魔法科学師は最強の道を征く〜腹の中にドラゴンを宿してます〜
第二話 ここはどこ?を探す旅
やわらかい。そして、やわらかい。
この感触はなんだろうか、、
ん!?
生きてる!?
だが、目を開けられない。腕も動かせない。体のコントロールが効かないみたいだ。ただ、思考を行うことができるだけみたいだ。
まてよ、、でも、皮膚感覚はある。つまり、脳死ではないようだ。
よかった。思考は冷静だ。
だが、ここはどこだろうか?
病院というのが妥当だろう。
すると、このやわらかいものに包まれている感覚は何だろう。この人の肌みたいな肌触り。
「んっ!んんっ!!」
なんだ?今の色っぽい声は、。
その正体を確かめようと、動け、動けと目に力を入れる。
すると、うっすらと光が入ってくる。
久しぶりの光だ。
なれてくるまでは、眩しくて目がチカチカする。だんだんピントが合ってくると、、、
目の前に女の人の顔があった。
????
いかに日本の全国模試で一位を取ったといえど、この状況は理解に苦しむ。
視覚を獲得したのにつれて、思考も感覚もより鮮明になっていく。俺は今この女の人に抱かれている。やわらかいと思ったのは、この人の人肌だったのか。
つまり可能性としては、この女の人が巨大なのか、俺が小さいかのどちらかだ。どちらも非現実的で到底受け入れられるものではない。そもそも、俺は生きているのか。生きているとするのならば、救急車に運ばれて今は病院にいるはずだ。こんな巨人と戯れているなんてあり得ない。
だが、感覚的にわかる。前よりも短く細い手足。思うように動かないまぶた。愛おしいものを見るような女の人の顔。
この状況を俺は、自分が赤ん坊になったと仮定することにした。
そうすると全ての説明がつく。
ちなみに、俺はずっとこの人に頭を撫でられている。
声を発しようとしても、うぅー、という鳴き声しか出ない。
「*f*k***〜*ai**h**」
すると、謎の言語を喋り出した。
俺の耳が正常に働いていないのか、この女性が謎の言語を喋っているかのどっちかだが、、、
うん。所々、日本語では使わない発音の仕方をしている。それに、髪の色が金色だ。
ここまで条件が揃うと、日本あるいは地球に俺がいるとしたら、とても奇異な状況ということになる。
赤ちゃんになって、外国人?の女の人に抱かれている。
こんなことあり得ないだろう。それならいっそ夢なのだろうか。しかし、ここまで思考が鮮明に合って、これは夢なのだろうかと自問できるほどであるから、それはないように思う。
もしかしたらここは天国、あるいは死後の世界なのだろうか。生きた人間、誰しもが死を経験したことがないのだから、死後どうなるかなんてわからない。もしかしたら、赤ちゃんになって外国人に抱かれる世界線があるかもしれない。
さっきから、女の人は謎の言語をずっと喋っているが、相変わらずわからない。だが、ずっと共通して出てくる言葉がある。日本語や英語にない発音なので、なんとも表現しにくいが、もしかしたらそれが俺の名前なのかもしれない。
となるとやはり、これは認めざるを得ない。
俺は先ほどの仮定と今までの条件とつなぎ合わせ、俺は記憶を持ったまま転生をしたのではないか、という仮定が自然と想起された。
この命題は時間が証明してくれるであろう。時間の経過とともに条件だって増えるのだから、、、
あれからどれくらい経っただろうか。俺は自然と寝てしまっていたようだ。頭を自由に動かせないので生の体を見ることができずにいるが、先ほどあの女の人が鏡を使って見せてくれた。日本の鏡とは比べ物にならないほど荒く削れていたが。
やはり、俺は赤ん坊の姿だった。先ほど仮定した通り、俺はあの時事故で死んで、なんの因果か、この赤ん坊に転生してしまったというのが確定になった瞬間だった。
初めて目を覚ましてから二週間ほど経っただろうか。正直、一日の半分を寝て過ごして時間感覚が狂ってしまうため、正確に時の進みを把握できていない。
それはそうと、今までで新たにたくさんのことがわかった。
まず一つに、この家は普通の家ではないということ。金色をベースにした飾りがあちらこちらにあり、どこかの王城の一室のような作りになっている。さらに驚くことに、ここの人は何か不思議な力を用いているようだった。あの女の人がすこし口を動かしたかと思うと、手のひらから水を出して見せたのだ。
日本で呼ばれるマジックのように見えたが、本質は全く違うように思う。何もないところから有を生み出す力とでも言えばいいのだろうか。よくファンタジーというジャンルで話の主軸になる"魔法"と呼ばれるものに近いと感じた。
つまり何が言いたいかというと、ここは地球ではないということだ、、、。
あれから一ヶ月、だいぶこの生活にもなれた。最初は散々だった。顔に乳房を押し当てられ、乳首をかじることを強要された。まあ、こちらもお腹が空いていたので、赤ん坊の本能で貪るように吸ってやったが。流石に高校生が大人の胸を吸うなんていうのは構図的に不快感を覚えるかもしれないが、もともと性的欲求の少なかった俺にとって、すこしのためらいはあるものの、ただの食事に過ぎなかった。
他にも、トイレはキツかった。この世界ではもちろん紙おむつなどなく、布だ。洗って使い回すため、なんとも気持ち悪い。また、食事とは違い、自分の便の処理を他人にされるのを間近で見ているのはとても辛い。恥ずかしいというよりは申し訳ないという気持ちや情けない気持ちでいっぱいだった。
そんなこんなで、この赤ちゃんライフはまだまだ続いていくのだった。
この世界に転生して、約四ヶ月がたった。
まあ、この世界が太陰太陽暦を採用しているとは限らないが。そもそも時間は二十四時間なのかすら怪しい。
それはさておき、ようやく一人で移動することができるようになった!
と言ってもハイハイだが。
そして、所々だが、謎の言語もすこしずつわかるようになった。言語なんだから誰でも習得できるはずだ。文法という名の規則性を掴めば。まあ、今の段階ではそこまで至っておらず、日常的に使われる単語のみ大体わかるようになった程度だが。
ここで一つの疑問が生まれる。
それはこの赤ん坊の脳は俺の脳と入れ替わったのだろうか。すなわち、このような思考ができるということは、俺の脳でないとあり得ない。赤ん坊の脳なら思考すらできないだろうと思われるからだ。
だが、もし、本当に記憶だけ海馬に移されているのだとしたら、俺は最強の頭脳を手にしたということになる。本来、大人になったら脳は発展しにくい。子供、それも赤ん坊の方がよく物事を吸収し、柔軟な思考ができる。すると、言語の習得も著しく早いはずだ。
まあこの問題は現時点では分からないので置いておこう。
ところで、俺は父親の姿を見たことがない。もしかして、父親は死んでしまったのだろうか?生きていたとしても薄情な奴だということはわかる。正直、そんな奴に愛情なんて湧かないが。
そもそも、前世でも俺は家族愛に疎かった。家族を大切だと思ったことは一度もない。そんな俺が本来の家族でない人たちを大事に思えるわけがない。
ただ、毎日顔を見せて世話をしてくれたあの女の人には感謝をしている。あの人がいなければ俺は死んでいた。あの女の人は周りの人と比べ、豪華な身なりをしていたから、この家の主人の妻であり、俺の母親なのではないだろうか。他にも周りにはいかにとメイド服を着たメイドなどがいて、前世を懐かしく思わせた。
この四ヶ月でたくさんのことがわかった。前世では退屈していた生活をしていたが、この世界は新しいことばかり。言語だってそうだし、文化も見たことがないだろう。それに一番大きいところに"魔法"がある。あれを早く使ってみたい!そう思う日々が積もっていくのだった。
この感触はなんだろうか、、
ん!?
生きてる!?
だが、目を開けられない。腕も動かせない。体のコントロールが効かないみたいだ。ただ、思考を行うことができるだけみたいだ。
まてよ、、でも、皮膚感覚はある。つまり、脳死ではないようだ。
よかった。思考は冷静だ。
だが、ここはどこだろうか?
病院というのが妥当だろう。
すると、このやわらかいものに包まれている感覚は何だろう。この人の肌みたいな肌触り。
「んっ!んんっ!!」
なんだ?今の色っぽい声は、。
その正体を確かめようと、動け、動けと目に力を入れる。
すると、うっすらと光が入ってくる。
久しぶりの光だ。
なれてくるまでは、眩しくて目がチカチカする。だんだんピントが合ってくると、、、
目の前に女の人の顔があった。
????
いかに日本の全国模試で一位を取ったといえど、この状況は理解に苦しむ。
視覚を獲得したのにつれて、思考も感覚もより鮮明になっていく。俺は今この女の人に抱かれている。やわらかいと思ったのは、この人の人肌だったのか。
つまり可能性としては、この女の人が巨大なのか、俺が小さいかのどちらかだ。どちらも非現実的で到底受け入れられるものではない。そもそも、俺は生きているのか。生きているとするのならば、救急車に運ばれて今は病院にいるはずだ。こんな巨人と戯れているなんてあり得ない。
だが、感覚的にわかる。前よりも短く細い手足。思うように動かないまぶた。愛おしいものを見るような女の人の顔。
この状況を俺は、自分が赤ん坊になったと仮定することにした。
そうすると全ての説明がつく。
ちなみに、俺はずっとこの人に頭を撫でられている。
声を発しようとしても、うぅー、という鳴き声しか出ない。
「*f*k***〜*ai**h**」
すると、謎の言語を喋り出した。
俺の耳が正常に働いていないのか、この女性が謎の言語を喋っているかのどっちかだが、、、
うん。所々、日本語では使わない発音の仕方をしている。それに、髪の色が金色だ。
ここまで条件が揃うと、日本あるいは地球に俺がいるとしたら、とても奇異な状況ということになる。
赤ちゃんになって、外国人?の女の人に抱かれている。
こんなことあり得ないだろう。それならいっそ夢なのだろうか。しかし、ここまで思考が鮮明に合って、これは夢なのだろうかと自問できるほどであるから、それはないように思う。
もしかしたらここは天国、あるいは死後の世界なのだろうか。生きた人間、誰しもが死を経験したことがないのだから、死後どうなるかなんてわからない。もしかしたら、赤ちゃんになって外国人に抱かれる世界線があるかもしれない。
さっきから、女の人は謎の言語をずっと喋っているが、相変わらずわからない。だが、ずっと共通して出てくる言葉がある。日本語や英語にない発音なので、なんとも表現しにくいが、もしかしたらそれが俺の名前なのかもしれない。
となるとやはり、これは認めざるを得ない。
俺は先ほどの仮定と今までの条件とつなぎ合わせ、俺は記憶を持ったまま転生をしたのではないか、という仮定が自然と想起された。
この命題は時間が証明してくれるであろう。時間の経過とともに条件だって増えるのだから、、、
あれからどれくらい経っただろうか。俺は自然と寝てしまっていたようだ。頭を自由に動かせないので生の体を見ることができずにいるが、先ほどあの女の人が鏡を使って見せてくれた。日本の鏡とは比べ物にならないほど荒く削れていたが。
やはり、俺は赤ん坊の姿だった。先ほど仮定した通り、俺はあの時事故で死んで、なんの因果か、この赤ん坊に転生してしまったというのが確定になった瞬間だった。
初めて目を覚ましてから二週間ほど経っただろうか。正直、一日の半分を寝て過ごして時間感覚が狂ってしまうため、正確に時の進みを把握できていない。
それはそうと、今までで新たにたくさんのことがわかった。
まず一つに、この家は普通の家ではないということ。金色をベースにした飾りがあちらこちらにあり、どこかの王城の一室のような作りになっている。さらに驚くことに、ここの人は何か不思議な力を用いているようだった。あの女の人がすこし口を動かしたかと思うと、手のひらから水を出して見せたのだ。
日本で呼ばれるマジックのように見えたが、本質は全く違うように思う。何もないところから有を生み出す力とでも言えばいいのだろうか。よくファンタジーというジャンルで話の主軸になる"魔法"と呼ばれるものに近いと感じた。
つまり何が言いたいかというと、ここは地球ではないということだ、、、。
あれから一ヶ月、だいぶこの生活にもなれた。最初は散々だった。顔に乳房を押し当てられ、乳首をかじることを強要された。まあ、こちらもお腹が空いていたので、赤ん坊の本能で貪るように吸ってやったが。流石に高校生が大人の胸を吸うなんていうのは構図的に不快感を覚えるかもしれないが、もともと性的欲求の少なかった俺にとって、すこしのためらいはあるものの、ただの食事に過ぎなかった。
他にも、トイレはキツかった。この世界ではもちろん紙おむつなどなく、布だ。洗って使い回すため、なんとも気持ち悪い。また、食事とは違い、自分の便の処理を他人にされるのを間近で見ているのはとても辛い。恥ずかしいというよりは申し訳ないという気持ちや情けない気持ちでいっぱいだった。
そんなこんなで、この赤ちゃんライフはまだまだ続いていくのだった。
この世界に転生して、約四ヶ月がたった。
まあ、この世界が太陰太陽暦を採用しているとは限らないが。そもそも時間は二十四時間なのかすら怪しい。
それはさておき、ようやく一人で移動することができるようになった!
と言ってもハイハイだが。
そして、所々だが、謎の言語もすこしずつわかるようになった。言語なんだから誰でも習得できるはずだ。文法という名の規則性を掴めば。まあ、今の段階ではそこまで至っておらず、日常的に使われる単語のみ大体わかるようになった程度だが。
ここで一つの疑問が生まれる。
それはこの赤ん坊の脳は俺の脳と入れ替わったのだろうか。すなわち、このような思考ができるということは、俺の脳でないとあり得ない。赤ん坊の脳なら思考すらできないだろうと思われるからだ。
だが、もし、本当に記憶だけ海馬に移されているのだとしたら、俺は最強の頭脳を手にしたということになる。本来、大人になったら脳は発展しにくい。子供、それも赤ん坊の方がよく物事を吸収し、柔軟な思考ができる。すると、言語の習得も著しく早いはずだ。
まあこの問題は現時点では分からないので置いておこう。
ところで、俺は父親の姿を見たことがない。もしかして、父親は死んでしまったのだろうか?生きていたとしても薄情な奴だということはわかる。正直、そんな奴に愛情なんて湧かないが。
そもそも、前世でも俺は家族愛に疎かった。家族を大切だと思ったことは一度もない。そんな俺が本来の家族でない人たちを大事に思えるわけがない。
ただ、毎日顔を見せて世話をしてくれたあの女の人には感謝をしている。あの人がいなければ俺は死んでいた。あの女の人は周りの人と比べ、豪華な身なりをしていたから、この家の主人の妻であり、俺の母親なのではないだろうか。他にも周りにはいかにとメイド服を着たメイドなどがいて、前世を懐かしく思わせた。
この四ヶ月でたくさんのことがわかった。前世では退屈していた生活をしていたが、この世界は新しいことばかり。言語だってそうだし、文化も見たことがないだろう。それに一番大きいところに"魔法"がある。あれを早く使ってみたい!そう思う日々が積もっていくのだった。
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