ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
番外編「わたしを妹カフェに連れていったおにーちゃんが、妹カフェの偽の妹にデレデレになるわけがない。とは限らない」①
やってきました! 静岡県浜松市!!
「かわいいは正義」
そんな名言を生み出した名作「苺ましまろ」。
ぼくの人生の聖書(バイブル)であり、その舞台である浜松市は、まさに聖地。
アニメ化やゲーム化など、メディアミックスも一段落し、早数年が過ぎました。
コミックスの新刊がなかなか出ないのはせつないものがありますが。
今ならば、聖地巡礼も許されることでしょう。
「いや、だめだからね?
当時聖地巡礼してた人たちみたいに、体育の授業中の小学生の女の子を撮影したりとか、一生のトラウマレベルだからね?
おにーちゃんの被写体は、あくまでわたしだけ。
で、駅周辺の、コミックスのカラーページで背景になってた場所とか、そういうのを撮るだけだからね?」
まるでぼくの心を読むかのように、みかな氏は言いました。
「それから、わたしの名前に『氏』をつけるの禁止。地の文でも禁止。きもいから」
まるで、かわいいは正義を体現したかのような、ぼくのかわいい妹は、そんなことを言うのです。反抗期かな?
「オタク的な意味合いではなく、かつて貴乃花が兄・花田勝(若乃花)を、勝氏と呼んだようか意味合いでも?」
「それ、完全な拒絶じゃねーか!! 何? こんなにかわいくて、おにーちゃんのオタク趣味にも、ロリコン趣味にも理解がある上に、おにーちゃんのことが大好きでしかたがないわたしが妹なのが不満なわけ?」
やっぱり反抗期だ、これ。
「反抗期じゃないし! 当然の反応だし!!」
こちら、H。聞こえるか? J。
一応、おにーちゃんのことが大好きって言ってるし、調教は計画通りに進んでいるようだ。
「変な人と交信しない!! 調教とか言わない!!」
それから、どうやら妹は、ぼくの心を読むというSPECにも目覚めたようだぞ。
「了解。それでは、聖地巡礼を開始する。
ああ、わかっているさ、プロフェッサーJ。任務完了後はすぐに帰投する。
君がフォースと共にあらんことを」
「おにーちゃんの交信相手、プロフェッサーJだったの!?
SPECの映画に出てきたやべーやつじゃん! フォースと共にあっちゃだめな人じゃん!!
それなのに苺ましまろの聖地巡礼とか、あ~~、もう! 設定が大渋滞してる!!
よし、わたし、帰ろう!!
なんか『うなぎ』とか『さわやか』に騙されて、うっかりついてきちゃったわたしが馬鹿だったよ……」
「みかなさん、おねがいです! おねがいですから、帰らないでください~~!! ちゃんと、うなぎもさわやかのハンバーグもごちそうしますから~。ひとりじゃいけないんです~。行く勇気がないんです~」
帰りたいと言い出したかわいい妹に泣きついて引き留めてでも、ぼくには、聖地巡礼以外に、この浜松でしたいことがあったのです。
これまで、ぼくは妹と共に、名古屋駅周辺や、大須を中心にさまざまなコンセプトカフェめぐりをしてきました。
いつかは、コンセプトカフェについての本を出版したいとすら思っているほど。
浜松に聖地巡礼に行くと決めたとき、ぼくは浜松にはメイドカフェ的なオタクスポットはないのか!? という疑問を抱いたのです。
せっかく浜松まで行くのです。
日帰りの旅先でまでメイドカフェ的なオタクスポットに立ち寄る必要があるのかと問う人もいるでしょう。
ですが、ぼくは声を大にして言いたい!
旅先だからこそメイドカフェ的なオタクスポットに立ち寄る必要があるのだと!
そして、ぼくはついに見つけました。
それが「妹カフェ う◯ぎぐみ」でした。
聖地巡礼を早々に切り上げたぼくたちは(それにしても、うちの妹はほんとにかわいいから絵になるなぁ。お顔を皆さんにお届けできないのが残念でなりません)、浜松駅から徒歩圏内にある、一階のシャッターが半分閉まりかけた雑居ビルの、薄暗く急な階段を登りました。
二階にあった妹カフェうさぎぐみの入り口のドアは、ぼくたちの足音に反応するかのように開き、中から顔を覗かせた女の子が言いました。
「おかえりなさい、お兄ちゃんお姉ちゃん」
女の子は、幼稚園の制服のような格好をして、小学校で履いていたような上履きをはいていました。
それがぼくたちと、妹つかさちゃんとの出会いでした。
          
「かわいいは正義」
そんな名言を生み出した名作「苺ましまろ」。
ぼくの人生の聖書(バイブル)であり、その舞台である浜松市は、まさに聖地。
アニメ化やゲーム化など、メディアミックスも一段落し、早数年が過ぎました。
コミックスの新刊がなかなか出ないのはせつないものがありますが。
今ならば、聖地巡礼も許されることでしょう。
「いや、だめだからね?
当時聖地巡礼してた人たちみたいに、体育の授業中の小学生の女の子を撮影したりとか、一生のトラウマレベルだからね?
おにーちゃんの被写体は、あくまでわたしだけ。
で、駅周辺の、コミックスのカラーページで背景になってた場所とか、そういうのを撮るだけだからね?」
まるでぼくの心を読むかのように、みかな氏は言いました。
「それから、わたしの名前に『氏』をつけるの禁止。地の文でも禁止。きもいから」
まるで、かわいいは正義を体現したかのような、ぼくのかわいい妹は、そんなことを言うのです。反抗期かな?
「オタク的な意味合いではなく、かつて貴乃花が兄・花田勝(若乃花)を、勝氏と呼んだようか意味合いでも?」
「それ、完全な拒絶じゃねーか!! 何? こんなにかわいくて、おにーちゃんのオタク趣味にも、ロリコン趣味にも理解がある上に、おにーちゃんのことが大好きでしかたがないわたしが妹なのが不満なわけ?」
やっぱり反抗期だ、これ。
「反抗期じゃないし! 当然の反応だし!!」
こちら、H。聞こえるか? J。
一応、おにーちゃんのことが大好きって言ってるし、調教は計画通りに進んでいるようだ。
「変な人と交信しない!! 調教とか言わない!!」
それから、どうやら妹は、ぼくの心を読むというSPECにも目覚めたようだぞ。
「了解。それでは、聖地巡礼を開始する。
ああ、わかっているさ、プロフェッサーJ。任務完了後はすぐに帰投する。
君がフォースと共にあらんことを」
「おにーちゃんの交信相手、プロフェッサーJだったの!?
SPECの映画に出てきたやべーやつじゃん! フォースと共にあっちゃだめな人じゃん!!
それなのに苺ましまろの聖地巡礼とか、あ~~、もう! 設定が大渋滞してる!!
よし、わたし、帰ろう!!
なんか『うなぎ』とか『さわやか』に騙されて、うっかりついてきちゃったわたしが馬鹿だったよ……」
「みかなさん、おねがいです! おねがいですから、帰らないでください~~!! ちゃんと、うなぎもさわやかのハンバーグもごちそうしますから~。ひとりじゃいけないんです~。行く勇気がないんです~」
帰りたいと言い出したかわいい妹に泣きついて引き留めてでも、ぼくには、聖地巡礼以外に、この浜松でしたいことがあったのです。
これまで、ぼくは妹と共に、名古屋駅周辺や、大須を中心にさまざまなコンセプトカフェめぐりをしてきました。
いつかは、コンセプトカフェについての本を出版したいとすら思っているほど。
浜松に聖地巡礼に行くと決めたとき、ぼくは浜松にはメイドカフェ的なオタクスポットはないのか!? という疑問を抱いたのです。
せっかく浜松まで行くのです。
日帰りの旅先でまでメイドカフェ的なオタクスポットに立ち寄る必要があるのかと問う人もいるでしょう。
ですが、ぼくは声を大にして言いたい!
旅先だからこそメイドカフェ的なオタクスポットに立ち寄る必要があるのだと!
そして、ぼくはついに見つけました。
それが「妹カフェ う◯ぎぐみ」でした。
聖地巡礼を早々に切り上げたぼくたちは(それにしても、うちの妹はほんとにかわいいから絵になるなぁ。お顔を皆さんにお届けできないのが残念でなりません)、浜松駅から徒歩圏内にある、一階のシャッターが半分閉まりかけた雑居ビルの、薄暗く急な階段を登りました。
二階にあった妹カフェうさぎぐみの入り口のドアは、ぼくたちの足音に反応するかのように開き、中から顔を覗かせた女の子が言いました。
「おかえりなさい、お兄ちゃんお姉ちゃん」
女の子は、幼稚園の制服のような格好をして、小学校で履いていたような上履きをはいていました。
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