転生したら自殺した元カノ似のモブ子に出会ったのでラブコメだけどハーレムから脱却します!
え、俺って頭いいの!?
「じゃあ、今日は手短に終わります」
授業が全て終わりホームルームになると、担任の久三長先生が話し始めた。
教師とは思えない色気を思っており、なんだか目のやり場に困るほど露出の多い薄着だった。
俺の世界だったら淫乱教師とか言われて、PTAから苦情が来そうだ。
先生は生活習慣のことについてとかありきたりな話題を言って、早々にホームルームは終わりそうだった。
はぁ、家に帰って早くねたいな~。
俺はあくびをしながら余裕な態度で話を聞いていた。
しかし、担任の次の一言で事態は一変する。
「あと、みんなわかってると思うけど来週からテスト期間なので、部活はお休みです。皆、しっかり勉強するように」
ん?
んんんんんんん?
テストって言ったか今?
嘘だろ、聞いてないぞ。
でも今は五月だし、中間テストがあってもおかしくはないんだけど……。
この学校に来たの昨日が初めてなのにもうテストって、それはないでしょう。
っと、最初は焦ったけど、まあなんとかなるか。
軽く授業を受けて分かったけど、案外高校時代にした勉強は俺の中に残っているようだ。
成績優秀って程ではなかったけど、大学受験の時に必死で勉強したから、なんとなくは覚えている。
文系だから数学とかは苦手だけど、公式を一から覚え直さなくていいのはだいぶ楽だった。
問題は歴史だな~。
まぁ、大まかな流れは一緒だし、人物と年代を覚え直せばなんとなるか。
俺はそれなりランクの高い大学に入学したので、勉強はできるほう……と思っている。
心火の迷惑にはならない程度には点数をとれるんじゃないかな。
赤点をとったら海利に文句言われそうだし。
「じゃあ、日直」
日直が号令をいってホームルームは終了した。
突然の発表に驚きはしたけど、勉強期間は一週間ほどあるようなので、大丈夫そうだ。
「ねぇ、心火」
俺が心の中で焦ったり落ち着いたりしていると、隣にいる春乃が話しかけてきた。
「どうかしたの?」
「今度、勉強教えてね。赤点取ると、補習で部活出れなくなっちゃうからさ」
「……ああ、うん。わかった」
俺は適当にそう返事をしてしまった。
まじか、自分も勉強しないといけないとに他人の世話も見なくてはいけないのか。
いや、プラスに考えるんだ。
人に教えることで理解度が高まるかもしれない。
「じゃあ、またね。ばいばーい」
春乃はルニールと沙理弥にも別れを言うと、そそくさと教室を出ていった。(海利は無視)
彼女は陸上部の期待のエースなようで、動きがいちいち俊敏だった。
見るからに性能が運動に偏っていて、勉強できなそうだもんな。
「虎頭心火、今度は負けないですわよ」
「は、はぁ」
謎のライバル心をルニールから向けられた。
いつもはテストの点数を心火と競っているのかもしれない。
「ルニールちゃん、送ってって~」
「私のリムジンはタクシーではなくってよ」
沙理弥は勉強のことは何も言わず、ルニールと一緒に帰ろうとする。
ルニールは執事の駒岸が運転するリムジンで通学をしており、沙理弥はそれにあやかっている。
そういえば、二人とも部活には所属していないんだな。
テスト期間と言われても、三者三様だな。
「まずいな……」
「え、何かあった?」
教室に人がほとんどいなくなると、頭を悩ませている海利が近づいてきた。
何か問題が発生したようだ。
「テストだよ。あんた、ヤバいだろ」
クラスメイトが減ったので、虎頭心火ではなく田中尊に話しかけてきた。
「ああ、そのことか。考えてみたんだけど、まぁ大丈夫そうだ。一応俺、大学生だからさ」
「ほんとか? じゃあ、安心だな」
俺の自慢げな態度を見て、すぐにクールな海利に戻っていった。
短い付き合いだけど、海利は面倒見がいいと同時に心配性なのかもしれない。
「大学生のあんたなら、10位以上も楽勝だな」
「え、10位?」
「おう。心火はだいたい学年8位とか9位ぐらいは取ってるな。頭いいからあいつ」
衝撃の事実。
分かっていること 〈更新〉
その⑩
虎頭心火はアイドル好き。
さらに、頭がめちゃくちゃよかった。
この学校の全体レベルが分からないけど、それでも学年で10位以上取るのは凄くないか?
こいつ、帰宅部でガリ勉なのにこんなにリア充しているのか。
「予想外。ちょっとヤバくなってきたかも」
「けど、高校の授業は一回受けたんだろ?」
「実は歴史の授業は受けたことないみたいで……」
俺は自分の世界と個々の世界の歴史が若干違うことを説明した。
海利は、世界を移動したことを今は完全に信じてくれていた。
「そういうことか。10位は厳しいかぁ……」
「これ、もし100位とか取ったらどうなる?」
「確か二年は200人以上いるから、それで真ん中だな。
上位にいたやつがそんなに下落したら、親や教師が黙ってないだろうな。
特に、心火の母親は怖いらしいぞ」
え、母親って霧歌さんのことだよな。
あんなに優しそうだったのに。
「もしかして、怒ると怖いタイプ?」
「聞いた話だけどな。それがおっかなくて、心火の奴は勉強してるんだとよぉ」
霧歌さんが見せた息子に対する優しさは、心火が努力してきたせいかってことか。
あんな美人な人にマジ切れされたら、ギャップでトラウマになりそう。
それに、海利との約束「心火として生きること」を続けるためには、上位をキープするのはマストか。
「勉強はするけど、歴史だけどうにかしないと。
なぁ、海利。そこだけでいいから教えてくれないか?」
俺は両手を合わせて、海利に頼んだ。
関門であるそれさえ突破できれば、勝利を掴むことができるかもしれない。
「無理」
「な、なんでだよ。心火が上位とれないと怪しまれるだろ?」
「何故なら俺は最下位だからだ」
俺はその言葉に絶句した。
何故か誇らしげな海利が、俺には意味不明だった。
それって200位中200位ってことか?
「……べ、勉強苦手だったんだな」
「バイトで勉強する暇がない」
「……」
いじってやったほうがいいのかと思ったが、そんなことを言われれば言い返せない。
詳しくはまだ聞いていないけど、毎日に近いほどバイトをしているらしい。
それだけ家系が厳しいようだ。
それでも、授業を真面目に受けていたら最下位にはならない気がするけど……。
「じゃあ、他に頭いい人いないのか?」
「ルニールと沙理弥ができるけど、あいつらは心火よりも順位低いからなぁ。
教えてもらうとしたら、普通は逆なんだよ」
勉強ができなければ怪しまれる。
勉強を教えてもらおうとしでも怪しまれる。
どうすればいいんだ……。
そうやって俺らが悩んでいると、ふと海利が教室を見渡した。
クラスメイトはすでに下校や部活に行っており、いるのは日誌を書いている日直の男子生徒だけだった。
「あ、あいつがいたか」
「え、彼? って、誰?」
一日ちょっと虎頭心火と過ごしているが、教室にいるその彼とは一言も話した記憶はない。
髪色は黒髪で眼鏡をかけており、俺の周りの連中と比べると地味に思えてしまう。
「いっつも2位をとってる、学級委員長の高見沢だ」
「2位!? うってつけじゃん」
200位中2位なのだから相当な学力の持ち主なのだろう。しかも、学級委員長。
さすが眼鏡をかけているだけある。
「まぁそうだけど、別にあいつと仲いいわけじゃないからな。教えてくれるかどうかは分からん」
挨拶もしない仲だ。
テスト期間と言う忙しい時期に、勉強を教えてくれといきなり言っても、断れる可能性はある。
「でも、ダメもとで聞いてみるしかないか……」
「じゃ、俺もついでに教えてもらうかな」
「……最下位はまずいもんな」
「余計なお世話だ」
やることはきまった。
もし彼に断られたら、次は1位の人にでも教えを乞うしかない。
人見知りってわけではないけど、日誌を書いているその背中に声をかけるのは、なんだか気まずく思えた。
授業が全て終わりホームルームになると、担任の久三長先生が話し始めた。
教師とは思えない色気を思っており、なんだか目のやり場に困るほど露出の多い薄着だった。
俺の世界だったら淫乱教師とか言われて、PTAから苦情が来そうだ。
先生は生活習慣のことについてとかありきたりな話題を言って、早々にホームルームは終わりそうだった。
はぁ、家に帰って早くねたいな~。
俺はあくびをしながら余裕な態度で話を聞いていた。
しかし、担任の次の一言で事態は一変する。
「あと、みんなわかってると思うけど来週からテスト期間なので、部活はお休みです。皆、しっかり勉強するように」
ん?
んんんんんんん?
テストって言ったか今?
嘘だろ、聞いてないぞ。
でも今は五月だし、中間テストがあってもおかしくはないんだけど……。
この学校に来たの昨日が初めてなのにもうテストって、それはないでしょう。
っと、最初は焦ったけど、まあなんとかなるか。
軽く授業を受けて分かったけど、案外高校時代にした勉強は俺の中に残っているようだ。
成績優秀って程ではなかったけど、大学受験の時に必死で勉強したから、なんとなくは覚えている。
文系だから数学とかは苦手だけど、公式を一から覚え直さなくていいのはだいぶ楽だった。
問題は歴史だな~。
まぁ、大まかな流れは一緒だし、人物と年代を覚え直せばなんとなるか。
俺はそれなりランクの高い大学に入学したので、勉強はできるほう……と思っている。
心火の迷惑にはならない程度には点数をとれるんじゃないかな。
赤点をとったら海利に文句言われそうだし。
「じゃあ、日直」
日直が号令をいってホームルームは終了した。
突然の発表に驚きはしたけど、勉強期間は一週間ほどあるようなので、大丈夫そうだ。
「ねぇ、心火」
俺が心の中で焦ったり落ち着いたりしていると、隣にいる春乃が話しかけてきた。
「どうかしたの?」
「今度、勉強教えてね。赤点取ると、補習で部活出れなくなっちゃうからさ」
「……ああ、うん。わかった」
俺は適当にそう返事をしてしまった。
まじか、自分も勉強しないといけないとに他人の世話も見なくてはいけないのか。
いや、プラスに考えるんだ。
人に教えることで理解度が高まるかもしれない。
「じゃあ、またね。ばいばーい」
春乃はルニールと沙理弥にも別れを言うと、そそくさと教室を出ていった。(海利は無視)
彼女は陸上部の期待のエースなようで、動きがいちいち俊敏だった。
見るからに性能が運動に偏っていて、勉強できなそうだもんな。
「虎頭心火、今度は負けないですわよ」
「は、はぁ」
謎のライバル心をルニールから向けられた。
いつもはテストの点数を心火と競っているのかもしれない。
「ルニールちゃん、送ってって~」
「私のリムジンはタクシーではなくってよ」
沙理弥は勉強のことは何も言わず、ルニールと一緒に帰ろうとする。
ルニールは執事の駒岸が運転するリムジンで通学をしており、沙理弥はそれにあやかっている。
そういえば、二人とも部活には所属していないんだな。
テスト期間と言われても、三者三様だな。
「まずいな……」
「え、何かあった?」
教室に人がほとんどいなくなると、頭を悩ませている海利が近づいてきた。
何か問題が発生したようだ。
「テストだよ。あんた、ヤバいだろ」
クラスメイトが減ったので、虎頭心火ではなく田中尊に話しかけてきた。
「ああ、そのことか。考えてみたんだけど、まぁ大丈夫そうだ。一応俺、大学生だからさ」
「ほんとか? じゃあ、安心だな」
俺の自慢げな態度を見て、すぐにクールな海利に戻っていった。
短い付き合いだけど、海利は面倒見がいいと同時に心配性なのかもしれない。
「大学生のあんたなら、10位以上も楽勝だな」
「え、10位?」
「おう。心火はだいたい学年8位とか9位ぐらいは取ってるな。頭いいからあいつ」
衝撃の事実。
分かっていること 〈更新〉
その⑩
虎頭心火はアイドル好き。
さらに、頭がめちゃくちゃよかった。
この学校の全体レベルが分からないけど、それでも学年で10位以上取るのは凄くないか?
こいつ、帰宅部でガリ勉なのにこんなにリア充しているのか。
「予想外。ちょっとヤバくなってきたかも」
「けど、高校の授業は一回受けたんだろ?」
「実は歴史の授業は受けたことないみたいで……」
俺は自分の世界と個々の世界の歴史が若干違うことを説明した。
海利は、世界を移動したことを今は完全に信じてくれていた。
「そういうことか。10位は厳しいかぁ……」
「これ、もし100位とか取ったらどうなる?」
「確か二年は200人以上いるから、それで真ん中だな。
上位にいたやつがそんなに下落したら、親や教師が黙ってないだろうな。
特に、心火の母親は怖いらしいぞ」
え、母親って霧歌さんのことだよな。
あんなに優しそうだったのに。
「もしかして、怒ると怖いタイプ?」
「聞いた話だけどな。それがおっかなくて、心火の奴は勉強してるんだとよぉ」
霧歌さんが見せた息子に対する優しさは、心火が努力してきたせいかってことか。
あんな美人な人にマジ切れされたら、ギャップでトラウマになりそう。
それに、海利との約束「心火として生きること」を続けるためには、上位をキープするのはマストか。
「勉強はするけど、歴史だけどうにかしないと。
なぁ、海利。そこだけでいいから教えてくれないか?」
俺は両手を合わせて、海利に頼んだ。
関門であるそれさえ突破できれば、勝利を掴むことができるかもしれない。
「無理」
「な、なんでだよ。心火が上位とれないと怪しまれるだろ?」
「何故なら俺は最下位だからだ」
俺はその言葉に絶句した。
何故か誇らしげな海利が、俺には意味不明だった。
それって200位中200位ってことか?
「……べ、勉強苦手だったんだな」
「バイトで勉強する暇がない」
「……」
いじってやったほうがいいのかと思ったが、そんなことを言われれば言い返せない。
詳しくはまだ聞いていないけど、毎日に近いほどバイトをしているらしい。
それだけ家系が厳しいようだ。
それでも、授業を真面目に受けていたら最下位にはならない気がするけど……。
「じゃあ、他に頭いい人いないのか?」
「ルニールと沙理弥ができるけど、あいつらは心火よりも順位低いからなぁ。
教えてもらうとしたら、普通は逆なんだよ」
勉強ができなければ怪しまれる。
勉強を教えてもらおうとしでも怪しまれる。
どうすればいいんだ……。
そうやって俺らが悩んでいると、ふと海利が教室を見渡した。
クラスメイトはすでに下校や部活に行っており、いるのは日誌を書いている日直の男子生徒だけだった。
「あ、あいつがいたか」
「え、彼? って、誰?」
一日ちょっと虎頭心火と過ごしているが、教室にいるその彼とは一言も話した記憶はない。
髪色は黒髪で眼鏡をかけており、俺の周りの連中と比べると地味に思えてしまう。
「いっつも2位をとってる、学級委員長の高見沢だ」
「2位!? うってつけじゃん」
200位中2位なのだから相当な学力の持ち主なのだろう。しかも、学級委員長。
さすが眼鏡をかけているだけある。
「まぁそうだけど、別にあいつと仲いいわけじゃないからな。教えてくれるかどうかは分からん」
挨拶もしない仲だ。
テスト期間と言う忙しい時期に、勉強を教えてくれといきなり言っても、断れる可能性はある。
「でも、ダメもとで聞いてみるしかないか……」
「じゃ、俺もついでに教えてもらうかな」
「……最下位はまずいもんな」
「余計なお世話だ」
やることはきまった。
もし彼に断られたら、次は1位の人にでも教えを乞うしかない。
人見知りってわけではないけど、日誌を書いているその背中に声をかけるのは、なんだか気まずく思えた。
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