死神の日記

淺井 哲(あさい てつ)

二人目(4)

(ゆみちゃん、あのね)

(僕と一緒にいてくれてありがとう)

『なんでそんな最後みたいに言うの?』

(最後かもしれないんだ、もう僕は遠くに行ってしまう)

『なんで?いやだ、悲しい!』

(僕は悲しくないよ)

(ゆみちゃんと会えたから)

(もしもう一回会えたらさ、今度はずっと一緒にいようね)

(ずっと好きだよ)

そういって逃げるようにガキは俺のとこに来た

「もういいのか?」

(うん)

「最後にしちゃ短いんじゃないか?」

(わかってないなぁ、死神さん)

(思いを伝える瞬間は永遠なんだよ(笑))

最初の方から思っていたが

なかなかのませたガキだな

そんなガキの魂の色は白だった

何の交じりもない幼く覚悟を決めた純白だ

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