闇を統べる者

吉岡我龍

亡国の王子 -始まりの夜明け-


 そこは天界と魔界の中間に位置する世界。
魔術と呼ばれる力はあるものの、未だ満足に使える者がいない世界。
不完全ながらも人類は様々な民族が各々の文明を築き上げ、繁栄を求めて争い、又は手を取り合い、次の時代へゆっくりと進む。
やがて国家が乱立し、弱き国は淘汰されていく。世界は統一に近づき一時の平穏な時代を迎えるが大国内には利権が生まれ、それを争って国が傾く。
燻っていた炎がまた燃え出すと国家が勃興してまた淘汰されるの繰り返し。
文明を手に入れて5000年、同じことを繰り返していた人類の世界。
今日もここ、カーラル大陸にあるアデルハイド王国で作業のような戦争が起ころうとしていた。



小国ながら堅牢で知られる王国『アデルハイド』。
北にある独裁国家『リングストン』と南にある戦闘国家『ネ=ウィン』に挟まれた緩衝国である。
この二国は近年急速に国力を付けてきてそれぞれが南北への侵攻を伺っていた為国王キシリング=アデルハイドは今日も執務室で頭を抱えていた。

こんこんこん

そこに扉が叩かれて許可を出す前に可愛らしい少女のような少年が入ってくる。
「お父様!今日は新しく覚えた料理を作ってみました!その、美味しくできたと思うので・・・」
「そうかそうか!では早速頂こうじゃないか!」
可愛らしい男の子のはしゃぐ姿を見て先程の悩みなどは全て吹っ飛んでいったキシリング。顔を綻ばせて席を立つと親子2人は食堂へ向かった。
彼はクレイス=アデルハイド。
若くして失った亡き王妃の忘れ形見だ。美しい銀髪を短く整え、大きな瞳も相まってよく女の子と間違われがちだがこれでも王子、時期国王候補なのだ。
ただ、王妃の面影が強く出すぎていたせいかキシリングは彼を非常に甘やかして育ててきた。
結果今の今まで武術らしいものにもほぼ触れさせる事はなく、学術も最低限しか習得出来ていない。唯一抜きん出ているのは何故か料理の腕前だけだ。

彼にもわかっていた。そろそろ息子にもしっかりとした教育を施さねばならないと。

南北の大国が日々緊張感を高めているのだ。この国もいつ侵攻されるかわからないし、もし自分に何かあった時は細身で女の子と見紛う息子が国王となる。
配下には優秀な者が揃っているので彼らが全力で補佐はするだろう。しかしそれをずっと許す訳には行かない。
堅牢と呼ばれる『アデルハイド』には矢面に立つ強い国王が居てこそ皆の士気が一丸となって国を支えてきたのだ。
「・・・美味い!!流石だなクレイス!お前はこの国、いや、この世界でも1、2を争う料理の腕前に違いない!」
それでも現在キシリングは息子の作った鳥の包み焼きを食べて舌鼓を打っていた。その美味しさからついまた甘やかして饒舌に彼を褒め称えてしまう。
「えへへ。お父様に喜んでもらえるのが一番嬉しいです!」
それに満面の笑みを返すクレイス。いい加減にこの腐りゆく螺旋から抜け出さねばならない。
しかし王妃が亡くなった時、悲しみのどん底に居た国王を元気付けようと始めた王子の優しい料理作りに一体誰が口を挟めるというのか。

クレイスへの教育はまた明日からでもいいか・・・

甘さに甘さを重ね続けた結果、美味しいものを頂いた後はすぐにそんな思考に陥るキシリング。こうして『アデルハイド』は偽りの平和を享受しつつ一日が終わっていった。







どどんっっ!!!

突然の轟音に城内の人間達は慌てて飛び起きた。非常事態なのは言われるまでもなく、すぐに衣服と鎧を身に纏うとキシリングは会議室に全員を集める。
そこでは既に情報統制から始まっており部隊の編成を済ませると南門の防衛戦に投入されるところだった。
「プレオス!敵は『ネ=ウィン』か?!」
「はっ!間違いありません。魔術師団の姿も確認済みです。現在総力を持って当たってはいますがこのままでは・・・」
自身の右腕とも呼べる有能の将プレオスが言葉を濁していた。これは相当な劣勢だとキシリングは捉える。
「支援の判断はプレオスに任せる。他は私に続け!!行くぞ!!!」
ならばこそ国王自らが戦場に立ち兵士と共に戦わねばならない。今夜はそういった状況なのだ。ただ1つだけ気になる問題が残っていたので、
「・・・王子の事もお前に任せる。頼んだぞ?」
静かに耳打ちをして心の憂いを取り除いたキシリングは兵の顔に切り替えると会議室を後にした。

用意された馬に騎乗すると、近衛を引き連れた国王は城下を真っ直ぐ南下する。
途中、国民達の様子も気に掛けるが多少の混乱はあるものの、皆落ち着いて退避と迎撃の準備をしているようだ。
一安心した王はその後無心で馬を走らせ、わずか10分弱で南門へ到着するがそこには想定より最悪な光景が映し出されていた。

漆黒の武具に身を包んだ敵兵はこちらの守衛をかなり圧していた。倒れているのは『アデルハイド』の鎧に身を包んだ者が多い。
(早々に出向いて正解だったな。)
心の中でつぶやいた王は長剣を抜くと天にかざし、
「うおおおおおおおおおおおおおおおーーーーー!!!!」
咆哮を上げ、自身の存在を周囲に知らしめる。明らかに空気が変わっていくと守衛達の動きに力強さが宿り出した。
後方からも王に続いていた援軍がどんどん湧いて出てくるといよいよ南門を挟んで本格的な戦へと発展していく。
「雑兵共が!!生きて帰れると思うでないぞ!!」
親衛隊と共に国王自らが敵軍へ突っ込むとその動きに連動するように各部隊も武器を携えキシリングの両脇から前線を上げていった。
強の個に強の個が重なり合い、強大無比な軍と形を成して王の手足の如く自在に駆け回り戦場を支配する。『アデルハイド』の代名詞とも言える戦術だ。

刹那、正面の暗闇から数十の火球が飛んでくる。王の後方に控えていた大盾を構えた騎兵が全力で前に出て、

どどどどん!!

激しい爆破音と共にそれらを受けきるとキシリングが忌々しい声を上げた。
「ちぃっ?!魔術か?!」
魔術師を編成している国は多くない。非常に強力な戦力だが世界から見ても魔術を使える人間は圧倒的に少ないのだ。
報告にも挙がってはいたが現在は夜。視認が難しい中で突然これに襲われる事を考えると劣勢により拍車を掛ける恐れがあった。

「・・・さすがキシリング王の親衛隊。・・・今のを凌ぐか。」

更にこちらへ話しかけてくる声。南門の前線より後方の空にある大きな雲の影から人影が現れた事でキシリングの汗は冷や汗へと変わっていく。
人の背丈以上の高さに浮いているそれは飛行の術式と呼ばれる『ネ=ウィン』の魔術師しか知りえない秘術。
圧倒的有利な位置から一方的に魔術を放てる利点は戦の優劣へそのまま直結する。しかし対処がないわけではない。
「撃てえぇぇいぃッ!!!」
王が号令を放つと後方に待機していた弓兵部隊が降雨と見紛う様な矢を射る。
魔術師団は後方の闇に溶け込む形でそれらを回避、以上にいた敵部隊にいくらか刺さり多少の巻き返しに成功するとキシリングが腕を振り、それにあわせて鐘がかんかんと響き渡った。
闇雲に戦う事を良しとせず全軍が持久戦用の防御体勢へと陣形を変えていったのだ。これで当分は南門を突破される事はないだろう。

「おいおい!戦はこれからだろ?!」

しかし恐ろしい程の大きな男が敵陣から顔を出すとにわかに自陣がざわめき出す。鎧兜を着けていない所をみると相当腕に自信があるらしい。
今一度一斉掃射の号令を掛けようとした時その大男が周囲の兵士を率いて『アデルハイド』の防衛陣に走ってくる。
(愚かな?!)
キシリングの脳裏に浮かんだ言葉はそれだった。同時に先ほどよりも声に力が入った号令で後方から放たれる矢の雨。
「撃てぇぇぇぇえええいッ!!!!」
「突っ込めぇぇえええぇえぇ!!!!!!!!!」
だがその王の号令を掻き消すかのように大男から突貫の号令が戦場に響き渡る。周囲の兵士の士気が明らかに上がり、速度も増したようだ。
「ッ!?」
敵軍の変化に気が付いたキシリングは一瞬怯んだが、それでも号令と共に自ら前線に駆け戻った。
「迎撃せよッ!!!!!!」
お互いの矛と盾が全力でぶつかり合うも自慢の大盾部隊が敵の大男の握る巨大な槍のなぎ払いによって10人以上が一瞬で消し飛ぶ。
胴が盾ごと真一文字に切り裂かれ、死体と破片が飛び散った。その光景に畏怖する『アデルハイド』兵、逆に相手の士気は跳ね上がっていく。
堅牢と名高い彼の軍の防御部隊が一気に崩壊し、それに呼応して後方にいた魔術師団も距離を詰めて火球をどんどん打ち込んでくる。
(ここで圧される訳にはいかん!!!)
「私に続けえぇぇい!!!!」
キシリングは吼え、怯む自軍の兵士の隙間を縫って大男の前に飛び出した。夜深く月明かりが見え隠れする中やっと敵の大将を確認できたのだが、
「貴様?!フランドルか?!」
「おう!!じいさん、引導を渡しに来たぜ?!」

ばきゃぁあんっ!!!

お互いの顔が認識できる距離で剣と槍を交えると激しい火花が轟音と共に散華する。
『ネ=ウィン』の4将と呼ばれる将軍の最高位的存在。その1人がこの『アデルハイド』へ夜襲をかけて来ていたのだ。
更に後方には魔術師団が控える布陣。落とすというには過剰すぎる戦力に王は戦闘国家の本気を肌で感じる。

がきんっがんっ!!ばきききっ!!!ぶおんっ!

いくら猛将とはいえ若さと膂力で推し負けるキシリングはじりじりと後退し、追い討ちをかける敵兵により前線はどんどんと圧し返されて行く。
気が付けば『アデルハイド』兵の死体のみが増えていき、キシリングの体にも火球が当たると短いうめき声と共に仰け反る。
大きな隙が生まれると親衛隊が慌てて国王の防御に回り込むが、
「おい?!俺に当たったらどうする?!」
フランドルは大男ゆえ、後方からの射線を塞ぎやすい。攻撃を継続する前に自軍の後方へ不満をぶつけていた。
「・・・4将を冠する男が細かい事を気にするな。」

この夜、堅牢で名を馳せた『アデルハイド』が遂に陥落しようとしていた。





 ここ数年はキシリングの盟友による活躍で大人しくしていたと思われた『ネ=ウィン』。それが今夜、不退転の意志で夜襲を掛けてきたのだ。
(果たして援軍は間に合うのか・・・・・)
だが彼の盟友が8年ほど前に立ち上げた新興国『トリスト』は彼の国を上回る程の極少精鋭部隊だ。そこから100人でも寄越してくれれば十分跳ね返せるだろうとプレオスは読む。

問題は国王の怪我、そして『ネ=ウィン』からは4将の2人が出陣していた事と現在非常に劣勢だという事。
このまま城内に入られれば取り返しがつかなくなると考えたプレオスは最悪の事態を避ける為にクレイスを逃亡させる準備を指示する。

目的地は『迷わせの森』と呼ばれる呪われた地。

昔、息子を冤罪で処刑された母親が禁断の秘術とやらを使って森全体に呪いをかけたという曰くつきの場所だ。
話自体がずいぶん昔からあるので真意のほどは定かではないが森に生えているどの種類の木々ももれなくひね曲がっている。
そのため材木として使うには勝手が悪く、道を作っても木々がそれを覆ってしまう為誰も立ち入ろうとしなくなった。
更に開墾した場所に作物を植えてもひん曲がるので満足に収穫も出来ない。文字通り使い道を『迷わせる森』なのだ。

そんなはた迷惑な森でも避難するには最も有効な場所として機能する。

自身の配下で一番腕の立つ者にその命令を下すとプレオスは一息つきながら援軍が来る事を祈りつつ防衛線の維持に努めた。







半分寝ぼけていたクレイスは馬に乗せられて夜風に当たるとやっと緊急事態を察知する。
妙な音で目は覚めていたもののまさか着替えて城外へと逃げる羽目になるとは思ってもみなかった。
気が付けば嗅覚では様々な焼け焦げた匂いを捕えている。ほとんど経験した事のない戦特有の匂いだ。
(お父様は大丈夫かな・・・大丈夫だよね?)
今まで何度か逃亡の訓練はしたことがあったものの、こんな夜遅くに外へ出るというのは彼の人生で初めてだった。
妙な背徳感と高揚感に彼の心は人知れず踊っていたが今の自分がどのような状況に置かれているのかを悟った時、この感情は間違いだったと大きく後悔する。

そしてその時はすぐに訪れた。

突然暗闇の中から数十の群れが姿を現すとこちらに近づいて来たのだ。
その荒々しい馬の乗り方は辺りが暗くても悪目立ちする為間違いなく『アデルハイド』の兵士ではないと断言出来る。

しゃっ・・・!!しゃしゃしゃっ!!

矢を射かけられる中兵士達は必死に馬を走らせるが1人、また1人と落馬が続き、やっと森の入り口付近にたどり着いた時には3騎しか護衛がいない状態だった。
「森へ!!」
自身と共に乗っていた兵士がクレイスに叫ぶと後ろを振り向く事無く走り出す。何度か足は踏み入れているのだ。道もある程度は知っている。
しかしそれらは全て昼間での出来事で月明かりすら乏しい深夜に木々が覆いかぶさるような中を移動するのは危険であり大変であった。
更に護衛達も突如現れた部隊を止める為に全員が森の入り口で死闘を繰り広げている。正に命懸けの時間稼ぎだ。
(に、逃げなきゃ・・・)
気持ちだけは逸るものの普段から体を鍛えていなかった彼にとってこの逃亡劇は非常に苦しいものだった。
少し走っただけで息は切れ、口の中には血の味が広がる。更に脇腹が指すように痛み出すと足はどんどん動くのを拒否していく。
やがて体中が疲労困憊で言う事を聞かなくなってくると気を紛らわすために今夜の出来事を考え出したクレイス。
(今夜の敵は何だったんだ?)
自国が南北の強国に挟まれていた事くらいは知っていた。だが父はいつも心配はいらないと言っていたし自分もそれを信じて生きてきた。
なのにいきなりこんな事になるなんて・・・でも大丈夫。父も配下も兵士達も皆が強いのだ。歩きながら何とか前向きに考えようとするも心のどこかでは最悪の事態ばかりを考えている。

やがて見覚えのある多少開けた場所に出てくるとクレイスは座り込んだ。

身も心も疲れ果てた彼の体はこれ以上動く事を拒否したのだ。城から逃げてきてどれくらいの時がたったのか。誰か早く迎えに来てくれないだろうか?
甘さにどっぷりと浸かった人生しか送れなかったクレイスはこの場面でも尚自分の状況を楽観視する。と、そこに、
「お。いたぞいたぞ。」
聞いた事のない声が耳に届くと四方から軽装に身を包んだ粗暴な男達が次々と姿を現した。彼でもわかる。彼らは味方には成り得ないと。
ほんの少しだけ現実を知ったクレイスはそれでも心のどこかに希望を持っていた。今にも『アデルハイド』から援軍がやってきてこいつらを蹴散らすのだと。
「・・・王子?まさか替え玉か?」
気が付けば10人ほどに囲まれており彼の顔を覗き込んだ1人が不思議そうに首を傾げていたが、

もにゅっ!

後ろから出てきた人相が一番悪い総髪の中年がしゃがみこんでクレイスの股間に手を突っ込んで来た。思わず小さな悲鳴を上げるも彼らは特に気にすることなく、
「女みたいな容姿らしいし情報通りだ。担げ。」
自身を『アデルハイド』の王子だとわかっていて攫おうというのだ。恐らく今夜の夜襲と関係のある人間達だろう。
ここにきてやっと自身の危機を自分のものだと理解したクレイスは大いに震えだして何とか逃げようと手足を動かすが屈強な彼らの腕力にはただ無力だった。
(嘘でしょ・・・こんな・・・こんな事になるなんて・・・)
何とかならないかと必死で頭を働かせるも自身にあるのは『アデルハイド』の王子という肩書きだけだ。
力も知恵もつけてこなかったクレイスはただただ絶望に心を塗りつぶされてほろほろと涙を零して震えるくらいしか出来ない。

「お前ら、なにやってんだ?」

そんな時突如森の奥から声をかけられる。国賊達はもちろん、手足を縛られただけで未だ視界が使えるクレイスもそちらに顔を向けた。
すると月明かりに照らされて確認出来る蒼い髪の少年がひん曲がった巨木を太い縄で3本ほど束ねてそれを肩で担いで立っている。 
あまりにも常軌を逸した姿に全員が唖然としているが・・・・・
「何もしてねぇよ。おい、行くぞ。」
総髪の中年は無視を決め込み、周囲にもそう促して出口に向かって歩き出す。明らかに異常な少年を相手にするのは得策ではないとの判断だ。
それは国賊達からすれば正しいだろう。しかしこの機を失えば本当にクレイスの人生は早々に終わりを迎えるかもしれない。

「・・・助けて・・・」

死を覚悟して放った小さな一言。
先程までただ震えて涙を零す事しか出来なかった少年が生まれて初めて見せた抵抗で『迷わせの森』はにわかにざわめきだした。
「ん?助ける?どういう事?」
自分と同い年ほどの少年は担ぎ上げていた巨木の束を地面に落とすと小走りでこちらに近づいて来た。その時地面が軽く揺れた事で少年が見た目通りの重量を担いでいたのだと改めて認識する。
しかし力が強いからといって戦いでも強いかといえばそうではない。蒼髪の少年に背を向けていた総髪の中年は天を仰ぎながら短くため息を漏らすと、

しゃぃぃ・・・・・ぃぃん・・・

目にも止まらぬ速さで剣を抜いて少年の首を刎ね飛ばしていた・・・かに見えた。
一連の動きこそ全く見えなかったが気が付けば中年の刃は彼の首元で止まったまま動かずにいる。俗にいう脅しというものだろうか?
ただ、月明かりに照らされた総髪の中年は驚愕の表情を浮かべていた。蒼髪の少年もきょとんとした表情を浮かべたままなので相手の胆力に驚いているといった感じか?
 
「お前ら。なーにやっとんじゃ?」

不意にまた声を掛けられて一斉に振り向く国賊達とクレイス。
今度現れた人物は筋骨隆々とした体躯、白髪の部分のみが老人らしさを表してはいるものの背中には碇とも斧とも受け取れる巨大な鉄塊を背負い、赤を基調とした仕立ての良い一張羅を身に纏っていた。
時間は深夜、誰も立ち入らない『迷わせの森』でこんなに人と遭遇するものかと冷静なら疑問に感じる事は出来ただろうが今の彼らにそんな余地はない。
「あ、じいちゃん!」
蒼髪の少年がそう言って声の主へ向かって小走りで近づいていく。凡そ見た目だけで只者ではないとわかる老人は少年の頭を撫でながらこちらを一瞥すると、
「ふむ。ヴァッツよ。ワシはこれからこいつらと話がある。お前はそこの少年と一緒に先に家へ帰ってなさい。」
「「「「「「「!?」」」」」」」
国賊達は大いに驚いているがクレイスはどんな反応を示せばよいのかわからず黙って見守る。
しかし突然現れたこの少年と老人がこちらに危害を加える様な人物でない事くらいは彼でも理解出来た。残る問題は現在自分の手足は縛られており担がれている。ここからどう解放してくれるかだ。
「おいじじい。それは俺らにこいつを渡せ、と言ってんのか?」
「うむ。話が早くて助かるわい。」
「ふざけてんじゃねぇぞ!!」
数度言葉をやり取りしただけで当然のように交渉らしきものは決裂する。これには期待していたクレイスもがっかりするが、

すっ・・・・・

老人がゆっくりと右手を挙げると何やら森の空気が一変した。戦いに疎い彼でも分かる。何かとてつもないものが国賊達に向けられているのが。
そしてそれは戦いに通じている者こそ機敏に捉える。見れば彼らは背中を預けあって周囲を警戒していた。まるで大軍にでも囲まれているかのように。
「これは交渉では無く命令じゃ。嫌なら力づくで奪うまで。わかるか?」
言い終わると今度は誰よりも激しい怒気と闘気を纏い始めた老人。眉間には縦皺がしっかりと入り、眼光は獲物を狙う鷹のようだ。
それからどれくらいの時間が流れたのか。総髪の中年が自分を担いでいる男の肩を叩くと彼はその腕を緩めてくれた。と同時に地面に落とされる。
「ふぎゃっ・・・」
あまりにも乱暴な扱いと痛みに再び泣きそうになるがとにかく命は助かるとみていいだろう。そこに先程の少年がやってきて固く縛られた縄をまるで力を入れずに引きちぎる。
「立てる?んじゃ行こうか!」
蒼髪の彼だけはこの状況に一切心を動かされる事無くのびのびと動いているのを見て少しだけ気分が楽になったクレイスはゆっくりと立ち上がった。
ただここまでの逃亡で相当な消耗をしているらしく膝は震えて動かすのすら難しい。それでも必死になって彼の後を歩く。

やがて後方の気配もなくなり蒼髪の少年と2人きりになると気が緩んだのか限界が来たのか、クレイスは前のめりに倒れ込んで意識を失った。





 再び気が付いた時には柔らかい寝具の上で横になっていた。ゆっくりと周囲を見渡すも記憶には無い場所だ。
窓からは日差しが入ってきておりあれからかなりの時間が経ったのは理解出来る。あとは自分の身の安全だけが気になる所だが、
「あ。おはよう!何か食べる?」
突然扉を開けて入って来た蒼髪の少年を見てやっと本当に助かったのだと納得した。

「・・・ご、ごちそうさまでした。」
彼が作ったらしい猪肉の汁物をぺろりと頂いたクレイスは少しずつ落ち着きを取り戻して現状を整理し始める。
まずここは蒼髪の少年の家なのだろう。そして夜中に『アデルハイド』が夜襲を受けた事と自分が逃亡した事なども思い出す。
(・・・あの国賊達は何だったんだろう?)
すると手足を縛られていた恐怖も蘇って心と足に震えが走った。本当に危ない所を助けられたのだと再認識すると、
「あ、あの。昨日はありがとう、ございます。」
王城以外の人間と接触する機会が無かったクレイスは妙な緊張感を走らせながら頭を下げて礼を言う。よくわからない少年は満面の笑みを返しながら頷くと、
「ところでお前の名前何て言うの?オレヴァッツ!」
その名に何となく聞き覚えがあったのは昨晩『迷わせの森』であの老人が一度口に出したからだろう。
「あ、ぼ、僕はクレイス。」
やっとお互いの名前が分かったところでこれからどうするか相談したかったが彼は見た目より少し幼い感じがする。
出来れば昨日の老人か、もしくは城からの迎えが欲しい所だがこの場所がわかるだろうか?

がちゃ

「ふぅ。やっと片付いたわい。お、クレイスも目が覚めてるな。」
「あ!じいちゃんおかえり!」
そこに狙いすましたかのように彼の祖父が帰って来た。何が片付いたのかはわからないがあの時この老人がクレイスを解放してくれたのには間違いない。
「あ、あの。昨日はありがとうございました。」
先程と同じように深々と頭を下げてお礼を言うクレイス。しかしこちらは笑みを返すどころか何やら視線が泳いでいる。
「う、うむ。まぁお前の命は助かった・・・んだがな。クレイスよ。少し厳しい話をしたいのだが構わんか?」
そう言われても心当たりがない彼はおどおどとしたまま軽く数度頷く。厳しいと言われても今更人質にされたりとかではないはずだ。
2人とはまだ出会って間もないが非常によく尽くしてくれている。これは城に帰ったらしっかりとお礼をするよう父に進言せねばならないだろう。

「薄々感づいているとは思うが・・・昨夜『アデルハイド』は陥落した。」

・・・・・
今まで心優しい父とその配下達に囲まれて育って来たクレイスはそんな可能性など微塵も考えていなかった。
彼らがいれば『アデルハイド』は安泰だと信じて疑わなかった彼の妄信にいきなり突き付けられた現実。厳しいというよりまるで他人事のように感じたクレイスは表情も固まり言葉は何も出てこない。
目を開けていても焦点が合わないまま軽く俯いていたのを老人と孫が心配そうに見守る中、
「奴らは王族の生き残りであるお前の身柄も狙っておる。ここにいては危険じゃ。すぐにでも亡命した方がよい・・・といった話なんじゃが。」
その言葉を聞いてやっと昨日国賊に追われていた理由に納得するも未だ国が滅んだ点に関しては信じられないという気持ちが強い。
しかしあと2年で元服するというのに城では王族らしい事を何もしてこなかったクレイス。国が滅んだ事により自分の身がどうなるのか等まるでわかっていない状態だ。
「・・・あ、あ、あの・・・ち、父・・・は?」
「・・・・・げ、現在行方不明じゃ!!心配するな!!まだ生きておるよ!!必ず!!」
どんな表情で父の安否を訪ねたのか自分ではわからなかったが、老人はひどく狼狽しながらも強く励ましてくれた。
唯一の家族であった父キシリング。昨夜は自分が作った力作の料理をぺろりと平らげて喜んでくれていたのが嘘のようだ。
母もクレイスが6歳の時に亡くなっていてほとんど思い出がない上に父にまで先立たれてしまったとなると・・・・・

少しづつ、真綿で首を締められるような感覚で現実が彼を襲って来た。

どうすればいいのかわからない不安と父がいなくなったという不安。国が亡くなったという不安と亡命をするという不安。
様々な不安が折り重なってそれらが悲しみへと変化した時、彼の眼からは大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちてくる。
非常に悲痛な表情を浮かべていた老人とその孫はかける言葉も見つからない様子でずっと黙ってそばで見守っていてくれた。



「今日はゆっくり休め。明日までに旅の準備を済ませておくからの。」
少しだけ落ち着いたクレイスに老人は優しく提案してくれた。至れり尽くせりでこの上なく助かるのだが彼は一体何者なのだろう?
そういえばまだ名前も聞いていなかったなと気が付いたクレイスが彼に声を掛けようとした時、
「ねぇクレイス。いい所を教えてあげる!」
ヴァッツが目を輝かせながらやや強引に手を引いてきた。老人もその様子を微笑んで見守ってくれていたので彼は流されるまま外に連れ出されると小屋の周辺が目に飛び込んでくる。
裏手には小さな小川が流れておりその向こうには切り立った崖がそびえ立つ。そして特徴的なひん曲がった木々が辺りを覆っている事からここが間違いなく『迷わせの森』だと判断出来た。
未だ悲しみに沈むクレイスだったが外に出て自然に囲まれるだけでも気分が多少は落ち着くものだなと初めて気が付く。
彼に連れられて小川を軽く飛び越えた後崖沿いに少し歩いて行くとそこに妙な亀裂の入っている場所があった。
「えへへ。ここはね、オレが生まれた場所なんだよ。そんで世界で一番安全な場所、らしいんだ。だからクレイスも何か困った事があればここに来ればいいよ!」
「え?え??」
純粋そうな少年が自慢げにそんな事を話してくれるが頭がついて行かないクレイスは何度か疑問を口に出した。
ここが生まれた場所?よくわからないので顔を突っ込んでみると中はとても暗くひんやりとしている。ここにご両親が住んでいる・・・住んでいたとかかな?
何も考えずにそのまま奥へと進むと突如後方の明かりが見えなくなった。
「ええ?!あ、あれ?!出口どこ?!?」
「うん?出口は後ろだよ?」
一緒にヴァッツも入って来たのか声はすぐそばで聞こえてはいるものの周囲はおろか彼の姿を視認することは出来そうにない。先程までの悲しみが全て不安で塗り替えられるクレイス。
(こ、ここは危ないんじゃ?!早く外に出なきゃ!!)
辺りに手をやり辛うじてヴァッツの体に当たったのを確認すると彼の手を握って外に出る事を提案するが、

【闇は全ての根源だ。恐れる事はない。】

「っ?!?!」
「あれ?『ヤミヲ』、オレ以外に話しかけて大丈夫なの?」
まるで地の底から響いてくるような暗く深い声が話しかけてきた。そしてそれをあっけらかんと返しているヴァッツ。
「え?え?あ、あの。し、知り合い?です、か?」
「うん。オレの中にいるんだよ。『ヤミヲ』って呼んでるだけど今まで他人には内緒だって散々言ってたのに。どうしたんだろ?」
【・・・・・】
不思議な話だ。そもそも中にいるとはどういう意味なのだろう?
ただそれ以降『ヤミヲ』の声が聞こえる事はなく、いつの間にか落ち着きと安らぎすら感じていたクレイスはヴァッツに手を引いてもらいながらその場を後にした。

その日の夜はせめて何かお返しをしたいと申し出てクレイスが晩御飯を作る事になった。
王族でありながら国は落ちて手元に残ったのは自分の身一つと料理の腕前だけだ。そう考えるとこれをしっかり習得していたのは悪くなかったのかとさえ思えてくる。
「美味しい!!クレイス凄いね?!」
「ううむ・・・・・話には聞いていたがこれ程とは。うむ!クレイスよ、ありがとうな。」
祖父と孫が揃って絶賛してくれたので嬉しさが心を満たしていく。それによって様々な不安と悲しみから解放されていくのだから2人には感謝しかない。

だがその夜。

老人の勧めでもあったので少年2人が同じ寝具に身を沈めるとクレイスは夢を見た。

父と『アデルハイド』の夢だ。

クレイスが作った兎肉の柔らか煮をとても美味しそうに食べている。皆にも食べてもらいたくて腕によりをかけて沢山作った。

将軍や召使いも口に入れる度に大層喜んでくれた。笑顔が伝播していく様子を見て苦労した甲斐があったとこちらも顔がほころぶ。

その夜の晩餐は笑顔で溢れかえっていた。







ぱちりと瞳を開けると同時にあふれていた涙が頬を伝う。窓からは空が白んでいるのが見えていた
優しい夢か、悲しい夢か、起きた時に涙を流してはいたが心にはしこりのような寂しさが残っている。体を起こして左右を見渡すと隣にはヴァッツがまだぐっすりと眠ったままだ。
不意にとてもよい匂いが鼻腔をくすぐる。彼を起こさないように静かに寝具から起きあがるとクレイスは寝室からひょっこりと顔をのぞかせてみた。
「おお。おはよう。良く眠れたか?」
そこには食事の準備をする老人の姿があった。





 その後ヴァッツも祖父に起こされて3人で朝食を済ませると早速旅の手順を教えてもらう。
「ワシの従者を1人付けるので何かあれば彼女を頼ればよい。そしてヴァッツ、くれぐれも迷惑にならんようにな?」
「うん!!オレ森から出るの初めて!!何かわくわくするなぁ!!」
「・・・・・え?あ、あの、ヴァッツも一緒、に?」
自分1人で亡命するものだとばかり思っていたので従者を付けて貰えた事でも有難かったのだがそこに蒼髪の少年も付いてくるのだという。
「うむ。こやつにもそろそろ世界を知ってもらおうとは前から考えていたんじゃ。世間知らずだがよろしく頼むぞ。」
老人が深々と頭を下げるのでこちらも畏まってより深く頭を下げる。世間知らず、と言われれば自分にも当てはまるのだ。
そこには何ともむず痒い思いを抱くが、ヴァッツという底抜けに明るい少年が一緒に来てくれるというのはクレイスにとっても明るい話題だ。
思えば城にいた時は年の近い人間などは周りに存在していなかった。
こうやって何の遠慮もなく話をしてくれる存在は非常に稀有であり、刺激的でもあり、そして妙な頼り甲斐すら感じていた。
「よ、よろしくね。」
「うん!いや~絵本で読んでもらったのをいっぱい見てみたいね!楽しみだなぁ!」
少し旅の目的にずれを感じるものの彼が一緒なら暗く沈んだものにはならないかな、と心に希望を抱いたクレイスはお互いが挨拶を交わして表にあった馬車へと乗り込む。
そして御者席に老人が座ると3人は辛うじて走る事の出来る細い道を西へと向かった。

やがて森を抜けるとすぐに頭から外套をかぶった人がこちらに向かってきて跪いてくる。
「こやつはリリーといって君達の従者を勤めてくれる。力量は問題ないので安心して頼ってくれ。」
そういって老人は御者席から降りると入れ替わるように彼女がそこに飛び乗って、
「よろしくお願いいたします。」
素顔が全く見えなかったが鈴の音のような透き通る美しい声でこちらに挨拶をしてきた。
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします・・・あ、あれ?お祖父さんは?」
「すまんな。ワシは少しやり残した事があるのでついて行けんのじゃ。」
てっきり彼が同行してくれるものだと思っていたのでここに来て初めて落ち込む様子をみせたクレイス。

父に少し似ているからだろうか。短い間だったがそばにいてくれるだけで悲しみで気落ちしそうな心をしっかりと支えて貰えていた気がする。
そんな彼と別れるという喪失感が一昨日の出来事と被り、再び目に涙を浮かべるが、
「そんな顔をするでない。ワシの代わりはヴァッツに任せてある。いいかクレイス、希望を捨てるな。君の父君は必ず生きている。国も取り返す。ワシが約束する!」
命を助けてもらっただけでなく亡命の手筈を整え、励ましの言葉をかけてもらい、最後は国と父をも取り戻すと断言してくれたった彼の言葉を信じない理由はもうどこにもない。
「は、はい!」
負けじと力強く返事をすると老人は笑顔で馬車から離れて行き、3人は西の『シャリーゼ』という国に向かって走り出した。




『迷わせの森』の西側は軽い丘陵になっている。その丘から亡命に向かう馬車を見送っていた老人は、
「時雨よ」
不意に誰かへ声をかけた。周りには誰もいない。いないはずだった。
「はっ」
突然、男の後ろに黒い影が現れる。全身が黒い衣服な上に髪も黒く長い。顔は目元だけ露出していて、声でのみ性別を判断出来る格好だ。
忍びと呼ばれる術を身につけた、いわゆる諜報員である時雨と呼ばれた女は跪いた状態で次の指示を静かに待つ。
「一行は旅立った。後を追って全ての情報をワシの元へ届けよ。」
「御意」
短いやりとりの後、黒い影はすぐに気配と姿を消す。

「よい忍びだな。さすが『トリスト』国王の配下、いや、『羅刹』の配下というべきか?」
今度は森の入り口から人影が数人現れた。その先頭に立つ男の頭には王冠が乗っている。
周りの人間も含め、やや怪我を負ってはいるが皆が立派な鎧に身を包み、先頭を歩く男に付き従っているようだ。

がんっ!!!

そんな王冠を乗せた男を鉄拳が襲う。周囲は思わず顔をしかめるが王に対する無礼を非難する様子は微塵も無い。
「なーにを格好つけとる!!貴様のせいでとんだ役回りじゃわい!!国を失ったとか王を失ったとか嘘ばっかり並べよって!!」
「嘘ではない!!事実貴様の軍勢が来なければ我等は間違いなく死んでいた!!それで感謝を述べようとしたら鉄拳が飛んでくるし!!こっちは怪我人だぞ?!」
元気な初老と老人がいがみ合いを始めるが、それでも配下が止めに入る様子は無い。これはお互いがお互いをよく知っているからだと彼らも認識していたからだ。
「そもそも本当によかったのか?クレイス王子は唯一の嫡男。彼が死ねば『アデルハイド』の血は完全に途絶えるぞ?」
「血の繋がっていない家族を持つお前がそんな心配をするな。それにクレイスはあのままだとどの道長くは持たん。」
『アデルハイド』の王キシリングが自身の息子に対して非常に厳しい意見を述べる。
「この夜襲はいい機会にもなった。雛はいずれ巣立ちの時を迎える。少しでもいい。今よりも一歩、いや半歩でもいい。殻を破り成長してほしいのだ。」
「しかしわざわざ国が滅んだとか父の安否を不明にする必要もなかろうて・・・・・」
「そうでもしないと甘さが残るのだ。私も、クレイスもな・・・」
顔をしかめて悲しく語るキシリング。亡き王妃に似てきた息子が望むがままに育ててきた事への後悔と反省からの荒療治なのだろうが、
「・・・まぁ、成長を望む気持ちだけは理解出来るわい。」
感情が落ち着き、意見を尊重しあう2人は頷きあう。
「お主こそ孫のヴァッツを旅立たせてよかったのか?ずっと『迷わせの森』で外界との関係を絶ってまで育てておったのに。」
「・・・貴様と同じじゃよ。世間を知るいい機会だと思ってな。」
「ふむ・・・」
お互いが次の世代を担う大切な卵をそれぞれの希望を乗せて旅立たせた日。盟友でもある2人は小さくなっていく馬車を万感の想いで見届け続けるのだった。

コメント

  • ノベルバユーザー601444

    ボリュームたっぷりで読み応えがありましたーー(^^)
    とっても面白かったです!
    また少しずつ読ませて頂きます!!

    1
  • amegahare

    練られたストーリー展開を楽しませて頂きました。シーンごとの描写が丁寧でイメージしやすかったです。壮大な冒険が主人公を待ちかまえている予感がしました。

    1
  • ノベルバユーザー601720

    思ったよりも数倍面白く、作り込まれていて引き込まれました!

    1
  • ホワイトチョコレート

    中身が作り込まれていて面白かったです。
    ストーリーも詰まっています。

    1
  • ノベルバユーザー601402

    シナリオも良く主人公の今後も気になり次も楽しみです。

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