外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第14話 さ、さーせん
◆◆◆
「し、失礼致しました。……どゅふふふふ」
「おい、まだ頬緩んでるぞ」
「おっと。こほん……ふひっ」
いや、どんだけ嬉しいんだ……。
「ふーん。そんなにこの石ころがいいのか?」
「いいなんてもんじゃありませんよ!? 神の雫とは、神樹ユグドラシルの樹液が数千年の時を掛けて固まり、更に不純物を極限にまで取り除かれた奇跡の結晶! それが神の雫なのです! あ、因みに神樹ユグドラシルと言うのは世界中のエネルギーの中心地と呼ばれていて──中略──そのエネルギーの結晶である神の雫には膨大な魔力が──中略──中略──それでいて神の恵みが内包され──中略──中略──中略──この世に二つとない──中略──中略──中略──中略──分かりましたか!?」
「……さ、さーせん……」
まくし立て熱弁オタク怖い……瞳孔開き切ってるし……。
まさかこんなに熱弁されるとは……しかも二つとないとか言ってるけど、俺五つ持ってるんだが。
うーん……確かに綺麗だけど、こんな石ころがいいなんてなぁ。俺には分からん世界だ。
「ま、まあいい。それはやる。だから俺のことは誰にも言うなよ。喋ったと分かったら、エリオラとイライザに頼んでお前の持ってるコレクションを全部破壊して、今後お前に装備もアイテムも渡さないからな」
「はい! 絶対!! 誰にも!!! 言いません!!!!」
満面の笑みでいい返事だ。
これ程の激レアマニアだ。壊されるのは死ぬほど嫌だろうし、今後俺みたいに簡単に激レア品を手に入れるような奴も現れないだろうから、俺と縁を切りたくないはず。
俺は、頼めば言うことを聞いてくれる第一王女の後ろ盾を。シャウナは簡単な激レア品収集先を得た。
結果として俺の秘密は守られて、互いにウィンウィンの関係になったな。
「うへへぇ〜……まさかこんな素晴るるるるるるるるぁしいものを頂けるなんて……ふひっ、ふひひ。……じゅる。おっとヨダレが……」
……ホント、この数時間で完全無欠な美人のイメージが一気に崩れたなぁ……。
……このことは秘密にしといてやろう……。
「じゃ、今日の所は話は終わりだな。エミュールの店の件、頼んだぞ」
「はいっ、お任せ下さいタナト神様!」
だからその呼び方やめろ。
◆◆◆
シャウナと話しが終わり、皆を店の方に呼び戻すと、俺のスキルのことは省いて決まったことをざっくりと説明した。
「……え、つまりシャウちゃんが、私の店を手伝ってくれるの?」
「はい。エミュちゃんのお店は、第一王女の名にかけて全面的にバックアップします」
シャウナがエミュールの手を取って、にこりと微笑んだ。
女性をも落とすと言われている微笑みに、エミュールは頬を染める。
「あ、ありがたいけど……タナトさん、どうしてこんなことに……?」
「恩を売った」
「一国の王女に恩を売るって何!?」
嘘は言ってないぞ。事実だ。
困惑しているエミュールをよそに、エリオラとイライザがシャウナに近寄った。
「シャウナ、エミュールの店よろしく」
「王女ちゃんになら、安心して任せられるのだわ!」
「エリオラ様、イライザ様……! は、はいっ。精一杯務めさせて頂きます!」
ペコペコと二人に頭を下げるシャウナ。
さっきから思ってたが、一国の王女が頭を下げすぎじゃないか? この国の将来が不安だぞ。……俺が考えることじゃないけど。
少し離れて、わちゃわちゃと話している四人を見ていると、ミケが俺の方に近付いてきた。
「で、どんな手を使ったの?」
「俺の有用性と希少性を分からせ、こいつで買収した」
チラッと神の雫を見せる。こいつの希少価値は俺よりミケの方が知ってるだろうしな。
「…………」
……ミケ? 何で拗ねたような顔してんの?
「……私、タナトからプレゼントとか貰ってない……」
「えっ。装備やっただろ」
「違うのっ。私も女の子なのよ。好きな人からアクセサリーくらい欲しいわよ……」
口を尖らせ、上目遣いでチラチラ見てくるミケ。うん、可愛い。
「……じゃあ、俺のまだ持ってないアクセサリーを釣り上げたら、誰よりも早くミケにやるよ」
「約束よ?」
「ああ、約束だ」
こんな可愛い顔されちゃ、無下にも出来ないもんな……。
「……えへへ、ありがと」
「……おぅ……」
幼馴染だし、長い間一緒にいるけど……こんな恋する乙女みたいな顔を見たのは、告白されたあの時以来だ。
ちょ、ちょっとドキドキするな……。
「むっ! イチャイチャの気配!」
「ラブコメの波動を感じるのだわ!」
「い、イチャイチャしてないもん! ラブコメしてないもん! ……あれ、してないわよね?」
いや、俺に聞くな……。
「タナト様、モテモテですねぇ」
「…………」
「……エミュちゃん?」
「え!? あっ。そ、そうよね。流石タナトさん!」
「……?」
「し、失礼致しました。……どゅふふふふ」
「おい、まだ頬緩んでるぞ」
「おっと。こほん……ふひっ」
いや、どんだけ嬉しいんだ……。
「ふーん。そんなにこの石ころがいいのか?」
「いいなんてもんじゃありませんよ!? 神の雫とは、神樹ユグドラシルの樹液が数千年の時を掛けて固まり、更に不純物を極限にまで取り除かれた奇跡の結晶! それが神の雫なのです! あ、因みに神樹ユグドラシルと言うのは世界中のエネルギーの中心地と呼ばれていて──中略──そのエネルギーの結晶である神の雫には膨大な魔力が──中略──中略──それでいて神の恵みが内包され──中略──中略──中略──この世に二つとない──中略──中略──中略──中略──分かりましたか!?」
「……さ、さーせん……」
まくし立て熱弁オタク怖い……瞳孔開き切ってるし……。
まさかこんなに熱弁されるとは……しかも二つとないとか言ってるけど、俺五つ持ってるんだが。
うーん……確かに綺麗だけど、こんな石ころがいいなんてなぁ。俺には分からん世界だ。
「ま、まあいい。それはやる。だから俺のことは誰にも言うなよ。喋ったと分かったら、エリオラとイライザに頼んでお前の持ってるコレクションを全部破壊して、今後お前に装備もアイテムも渡さないからな」
「はい! 絶対!! 誰にも!!! 言いません!!!!」
満面の笑みでいい返事だ。
これ程の激レアマニアだ。壊されるのは死ぬほど嫌だろうし、今後俺みたいに簡単に激レア品を手に入れるような奴も現れないだろうから、俺と縁を切りたくないはず。
俺は、頼めば言うことを聞いてくれる第一王女の後ろ盾を。シャウナは簡単な激レア品収集先を得た。
結果として俺の秘密は守られて、互いにウィンウィンの関係になったな。
「うへへぇ〜……まさかこんな素晴るるるるるるるるぁしいものを頂けるなんて……ふひっ、ふひひ。……じゅる。おっとヨダレが……」
……ホント、この数時間で完全無欠な美人のイメージが一気に崩れたなぁ……。
……このことは秘密にしといてやろう……。
「じゃ、今日の所は話は終わりだな。エミュールの店の件、頼んだぞ」
「はいっ、お任せ下さいタナト神様!」
だからその呼び方やめろ。
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シャウナと話しが終わり、皆を店の方に呼び戻すと、俺のスキルのことは省いて決まったことをざっくりと説明した。
「……え、つまりシャウちゃんが、私の店を手伝ってくれるの?」
「はい。エミュちゃんのお店は、第一王女の名にかけて全面的にバックアップします」
シャウナがエミュールの手を取って、にこりと微笑んだ。
女性をも落とすと言われている微笑みに、エミュールは頬を染める。
「あ、ありがたいけど……タナトさん、どうしてこんなことに……?」
「恩を売った」
「一国の王女に恩を売るって何!?」
嘘は言ってないぞ。事実だ。
困惑しているエミュールをよそに、エリオラとイライザがシャウナに近寄った。
「シャウナ、エミュールの店よろしく」
「王女ちゃんになら、安心して任せられるのだわ!」
「エリオラ様、イライザ様……! は、はいっ。精一杯務めさせて頂きます!」
ペコペコと二人に頭を下げるシャウナ。
さっきから思ってたが、一国の王女が頭を下げすぎじゃないか? この国の将来が不安だぞ。……俺が考えることじゃないけど。
少し離れて、わちゃわちゃと話している四人を見ていると、ミケが俺の方に近付いてきた。
「で、どんな手を使ったの?」
「俺の有用性と希少性を分からせ、こいつで買収した」
チラッと神の雫を見せる。こいつの希少価値は俺よりミケの方が知ってるだろうしな。
「…………」
……ミケ? 何で拗ねたような顔してんの?
「……私、タナトからプレゼントとか貰ってない……」
「えっ。装備やっただろ」
「違うのっ。私も女の子なのよ。好きな人からアクセサリーくらい欲しいわよ……」
口を尖らせ、上目遣いでチラチラ見てくるミケ。うん、可愛い。
「……じゃあ、俺のまだ持ってないアクセサリーを釣り上げたら、誰よりも早くミケにやるよ」
「約束よ?」
「ああ、約束だ」
こんな可愛い顔されちゃ、無下にも出来ないもんな……。
「……えへへ、ありがと」
「……おぅ……」
幼馴染だし、長い間一緒にいるけど……こんな恋する乙女みたいな顔を見たのは、告白されたあの時以来だ。
ちょ、ちょっとドキドキするな……。
「むっ! イチャイチャの気配!」
「ラブコメの波動を感じるのだわ!」
「い、イチャイチャしてないもん! ラブコメしてないもん! ……あれ、してないわよね?」
いや、俺に聞くな……。
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「……エミュちゃん?」
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