転生したら自殺した元カノ似のモブ子に出会ったのでラブコメだけどハーレムから脱却します!
悪魔かこの子は!
俺たちは駒岸さんに連れられ、客室に来ていた。
この城にしては小さめの部屋で、中央に長テーブルが一つ置いてあった。
おそらく、勉強会に当たって皆の距離が離れすぎない場所を選んでくれたのだろう。
「さ、ご自由に座って」
勉強道具を持ってきたルニールが、どこに座ろうか迷っていた俺たちに声をかけた。
家でシュミレーションをしてきたが、やはりこういうのはスタートダッシュが肝心だ。
ルニールを紹介するという最低条件はクリアしたが、新たに二人をくっつけるという目標ができたわけだ。
密室の空間で出来るだけ二人で会話をさせる。
そのためには、委員長の横に座らせることが必要不可欠。
数日間ではあるが、このグループの仲良し度は何となく把握してきた。
まずは、俺から動き出すことにする。
「委員長、今日はみっちり教えてね」
「う、うん。そういう約束だったもんね」
まずは委員長を俺の横につかせる。
そうすればサポートは容易。
俺は委員長を誘ってすぐに席につき、右隣に彼を座らせる。
心火が勉強を教えてくれと頼んだことになっているので、この流れは不自然ではない。
「心火~、自分のもいいけど私との約束も忘れないでよね」
俺が席についたのを確認すると、すぐに春乃が隣に駆け寄ってくる。
これは予想通りだ。
正直、最初にこいつが今日ここにいることには動揺した。
しかし、こんなに分かりやすい奴もそうはいないので、うまくコントロールすれば問題ない。
幼馴染特権でこいつは迷いなく、俺の左隣を占領。
これで、まずは俺の横にルニールがいるという状況を回避成功。
重要なのはここからだ。
普通に考えれば、話したこともない委員長の横より、友達である春乃の横にルニールは座るだろう。
それか横はやめて俺の目の前に座るとか。
そこで、俺は海利と目を合わせた。
すると、すかさず海利が察して動いてくれた。
「勉強めんどくせぇな~」
気だるそうに言いながら、海利は春乃の横に着席。
委員長の横に座りそうだが、「勉強をできればしたくない」といった空気を醸し出すことにより、違和感なく春乃の横についてくれた。
さすがだ。即興にしては完璧な立ち回り。
すると、端から海利・春乃・俺・委員長になったわけだが、こうなれば簡単だ。
海利か委員長で言えば、ルニールが選ぶ席は一つだ。
「ルニールさん歴史苦手でしょ? 委員長得意科目みたいだから、一緒に教えてもらおうよ」
さらに追い打ちをかけるように、俺はルニールを誘った。
ハーフで帰国子女の彼女が、日本の歴史関連が苦手なのは海利から聞き込み済みだ。
「悔しいですがその通りですわ。委員長、よかったらご指導よろしくて?」
「も、もちろんです! シュリビアスさんに教えられるなんて光栄です」
委員長は目を輝かせながら、とても嬉しそうだった。
人見知りそうではあるが、結構感情がもろに表に出るタイプなようだ。
これは意外と進展早いかもな。
「じゃ、私は海利くんを調教しようかな~」
おそろしいことを口走りながら、やる気のない海利の横に沙理弥が座る。
「ちょ、調教って。俺は適当に勉強出来ればそれで……」
「口答えの前にまず、手を動かそうね。わかった? か、い、り、くん」
不敵な笑みで海利をみつめるその姿は、なんとも美しくも不気味だった。
海利の魂が今ここで狩られるような、そんなプレッシャーを感じる。
すまん、海利。
お前のためでもあるんだ。
こうして、沙理弥・海利・春乃・俺・委員長・ルニールという理想のポジションを得ることができた。
全員横並びにはなってしまったが、勉強を教えるのなら隣同士の方が効率は良い。
これなれば、俺の勉強も進めつつ恋の応援をすることも出来る。
「じゃあ、さっそく始めようか」
俺が合図を出すと、それぞれ勉強道具をカバンから取り出した。
ここでもそれぞれの個性が出ていた。
馬鹿筆頭の海利は筆箱以外ほとんど何も持ってきてなかった。
まじでこいつは何をしに来たんだ。
「海利くん、教科書は?」
「忘れた」
「教科書は?」
「え、だから忘れたって……」
「海利くん家そんなに遠くないよね?」
「と、取りに行けと? ここまできたのに?」
「忘れるのが悪いんでしょ」
「くっそ、朝の俺の馬鹿野郎っ!」
沙理弥の奴本気で海利を調教する気なのか。
あの尖った男が、まるで子犬のようだ。
「あ、あの海利くん。よかったらこれ」
それを見かねた委員長が、大量に持ってきた教科書とノートの中から一部を選び、海利に渡した。
「これって委員長のじゃ……」
「教科書はそうだけど、ノートは海利君のために作ったんだ。
特に英語が苦手って聞いたから、単語帳もつけてあるよ。
せっかく来たんだし、一緒に頑張ろうよ」
海利は渡されたノートを見て何やら感動をしていた。
あとで俺も見たけど、小学生でも理解できるぐらい分かりやすくまとめられたいた。
それを一晩でやってしまうとは、純粋に委員長は凄いな。
「ありがとう。お前のおかげで、家に帰らなくて済んだ!」
海利は渡されたノートを強く抱きしめ、少しだけ勉強をする気になったようだ。
「っち」
俺はそんな浮かれる海利の後ろで、笑みの消えた沙理弥が舌打ちをしているのに気がついてしまった。
最初はふわふわとして妖精みたいなイメージを持っていたが、とんでもない。
心に凄まじく恐ろしい悪魔を飼っていた。
彼女よりも、委員長の方が真面目で優しく天使のような男だった。
この城にしては小さめの部屋で、中央に長テーブルが一つ置いてあった。
おそらく、勉強会に当たって皆の距離が離れすぎない場所を選んでくれたのだろう。
「さ、ご自由に座って」
勉強道具を持ってきたルニールが、どこに座ろうか迷っていた俺たちに声をかけた。
家でシュミレーションをしてきたが、やはりこういうのはスタートダッシュが肝心だ。
ルニールを紹介するという最低条件はクリアしたが、新たに二人をくっつけるという目標ができたわけだ。
密室の空間で出来るだけ二人で会話をさせる。
そのためには、委員長の横に座らせることが必要不可欠。
数日間ではあるが、このグループの仲良し度は何となく把握してきた。
まずは、俺から動き出すことにする。
「委員長、今日はみっちり教えてね」
「う、うん。そういう約束だったもんね」
まずは委員長を俺の横につかせる。
そうすればサポートは容易。
俺は委員長を誘ってすぐに席につき、右隣に彼を座らせる。
心火が勉強を教えてくれと頼んだことになっているので、この流れは不自然ではない。
「心火~、自分のもいいけど私との約束も忘れないでよね」
俺が席についたのを確認すると、すぐに春乃が隣に駆け寄ってくる。
これは予想通りだ。
正直、最初にこいつが今日ここにいることには動揺した。
しかし、こんなに分かりやすい奴もそうはいないので、うまくコントロールすれば問題ない。
幼馴染特権でこいつは迷いなく、俺の左隣を占領。
これで、まずは俺の横にルニールがいるという状況を回避成功。
重要なのはここからだ。
普通に考えれば、話したこともない委員長の横より、友達である春乃の横にルニールは座るだろう。
それか横はやめて俺の目の前に座るとか。
そこで、俺は海利と目を合わせた。
すると、すかさず海利が察して動いてくれた。
「勉強めんどくせぇな~」
気だるそうに言いながら、海利は春乃の横に着席。
委員長の横に座りそうだが、「勉強をできればしたくない」といった空気を醸し出すことにより、違和感なく春乃の横についてくれた。
さすがだ。即興にしては完璧な立ち回り。
すると、端から海利・春乃・俺・委員長になったわけだが、こうなれば簡単だ。
海利か委員長で言えば、ルニールが選ぶ席は一つだ。
「ルニールさん歴史苦手でしょ? 委員長得意科目みたいだから、一緒に教えてもらおうよ」
さらに追い打ちをかけるように、俺はルニールを誘った。
ハーフで帰国子女の彼女が、日本の歴史関連が苦手なのは海利から聞き込み済みだ。
「悔しいですがその通りですわ。委員長、よかったらご指導よろしくて?」
「も、もちろんです! シュリビアスさんに教えられるなんて光栄です」
委員長は目を輝かせながら、とても嬉しそうだった。
人見知りそうではあるが、結構感情がもろに表に出るタイプなようだ。
これは意外と進展早いかもな。
「じゃ、私は海利くんを調教しようかな~」
おそろしいことを口走りながら、やる気のない海利の横に沙理弥が座る。
「ちょ、調教って。俺は適当に勉強出来ればそれで……」
「口答えの前にまず、手を動かそうね。わかった? か、い、り、くん」
不敵な笑みで海利をみつめるその姿は、なんとも美しくも不気味だった。
海利の魂が今ここで狩られるような、そんなプレッシャーを感じる。
すまん、海利。
お前のためでもあるんだ。
こうして、沙理弥・海利・春乃・俺・委員長・ルニールという理想のポジションを得ることができた。
全員横並びにはなってしまったが、勉強を教えるのなら隣同士の方が効率は良い。
これなれば、俺の勉強も進めつつ恋の応援をすることも出来る。
「じゃあ、さっそく始めようか」
俺が合図を出すと、それぞれ勉強道具をカバンから取り出した。
ここでもそれぞれの個性が出ていた。
馬鹿筆頭の海利は筆箱以外ほとんど何も持ってきてなかった。
まじでこいつは何をしに来たんだ。
「海利くん、教科書は?」
「忘れた」
「教科書は?」
「え、だから忘れたって……」
「海利くん家そんなに遠くないよね?」
「と、取りに行けと? ここまできたのに?」
「忘れるのが悪いんでしょ」
「くっそ、朝の俺の馬鹿野郎っ!」
沙理弥の奴本気で海利を調教する気なのか。
あの尖った男が、まるで子犬のようだ。
「あ、あの海利くん。よかったらこれ」
それを見かねた委員長が、大量に持ってきた教科書とノートの中から一部を選び、海利に渡した。
「これって委員長のじゃ……」
「教科書はそうだけど、ノートは海利君のために作ったんだ。
特に英語が苦手って聞いたから、単語帳もつけてあるよ。
せっかく来たんだし、一緒に頑張ろうよ」
海利は渡されたノートを見て何やら感動をしていた。
あとで俺も見たけど、小学生でも理解できるぐらい分かりやすくまとめられたいた。
それを一晩でやってしまうとは、純粋に委員長は凄いな。
「ありがとう。お前のおかげで、家に帰らなくて済んだ!」
海利は渡されたノートを強く抱きしめ、少しだけ勉強をする気になったようだ。
「っち」
俺はそんな浮かれる海利の後ろで、笑みの消えた沙理弥が舌打ちをしているのに気がついてしまった。
最初はふわふわとして妖精みたいなイメージを持っていたが、とんでもない。
心に凄まじく恐ろしい悪魔を飼っていた。
彼女よりも、委員長の方が真面目で優しく天使のような男だった。
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