僕と神様の脳内世界創生

あがごん

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「悪いのは闇内です。全てこいつのせいです」
「てめえ水野あとで体育館裏来いや」
あはは、いかない。僕はいかない。死にたくない。




「ひでぶっ」
「これに懲りたら二度とあんな真似すんじゃねえぞ。次やったら命はないからな」
ぺっと唾を吐き捨てる。数分で全てを片付けて、今僕は教室に向かっているところだ。ふっ、似合わぬことをしてしまった。僕に秘められた未知なる力が闇内君の暴力に打ち勝ったのだ。
「あれ、みずっちなんでそんなに傷だらけなのー?」
「台無しだ!」
字面だけだと分かんないから、勝った風を装ってたのに。そうだ今日からこいつをDAINASHIと呼ぶことにしよう。ローマ字でかっこいいから本にすれば60万部くらい売れるはずだ。
「命があるだけもうけものさ」
「ワカメー、みずっち獣だったらしいよー」
「そうなんですか? 水野君は危ない人だったんですか?」
磯野さんそんなこと信じないで!
「うん、なんかねー夜はパンツはかないで街を散歩してるってー」
「そんなこと言ってない!」
「あははー冗談だよ。今のはうちのお父さんのことだよ」
「……え?」
この子の家庭内事情大丈夫なんだろうか。僕はそう思わずにはいられない。
一応僕から見た川島さんの、分かる範囲の情報をあげておこう。本名は川島壱子。顔は小さく、パーツもそれに合わせて小さいが、目はぱっちり二重でいわゆる美少女っていうやつだ。髪は黄色のリボンで左右を結び、これぞツインテールっ娘という感じである。明るく元気だがどこか抜けている節があり、その小ささからクラスでは愛玩動物的存在だ。特に女子に可愛がられてる。男子にも人気があるが、公然と好きだと言うとなぜかロリコン扱いされるため、公言するやつはいないが隠れファンは相当いる。たぶん磯野さんに次いで人気だ。因みに川島さんは磯野さんのことをワカメと呼んでいる。某国民的アニメのキャラと苗字が一緒のせいだろうか。一応付け加えておくが磯野さんの本名は磯野ワカメではなく磯野美鈴だ。二人ともただでさえ可愛いのに、その上スペックの高いもの同士で組むということになると男子としては垂涎ものである。そしてそんなクラスの二大女子と普通にしゃべってる僕は歓迎されない存在なのだ。特別かっこいいわけではなく、クラスのリーダー的存在でもないため、周りの男子からしてみたらなんであんな奴が?となっているのだ。
「今日こそ水野に天誅を!」



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