異世界転生だけでお腹いっぱいなのにTSの上悪役令嬢ってなんなんですか!?
4 狭く深くより、広く深くの方が楽しい
この学院には年2回の長期休暇がある。
暑い夏を避暑地で過ごそうという夏季休暇、年末年始は家族と過ごそうという冬期休暇だ。
それぞれ休暇とは言いつつも、受講している科目毎に課題が出されるのでそこまで気楽にバケーションを楽しむというわけにはいかない。
中には平時の成績が悪いためこの課題で挽回しようと学院に残り、大図書館に籠もりきりの者もいるくらいだ。
ちなみに現在は夏季休暇の直前。
学院で出来た友人と休暇の計画を立てている。
「うちの領地にある湖には中心に小島と祠があるんだけど、その由来がなかなか興味深くて……」
「俺の地元は最近魔物が増えてるらしくって、帰ったら絶対駆り出されるよ……」
「私の家は新しい工場を建てたらしいから、それの見学かな。ちなみに絹が名産なんだけど……」
今ここにいるのはボクを含めて5名。
細面にそれなりに珍しい眼鏡をかけた長身の男子、バルトロメウスことバルトロ。
ビショフ伯爵家の嫡男で、数字に強く分析能力が高い。
その割にオカルト好きで怪談話の収集を趣味とする。
筋肉質で体格が良いが、身長はまだ成長期のためそれなりなのがカール。
実家は騎士家で次男坊。
武芸百般を地で行くセンスの塊。
ただし全て感覚でやっているため人に教えるのは壊滅的に下手であり、他人から教えられても理解ができないらしい。
貴族に混じっても遜色ない器量よしなのがディアナ。
実家は手広くやっている大店で、将来はその服飾部門を担いたいらしく、ファッションセンスも良い。
最後は小柄で大人しく、今も皆の話をにこにこしながら聞いているのがエリゼ。
こう見えて奨学生として入学した成績優秀者で、なんでもそつなくこなす。
他にも交流のある人物はいるが、このメンバーで行動することが多い。
今も休暇中にこのメンバーで行動しようと、それぞれ自分の地元について話しているところだ。
ちなみに、このメンバーでいると自然とボクがリーダーのように動くことになる。
実家の爵位的にそうなってしまうんだ。
「じゃあ、今回はカールの地元で魔物退治といこうか」
皆の意見を参考にしつつ、自身の興味をふんだんに取り入れた決定を下す。
特に反対意見もなく皆がうなずく。
「あの、私もお邪魔して良いですか?」
いつからそこに居たのか、気づけばボクらの輪から少し離れたところにエミリーが立っている。
黒髪で青い瞳を隠した平凡そうな少女、そう主人公ちゃんである。
あの黒猫事件以来、妙にボクに懐いてしまって、こうしてたびたびボクたちのグループに混ざってくる。
まあ、貴族位はボクとバルトロだけだし、同じ奨学生であるエリゼがいるから話しやすいのかもしれない。
「ボクとしては異存ないけど、皆はどうかな?」
その言葉に皆がうなずく。
確かにボクはリーダー的な存在ではあるけど、他のメンバーもイエスマンというわけではない。
そもそもそれではおもしろくないからこそちゃんと自分の意見が言える者を集めたわけだしね。
彼らが良いというなら、問題はないだろう。
暑い夏を避暑地で過ごそうという夏季休暇、年末年始は家族と過ごそうという冬期休暇だ。
それぞれ休暇とは言いつつも、受講している科目毎に課題が出されるのでそこまで気楽にバケーションを楽しむというわけにはいかない。
中には平時の成績が悪いためこの課題で挽回しようと学院に残り、大図書館に籠もりきりの者もいるくらいだ。
ちなみに現在は夏季休暇の直前。
学院で出来た友人と休暇の計画を立てている。
「うちの領地にある湖には中心に小島と祠があるんだけど、その由来がなかなか興味深くて……」
「俺の地元は最近魔物が増えてるらしくって、帰ったら絶対駆り出されるよ……」
「私の家は新しい工場を建てたらしいから、それの見学かな。ちなみに絹が名産なんだけど……」
今ここにいるのはボクを含めて5名。
細面にそれなりに珍しい眼鏡をかけた長身の男子、バルトロメウスことバルトロ。
ビショフ伯爵家の嫡男で、数字に強く分析能力が高い。
その割にオカルト好きで怪談話の収集を趣味とする。
筋肉質で体格が良いが、身長はまだ成長期のためそれなりなのがカール。
実家は騎士家で次男坊。
武芸百般を地で行くセンスの塊。
ただし全て感覚でやっているため人に教えるのは壊滅的に下手であり、他人から教えられても理解ができないらしい。
貴族に混じっても遜色ない器量よしなのがディアナ。
実家は手広くやっている大店で、将来はその服飾部門を担いたいらしく、ファッションセンスも良い。
最後は小柄で大人しく、今も皆の話をにこにこしながら聞いているのがエリゼ。
こう見えて奨学生として入学した成績優秀者で、なんでもそつなくこなす。
他にも交流のある人物はいるが、このメンバーで行動することが多い。
今も休暇中にこのメンバーで行動しようと、それぞれ自分の地元について話しているところだ。
ちなみに、このメンバーでいると自然とボクがリーダーのように動くことになる。
実家の爵位的にそうなってしまうんだ。
「じゃあ、今回はカールの地元で魔物退治といこうか」
皆の意見を参考にしつつ、自身の興味をふんだんに取り入れた決定を下す。
特に反対意見もなく皆がうなずく。
「あの、私もお邪魔して良いですか?」
いつからそこに居たのか、気づけばボクらの輪から少し離れたところにエミリーが立っている。
黒髪で青い瞳を隠した平凡そうな少女、そう主人公ちゃんである。
あの黒猫事件以来、妙にボクに懐いてしまって、こうしてたびたびボクたちのグループに混ざってくる。
まあ、貴族位はボクとバルトロだけだし、同じ奨学生であるエリゼがいるから話しやすいのかもしれない。
「ボクとしては異存ないけど、皆はどうかな?」
その言葉に皆がうなずく。
確かにボクはリーダー的な存在ではあるけど、他のメンバーもイエスマンというわけではない。
そもそもそれではおもしろくないからこそちゃんと自分の意見が言える者を集めたわけだしね。
彼らが良いというなら、問題はないだろう。
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