闇を統べる者

吉岡我龍

綻び -流血は尚も続く-

 『天界』や『神界』の事情など露知らず、ヴァッツにアルヴィーヌが次いで『ネ=ウィン』を離れてからもカズキは毎日のようにフランセルの稽古に付き合っていた。
これは彼の世話焼きな性格と『ネ=ウィン』の著しい戦力低下を十分理解しての行動だったがその様子を見ていたビアードの頭に突然閃光が走る。

・・・このまま2人が結ばれればカズキを次期4将に据えられるのでは?

自身も策謀を企てるのは得意ではないし、そんな考えが過ぎる事すら滅多に無い。だが偶然にも彼女とフランドルの事情をカズキにだけは聞かせていた。
そしてフランセルが女だと知っている数少ない存在でもあり歳の差も3つと婚約に支障もないだろう。となれば後は本人達の気持ち次第で何とかならないかと考えたわけだ。
「あ~、カズキ君。どうかね?最近のフランセルは?」
「カズキ君?!」
あれ以降も彼は来賓としてビアードの家に寝泊まりしている。故にこうして毎晩2人の様子に探りを入れるのだが慣れない立ち回りにビアードの口調もつい可笑しなものへと変貌してしまう。
「あの娘も結構抜けてる所があるからね。湯屋に入る時なんかは出来るだけ傍にいてあげてね?」
むしろ妻の方が自然と後押しするような提案をしてくれるのでこちらは大助かりだ。

「う~ん。それなんですが・・・もうある程度バレてると思いますよ?」

「何っ?!」
ところが今夜は意外な事実を知らされてビアードはつい声を上げて驚いてしまった。何故だ。今まで一切口外していないし裸体にも気を付けるよう注意してきたはずだ。
「だってあいつもう17だろ?いくら大きめの服を着てても体の線が透けて見えるんだよな。ましてや『ネ=ウィン』は強い奴が多いからさ。絶対気付かれてると思うぜ?」
センナには敬語を使い、こちらには普段通りの口調に変わる器用さはどこから来ているのか。そんな些細な疑問も吹き飛ぶような内容にビアードは思わず唸り声を上げる。
「・・・カ、カズキ様、そ、そんなにわかるものなのですか?」
「ああ。戦う時ってさ、相手の全身を見るんだよ。んでどこの部位が動くかを鎧や衣服を通してしっかり見極める所から始まるんだ。だから向き合った時の違和感が凄いのなんのって。あれで女だってバレないほうがどうかしてるよ。」
最近ではビシールもすっかり打ち解けて会話に入って来るようになった。カズキも面倒見がいい為、見た目以上に親切な対応をしてくれるので頼りになる兄みたいに思っているようだ。
「むむぅ・・・そうなると隠して来た意味がなくなってしまうな。カズキ、何か良い方法はないか?」
「うん?そうだなぁ・・・てかあそこまで仕上がってるんだしもう隠す必要なくないか?」
これは最初から思っていたらしい。何でもフランセルからはフランシスカ以上の資質を感じる為余計な柵を捨てさせて堂々と女戦士を名乗った方がいいというのが彼の主張だ。
だが身内贔屓と亡き友人の大切な娘という、それこそ柵のせいでビアードはそれに賛成出来ずにいた。
「しかしなぁ・・・もし何かあったらフランドルに申し訳が立たないし・・・」
本人の意思を差し置いても難しい問題だ。彼はそう感じていたのだがそんな苦悩を察した妻は何かを閃いたのか。満面の笑みと共に口を開いた。

「だったらこうしましょ。フランセルは女の子だって公表して堂々と戦士の道を歩んでもらう。で、もしカズキ君の予想が外れて誰かに乱暴されたら責任を取ってもらうの!」

「「えっ?!」」
2人して声を漏らす程の暴論に目が飛び出そうなほど驚いたが最後の言葉に妻の思惑が詰まっているのだろう。
しかし成就される時は彼女が傷物になったという前提条件が付いてくる。それを回避したくてフランドルも根回ししていたのにこれでは本末転倒ではないか。
「ま、俺はいいですけど。」
「よし!じゃああなた、明日から早速その方向でお願いね!」
カズキの了承を得られた事実は大きいものの、やはり素直に喜べないビアードは反対を口に出そうとするも妻が何故か自信たっぷりに頷いたのでその夜は仕方なく無言で頷き返す。

それから翌日、早速彼女が女だという事実を公言した瞬間、センナはフランドルの家に向かうとラティーフと共にフランセルをとても可愛らしく仕上げる事でより女の子らしさを強調する作業へ入るのだった。





 妻の早すぎる行動に目を白黒させていたものの、これには女性としての思惑があったらしい。
「あのままじゃいつまで経ってもいい感じにならないでしょ?だったらカズキ君のいう通り女の子を全面に押し出すべきだと思ったの!」
つまり着飾る事を制限した男装姿よりもしっかり女としての武器を振るって彼の心を揺り動かすべきだというのだ。
「ふ、ふむ・・・・・なるほど。」
これにはビアードも納得せざるを得ない。確かに彼女は母のラティーフに似てとても器量の良い容姿をもっているのだから活用せねば勿体ないだろう。
それにカズキも年頃なのだから何がきっかけで近しくなるかはわからない。フランドルの意志と『ネ=ウィン』の未来を考慮した判断は十分有効なはずだ。
こうして周囲の目が畏怖と尊敬から好奇、羨望へと変わってしまったがフランセルは特に気にする様子もなく、カズキも『トリスト』は大丈夫か?と聞きたくなるくらい彼女の稽古に付き合い続ける。
探りを入れた時の受け答えが変化する様子もなく、2人は相も変わらず敵国同士の戦士として毎日を過ごしているようだ。

焦る必要はないと思いつつもフランドルの忘れ形見であり唯一の女子にビアードも半ば親心のようなもので動いていたのだろう。

あれからも毎晩探りを入れるような行動に干渉が過ぎるか?とやっと自覚を覚え始めた頃、彼の思惑とは別に小さな問題が起き始める。

まずは異性からの接触だ。カズキの言う通り腕に覚えのある者は以前からフランセルに違和感を覚えていたので公になると自身の認識に間違いはなかったのだと気づき、彼女を手に入れられないかと画策し始めたのだ。
これは生物として当然だろう。特に『ネ=ウィン』の戦士達は戦闘に最も高い価値を見出している為、強い子孫を残そうと務める行動に異議を申し立てるつもりはない。
そしてもう1つは皇族が大いに喧伝し始めた事だ。
これも戦力が著しく低下している『ネ=ウィン』の内情を考えると理解出来る。国民を鼓舞する為なのだからきっとフランドルも納得してくれるだろう。



だが彼は一番大切な事を忘れていた。フランセル本人の気持ちを。

彼女は確かに女を公言したものの別に女の人生を選んだつもりはないのだ。
性別などを気にせず今まで通り戦士として戦う道を選んだだけなのに兄や父の影に埋もれていたフランセルが一気に脚光を浴びる負担を考えられなかった。



それからすぐ後、従属していた小国『バイヤ』が『ネ=ウィン』の疲弊を好機と捉えて反乱を起こし始めたのだからビアードや国内も彼女に期待せざるを得ない。

皇帝自らがフランセルを将軍位に付け、軍を任せて送り出したのも戦果以上に鼓舞と更なる喧伝の意味合いが大きいのだろう。
「カズキ、頼む!フランセルの傍についてやってくれないか?」
「あのなぁおっさん。俺、一応『トリスト』の部隊長だぞ?」
故に恥も外聞もない。友人の忘れ形見が心配なあまり相手の立場などすっかり忘れて懇願するとカズキから呆れた様子が返って来た。
しかしここが踏ん張りどころなのだ。この戦でフランセルがしっかりと役目をこなせばその地位は確たるものになるだろうしフランドルの心配していた件は半分以上解消されるに違いない。
更に何が起こるか分からない戦場でカズキという頼りになる人間が傍に居ればきっかけが生まれる可能性だってある、かもしれない。
「私からもお願い!あの娘はまだ実戦不足だって聞くし一人じゃ心細いと思うの!だから、ね?」
最後は性別を公開する提案をしたセンナがその責任を感じて頼み込むと彼はビアードの時と違って困惑した様子を見せた後目を閉じて答えた。

「・・・わかりました。でも俺は『トリスト』の人間なんです。助けはしますが戦いませんからね?」

若干人の良さに付け込んだ形になったが彼女の伴侶にと考える人物を再確認出来たと思えば罪悪感も薄れていく。
翌日フランセルが2000の兵を率いて王都を出立するとカズキもその後を影から追うのを見てビアードは上手く行くよう神に祈りを捧げるのだった。





 そんなビアード夫妻の心配をよそにフランセルは目まぐるしく変化する自身の立場に目を回す。

というのも今までは父や兄の存在が大きすぎた故にここまで期待された事は無く、まさか自分が大舞台に立つ日が来るとは夢にも思わなかったのだ。
それでも国の期待には応えたいし応えなければならない。隠すのが難しいと感じていた性別も公開し、堂々と振舞えるようになった利点は重圧に勝るものだろうか。

直近だと目障りなカズキとの立ち合い稽古が一番楽しく充実していたかもしれないと思い、頭を激しく横に振ったフランセルは現在『ネ=ウィン』の王都を出て3日の位置に来ていた。

反乱軍は既にいくつかの拠点を落として勢力を増している。この現状を考えると彼女達の目標は最低でも完全なる討伐になるだろう。
でなければ戦後に版図から外れる恐れがあるのだ。再び全土を『ネ=ウィン』が治められる形を考えなければならないフランセルは重責から軽い目眩を覚える。
「フランセル様、お顔色が優れないようですが・・・少し休憩されますか?」
『ネ=ウィン』の少数精鋭部隊は歩兵や騎兵でのみ編成されている為、休む場合は完全に進軍を止めなければならない。決して焦る必要はないだろうが時間を掛ければこちらが不利になるのは目に見えている。
「・・・大丈夫です。さぁ行きましょう。」
戦争と違って形式的なやり取りが必要無いのは唯一気が軽くなる要素だろう。彼女は気合いを入れ直すと早速煙が上がる街を観察し、斥候の情報からまだ落とされていないと判断すると速やかに奇襲の号令を放つのだった。



こちらは本国の、しかも王都直属の兵士達であり敵は『バイヤ』の人間なのだからその戦力差は凄まじい。

一瞬で距離を詰めた部隊は迎撃で放たれた矢をいとも簡単に凌ぐと蹂躙しながら街に侵入した敵兵をずばずばと斬り伏せ、槍で貫いていく。
フランセルも指揮官の立場を忘れて騎馬から飛び降りると二剣を縦横無尽に振り回しては先陣を切って無力化に務める。ただ実戦こそこなしてはいたものの市街戦は初めてだった為、やっとビアードが言っていた事に目と思考が追い付くと動きを止めてしまう。

それは2人の女が激しく犯された後、意識が朦朧とした状態で家屋の床に放置されている光景だった。

どちらも股間からは血を流しており体中が殴られたようで至る所が痣だらけだ。なのに痛みを訴えてこないのは心を閉ざしているのか壊れてしまったのか。
「だ、大丈夫ですか?」
口に出して瞬時に後悔する。大丈夫な訳が無い。戦う術を知らない彼女らは猛る男達の慰みものにされたのだから。では何故そんな言葉が飛び出したのだろう。
それは大丈夫だと思いたかった、願いたかったからだ。
過去には自分の母も同じような扱いを受けたという。なのに今では6人もの子を産み育てて立派過ぎる人物へと成長していた。
だから彼女達もきっと大丈夫、必ず立ち直れると強く願いつつも、もし自分がこんな状態になったら・・・そう思わずにはいられなかったのだ。

どのくらいの間呆然と立ち尽くしていたのか。

背後から襲われそうな所をカズキに助けられていたのにも気が付かず、やっと決意を固めたフランセルは静かに歩みだし、自分の持っていた上着を2人に分けて掛けると強がりの笑顔と声を上げる。

「・・・もう心配ないから。ここは私達が解放してみせるから。」

反応が無かったので聞こえていたのかはわからない。それでもフランセルは自身に言い聞かせて強く心を鼓舞するとその場を立ち去った。





 迅速な行軍からの奇襲だった為反乱軍はほとんど対応出来ずに崩れ去ったようだ。
それでも他に3つの都市が落とされていたのだからまずはそれらを取り戻さねばならないのだろう。フランセルは伝令を本国に送り破壊された街への援助を要請すると休息もそこそこに次の戦場へ向かう。

(・・・戦っている時が一番気が楽ね。)

期待と重責からの逃避ではなく、フランドルの血がそう思わせているのか。
初戦を大勝利で飾った彼女は疲れも喜びも感じずにふと父に似た気持ちを浮かべると少しだけ思い出して笑みを浮かべる。

戦いに身を投じる者は討ち取られる可能性も常に考えておかねばならない。

これはどこの国のどんな戦士にも言える事だろう。命を賭して戦っているのは敵も同じなのだから。
今まであらゆる場面で矢面に立たせてもらえなかった彼女はこの時初めてそれを痛感すると共に、やっと父が本当に亡くなった事、兄にはもう頼れない事実を思い出すと僅かに戦士としての心得が成長する。
人任せじゃいけない。これからは自分が国や家族を護らねば。将軍として、戦士として更なる覚悟を決めたフランセルは次なる戦地に急いで向かう。

そして前回と同じように街の様子を最短で拾い上げて確認を終えるとその日も急襲し、半日足らずで解放に成功するのだった。



ここまでの戦いで被害は最小限に抑えられているはずだ。
フランセルは自分に言い聞かせながら最後の都市を取り戻すべく部隊を突撃させる。でないとあの娘達の姿が思い浮かんでしまうから。
女が慰みものにされる話は昔から男に交じって聞いていたはずなのに実際それを自分の目で確かめると震えが全身を襲うのだ。
ビアードも言っていた。
そういう道を辿らせたくないから父は自分を男として扱い、戦う術を叩きこんできたと。
お蔭で今は国内でも一目置かれる存在となり将軍位を与えられるに至った。だから大丈夫。強さも立場もその心配はいらない所にいるはずだと思い込みたい、信じたい。

そんな雑念塗れの指揮は兵士達にも伝播したのか。

今まで以上に猛りを見せていた部隊は敵兵を完膚なきまでに殺し尽くすと同時に勢いが留まるところを知らない。
フランセルが先陣を切るはずが最終戦だけは彼らがあっという間に街の奥へ奥へと駆け抜けていくのだから呆気にとられると同時に戦闘国家『ネ=ウィン』としての誇りと頼もしさを再認識したくらいだ。
だがいつもは制圧が完了すると速やかに戻って各隊員が報告をまとめ始めていたのに今日に限っては未だ誰の姿も見られない。
(・・・まさか?)
一番最初に考えたのが強敵との遭遇だ。つまり全員が足止めを食らっているか、もしくは半壊、全滅している可能性も視野に入れるべきか。
嫌な予感に居ても立っても居られなくなったフランセルは陣旗を残して彼らの後を追う。不安を抑えて気配を殺し、難敵であれば不意を突くか退却も考えながら移動を続けるとそこかしこに反乱兵の死体だけが散乱している。
どうやら部隊にはほとんど被害が出ていないらしい。その事実を悟っただけでも彼女はほっとむでをなでおろすも再び直面した現実を前に小さな喜色は全て塗り替えられた。

それは前に見た光景を否が応にも蘇らせる。

何の変哲もない小さな民家。その奥からは規模に見合わぬ数多の気配と女の声、そして男達の下卑た笑い声が聞こえてくる。
彼女も馬鹿ではない。その中で何が起こっているのかはすぐにわかったが万が一という可能性を信じてゆっくりと中の様子を伺うとやはり『ネ=ウィン』兵達が町娘を強姦していたのだ。





 もし自分が将軍でなければ、彼らと一切関りの無い存在ならば全員を斬り伏せて助けただろう。

だが素性を隠し、男として育てられてきたフランセルには何故こういう行動に出るかの知識が十二分にあった。彼らは国の命令により、もしくは家族を護る為に戦わねばならない時がある。
死という恐怖はどうしても付きまとう。殺すか殺されるか。明日が来る保障も無いまま擦り切れていく理性と正気を保つには強靭な肉体以上に精神力が試されるのだ。

そんな強者など一握りしかいない。

誰もが死に怯え、大義などという姿形のない物に縋っていては心が壊れてしまう。だから実利に手を伸ばすのだ。酒や煙草や女に。
そんな中でも女というのは全ての点において最も効率が良いのだ。何故なら集落を襲えばほぼ確実に手に入り、運搬する必要が無く、枯渇の恐れもないのだから。
酒や煙草は荷物になるし消耗品なのを考えると比べるまでもないだろう。戦場に男が多いのも力の関係や生理現象だけでなくこういった理由が強い。

だから彼らは襲うのだ。自身の心を保つ為に。

もちろん襲われる側からすれば堪ったものではないが詳しい事情を知ってしまっているが故にフランセルは苦悩する。ここで癒しを取り上げて良いものかと。
同性として、女としての心に芽生えているからこそ余計に動けなくなる。これを見逃す事に正義はあるのか?本当に国の為なのか?他の方法に導くのも将としての務めではないだろうか?

「おいお前ら。女を抱きたきゃ国に帰ってからにしろ。」

すると突然聞き覚えのある声が鳴り響いた。兵士達も慌てて振り向くとそこには何故かカズキが呆れた表情で中にいる彼らを射貫く様な視線を向けているではないか。
「お、お前は・・・確か『トリスト』の・・・」
「お、おい。カーチフ様の血縁だぞ。よせ。」
一瞬だけ不穏な空気が流れるも彼の存在は『ネ=ウィン』国内でも有名だ。仕方なく兵士達は民家を後にするとフランセルは言葉を失う。

「他の奴らにも声を掛けて来るからお前も戻ってろ。」

助かった、助けられたと思ってしまった時点で借りを作ってしまったのだろう。自分一人で状況を打破出来なかった事実に悔しさと苛立ち、そして僅かな安堵が胸を過る。
「・・・何故お前がここにいるのか、後でしっかり聞かせてもらうからな?」
それを隠す意味でも凄んで見せるが彼の方は軽く肩をすぼめるだけで意に介さない様子だ。仕方がないので彼女も言われる通りに本陣へ戻ると瞬く間に兵士達が戻って来た。



『ネ=ウィン』は戦闘国家であり決して紳士の国ではない。故に侵略した時の略奪などは当たり前のように行ってきしフランセルも十分理解しているつもりだった。
ところが反乱軍が占拠していた都市を解放するにあたり、僅か3回の鎮圧戦によって彼女の中で何かが変わってしまったのだ。
この地は『バイヤ』という国家で貢納を前提に従属化させてきた。なのに反乱軍に制圧された、もしくは加担したからという理由で『ネ=ウィン』が更に荒らすのはいかがなものだろう?
むしろ無傷で取り戻す事を意識し、今後もしっかりと貢納を約束させた方が未来に繋がるはずだ。なのに自分の部隊は略奪や強姦をあらゆる場所で犯してしまった。
これは鎮圧という最初の目的以上に遺恨を植え付けた結果にならないだろうか?いや、『ネ=ウィン』に反旗を翻す恐怖を植え付けたと捉えるべきか?

(・・・戦って難しいな。)

他の将軍達は一体どんな心境で戦っているのだろう。その夜、欲求不満の残る部隊の中に1人、孤立を感じながらもフランセルは傍にいるカズキに目が留まると憂さを晴らすかのように質問で責め立て始めるのだった。

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