闇を統べる者
クレイスの憂鬱 -八人目-②
『リングストン』の副都市で起こった事件はアンの根回しによりほとんど口外される事は無かったが当事者となると話は別だ。
「すまんなクレイス。まさかお前が『七神』との接点を持っていたとは知らなかった。」
「いえ、僕もガビアム様が彼らと接触していたのを最近知りましたから。」
ショウから事前に教えられていたので夜襲の件はある程理解していたものの、まさか『悪魔族』や『神族』まで関与しているとは思わなかった。
『アデルハイド』でフロウとイェ=イレィから直接謝罪を受けたクレイスは早速詳しい話を聞くと彼らもまた『七神』が作る『黒威』に脅威を覚えていたらしい。
「わかりました。ところで『七神』の2人を捕えているそうですが折角です。『黒威』を作る人物も交えて皆様も是非会談に参加されませんか?」
「あら。それは願ったりだわ。ね?フロウ様?」
「・・・私はどちらでも良いのだが顔を覚えておく必要はあるか。いいだろう。」
それからクレイス達は右手を失ったガビアムも連れて『ビ=ダータ』に向かったのだがそこで先回りしていたショウとヴァッツ、そして従者であるクンシェオルトと時雨が出迎えてくれた。
「まぁヴァッツ様!大変お久しう御座います!」
最初はイェ=イレィの暴走を止める為に呼んだものだと思っていたがショウは『七神』の作る『黒威』という存在を最大限に警戒している。故に最も頼りになる彼を一緒に連れて来たようだ。
「遅かったではないか。」
「え?ティナマさん?」
更に護衛も兼ねているらしい。元『七神』の長まで呼んだのには相手の真贋と話の整合性を判断してもらう為らしい。
『気まぐれ屋』の雇われ店長に落ち着いていたのですっかり忘れていたがこれで『七神』のうち4人が集結する事になる訳だ。
「では早速始めましょう。」
右手を失ったガビアムもその重要性をよく理解しているのか、休む間もなく速やかに会談の用意をすると一行はその日のうちに会議室に集められる。
「何と?ティナマではないか?!お、お主生きておったのか?!」
そして最後に入ってきた『七神』の一人である老人が驚愕の声を上げるとティナマも不敵な笑みを浮かべた。
「アジューズ、相変わらず元気そうじゃな。そしてフェレーヴァと・・・お主はセイドか?随分痩せこけておるではないか?」
やはり彼女を連れてきたのは正解だったようだ。相手が名乗る前に次々と紹介してくれたのだが妙に美しい金髪を持つ老人?を見て驚いている。
「ほ、本当にティナマ様のようですね。し、しかしダクリバンは殺されたと言っていたのに・・・生きておられるのでしたら何故戻って来られなかったのですか?」
その辺りの詳しい事情は一部の人間しか知らない為クレイスも様子を見守っているとティナマは勝ち誇ったような笑みで腕を組みながら吐き捨てる。
「長寿を嘆くだけの傷のなめ合い集団に興味はないからのう。」
こんな始まり方で大丈夫だろうか?会談とは思えぬ空気に肝を冷やすが時雨だけは優しい笑みを浮かべるとショウも仕切り直しに開始の宣言を行うのだった。
「すまんなクレイス。まさかお前が『七神』との接点を持っていたとは知らなかった。」
「いえ、僕もガビアム様が彼らと接触していたのを最近知りましたから。」
ショウから事前に教えられていたので夜襲の件はある程理解していたものの、まさか『悪魔族』や『神族』まで関与しているとは思わなかった。
『アデルハイド』でフロウとイェ=イレィから直接謝罪を受けたクレイスは早速詳しい話を聞くと彼らもまた『七神』が作る『黒威』に脅威を覚えていたらしい。
「わかりました。ところで『七神』の2人を捕えているそうですが折角です。『黒威』を作る人物も交えて皆様も是非会談に参加されませんか?」
「あら。それは願ったりだわ。ね?フロウ様?」
「・・・私はどちらでも良いのだが顔を覚えておく必要はあるか。いいだろう。」
それからクレイス達は右手を失ったガビアムも連れて『ビ=ダータ』に向かったのだがそこで先回りしていたショウとヴァッツ、そして従者であるクンシェオルトと時雨が出迎えてくれた。
「まぁヴァッツ様!大変お久しう御座います!」
最初はイェ=イレィの暴走を止める為に呼んだものだと思っていたがショウは『七神』の作る『黒威』という存在を最大限に警戒している。故に最も頼りになる彼を一緒に連れて来たようだ。
「遅かったではないか。」
「え?ティナマさん?」
更に護衛も兼ねているらしい。元『七神』の長まで呼んだのには相手の真贋と話の整合性を判断してもらう為らしい。
『気まぐれ屋』の雇われ店長に落ち着いていたのですっかり忘れていたがこれで『七神』のうち4人が集結する事になる訳だ。
「では早速始めましょう。」
右手を失ったガビアムもその重要性をよく理解しているのか、休む間もなく速やかに会談の用意をすると一行はその日のうちに会議室に集められる。
「何と?ティナマではないか?!お、お主生きておったのか?!」
そして最後に入ってきた『七神』の一人である老人が驚愕の声を上げるとティナマも不敵な笑みを浮かべた。
「アジューズ、相変わらず元気そうじゃな。そしてフェレーヴァと・・・お主はセイドか?随分痩せこけておるではないか?」
やはり彼女を連れてきたのは正解だったようだ。相手が名乗る前に次々と紹介してくれたのだが妙に美しい金髪を持つ老人?を見て驚いている。
「ほ、本当にティナマ様のようですね。し、しかしダクリバンは殺されたと言っていたのに・・・生きておられるのでしたら何故戻って来られなかったのですか?」
その辺りの詳しい事情は一部の人間しか知らない為クレイスも様子を見守っているとティナマは勝ち誇ったような笑みで腕を組みながら吐き捨てる。
「長寿を嘆くだけの傷のなめ合い集団に興味はないからのう。」
こんな始まり方で大丈夫だろうか?会談とは思えぬ空気に肝を冷やすが時雨だけは優しい笑みを浮かべるとショウも仕切り直しに開始の宣言を行うのだった。
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