【ジョブチェンジ】のやり方を、《無職》の俺だけが知っている
魔力コントロール
森を歩き続けること丸一日。クレアの案内で、ようやく森から街道に出ることが出来た。
「この街道を西に進むと、ハンターギルドのあるトネルって町に出るわ。まずはそこを目指しましょ」
「この道にモンスターは出るのか?」
「出ないわよ。あそこに等間隔に宝石が埋め込まれてるでしょ? あれはモンスター避けの宝石で、あれがあればモンスターは寄ってこないの。のんびり行くわよ」
あ、確かにあの宝石みたいなの、うちの村にもあったな。そんな効果があったのか。
でも、俺的には今はがんがんレベル上げしていきたいんだけど……。
鼻歌を歌いながら先行するクレアに見られないように、自分のステータスを開く。
ステータス
名前:ゼノア・レセンブル
レベル:15
職業:《魔術師》
職業レベル:3
物理攻撃力:650
物理防御力:540
魔法攻撃力:1190(+500)
魔法防御力:1020(+500)
スピード:430
魔力:1900(+500)/1900
スキル:<魔法攻撃力向上>
おおっ。山賊のアジトを潰したから、レベルも職業レベルも上がってるな。殲滅の得意な《魔術師》のジョブだから、他の【ジョブ】よりレベルが上がりやすいのかもしれない。ホント、最初に《魔術師》にして大正解だ!
魔力量からすると、《ファイアーボール》や《ウォーターボール》を撃てる回数は一二〇回。《魔術師》のペンダントのおかげで魔力量は上がってるけど、もう少し撃てる回数を増やしたいところだ。
レベル上げや装備以外に、魔力量を上げる方法はあるのかな……それも、クレアの知り合いの《魔術師》に聞いてみよう。
ステータス画面を消して、周囲を見渡す。
街道は舗装されていて、そのすぐ横を木々が連なっている。モンスター避けの宝石のおかげで、森にいるモンスターはこっちには来ないが……。
「……暇だ……」
「平和ってことでいいじゃない。あんまり急ぎ過ぎると、変なところで死んじゃうわよ」
当然死にたくはない。古井戸に落とされた時、俺はあそこで死ぬ運命だった。でもあの横穴と石版のおかげで、生き延びれたと言っても過言じゃない。だから自分の命を粗末にすることは絶対しない。けど……それでも、《魔術師》として強くなりたいという思いは強いんだ。
「……なぁ、クレア。ここの森ってそんなに危険なのか?」
「アザトースの森は、危険度Dの森よ。通常ならレベル四〇の人達が狩場にする場所で、さっきの山賊達も相当な腕だったわ。……まあ、何でかあんたの方が強かった訳だけど」
「ぐ、偶然だろ」
「レベル十がレベル四〇を圧倒する偶然って、どんな偶然なんだか……」
怪しまれてる……めちゃめちゃ怪しまれてる……。
「……ま、いいわ。人には言いたくないことの一つや二つあるものね」
ほっ……追求されなくてよかった……。
……待てよ? 魔法を使うだけなら、別にモンスターを相手にする必要はないんだよな。山賊相手に使っても、レベルや職業レベルも上がったことだし。
こう……魔法を使うのではなく、単純に、魔力だけを集める感じで……。
…………。
ポンッ──!
お、おお? ちっちゃい玉が出てきた……!
あっ、消えた……集中力が切れると、魔力の玉も維持出来ないのか。なるほど。
因みに今の魔力の玉だと、魔力は五だけ減っていた。攻撃系魔法ほど危なくないし、町中でも全然使えそうだ。
集中、集中……。
一つ出す。……うん、上手く維持出来てるな。次に二つ目……。
「っ!?」
な、何だ……!? 一気に維持するのが難しくなった……!? 《ファイアーボール》を複数同時に発動するときと違って、その場に留めなきゃならないから……きつい……!
片方を球体にしようとすれば、もう片方が歪んでしまい、もう片方を球体にしようとすれば、もう一方が歪んでくる。
「よっ、ほっ、むっ……!」
よしよし、段々と形になって来たぞ……!
もう少し……もう少しこう丸く……。
「ねえ、さっきから何してるの? 遊んでるの? 遊んでるんだったら、私に面白い話でもしなさいよっ」
「あ」
パチンッ。
……割れた。見事に、泡みたいに……。
「お、お前なぁ……! 邪魔すんなよ! こっちは魔法の練習してたんだぞ! それをいいところで邪魔しやがって!」
「ひぅっ……! そ、そんなに怒ることないじゃない! 私だって邪魔したくて邪魔したんじゃないわよ!」
「てか面白い話ってなんだよ! 結局お前も暇してんじゃねーか!?」
「しょうがないじゃない! 一人ならまだしも、二人で一緒にいるのに黙ってるなんて寂しいのよ!? もっと面倒くさいダル絡みするわよ!? それでもいいの!?」
こ、こいつ、開き直りやがった……だと……!?
「はぁ……しょうがねぇなぁ……面白い話なんか知らんけど、話し相手くらいにはなってやるよ」
「ホント!? いやー、言ってみるものね。最悪、突っぱねられて泣き喚く所まで想像出来たわ」
「そんなことしたら置いてくからな」
「じょ、冗談ですよぅ、もう……!」
どうだかな……。
結局、クレアの言うトネル町に着くまでの間、ずーーーーーっと他愛もない話に付き合わされ、妙な疲労感を覚えたまま、トネル町へとやって来たのだった。
いや、ホント疲れた……。
「この街道を西に進むと、ハンターギルドのあるトネルって町に出るわ。まずはそこを目指しましょ」
「この道にモンスターは出るのか?」
「出ないわよ。あそこに等間隔に宝石が埋め込まれてるでしょ? あれはモンスター避けの宝石で、あれがあればモンスターは寄ってこないの。のんびり行くわよ」
あ、確かにあの宝石みたいなの、うちの村にもあったな。そんな効果があったのか。
でも、俺的には今はがんがんレベル上げしていきたいんだけど……。
鼻歌を歌いながら先行するクレアに見られないように、自分のステータスを開く。
ステータス
名前:ゼノア・レセンブル
レベル:15
職業:《魔術師》
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物理防御力:540
魔法攻撃力:1190(+500)
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魔力:1900(+500)/1900
スキル:<魔法攻撃力向上>
おおっ。山賊のアジトを潰したから、レベルも職業レベルも上がってるな。殲滅の得意な《魔術師》のジョブだから、他の【ジョブ】よりレベルが上がりやすいのかもしれない。ホント、最初に《魔術師》にして大正解だ!
魔力量からすると、《ファイアーボール》や《ウォーターボール》を撃てる回数は一二〇回。《魔術師》のペンダントのおかげで魔力量は上がってるけど、もう少し撃てる回数を増やしたいところだ。
レベル上げや装備以外に、魔力量を上げる方法はあるのかな……それも、クレアの知り合いの《魔術師》に聞いてみよう。
ステータス画面を消して、周囲を見渡す。
街道は舗装されていて、そのすぐ横を木々が連なっている。モンスター避けの宝石のおかげで、森にいるモンスターはこっちには来ないが……。
「……暇だ……」
「平和ってことでいいじゃない。あんまり急ぎ過ぎると、変なところで死んじゃうわよ」
当然死にたくはない。古井戸に落とされた時、俺はあそこで死ぬ運命だった。でもあの横穴と石版のおかげで、生き延びれたと言っても過言じゃない。だから自分の命を粗末にすることは絶対しない。けど……それでも、《魔術師》として強くなりたいという思いは強いんだ。
「……なぁ、クレア。ここの森ってそんなに危険なのか?」
「アザトースの森は、危険度Dの森よ。通常ならレベル四〇の人達が狩場にする場所で、さっきの山賊達も相当な腕だったわ。……まあ、何でかあんたの方が強かった訳だけど」
「ぐ、偶然だろ」
「レベル十がレベル四〇を圧倒する偶然って、どんな偶然なんだか……」
怪しまれてる……めちゃめちゃ怪しまれてる……。
「……ま、いいわ。人には言いたくないことの一つや二つあるものね」
ほっ……追求されなくてよかった……。
……待てよ? 魔法を使うだけなら、別にモンスターを相手にする必要はないんだよな。山賊相手に使っても、レベルや職業レベルも上がったことだし。
こう……魔法を使うのではなく、単純に、魔力だけを集める感じで……。
…………。
ポンッ──!
お、おお? ちっちゃい玉が出てきた……!
あっ、消えた……集中力が切れると、魔力の玉も維持出来ないのか。なるほど。
因みに今の魔力の玉だと、魔力は五だけ減っていた。攻撃系魔法ほど危なくないし、町中でも全然使えそうだ。
集中、集中……。
一つ出す。……うん、上手く維持出来てるな。次に二つ目……。
「っ!?」
な、何だ……!? 一気に維持するのが難しくなった……!? 《ファイアーボール》を複数同時に発動するときと違って、その場に留めなきゃならないから……きつい……!
片方を球体にしようとすれば、もう片方が歪んでしまい、もう片方を球体にしようとすれば、もう一方が歪んでくる。
「よっ、ほっ、むっ……!」
よしよし、段々と形になって来たぞ……!
もう少し……もう少しこう丸く……。
「ねえ、さっきから何してるの? 遊んでるの? 遊んでるんだったら、私に面白い話でもしなさいよっ」
「あ」
パチンッ。
……割れた。見事に、泡みたいに……。
「お、お前なぁ……! 邪魔すんなよ! こっちは魔法の練習してたんだぞ! それをいいところで邪魔しやがって!」
「ひぅっ……! そ、そんなに怒ることないじゃない! 私だって邪魔したくて邪魔したんじゃないわよ!」
「てか面白い話ってなんだよ! 結局お前も暇してんじゃねーか!?」
「しょうがないじゃない! 一人ならまだしも、二人で一緒にいるのに黙ってるなんて寂しいのよ!? もっと面倒くさいダル絡みするわよ!? それでもいいの!?」
こ、こいつ、開き直りやがった……だと……!?
「はぁ……しょうがねぇなぁ……面白い話なんか知らんけど、話し相手くらいにはなってやるよ」
「ホント!? いやー、言ってみるものね。最悪、突っぱねられて泣き喚く所まで想像出来たわ」
「そんなことしたら置いてくからな」
「じょ、冗談ですよぅ、もう……!」
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結局、クレアの言うトネル町に着くまでの間、ずーーーーーっと他愛もない話に付き合わされ、妙な疲労感を覚えたまま、トネル町へとやって来たのだった。
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