告白されて付き合うことになった美少女がその日のうちに義妹になった件 〜ところで、おっぱいはいつ揉んでいいの?〜

赤金武蔵

第12話 海と言えばスイカ割り

「よっしゃ! じゃ、一番乗りー!」
「紅葉ずっこい! あーしもー!」
「2人共走ると危ないよ!」


 とか言いつつ、女子ーズは楽しそうに笑いながら海に向かって走っていった。
 羽瀬さんと褐色肌も、咲良と峰さんの純白の肌も青い海に映えて美しい。海に舞い降りた天女。実に眼福でござる。


「ユキカズは行かないの?」
「ああ、もう少し俺の女神を眺めてる」
「変態じゃん」
「紳士と呼んでくれ」
「ふーん。僕には分からないなぁ。じゃ、僕は行くよ、変態紳士」
「組み合わせるな」


 ユキカズはスマートに笑うと、3人の輪の中に入っていった。
 うーん……全員もれなく美男美女。しかもとびっきりの。
 ……こうして見ると、俺がこのメンバーの一員ってすげー奇跡だよなぁ。多分、咲良と付き合ってなかったら、俺は今年も1人寂しく家でゲームしてただろうし。人生、何が起こるか分かったもんじゃないな。


「わっ! ちょっ! ぶっ!」
「あはははは! 数寄屋ちんよわよわー!」
「行け咲良っち! ぶっ飛ばせ!」
「おりゃりゃー!」
「ゆ、ユキカズー! ユキカズ、へるぷみーぷりーず!」


 ユキカズ1人に対し、女子ーズ3人で水を掛けている。


「行け行け咲良ー! 数寄屋を濡れ鼠にするんだー!」
「ふっ、分かってないねユキカズ! 僕が水に濡れても、なるのは水も滴るいい男さ! おぶっ!? うわしょっぱ!」


 おお、あの数寄屋が悪ノリしてる。
 それはともかくムカつくな。


「よーし、俺も参戦してやる」
「ユキカズ……!」
「ただし俺は女子ーズにつく」
「ユキカズ!?」
「イケメン死すべし!」
「ゆ、ユキカズーーー!」


   ◆◆◆


「ぷっっっはぁ〜! たーのしいなぁ!」


 最後は全員標的の大乱闘水かけ祭りになり、みんながみんな砂浜に大の字になったところで終了。海水飲みすぎたぜ。


「くっ。咲良ちんのポロリを狙ってたのに、ガード硬すぎ……!」
「ゆ、雪和くんのいる前でそんなはしたない真似出来ませんっ」
「三角ビキニぽろりは夏の定番でしょー!」


 峰さんの言ってることは分からんでもない。けど……咲良のぽろり……ほぉん……。


「はいストップストップ。これ以上時田っちに想像させると立てなくなるから」
「にしし、ある意味勃ちそうかな?」
「たたたたたた勃っとらんわ!」


 いやギリギリだけど!


「あはは……僕の前でそれは困るかな。サクラさんはユキカズにだけ見せたいだろうし」
「あー、確かに」
「ごめんね、咲良ちん」
「すすすすすす数寄屋くん!? みんなもっ、悪ふざけし過ぎ! そ、そのっ、まだ早いというかまだダメというか……」


 指先つんつん、もじもじ。顔もにょもにょ。
 かわえぇ……。


「ふむふむ。まだだとさ」
「ほほん。ということは、いつかは、と。流石咲良ちん」
「はぅ、あぅ……や、やめてぇ……!」


 羽瀬さんと峰さんの咲良イジりは止まらない。咲良も口ではやめてと言いつつ、どこか楽しそうだ。
 そうしてると、俺の隣で寝転がっていた数寄屋が立ち上がった。


「さて、そろそろ冷えてる頃かな」
「冷えてる? 何が?」
「勿論、スイカさ」


 スイカ! と言うことは!


「「「スイカ割り!」」」


 リア充のリア充によるリア充の為のイベント! 夏のビーチでスイカ割り! これをやらなきゃ夏は語れん!
 という訳で、ビーチにブルーシート! 目隠しに木刀! 準備よし!


「最初は誰からにする?」
「はいはーい! あーし! あーしが一番!」
「じゃ、ナツミさん。目隠ししてね」


 咲良が峰さんに目隠しをすると、ランダムで右に五回、左に三回回され、スイカではなく海に向かって立たされた。


「じゃ、みんな指示出して!」


 ふむ、それじゃあ……。


「峰さん真っ直ぐ!」
「え、ええっ、雪和くん……?」
「違う違う! 夏海、右だ右!」
「ナツミさん、横に半歩ずれてから右斜め前に10歩全身。そこから約30度右を向いて20歩全身だよ」


 俺、羽瀬さんが超適当なことを言い、数寄屋が超細かい指示を飛ばした。
 それに対して、どうすればいいのか分からずあわあわとしている咲良。
 俺は咲良に近付くと、小声でアドバイスした。


「咲良、こういう時は俺みたいに適当な指示を出す奴と、羽瀬さんみたいに合ってるけど曖昧に指示する奴、数寄屋みたいに正しいけど超細かい指示を出す奴に分かれるんだ。ほら、咲良も」
「え、ええと……なっ、ななななな夏海ちゃん! み、右……じゃなくて左! 左だよ!」


 思っくそ嘘ついてる上に嘘が下手か!


「! なるほど……咲良ちんが嘘を着くはずがない! 紅葉は完全に嘘つき! と言うことは! とりゃああああ!」


 スカッ、ばふんっ。


 思いっきり反対方向に空振りした峰さん。


「おろろ?」
「ぎゃはははは! ウチの言ったことの方が正しかったろ!」
「ご、ごめんね夏海ちゃん」
「ぐぬぬ……謀られた……!」


 謀られたとか人生で初めて聞いたな。やっぱり峰さん、意外と学があるんだなぁ。


「じゃ、次はウチ! ぱっかーんとやってやんし!」


 張り切ってハチマキと木刀を受け取る羽瀬さん。
 海も、スイカ割りもまだ始まったばかり。これからが本番だ!

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