ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
「これは、おにーちゃんと佳代ちゃんとわたしの物語。⑧」
わたしはいつの間にか、眠ってしまっちゃったのかな。
夢を見ているのかな。
だから、昨日の朝みたいに、おにーちゃんと佳代ちゃんが、リビングでいっしょにご飯を食べてるのかな。
それとも、ループ?
バッドエンドになってしまって、昨日の朝に戻されちゃったのかな。
でも、一日しか戻れないんだったら、きっと何回やりなおしてもバッドエンドにしかならないんじゃないかな。
やり直した回数(日数)だけ、わたしは佳代ちゃんのことをちゃんと考えることができるけど、わたしが自分勝手に生きてきて積み重ねてきた時間は物心ついたときからずっとだから、たぶん15年くらい。
それは、昨日をいくらやり直したところで、どうにもならないんじゃないかな。
どうせやりなおすなら、15年前とかからにしてくれないと。
でも、たとえおにーちゃんが、りさちゃんたちに命を与えたみたいに、いくら神様のこどもでも、ループなんて起こせない。
起こせるならおにーちゃん自身が、もう何度もやりなおしてるはずだから。
だから、たぶん、これは夢。
どうせ夢なら、わたしはまだ熱にうなされていて、昨日のことも悪い夢だったらいいな。
わたしは寝ぼけた頭でそんなことを考えていました。
「みかな? 起きたの?」
おにーちゃんの声が聞こえました。
「こたつで寝たら、また風邪ひくよ。
あと今のみかな、みかな史上最大にひどいブスな顔してる」
佳代ちゃんの声が聞こえました。
ふたりとも、優しい声をしていました。
リビングのハロウィンの飾りつけは全部終わっていました。
「今日は何日?」
わたしはまだ、寝転がったままで、そう尋ねました。
「10月14日だよ」
佳代ちゃんが答えてくれました。
「そっか。じゃあ、ループはしてないんだね」
わたしがそう言うと、
「何それ?」
佳代ちゃんが笑いました。
「ひぐらしがなく時期は、もう過ぎてるよ。
それともみかなは魔法少女だった?
未来人や宇宙人や超能力者の友達でもいた?」
「みかな、顔洗っておいで。いっしょに朝ごはん食べよ」
いつもと変わらないおにーちゃんと佳代ちゃんがそこにいて、
「……うん」
わたしは何が何だかわからないまま、体を起こしました。
おにーちゃんと佳代ちゃんは朝ごはんを用意だけして、リビングのこたつの上に並べていただけで、まだ食べてはいませんでした。
食べているように見えたのは、まだ寝ぼけていたわたしの頭がそう勘違いしただけだったみたい。
ふたりは、わたしが起きるのを待っていてくれたようでした。
洗面所の鏡に映るわたしは、佳代ちゃんの言う通り、本当にわたし史上最大最恐最悪にブスでした。
自分で、誰このブス? って思っちゃったくらい。
祝え! 50年後の未来に、世界中のブスを従え、圧倒的なブス力で世界を支配する、偉大なるオーマジブスオウの誕生の瞬間を!!
って、ウォズの声が聞こえてくるくらいにマジでブスでした。
っていうか、今日のわたし、ただブスなだけじゃなくて、笑いのセンスまでブス!!
ですが、泣き腫らした目や、涙でお化粧が中途半端に崩れた顔は、リビングの飾りつけ以上に、昨日の出来事が夢なんかじゃないことや、今も悪い夢を見てるわけじゃないことをわたしに教えてくれていました。
わたしは、ゆうべお風呂に入ってなかったから、少し寒かったし本当は湯船にちゃんとゆっくりつかりたかったけど、おにーちゃんも佳代ちゃんも待ってくれてるし、シャワーだけでお風呂を済ませることにしました。
しっかりお化粧を落として、顔を洗って、いつもならここで無駄毛処理(主に股間)をするところなんだけど今日はやめることにしました。
お風呂から出たわたしは、髪を乾かして、それから歯を磨いて。
だけど、さっきよりはまともだけど、泣き腫らした目のすっぴんのわたしは、やっぱりブスでした。
ブスだと、下着とかお洋服も全部適当になっちゃって、かわいさより暖かさや楽さを重視しちゃう。
「ごめんね。待たせちゃって」
リビングに戻ってきたわたしに、
「佳代ちゃんから全部聞いたよ」
おにーちゃんは言いました。
「ごめんね、みかな。わたし、ゆうべ全然降りてこなくて」
佳代ちゃんもそう言って、
「わたし、お兄ちゃんの寝顔を見ているうちに、涙が止まらなくなっちゃって……
それでお兄ちゃんを起こしちゃって……
それから、お兄ちゃんに慰めてもらいながら、みかなのことやお兄ちゃんのこと、それにわたしのこと……
朝までいっぱい相談に乗ってもらってたの」
佳代ちゃんがゆうべリビングから出ていってしまってから、今朝までのことを、ちゃんと話してくれました。
そして、おにーちゃんは言いました。
「朝ごはんを食べたら3人で話をしよう」
「わたし、やっぱりみかなやお兄ちゃんに会えなくなるのはいや。
だから、昨日みかなが言ってくれたみたいに、3人でしあわせになる方法を、いっしょに考えよ?」
佳代ちゃんが続きました。
「ぼくたちは、こどもの頃からずっと家族だったんだから」
          
夢を見ているのかな。
だから、昨日の朝みたいに、おにーちゃんと佳代ちゃんが、リビングでいっしょにご飯を食べてるのかな。
それとも、ループ?
バッドエンドになってしまって、昨日の朝に戻されちゃったのかな。
でも、一日しか戻れないんだったら、きっと何回やりなおしてもバッドエンドにしかならないんじゃないかな。
やり直した回数(日数)だけ、わたしは佳代ちゃんのことをちゃんと考えることができるけど、わたしが自分勝手に生きてきて積み重ねてきた時間は物心ついたときからずっとだから、たぶん15年くらい。
それは、昨日をいくらやり直したところで、どうにもならないんじゃないかな。
どうせやりなおすなら、15年前とかからにしてくれないと。
でも、たとえおにーちゃんが、りさちゃんたちに命を与えたみたいに、いくら神様のこどもでも、ループなんて起こせない。
起こせるならおにーちゃん自身が、もう何度もやりなおしてるはずだから。
だから、たぶん、これは夢。
どうせ夢なら、わたしはまだ熱にうなされていて、昨日のことも悪い夢だったらいいな。
わたしは寝ぼけた頭でそんなことを考えていました。
「みかな? 起きたの?」
おにーちゃんの声が聞こえました。
「こたつで寝たら、また風邪ひくよ。
あと今のみかな、みかな史上最大にひどいブスな顔してる」
佳代ちゃんの声が聞こえました。
ふたりとも、優しい声をしていました。
リビングのハロウィンの飾りつけは全部終わっていました。
「今日は何日?」
わたしはまだ、寝転がったままで、そう尋ねました。
「10月14日だよ」
佳代ちゃんが答えてくれました。
「そっか。じゃあ、ループはしてないんだね」
わたしがそう言うと、
「何それ?」
佳代ちゃんが笑いました。
「ひぐらしがなく時期は、もう過ぎてるよ。
それともみかなは魔法少女だった?
未来人や宇宙人や超能力者の友達でもいた?」
「みかな、顔洗っておいで。いっしょに朝ごはん食べよ」
いつもと変わらないおにーちゃんと佳代ちゃんがそこにいて、
「……うん」
わたしは何が何だかわからないまま、体を起こしました。
おにーちゃんと佳代ちゃんは朝ごはんを用意だけして、リビングのこたつの上に並べていただけで、まだ食べてはいませんでした。
食べているように見えたのは、まだ寝ぼけていたわたしの頭がそう勘違いしただけだったみたい。
ふたりは、わたしが起きるのを待っていてくれたようでした。
洗面所の鏡に映るわたしは、佳代ちゃんの言う通り、本当にわたし史上最大最恐最悪にブスでした。
自分で、誰このブス? って思っちゃったくらい。
祝え! 50年後の未来に、世界中のブスを従え、圧倒的なブス力で世界を支配する、偉大なるオーマジブスオウの誕生の瞬間を!!
って、ウォズの声が聞こえてくるくらいにマジでブスでした。
っていうか、今日のわたし、ただブスなだけじゃなくて、笑いのセンスまでブス!!
ですが、泣き腫らした目や、涙でお化粧が中途半端に崩れた顔は、リビングの飾りつけ以上に、昨日の出来事が夢なんかじゃないことや、今も悪い夢を見てるわけじゃないことをわたしに教えてくれていました。
わたしは、ゆうべお風呂に入ってなかったから、少し寒かったし本当は湯船にちゃんとゆっくりつかりたかったけど、おにーちゃんも佳代ちゃんも待ってくれてるし、シャワーだけでお風呂を済ませることにしました。
しっかりお化粧を落として、顔を洗って、いつもならここで無駄毛処理(主に股間)をするところなんだけど今日はやめることにしました。
お風呂から出たわたしは、髪を乾かして、それから歯を磨いて。
だけど、さっきよりはまともだけど、泣き腫らした目のすっぴんのわたしは、やっぱりブスでした。
ブスだと、下着とかお洋服も全部適当になっちゃって、かわいさより暖かさや楽さを重視しちゃう。
「ごめんね。待たせちゃって」
リビングに戻ってきたわたしに、
「佳代ちゃんから全部聞いたよ」
おにーちゃんは言いました。
「ごめんね、みかな。わたし、ゆうべ全然降りてこなくて」
佳代ちゃんもそう言って、
「わたし、お兄ちゃんの寝顔を見ているうちに、涙が止まらなくなっちゃって……
それでお兄ちゃんを起こしちゃって……
それから、お兄ちゃんに慰めてもらいながら、みかなのことやお兄ちゃんのこと、それにわたしのこと……
朝までいっぱい相談に乗ってもらってたの」
佳代ちゃんがゆうべリビングから出ていってしまってから、今朝までのことを、ちゃんと話してくれました。
そして、おにーちゃんは言いました。
「朝ごはんを食べたら3人で話をしよう」
「わたし、やっぱりみかなやお兄ちゃんに会えなくなるのはいや。
だから、昨日みかなが言ってくれたみたいに、3人でしあわせになる方法を、いっしょに考えよ?」
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