SEASON
第15話
「ナイスボール」
真咲が勢いよくボールを投げ返す。
一番驚いていたのはバッターだ。
目線を少し上げて久留美が投げたボールの軌道を眺めている。
「前田~なめられてんじゃん。そんなふざけた球打ち返せよ」
静まりかえったベンチがまたうるさくなってきて私はすぐに投球モーションに入る。
「こいつまた」
秘球を続ける私にバッターは鬼の形相で打ちにいく・・・がタイミングが合わず空振り。
追い込んだ。
「久留美ちゃーん決めちゃえ」
あんこの声に頷いて腕を振り下ろす。
バシィィィィィィィィ。
アウトローにピタリと吸い込まれたストレートにバッターは見送った。審判の腕が上がる。
見逃し三振。
よっしゃぁ。
光栄ナインから思わずこぼれる雄たけびに気持ちが乗った。
その後も私は秘球ハエどまりスローボールとストレートを混ぜて打者を翻弄初回を三者三振に切ってみせた。
「咲坂一巡目はこの調子でいくよ」
ベンチに戻り久留美はさっそく真咲と秘球を投げたときの感覚の良し悪しを確認をして次のバッターの初球の入りの打ち合わせをする。
野手は円陣もそこそこに今日一番に入るソヒィーさんに声援を送る。
「く~ちゃんよく見てなさい慶凛大学のピッチャー鳴滝のピッチングを」
美雨が真剣な眼差しでマウンドを指差す。
右投げ。身長は女子選手にしては高く一七〇センチほどで髪の毛をまとめて結っているのか帽子が少し浮いていた、
ユニフォームの上からでも分かる大きな胸にがっちり(むっちり?)としたお尻。よく見ると化粧もしている。雰囲気からしてエロい感じのお姉さんという印象だった。
「気に食わないわ、みかこのやつ化粧なんかしてピッチャーをなんだと思ってんの」
りかこがぴりぴりし始めた。
二人の間にどんな確執があったのかは知らないがなんとなくかみ合わないのは分かる。
「みかここっちも三振スタートだよ」
「ぶっちぎれ」
鳴滝は内野陣にピースサインするとゆっくり振りかぶる。
足を振り上げたときに腰を曲げ膝が大きな胸にあたるまるでメジャーリーガーのようだ。一呼吸おくと軸足の膝が折れ上体が低くなるそのまま足が地面につくと腕を勢いよく振り下ろした。低い。そう思いソヒィーはバットを止めた。
低めいっぱいのストライクの判定にソヒィーさんはこちらを向いて人指しを上げる。すごい伸びだと伝えた。
「スピードは久留美の方が速いが球の回転数は鳴滝の方が多い」
詩音がつぶやく。たしかにすごい伸びだった。
ソヒィーさんは二球目、三球目をファールにして粘りを見せる。鳴滝はキャッチャーのサインに一度首を振るとにやりと笑って四球目を投げた。
コースは真ん中。ソヒィーさんのスイングの軌道は完全にとらえたがボールはバッターの手元でグワンと変化しバットを避けるように斜めに落ちた。
ソヒィーのバットが空を切る。すごい落差だ。
「去年よりさらにキレを増してる」
真咲は深刻な顔で言った。あの球はいったい。
「シンカーよ。しかもストレートと変わらないスピードで変化する高速シンカー」
りかこはマウンドを睨む。
すると鳴滝もこちらのベンチに視線を向けてグローブを前に突き出す。
「今からあなたたちが味合うのは圧倒的な屈辱と歴史的大敗だ。なめてかかると完全試合喰らうわよ光栄大学!!」
ベンチの空気が一瞬にして変わった。
真咲が勢いよくボールを投げ返す。
一番驚いていたのはバッターだ。
目線を少し上げて久留美が投げたボールの軌道を眺めている。
「前田~なめられてんじゃん。そんなふざけた球打ち返せよ」
静まりかえったベンチがまたうるさくなってきて私はすぐに投球モーションに入る。
「こいつまた」
秘球を続ける私にバッターは鬼の形相で打ちにいく・・・がタイミングが合わず空振り。
追い込んだ。
「久留美ちゃーん決めちゃえ」
あんこの声に頷いて腕を振り下ろす。
バシィィィィィィィィ。
アウトローにピタリと吸い込まれたストレートにバッターは見送った。審判の腕が上がる。
見逃し三振。
よっしゃぁ。
光栄ナインから思わずこぼれる雄たけびに気持ちが乗った。
その後も私は秘球ハエどまりスローボールとストレートを混ぜて打者を翻弄初回を三者三振に切ってみせた。
「咲坂一巡目はこの調子でいくよ」
ベンチに戻り久留美はさっそく真咲と秘球を投げたときの感覚の良し悪しを確認をして次のバッターの初球の入りの打ち合わせをする。
野手は円陣もそこそこに今日一番に入るソヒィーさんに声援を送る。
「く~ちゃんよく見てなさい慶凛大学のピッチャー鳴滝のピッチングを」
美雨が真剣な眼差しでマウンドを指差す。
右投げ。身長は女子選手にしては高く一七〇センチほどで髪の毛をまとめて結っているのか帽子が少し浮いていた、
ユニフォームの上からでも分かる大きな胸にがっちり(むっちり?)としたお尻。よく見ると化粧もしている。雰囲気からしてエロい感じのお姉さんという印象だった。
「気に食わないわ、みかこのやつ化粧なんかしてピッチャーをなんだと思ってんの」
りかこがぴりぴりし始めた。
二人の間にどんな確執があったのかは知らないがなんとなくかみ合わないのは分かる。
「みかここっちも三振スタートだよ」
「ぶっちぎれ」
鳴滝は内野陣にピースサインするとゆっくり振りかぶる。
足を振り上げたときに腰を曲げ膝が大きな胸にあたるまるでメジャーリーガーのようだ。一呼吸おくと軸足の膝が折れ上体が低くなるそのまま足が地面につくと腕を勢いよく振り下ろした。低い。そう思いソヒィーはバットを止めた。
低めいっぱいのストライクの判定にソヒィーさんはこちらを向いて人指しを上げる。すごい伸びだと伝えた。
「スピードは久留美の方が速いが球の回転数は鳴滝の方が多い」
詩音がつぶやく。たしかにすごい伸びだった。
ソヒィーさんは二球目、三球目をファールにして粘りを見せる。鳴滝はキャッチャーのサインに一度首を振るとにやりと笑って四球目を投げた。
コースは真ん中。ソヒィーさんのスイングの軌道は完全にとらえたがボールはバッターの手元でグワンと変化しバットを避けるように斜めに落ちた。
ソヒィーのバットが空を切る。すごい落差だ。
「去年よりさらにキレを増してる」
真咲は深刻な顔で言った。あの球はいったい。
「シンカーよ。しかもストレートと変わらないスピードで変化する高速シンカー」
りかこはマウンドを睨む。
すると鳴滝もこちらのベンチに視線を向けてグローブを前に突き出す。
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