やしあか動物園の妖しい日常
賑わう会場
歓迎会の会場は話し声や笑い声で随分と賑やかになっている。
時間が経ちみんなの酒がすすめばもっと賑やかになることだろう。
「コウさ~ん、赤ワイン持って来ました。じゃんじゃん呑んじゃってください」
わたしはテーブル中央からコウさんよりのスペースに赤ワインのボトルをおいた。
「ありがとう紗理っち。これで心ゆくまで呑めるわぁ」
ニコリとするコウさんの顔は、女のわたしからしても引き込まれそうなくらい魅力的に見える。ジンさんは彼女の何が気に要らないのかなぁ?
コウさんがワインボトルにスッと手を伸ばす。
「あっ!これワインオープナーです。使ってください」
「ありがとう。でもオープナーは不要よ」
そう言って手に取ったワインボトルのコルク栓を指で摘み、軽くキュッと回してスポンと抜いてしまった。
えっ!?そんな簡単に抜けるの?
わたしも自分用に持って来たワインボトルで試してみる。
「うぅ、う~ん。駄目だ。全然開かない」
コルク栓を素手で力いっぱい開けようとするわたしを見て久慈さんが言う。
「ハハハ、そりゃ普通の女性には道具なしでは難しいよ。コウさんは馬鹿力だからあんな風に出来るんだ」
「聴こえたわよ久慈ッち。レディに対して馬鹿力はないんじゃないかしら?」
ドスの利いた声でコウさんに言われた久慈さんが冷や汗をかく。
「す、すみません…」
「まぁまぁ、落ち着けコウ。今夜は歓迎会というめでたい席だ。無礼講でいいんじゃないか?それっ!最初の一杯目を僕が注いであげよう」
「あら、優しいのねぇ。ジンがそう言うのなら今夜は無礼講でいきましょう。久慈っち、今夜は特別に許してあげるわ」
ジンさんの的確な気づかいにより、コウさんの曇った表情が頬を赤らめ嬉しそうな表情に一変した。
「ふぅ~、一瞬ヒヤリとしたよ。ジンさんを見習って紗理っちのワインは僕が注いであげる」
久慈さんは持ち前の、それこそ酒呑童子の馬鹿力で赤ワインのコルク栓を指で軽く抜いてグラスに注いでくれた。
「ありがとうございます。じゃあわたしも」
お返しに白ワインのボトルを取り、久慈さんのワイングラスに注ぐ。
少し落ち着き、最初にテーブルに置かれていた素晴らしい料理達を堪能した。
ふと、モン爺さんとトメさんの方に目を向けると、既に二人とも真っ赤な顔で泥酔状態になっている。そばには空になった焼酎の一升瓶が一本転がっていた。
いやいや、まだ飲食を始めてから1時間も経っていないのに…
「久慈さん、モン爺さんとトメさんがとんでもなくハイペースで呑んでるみたいなんですけど、あれって大丈夫なんですかか?」
「うん、まったく問題無い。いつもと変わらない風景だよ。妖怪達は酒豪が多いんだ」
そっか、良く考えたらここに居るのは妖怪達だ。普通の人間の常識では計り知れないだろう。
時間が経ちみんなの酒がすすめばもっと賑やかになることだろう。
「コウさ~ん、赤ワイン持って来ました。じゃんじゃん呑んじゃってください」
わたしはテーブル中央からコウさんよりのスペースに赤ワインのボトルをおいた。
「ありがとう紗理っち。これで心ゆくまで呑めるわぁ」
ニコリとするコウさんの顔は、女のわたしからしても引き込まれそうなくらい魅力的に見える。ジンさんは彼女の何が気に要らないのかなぁ?
コウさんがワインボトルにスッと手を伸ばす。
「あっ!これワインオープナーです。使ってください」
「ありがとう。でもオープナーは不要よ」
そう言って手に取ったワインボトルのコルク栓を指で摘み、軽くキュッと回してスポンと抜いてしまった。
えっ!?そんな簡単に抜けるの?
わたしも自分用に持って来たワインボトルで試してみる。
「うぅ、う~ん。駄目だ。全然開かない」
コルク栓を素手で力いっぱい開けようとするわたしを見て久慈さんが言う。
「ハハハ、そりゃ普通の女性には道具なしでは難しいよ。コウさんは馬鹿力だからあんな風に出来るんだ」
「聴こえたわよ久慈ッち。レディに対して馬鹿力はないんじゃないかしら?」
ドスの利いた声でコウさんに言われた久慈さんが冷や汗をかく。
「す、すみません…」
「まぁまぁ、落ち着けコウ。今夜は歓迎会というめでたい席だ。無礼講でいいんじゃないか?それっ!最初の一杯目を僕が注いであげよう」
「あら、優しいのねぇ。ジンがそう言うのなら今夜は無礼講でいきましょう。久慈っち、今夜は特別に許してあげるわ」
ジンさんの的確な気づかいにより、コウさんの曇った表情が頬を赤らめ嬉しそうな表情に一変した。
「ふぅ~、一瞬ヒヤリとしたよ。ジンさんを見習って紗理っちのワインは僕が注いであげる」
久慈さんは持ち前の、それこそ酒呑童子の馬鹿力で赤ワインのコルク栓を指で軽く抜いてグラスに注いでくれた。
「ありがとうございます。じゃあわたしも」
お返しに白ワインのボトルを取り、久慈さんのワイングラスに注ぐ。
少し落ち着き、最初にテーブルに置かれていた素晴らしい料理達を堪能した。
ふと、モン爺さんとトメさんの方に目を向けると、既に二人とも真っ赤な顔で泥酔状態になっている。そばには空になった焼酎の一升瓶が一本転がっていた。
いやいや、まだ飲食を始めてから1時間も経っていないのに…
「久慈さん、モン爺さんとトメさんがとんでもなくハイペースで呑んでるみたいなんですけど、あれって大丈夫なんですかか?」
「うん、まったく問題無い。いつもと変わらない風景だよ。妖怪達は酒豪が多いんだ」
そっか、良く考えたらここに居るのは妖怪達だ。普通の人間の常識では計り知れないだろう。
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