死神の日記

淺井 哲(あさい てつ)

三人目(2)

俺はあのプロ野球選手に話しかけた

もっと肝の座っているやつかと思っていたが

もうすぐ死ぬことを伝えたらとても取り乱していた

「おいおい、お前はみんなのあこがれの的なんだろ?」

「取り乱していたらかっこ悪いぞ」

『違う!僕のことなんてどうでもいい!』

『僕は今日病気の子供たちがみてくれていて、ホームランを打つから手術を受けるように約束しているんだ!』

「まあ、落ち着けじゃあホームランを打った後にしてやろう」

「ただし一回の打席だけだ、いいな?」


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