やしあか動物園の妖しい日常
海坊主のボウさん
管理倉庫内にあるプレハブ造りで六畳ほどの事務室に行くと、二人の倉庫管理担当者が慌ただしく事務作業をしているのが見える。
一人は面識のある雪女のシラユキさんだと直ぐに分かった。
もう一人は会ったことのない男性で、ボディービルダーを彷彿とさせる体格をしており、身長は優に2mを超えているだろう。ビッグフットのように大きい人だなぁ…
久慈さんが男性の方に慣れた感じで声を掛けた。
「お疲れ様です!今朝、リンさんに指示を受けて応援に来ました」
「おお!久慈っちに…君は紗理っちだな。オレは海坊主のボウだ!よろしく頼む!」
熱血漢的なイメージのボウさん。でも海坊主って確か海に突如現れて、漁民を襲ったりする巨人の妖怪じゃなかったっけ?…
ボウさんがわたしに握手を求め規格外の大きい手を差し出して来る。
「こちらこそよろしくお願いします」
その手は驚くほど大きく、わたしの小さい手ではボウさんの手の半分しか握れなかった。
作業を続けていたシラユキさんがこちらに気付き、デスクの上からクリップボードを取ってこちらに駆け寄って来る。
「二人とも来てくれてありがとう。急ぎで申し訳ないんだけど、あそこからスタートして、倉庫内の飼料と野菜の数を当たってこれに記入して欲しいの」
シラユキさんが申し訳なさそうな顔をして久慈さんにクリップボードを手渡した。
「数を当たれば良いんですね。了解しました。じゃあ早速始めます」
シラユキさんから指示を受けた場所から作業を始めて行く。
久慈さんが飼料や野菜の数を当たって読み上げ、わたしがそれをクリップボードに挟んである用紙に記入する流れ。もちろん、手の空いている時はわたしも数を当たって記入しながら進めた。
集中して黙々と作業をしたけれど、思いのほか時間が掛かってしまい全部終わった頃には夕方になっていた。
倉庫の事務室に戻り、事務作業をしながら待っていたボウさん達に久慈さんが報告する。
「ボウさん、シラユキさん、やっと作業の方が終わりました。思っていたより時間が掛かってしまって申し訳ないです」
そう言ってシラユキさんにクリップボードを手渡した。
「ううん、そんなことはないわ。この倉庫は広くて保管している物も多いから数を数えるだけでも大変なのよ。二人ともありがとう、本当に助かったわ」
 
シラユキさんはニッコリとしてそう言ってくれた。
求めてはいけないとは思うけど、やっぱり感謝の言葉を掛けられると気持ちが良い。
 
「おう!そうだな。二人のお陰でこちらの作業を順調に進めることが出来た。おっ!そうだ。今度4人でザエモンのカクテルバーで呑もうぜ。もちろんオレの奢りだ!」
最初はボウさんの申し出を遠慮していた久慈さんだったけれど、最後には押し切られたような形になり、来週のどこかで呑みに行くことが決定した。
一人は面識のある雪女のシラユキさんだと直ぐに分かった。
もう一人は会ったことのない男性で、ボディービルダーを彷彿とさせる体格をしており、身長は優に2mを超えているだろう。ビッグフットのように大きい人だなぁ…
久慈さんが男性の方に慣れた感じで声を掛けた。
「お疲れ様です!今朝、リンさんに指示を受けて応援に来ました」
「おお!久慈っちに…君は紗理っちだな。オレは海坊主のボウだ!よろしく頼む!」
熱血漢的なイメージのボウさん。でも海坊主って確か海に突如現れて、漁民を襲ったりする巨人の妖怪じゃなかったっけ?…
ボウさんがわたしに握手を求め規格外の大きい手を差し出して来る。
「こちらこそよろしくお願いします」
その手は驚くほど大きく、わたしの小さい手ではボウさんの手の半分しか握れなかった。
作業を続けていたシラユキさんがこちらに気付き、デスクの上からクリップボードを取ってこちらに駆け寄って来る。
「二人とも来てくれてありがとう。急ぎで申し訳ないんだけど、あそこからスタートして、倉庫内の飼料と野菜の数を当たってこれに記入して欲しいの」
シラユキさんが申し訳なさそうな顔をして久慈さんにクリップボードを手渡した。
「数を当たれば良いんですね。了解しました。じゃあ早速始めます」
シラユキさんから指示を受けた場所から作業を始めて行く。
久慈さんが飼料や野菜の数を当たって読み上げ、わたしがそれをクリップボードに挟んである用紙に記入する流れ。もちろん、手の空いている時はわたしも数を当たって記入しながら進めた。
集中して黙々と作業をしたけれど、思いのほか時間が掛かってしまい全部終わった頃には夕方になっていた。
倉庫の事務室に戻り、事務作業をしながら待っていたボウさん達に久慈さんが報告する。
「ボウさん、シラユキさん、やっと作業の方が終わりました。思っていたより時間が掛かってしまって申し訳ないです」
そう言ってシラユキさんにクリップボードを手渡した。
「ううん、そんなことはないわ。この倉庫は広くて保管している物も多いから数を数えるだけでも大変なのよ。二人ともありがとう、本当に助かったわ」
 
シラユキさんはニッコリとしてそう言ってくれた。
求めてはいけないとは思うけど、やっぱり感謝の言葉を掛けられると気持ちが良い。
 
「おう!そうだな。二人のお陰でこちらの作業を順調に進めることが出来た。おっ!そうだ。今度4人でザエモンのカクテルバーで呑もうぜ。もちろんオレの奢りだ!」
最初はボウさんの申し出を遠慮していた久慈さんだったけれど、最後には押し切られたような形になり、来週のどこかで呑みに行くことが決定した。
コメント