怠惰の大罪を背負ったけど何の因果か同時に娯楽神の加護を授かったおかげで働いたら負けの無敵状態になってゲーム三昧

きゅーびー

じゃぱにーずかるちゃーいずくーる13


 世界が変わって半年、日本中が新しい法律についてあれやこれや好き勝手に言っている間に異変は始まった。

 ベルの予測通り世界中でモンスターが地上に溢れ出した。

 最初はあらゆる国の民間人が撮影した様子がSNSを通じて拡散し、先刻の中国のような状況が世界各国で同時多発的に起きた。

 かくいう日本でも各都道府県で溢れ出したモンスターが撮影されSNSに投稿されていた。

 事態を重く見た日本の政府が冒険者協会に正式に依頼し、千尋を始めとした冒険者協会所属のダンジョン攻略組が日本全国に派遣を依頼され、ダンジョン生まれの実力ある者達にも特例的に協力の依頼が出された。

 世界的に見ればモンスターに抗う為の人員が確実に足りないのは確かだが、こと日本においては明らかな過剰戦力が揃っていた。


 ☆ ☆ ☆


「……このコスチュームは着ないからな」

「私も!というか今回は顔バレしようが身バレしようが別に問題無いからね!とにかく、地上に出てきたたモンスターと原因となるダンジョンの攻略を始めるよ!私は九州担当で、千尋ちゃんは関東、英美里は東北、リーダーは北海道、番長は近畿、助手ちゃんは中部、美奈は四国、ゴンタは中国、それぞれ何人か引き連れて効率良くパパッと終わらせちゃおう!じゃあ皆、よろしくね!」

 日本政府から依頼が来るや否や純によって緊急招集された面々が我が家の居間に集まって各々地域毎に担当を割り振られた。

 俺はこういう時の為に用意した新しい衣装を片手に会議に参加して皆に配ったのだが純と千尋には断られてしまった。

「今回のは結構力作なんだけどなぁ……」

 前回の事も踏まえて今回の新コスはスーツ姿のままで防御面を強化し、見た目も刷新した。

 今回の新コスのテーマは動物で色毎に動物の特徴を捉えた中々に恰好良い仕上がりになったと自負している。

 更に今回はそれぞれに専用の武器も作った、博士達研究チームとベルによる魔科学の英知を詰め込んだ武器でスーツを着用して武器を念じながらそれぞれの武器に着けられた名前を発する事で手元に現れるというスペシャル仕様だ。

 残念ながら嫁には不評だったが、他の面々には中々好評だ。

「良いっすね!新コス!武器も何タイプもバリエーションがあって状況に応じて選べるし、戦闘中にスムーズに入れ替えられのは便利っす!黒蛙・大手裏剣!おぉー!凄いっす!感動っす!ちなみにこの大手裏剣は投げた後どうなるんすか?」

「飛び道具は基本的に武器名+回収っていうワードで手元に戻ってくるぞ。それと武器名は各自で呼びやすい、使いやすいワードに設定出来るから、設定し直したい人はやり方を書いた説明書をここに置いておくから後で自分で設定してみてくれ!」

「兄さん!私も赤が良い!千尋さんと同じ色にして!」

「なら私のを美奈に」

「「それは駄目!」」

 流石は我が妹、千尋から赤を取り上げるなんて出来る筈が無い。

「いや緑で良いだろ恰好良いだろ?」

「でも赤の方が……」

「うーん……前の奴なら赤があるけど、あれはスーツ状態だと防御面がなぁ……武器も無いし」

「じゃあ次は赤か赤っぽい色にして!今回は仕方なく緑で我慢しておくわ!」

「りょーかい」

 各自新コスを着用して説明書を読みながら新装備、新システムを試している。

 開発には莫大なDPを無駄使いしてしまったが、ベルの手伝いをした際にベルに貰った正当な報酬で作った物だから許して欲しい。

 スライムには足を向けて寝られないな。

「もう!皆、急いで!いつまでも遊んでないで各自現場に移動!ダンジョン間転移門でそれぞれ分担された所に行って!」

 新コスに浮かれている面々に純が痺れを切らして激を飛ばす。

 純に怒られて蜘蛛の子を散らすように現場へと向かって行く。

「まこちゃんは沖縄ね!沖縄は殆どモンスター居ないけど、一応見回りぐらいはやってね?暇がありそうなら、島を中心に色んな所を見回ってね!じゃあ!行ってきます!」

「はいよー」

 純も自分の担当する九州を巡回する為にまずは被害が一番出てそうな福岡に向かう為にダンジョン間転移門へと向かった。

「さて……沖縄観光でもしに行きますかね!」

 俺は島を中心に見回りするべくまずは沖縄に向かった。

 勿論新コスを着用して。






















 やってきました沖縄めんそーれ。

 俺の新コスはヒーロースーツではなくて虫をコンセプトにバイク乗り風なものだ。

 これも人気特撮からインスパイアされたオマージュというかパロディというか、まぁ平たく言ってパクリのデザイン。

 こっちの新コスには武器に加えて専用の乗り物も用意してある。

「戦闘飛蝗!ライドモード!かっけぇー……それじゃあ沖縄観光しながらモンスターとダンジョンの攻略にいきましょうかね!」

 戦闘飛蝗をライドモードに切り替え、空の旅に出る。

 コイツがあれば俺も空を飛び回れる。

 なんて素晴らしい事か。












コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品