るぞ」
スキルがあるとは言え、これだけでハンターになるのは心もとない。今は出来るだけ多くの魔法を覚えたいんだ。
なのだが……レインさん、何で固まってるの?
「……混ぜ合わせた……? 魔法同士を、ですか?」
「え? う、うん……」
「……信じられません……混合魔法は、《魔術師》のジョブの中でも限られた才能を持った人にしか出来ない魔法なのですが……」
えっ、そうなの? 《魔術師》チュートリアルで、やり方は普通に教えてもらったんだけど……これも言わない方がいいか。
「お、俺は何となく、出来そうな気がしたからやってたんだけど……」
「……これが才能の違いというやつですか。私は今、ゼノア様との格の違いに意気消沈しています」
とてもそうは見えぬのですが?
「……分かりました。出来るだけ多くの魔法をお教えします。私が昔使っていた教本も差し上げますので、是非ご参考にしてください」
「あ、ありがとうレインさん!」
よしっ、これでまた強くなれる!
「……ゼノア」
「ん? 何だよクレア、そんな悲痛な顔をして」
「……レインは、アルフレッド家の中でも一、二位を争うほどの超スパルタ教育者なの。私も最初は、レインに剣術を習っていたわ。今でも剣の腕では、レインに勝てないの。それが本職の《魔術師》ということは……」
…………え?
「……つまり?」
「……明日、生きて会えればいいわね。……おやすみ」
く、クレア? 冗談だよな、冗談だよな!?
クレアが客室から出ていく。と、レインさんがどこから取り出したのか、細長い鞭を取り出した。
「ゼノア様は、最近まで魔法を使っていなかったと言っていましたね。ということは、魔法のいろはも知らないご様子……不肖ながらこのレイン、付け焼き刃ではありますが、魔法の何たるかをお教え致します。本日は眠れないと思っていてくださいませ」
ひえっ……! レインさんの背後に鬼が見える……!
「や……優しくしてね……」
「そんな可愛い顔で可愛くお願いしても無駄です。さあ……お勉強の時間です」
ぎゃああああああああああああ!?!?!?
キョロキョロと見渡し、どこに何があるのか見ていると、不意に扉がノックされた。
「は、はいっ」
「ゼノアー、いるー?」
あ、なんだクレアか。
「おう、いるぞ」
「おじゃましまーす。知り合いの《魔術師》連れて来たわよー。明日ハンターギルドに行く前にこう言った用事は終わらせようかと思って」
え、もう!? こ、心の準備が……!
「……って……レインさん?」
クレアの横にいたのは、俺のお目付け役に任命されたレインさんだった。他には誰もいない。ということは……。
「レインさんが、《魔術師》?」
「はい、ゼノア様。ゼノア様が《魔術師》について聞きたいことがあるとお聞きしましたので、私でよければお手伝いします」
そ、そうだな……。
「えっとまず……レインさんのステータスを見せて欲しいです」
「はい。どうぞ」
レインさんがステータス画面を開き、俺に見せてくれた。念の為、俺のステータス画面も開く。
ステータス
名前:ゼノア・レセンブル
レベル:15
職業:《魔術師》
職業レベル:3
物理攻撃力:650
物理防御力:540
魔法攻撃力:1190(+500)
魔法防御力:1020(+500)
スピード:430
魔力:1900(+500)/1900
スキル:<魔法攻撃力向上>
ステータス
名前:レイン・オーラン
レベル:75
職業:《魔術師》
職業レベル:30(MAX)
物理攻撃力:2540
物理防御力:2400
魔法攻撃力:6060
魔法防御力:5800
スピード:1500
魔力:8000/8000
スキル:<魔法攻撃力上昇>
お、おお! すげぇレベル高ぇ! 俺と同じスキルも持ってる!
「へぇ……お嬢様の言う通り、職業レベルが低いのにスキルを持ってますね」
「でしょ? で、このスキルってどんな効果があるの?」
「文字通り、魔法攻撃力のステータスを上昇させます。倍率計算で、スキルのあり、なしでは五倍の違いがあります」
「「ごば……!?」」
てことは……。
「クレア、俺の魔法攻撃力はいくつになるんた?」
「八四五〇よ! これ、スキルのもってない奴相手には無双出来るくらいのステータス値よ!? ほら、レインの魔法攻撃力も魔法防御力も、それより低いじゃない!」
た、確かに……。
「問題は……何故、このスキルをゼノア様が持っているか、です。スキルは職業レベルがマックスになった時に与えられるもの。ですがゼノア様は職業レベルも低い。何故でしょうか?」
どきーーーーんっ!
「さ、さあ。生まれつきだから、分からない……かな……?」
「その割にはレベルも、職業レベルも低いようですが」
どききーーーーんっ!
「お、俺の住んでた村、平和だったから……」
「レベルはともかく、職業レベルは魔法を使えば上がります。……今まで、魔法を使ってこなかったんですか?」
どきききーーーーんっ!
くそぅ、レインさんの指摘が的確過ぎる……!
こうなったら……!
「……俺にも、人には言えないことの一つや二つはある。……アルフレッド家のメイドさんは、それを詮索するように教育されてるの?」
「っ……そう、ですね。出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ございません」
秘技! 虎の威を借る狐!
え? 卑怯? 違います、正当な権利を使ったまでです。だからクレア、そんなゴミを見るような目で俺を見るな。
「……はぁ。まあいいわ。それでレイン、ゼノアに魔法について教えて欲しいのよ。この子、《ファイアーボール》と《ウォーターボール》と《ライト》しか出来ないのよ」
「正確には、《ファイアーボール》と《ライト》を混ぜた《ライト・ファイアーボール》も出来るぞ」
スキルがあるとは言え、これだけでハンターになるのは心もとない。今は出来るだけ多くの魔法を覚えたいんだ。
なのだが……レインさん、何で固まってるの?
「……混ぜ合わせた……? 魔法同士を、ですか?」
「え? う、うん……」
「……信じられません……混合魔法は、《魔術師》のジョブの中でも限られた才能を持った人にしか出来ない魔法なのですが……」
えっ、そうなの? 《魔術師》チュートリアルで、やり方は普通に教えてもらったんだけど……これも言わない方がいいか。
「お、俺は何となく、出来そうな気がしたからやってたんだけど……」
「……これが才能の違いというやつですか。私は今、ゼノア様との格の違いに意気消沈しています」
とてもそうは見えぬのですが?
「……分かりました。出来るだけ多くの魔法をお教えします。私が昔使っていた教本も差し上げますので、是非ご参考にしてください」
「あ、ありがとうレインさん!」
よしっ、これでまた強くなれる!
「……ゼノア」
「ん? 何だよクレア、そんな悲痛な顔をして」
「……レインは、アルフレッド家の中でも一、二位を争うほどの超スパルタ教育者なの。私も最初は、レインに剣術を習っていたわ。今でも剣の腕では、レインに勝てないの。それが本職の《魔術師》ということは……」
…………え?
「……つまり?」
「……明日、生きて会えればいいわね。……おやすみ」
く、クレア? 冗談だよな、冗談だよな!?
クレアが客室から出ていく。と、レインさんがどこから取り出したのか、細長い鞭を取り出した。
「ゼノア様は、最近まで魔法を使っていなかったと言っていましたね。ということは、魔法のいろはも知らないご様子……不肖ながらこのレイン、付け焼き刃ではありますが、魔法の何たるかをお教え致します。本日は眠れないと思っていてくださいませ」
ひえっ……! レインさんの背後に鬼が見える……!
「や……優しくしてね……」
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