トラブル遭遇率120%ダメダメ男がメチャモテ青春を送るために主人公を目指す

なんちゃってチャンプル

因縁の関係

「お前、いつまでそっち側でいるつもりだ?」


 ルシウスがソラの方へ歩み寄りながら語りかける。
ソラはさっきまでのヘラヘラした顔ではなく何かに興味津々である。


 「このタイミングでルシウスがここに来るなんて…凶星だなんて思っていたが……そうか……そういうことだったのか」


 ルシウスの事など眼中にないソラ、1人でブツブツと独り言を言っている。ルシウスはその様子に腹を立ててソラの胸ぐらを掴む。


 「てめー聞いてんのか?」


 ルシウスはふと、ソラの視線の先に目をやる。視線の先には1人の恐怖に包まれた少年、勝也がいた。


 「なるほど…こいつが…」


 ルシウスはニヤっと微笑むと勝也に向け人差し指を向け手で銃の形を模倣する。瞬間、ソラはルシウスを睨みつける。


 「その子に手を出してみろ、今度は確実に殺すぞ」


 ―――パァン


 勝也の左胸に穴が開き、勝也は倒れ込む。その様子をルシウスは醜美な笑顔で見ていた。


 「BOX解放、霊剣ムラマサ」


 勝也が倒れ込むと同時に醜美な笑顔を浮かべていたルシウスの四肢は切断され、他に伏せていた。


 「僕はあまり干渉するつもりはなかったんだけど忠告を無視したのはルシウスだから仕方ないよね」


 とどめを刺そうと胸元にムラマサを差し込む、ソラの顔は冷め切った無表情の顔だ。


 「先刻までの俺なら消滅していたな」


 息の根を止めたはずのルシウスはソラの後ろに腕を組みながら立っていた。そして、ルシウスはソラに向かって勝也を打ったように銃の模倣をした手を向ける。


 「そこまでよ、ルシウス」


 美しい銀髪をなびかせながら、イブが声をかける。ルシウスの顔が一瞬ひきつり、ソラから距離を取り両手をあげる。


 「もう来やがったのかよ……やっぱ持ってんな」


 ルシウスは怪しい笑みを浮かべながら勝也をじっと見ている。イブは勝也に駆け寄り、傷口を確認すると傷口は塞がっていた。


 「ガキはまだ生きてんだろ?俺が生きてるのがいい証拠だよな?ソラ!!」


 「今すぐ僕たちの拠点から出て行けルシウス、もちろん何も破壊せず、誰も殺さずだ……」


 ルシウスが手を広げるとそこには別の空間が現れた。ルシウスがその空間の中に消えていくのをイブとソラは目を凝らして見ていた。


 「そのガキに今度俺様が話にくると伝えといてくれ」
 そう言うと、ルシウスは異空間へと消えていった。



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