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究極の魔女はダンジョン系セラピスト

流川おるたな

エヴェルとの出逢い

 夢中で料理を食べていたカミュが二人の視線に気付き手と口の動きを止める。

「君、物凄い勢いで食べるわね。消化に悪いからもうちょっとゆっくり食べた方が良いわよ」

 13歳の姿のマリムがまるで母親のような言い回しをする。

「すびばせん。3日間水しか口にしていなかったものですから無我夢中で食べてしまいました」

「3日間も!?レコにギルドへ行った話を訊いたけど、良くそれで走ったりできたわね!?」

「こう見えて体力には自信があるんです。それに一日何も食べずに過ごすことにも少し慣れてしまって...」

 マリムが神妙な面持ちになって言う。

「そうだったの...なら好きに食べると良いわ」

 それから三人は無言でテーブルいっぱいあった料理を食べ尽くした。
 自分が作るよりずっと美味しい料理にマリムは満足している。

「ふ~食べた食べた。君は料理の才能があるみたいね。久々に美味しい手料理を食べさせて貰ったわ」

「究極の魔女さんに喜んで貰えたみたいで僕も光栄です」

 レコはというと二人と比べて身体が小さい所為か、早々と満腹になりグロッキー状態になっていた。

「君、名前はカミュで良かったわよね?」

「そうです!カミュ・ローグハートです!」

「カミュ、なぜ勇者になりたいのか教えてくれる?」

 真剣な表情をしたカミュが話し出す。

「僕はここから遠く離れたアウグール国の小さな村キャメルで生まれました。父と母は優しくて働き者で僕はそんな二人が大好きで、三人で仲良く幸せに暮らしていたんです。あの日、モンスターが村に現れるまでは...」

「その話は5年くらい前に聞いたことがあるわ。アウグール国のダンジョン[バーゴ]からモンスターが外に出てしまい、いくつかの町や村が襲われたと...君の村もその一つだったのね」

「...はい。村にも多くのモンスターが現れました。そして、突然僕の家の窓を破り入って来たモンスターに父と母は殺されてしまったんです。僕もすぐ側に居たのでモンスターに襲われそうになったんですけど、ある人に助けられました」

 マリムが何かに気付いたような顔する。

「それって私が一緒にパーティを組んでたエヴェル・フォスターのことかしら?」

「そうです。あなたの良く知る世界最強の勇者エヴェルさんが助けてくれました」

「いつだっか忘れたけれど、エヴェルからその村での話を聞いたことがあったわ。当時の彼はまだ冒険者ではなく、旅人として世界を渡り歩いていたらしいけど」

「そうだったんですね。...それで助けられた時にエヴェルさんが言ってくれたんです。「泣くな少年!君の人生はこれからだ。強くなって生きろ!」って」

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