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霊能者、異世界を征く!~奴隷からの出発、魂の能力継いで下剋上。

るう

異世界へ

今更ながら、改めて目の前に立つ二人を見た。
一人は、いわずもがなヒゲジジイ。
つるっとテカる頭に、異様に長く伸びた白いヒゲ。真っ白な衣には縫い目らしきものは見えず、それでいて身体すべてを無駄なくすっぽりと覆っている。辛うじて見えるのは長い杖を持つ手だけである。
もう一人は、全体的に青い人だった。他に形容しようがない、目も髪も衣装も青だった。それと、超絶イケメンとだけ言っておこう。もう、神でなければこれほどのイケメンはいないだろう。彼の衣は、どういう仕組みなのか水の流れのように動き、時折白く波立ちさえする。間違いなく水を司る系の神様だろう。
ちなみに、白ヒゲ爺さんの方はふつうの爺さん顔である。
その青い人……神様が、気がかりそうに俺の様子を確認して、少々早口になりながら話した。

「いろいろ聞きたいことはあるでしょうが、人の身でこの空間に長居はできません」

なるほど、先ほどからやたら耳鳴りがして、この空間の白さに目を開けているのが辛くなってきたのは、ここが神域とやらで、本来なら人間が居ていい場所ではないのだろう。

「あなたをこれから下界に送ります。そうですね、あなたから見ればそこは異世界です。本来なら……いいえ、今は説明している時間がありません。ともかく一つだけ忘れないでください、あなたの身体はこちらの世界においては脆弱にすぎます」

地球の環境とこの世界の環境では、圧倒的にこちらの方が過酷らしい。そして、こちらの世界の生物は、それに対応した強靭な肉体と、特殊な能力があるとのことだった。

「主神が肉体を弄ってしまったので、もはや転生は無理ですが……」

――おいこら、主神とやら。
俺とヒゲジジイは、さっきからアッチ向いてホイ状態だ。絶対、目を合わしやがらねぇ。

「過ぎたことは言っても仕方がありません。しかし、貴方には秘めた力があります。本来はこちらで手に入れるはずだった能力と、魔力……あちらの血肉によって、ひどく稀な変化を遂げてますが、その力で乗り越えていくしかないでしょう」
「稀な変化って、まさか霊を見たりするアレか? あんなのなんの役にたつ……」

文句を言おうと立ち上がった途端、酷いめまいによろめいた。

「もう時間がないようじゃな。主神である儂の一部を身に宿したおぬしは、曲りなりにも儂の眷属じゃ。本来、神は個人に関わることはないが、我の声が届く場所へ行くことができれば、また会いまみえることもあろう」

いや、待て! なんか、かっこよく締め括ろうとしているが、これって中途半端にケツまくって逃げる気だよな。まだ、なんもわかってねぇよ。
なんで、俺がいきなり異世界に行かなきゃならないのか、そもそも個人に関わらないとか言ってる神が、事故で死ぬ運命の俺をわざわざ助けたのか……なにも!

「……これを。当面、必要なお金と衣服、食べ物が入っています。くれぐれも、無茶はされませんように」

ぼやける意識の中、最後に青衣のイケメン神が、俺の手にリュックのような袋を押し付けた。

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