ジェネレーション・ストラグル〜6日間革命〜
6日目(21)―最後の交信
「ちゃんと逃げられたんだな、あいつら。……よかった。では、ハーバースクエアのテレビ中継が始まったら、05、予定通り最後の仕上げを頼む」
「01、了解です。では……これが最後の交信、ですね」
百武の声は、どこか寂しさをはらんでいた。
事実、その時、百武は無性に寂しいと感じていた。ついさっきまで、5人でお祭をしてるような高揚感があった。それは長く引きこもっていた百武にとって、初めての経験だった。
ひとりでなく誰かと一緒に、
ひとつの目的に向かって取り組む。
それこそ夢中で、ほとんど徹夜して。
自分のためでなく、むしろ誰かのために……。
その時間は、なんだかこそばゆかったが、どこか愛おしくもあった。ただ、もうその時間も終わってしまうのだと思うと、今まで抱いたことのない感慨が胸の奥に渦巻いた。
そして、自分ひとりだけが最後までこの部屋を出ることがなかったことに対しても、後ろめたいような気持ちが芽生えた。果たして、私は本当にみんなの役に立てたんだろうか? そんな疑問が浮かんでは消えた。
と、龍馬がそんな百武の気持ちを見透かしたかのように言った。
「05、ありがとう……いや、ただのありがとうじゃ足りないくらいだ」
「え?」
「君がいなければ、この作戦はそもそも実行すら不可能だったと思う。もし未来が変えられたとしたら、そのヒーローは間違いなく、君だ」
「そっ、そんな……私、なんか――」
「――私なんかなんて、もう二度と言わないでくれ。間違いなく君はこの作戦を実現に導いた俺たちの救世主なんだから。そして同時に、かけがえのない同志であり仲間なんだからさ」
「……はい」
百武は、うれしいのになんだか泣きそうだった。
「今生の別れじゃない。3ヶ月後、また会おう」
自分を仲間と言ってくれる人がいる。
また会おうと言ってくれる人がいる。
今はそれで十分だと思った。
3ヶ月後が、待ち遠しい。明日なんて来なくてもいいと思ったことは何度もあったけど、明日が待ち遠しいと思ったはこれが初めてだった。その気持ちだけで、明日を前より少しだけ前向きに生きていける。この作戦は、たしかに、百武という少女を変えたのだ。
だから、最後は嘘でも明るい声音を作った。
「……はい! それではまた3ヶ月後に」
――こうして、百武と龍馬の最後の交信も終わった。
「01、了解です。では……これが最後の交信、ですね」
百武の声は、どこか寂しさをはらんでいた。
事実、その時、百武は無性に寂しいと感じていた。ついさっきまで、5人でお祭をしてるような高揚感があった。それは長く引きこもっていた百武にとって、初めての経験だった。
ひとりでなく誰かと一緒に、
ひとつの目的に向かって取り組む。
それこそ夢中で、ほとんど徹夜して。
自分のためでなく、むしろ誰かのために……。
その時間は、なんだかこそばゆかったが、どこか愛おしくもあった。ただ、もうその時間も終わってしまうのだと思うと、今まで抱いたことのない感慨が胸の奥に渦巻いた。
そして、自分ひとりだけが最後までこの部屋を出ることがなかったことに対しても、後ろめたいような気持ちが芽生えた。果たして、私は本当にみんなの役に立てたんだろうか? そんな疑問が浮かんでは消えた。
と、龍馬がそんな百武の気持ちを見透かしたかのように言った。
「05、ありがとう……いや、ただのありがとうじゃ足りないくらいだ」
「え?」
「君がいなければ、この作戦はそもそも実行すら不可能だったと思う。もし未来が変えられたとしたら、そのヒーローは間違いなく、君だ」
「そっ、そんな……私、なんか――」
「――私なんかなんて、もう二度と言わないでくれ。間違いなく君はこの作戦を実現に導いた俺たちの救世主なんだから。そして同時に、かけがえのない同志であり仲間なんだからさ」
「……はい」
百武は、うれしいのになんだか泣きそうだった。
「今生の別れじゃない。3ヶ月後、また会おう」
自分を仲間と言ってくれる人がいる。
また会おうと言ってくれる人がいる。
今はそれで十分だと思った。
3ヶ月後が、待ち遠しい。明日なんて来なくてもいいと思ったことは何度もあったけど、明日が待ち遠しいと思ったはこれが初めてだった。その気持ちだけで、明日を前より少しだけ前向きに生きていける。この作戦は、たしかに、百武という少女を変えたのだ。
だから、最後は嘘でも明るい声音を作った。
「……はい! それではまた3ヶ月後に」
――こうして、百武と龍馬の最後の交信も終わった。
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