告白されて付き合うことになった美少女がその日のうちに義妹になった件 〜ところで、おっぱいはいつ揉んでいいの?〜

赤金武蔵

第6話 ゲーセン

 水着を買い終わった俺達は、その足で峰さんの発案でゲーセンにやって来ていた。
 ゲーセンなんて高校に入ってからはご無沙汰だったけど、内装もリニューアルされていて小綺麗になっている。音の煩さはいつも通りだ。


「ほえぇ〜……ゲームセンター、初めて来たよっ」
「プリクラとか撮りに来たことないのか?」
「へ? ぷりくら?」


 ……おい、マジかこの子。今どきプリクラ知らないの? 俺でさえプリクラくらい知ってるぞ。
 ぽへーとしてる咲良。それを見た峰さんが、人の悪い笑みを浮かべて近づくと。


「むふふ〜。咲良ちん、咲良ちん。プリクラって言うのはね」
「うんうん」
「ごにょごにょごにょ」
「え」
「ひそひそひそ」
「えぇぇぇぇっ!?」


 咲良の顔が一気に真っ赤に!?


「ぷ、ぷぷぷぷぷりくらなんてダメです! エッチです! 撮影しながらなんて……お外でなんてダメですー!」


 ……え? エッチ? 撮影? お外?


「……おい峰さんや、何を説明した」
「プリクラは男女がズッコンバッコンしながら写真撮る機械だよって」
「ギルティッッッ!」


 もう色々とギルティ! というか発想がビッチ過ぎる!


「夏海、それどこ情報?」
「エロゲ」
「だと思ったよ……おーい咲良っち、プリクラって言うのはな」


 峰さんのエセ情報を羽瀬さんが訂正すると、ようやく咲良は落ち着きを取り戻した。


「も、もうっ。夏海ちゃんはいじわるです……!」
「ごめんごめん。咲良ちんの反応が可愛くてぇ〜。むちゅ〜」
「やんっ、引っ付かないでよぅ」


 とか言いながら満更でもなさそうな咲良。美少女ギャルと清楚系美少女がイチャイチャしてるのを見ると……うん、ちょっとそそられる。


「さあ、茶番はここまで! ここからは戦場だ! みな、気を引き締めて行くぞ!」
「え、峰さん何そのノリ」
「ここではあーしのことは峰教官と呼べ、時田隊員! ゲーセンは戦場である! 如何に消費を押さえて遊び尽くすか! それに尽きる!」


 ゲームに対してガチすぎるよ峰教官。


「はい、峰教官。よろしいですか」
「何だね、数寄屋隊員」
「ぬいぐるみ機は確率ゲーだと思うのですが、如何しましょう」
「ふっふっふ。あーしに死角はない! 確率を超越する超絶絶頂テクを見せてしんぜよう! ゆくぞ、数寄屋隊員!」
「はい、お供します峰教官」
「あっ、私も行く〜♪」


 数寄屋も悪ノリしてるなぁ。
 意気揚々と歩いて行く峰隊長、羽瀬隊員、数寄屋隊員。うーん、俺達置いてけぼり。


「クレーンゲーム……噂に聞くユーフォーキャッチャー……! 雪和くんっ、私達もやろ!」
「え? あ、ああ」


 いいけど……初心者がなんの技能も知識もなくやると、ただの貯金箱になるんだが……。
 ……ま、咲良が楽しめるなら、それでもいいか。


 皆の後に続いてクレーンゲームエリアに行くと、既に峰さんは一つの台に張り付いていた。
 でっかい犬のぬいぐるみの台だが……あんなの取れるのか?


「ほい、ほい、ほーい」


 お金をいれ、適当に動かし、適当な場所で止める。
 全くもって参考にならない動かし方だが……なんと峰さんは一発で取ってしまった。あんな適当で取れるとかマジか。


「おー、峰隊長凄いね」
「こいつ、昔からこういうの大得意なんだよ。どうやったら取れるか、感覚で分かるんだと」
「くふっ。あーしの超絶テクの前ではこんなのチョロいチョロい♪ さあ、がんがん取っちゃうよぉ!」


 確かに凄い。もう既に二匹目を取った。こりゃゲーセン泣かしだな。


「雪和くん、雪和くん」
「ん? 咲良、どうし……ってうお!?」


 ぺ、ペンギン!? でか!? え、でか!?


「えへへ……取れちゃいました」
「と、取れちゃいましたって……どうやって……?」
「え? なんかこのタグの所に引っ掛けられそうだなーって思って、えいってやって、うりゃーって感じで?」


 おぉぅ……咲良、こんな所まで万能か……。


「むむっ、やるな咲良隊員っ。咲良隊員は功績を称え、名誉隊員の称号を与えよう」
「ははー、ありがたき幸せ〜。えへへ」
「えへへ顔きゃわい〜!」
「わきゃっ!?」


 あっ、ずるい! 俺も抱き締めたい! でもギャル×清楚いい! 凄くいい! もっとちょうだい! 


「ユキカズって生きづらそうな生き方してるね」
「ナチュラルに人の心読むの止めて」


   ◆◆◆


 結局十数体のぬいぐるみを取った所で、峰さんは出禁を食らった。まあ当たり前か。


「ちぇー。あと10体くらい取りたかったのにー」
「もう十分だと思うよ、ナツミさん……」
「どーやって持って帰んだ、これ……」


 足元の袋に山のように入ってるぬいぐるみ。俺らが両手で持っても持って帰り切れるかどうか……。


「ま、楽しかったからいっか。咲良ちんは楽しかった?」
「楽しかった! 私もペンちゃん取れて満足!」
「ペンちゃん?」
「ペンギンのペンちゃんだよ〜」


 ギュッ、とペンギンのぬいぐるみを抱き締める咲良。おいペンちゃんそこ変われ。


「んーっ……ぱっ! はい、雪和くんギュッてしてみて」
「え?」
「ほらほらっ」
「お、おう……?」


 ……ぎゅーーー……あ、柔らかい。それにほんのり咲良の残り香が……。


「私の匂い、する?」
「……ぇ……?」


 ま、まさか……?
 咲良の方を見ると、いたずらが成功した子供のように屈託のない笑みを浮かべてピースをしていた。


「えへへ、大成功だよっ」


 ────。


「ちょっ、ユキカズ!? 燃え尽きてる! 燃え尽きてるよ!」
「咲良っちやるねぇ」
「策士咲良ちん……」


 ……ふ、ふふ……燃えた……燃え尽きたぜ……真っ白にな……がく。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品