外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第15話 同じ未来を見据えた仲
もとかれ……元かれ……もとカレ……元curry……元カレ……。
……い、いや、確かにエリオラの過去は余り聞いたことがなかったし、こんな可愛い子だから彼氏の一人や二人は当然いただろう。そこに驚くことはない。
え、でもエリオラさん、そんな素振り見せなかったじゃん? やっぱり元カレのことは知られたくないとかいう乙女心なの?
いや待て、そう言えばエリオラ、初めてのときヤケに手馴れてた……? いやでも膜も見せられたし初めてだって……あ、エリオラなら魔法で回復させたりとか出来るか……。
でもさ、でもさ。元カレがいたことくらい教えてくれても……って、俺は何を言ってるんだ。別に俺とエリオラはそんな仲じゃない。確かに一線は越えてるけど、それも半分強制だ。一方的にエリオラが俺に好意を寄せてるだけに過ぎない。
それにエリオラに彼氏がいたからなんだと言うのだ。今の俺達には関係ない……いや俺には関係ない。
そう、関係ない。だから落ち着け俺。落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち──。
「エンリと私はそんな関係じゃない」
ぎゃあああああああああああ!?!?!? そんな関係じゃないって! そんな関係じゃないって!?
それって! それって!
それ以上の関係ってことっすか!? そういうことっすか!?
知りたくなかった! いや知ったとしても俺には関係ありませんけどぉ! 関係ないけどぉ!
「……なら、僕とエリオラ……どんな関係……?」
「同じ未来を見据えた仲」
「……あ……確かに……」
────。
…………。
「? タナト、どこ行くの?」
「……悪い。一人にしてくれ……」
「??? 分かった」
同じ未来……元カレ……未来……そんな関係じゃない……それ以上の……元カレ……未来……夫婦……恋人以上……。
…………。
◆◆◆
「……変な人……」
「タナト、どうしたのかな……?」
『……エリィ。こう言うのはとても心苦しいが……』
「ん?」
『タナト、ものすごく傷付いておったぞ』
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。
「えっ」
◆◆◆
「《虚空の生け簀》」
…………。
「あれ、タナト? おかえり……って、何か凄い顔してるわよ!?」
「ミケ……悪い、一人にしてくれ……」
「え……あ、うん……」
…………。
………………。
……………………。
…………………………。
………………………………。
……………………………………。
「た、な、とぉ!」
「ほべっ!?」
み、鳩尾に鈍痛がぁ……!
「タナト、平気か?」
「い、イヴァロン……お前のせいで鳩尾痛てぇんだけど……!」
「違う。心の方だ」
座り込む俺の膝の上に座り、俺の胸をトントンと叩く。
「何があった?」
「……何も」
「余達に貴様の嘘が見抜けぬとでも思うたか?」
……達?
「お兄ちゃん、顔色悪いのだわ……」
「ほらタナト、お水」
「ヒヒン……」
みんな……。
……言っていいんだろうか。だってエリオラのプライベートだし……。
……そもそもこんなことで悩んでるとか俺アホすぎだろ。別にエリオラが誰と付き合っても……
「……まあ、その……別にショックじゃないんだ。ただ、気持ちの整理がつかないだけで……」
弱音というか、泣き言というか……何となく、口にするのが憚られた。
その時、頭を何かで包まれた。
優しく、甘い香り……見上げるとそこには、イライザの顔が近くにあった。
「ならお兄ちゃん。その気持ちをぶっちゃけるのだわ。言葉にした方が気持ちの整理も出来る。──安心して欲しいのだわ。私達は皆、お兄ちゃんの味方だから」
「……イライザ……」
……そう、だな……言っても……いいか……。
「実は……」
俺は話した。話してしまった。十極天の中に、三〇〇〇年前の魔族がいたこと。そしてそいつが、エリオラの元カレだったこと。いや、もしかしたらそれ以上の関係だったかもしれないこと……。
……こうして話してみると、俺ってクソザコメンタルじゃん……少なくともエリオラは今、俺のことを好いてくれている。それなのに元カレが現れたからってメンタルブレるとか……。
「……あのエリオラちゃんに彼氏? 本当なの、それ?」
「……私はお姉ちゃんと離れていた時期の方が長いから、彼氏の有無はわからないのだわ……ましてや元旦那だなんて……」
「余も聞いたことないぞ。あの怪物と付き合える魔族……いや、生命体がタナト以外にいるとは考えづらい」
三人揃って腕を組んで首を傾げる。
まあここにいるのは、エリオラの過去を知らないミケ。敵対していたイライザとイヴァロン。
正確にエリオラの過去を知る人物はいないわけで……。
「「「うーーーん……」」」
皆揃って、首を傾げていた。
……い、いや、確かにエリオラの過去は余り聞いたことがなかったし、こんな可愛い子だから彼氏の一人や二人は当然いただろう。そこに驚くことはない。
え、でもエリオラさん、そんな素振り見せなかったじゃん? やっぱり元カレのことは知られたくないとかいう乙女心なの?
いや待て、そう言えばエリオラ、初めてのときヤケに手馴れてた……? いやでも膜も見せられたし初めてだって……あ、エリオラなら魔法で回復させたりとか出来るか……。
でもさ、でもさ。元カレがいたことくらい教えてくれても……って、俺は何を言ってるんだ。別に俺とエリオラはそんな仲じゃない。確かに一線は越えてるけど、それも半分強制だ。一方的にエリオラが俺に好意を寄せてるだけに過ぎない。
それにエリオラに彼氏がいたからなんだと言うのだ。今の俺達には関係ない……いや俺には関係ない。
そう、関係ない。だから落ち着け俺。落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち──。
「エンリと私はそんな関係じゃない」
ぎゃあああああああああああ!?!?!? そんな関係じゃないって! そんな関係じゃないって!?
それって! それって!
それ以上の関係ってことっすか!? そういうことっすか!?
知りたくなかった! いや知ったとしても俺には関係ありませんけどぉ! 関係ないけどぉ!
「……なら、僕とエリオラ……どんな関係……?」
「同じ未来を見据えた仲」
「……あ……確かに……」
────。
…………。
「? タナト、どこ行くの?」
「……悪い。一人にしてくれ……」
「??? 分かった」
同じ未来……元カレ……未来……そんな関係じゃない……それ以上の……元カレ……未来……夫婦……恋人以上……。
…………。
◆◆◆
「……変な人……」
「タナト、どうしたのかな……?」
『……エリィ。こう言うのはとても心苦しいが……』
「ん?」
『タナト、ものすごく傷付いておったぞ』
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。
「えっ」
◆◆◆
「《虚空の生け簀》」
…………。
「あれ、タナト? おかえり……って、何か凄い顔してるわよ!?」
「ミケ……悪い、一人にしてくれ……」
「え……あ、うん……」
…………。
………………。
……………………。
…………………………。
………………………………。
……………………………………。
「た、な、とぉ!」
「ほべっ!?」
み、鳩尾に鈍痛がぁ……!
「タナト、平気か?」
「い、イヴァロン……お前のせいで鳩尾痛てぇんだけど……!」
「違う。心の方だ」
座り込む俺の膝の上に座り、俺の胸をトントンと叩く。
「何があった?」
「……何も」
「余達に貴様の嘘が見抜けぬとでも思うたか?」
……達?
「お兄ちゃん、顔色悪いのだわ……」
「ほらタナト、お水」
「ヒヒン……」
みんな……。
……言っていいんだろうか。だってエリオラのプライベートだし……。
……そもそもこんなことで悩んでるとか俺アホすぎだろ。別にエリオラが誰と付き合っても……
「……まあ、その……別にショックじゃないんだ。ただ、気持ちの整理がつかないだけで……」
弱音というか、泣き言というか……何となく、口にするのが憚られた。
その時、頭を何かで包まれた。
優しく、甘い香り……見上げるとそこには、イライザの顔が近くにあった。
「ならお兄ちゃん。その気持ちをぶっちゃけるのだわ。言葉にした方が気持ちの整理も出来る。──安心して欲しいのだわ。私達は皆、お兄ちゃんの味方だから」
「……イライザ……」
……そう、だな……言っても……いいか……。
「実は……」
俺は話した。話してしまった。十極天の中に、三〇〇〇年前の魔族がいたこと。そしてそいつが、エリオラの元カレだったこと。いや、もしかしたらそれ以上の関係だったかもしれないこと……。
……こうして話してみると、俺ってクソザコメンタルじゃん……少なくともエリオラは今、俺のことを好いてくれている。それなのに元カレが現れたからってメンタルブレるとか……。
「……あのエリオラちゃんに彼氏? 本当なの、それ?」
「……私はお姉ちゃんと離れていた時期の方が長いから、彼氏の有無はわからないのだわ……ましてや元旦那だなんて……」
「余も聞いたことないぞ。あの怪物と付き合える魔族……いや、生命体がタナト以外にいるとは考えづらい」
三人揃って腕を組んで首を傾げる。
まあここにいるのは、エリオラの過去を知らないミケ。敵対していたイライザとイヴァロン。
正確にエリオラの過去を知る人物はいないわけで……。
「「「うーーーん……」」」
皆揃って、首を傾げていた。
コメント