異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

国際会議と条約締結


 いよいよ歴史上、類を見ない規模での国際会議が始まろうとしている……俺の屋敷で。おかしいよね? 普通個人宅で国際会議とかやらないと思うんだけどね。


 参加国は、

 アルカリーゼ
 アストレア
 ガーランド
 アルゴノート
 トラシルヴァニア
 アトランティア
 クリスタリア
 自由都市連合
 エメロードラグーン
 アビス
 キャメロニア
 ホワイティア
 ケルトニア
 ショタランド
 魔人帝国
 神殿本庁
 各種ギルド本部

 そして、一応独立国扱いのセレスティーナが正式なメンバーとなる。


 屋敷には、朝から続々と各国の元首や代表がやってくるが……みんな知り合いだから緊張とかはしない。ていうかほとんどが家族だし? 世界中の王族が家族とか、俺やばいよね? 超VIPだと思うんだ。みんなやっほーみたいな軽いノリでやってくるし、王妃様なんてもともと何人かうちに住んでるし……。

 会場の設営や準備については、我がワタノハラ家の優秀なメイドたちが完璧にこなしてくれたので、何の心配もない。安全に関しては、邪神本人が直接攻撃でもしてこない限り問題ない。なんなら、その辺で寝転んでいる角うさぎの方がSSクラスの魔物より強いからね? マジで俺の屋敷、ガチの魔境。

 参加者は、国王または元首および宰相や外交担当者などの代表者はもちろん、王族や高位貴族、大商人など、護衛や付添など関係者を含めると総勢は五千人を超えることになる。

 当然だが、参加者は全員ヒルデガルドの透視検査を受けているので、危険人物が紛れ込む心配は万一にもない。

 今回は昼餐会やティーパーティー、晩餐会、舞踏会を含めて様々なイベントが用意されている。

 これは、せっかくなのでこの機会に交流の場を設けようという意見が多かったからだ。この世界では、馬車が主流なので、隣国であってもなかなか直接交流する機会はないからね。

 普通ならあり得ない規模なんだけど、今回はゲートを解放しているので、手ぶらで女子どもも気軽に参加できる。ドアを開けたら、一秒で会場なんだから、当然参加希望者は増えるわけだ。実際これでも各国かなり絞った方らしい。


 当然、国際会議に参加するのは、一部の元首たちのみとなるので、それ以外の者たちは、外交や社交、商談や縁談が主な舞台となる。

 おそらくだが、少なくとも今生きている世代の中で、この規模の交流が行われるのは初めてだろう。全員がこの生涯一度のチャンスを生かそうと、本気も本気。鬼気迫る表情で走り回っている。はっきりいって怖い。とにもかくにも、至る所でいろんな意味で大変賑やかな状況になっているのは確かだ。

 また、勇者学院の卒業生たちも多いので、あちらこちらで同窓会の様相を呈しているのも面白いよな。

 
 会議とは別に、この場所はこれから1週間、交流の場として開放する予定だ。

 この屋敷を舞台に様々な物語が生まれてゆくのだと思うと、とても感慨深い。


 俺がこの世界に来て、関わった人々、訪問した国々が一堂に会する。これはまさに俺が生きて来た証、行動の結果に他ならないからな。


 集大成でもあり、始まりでもある。さあ国際会議の始まりだ。


***


 さっそく会議が始まるが、実際のところ、条約の内容などは事前に各国間で確認了承ずみだ。

 したがって、後は元首や代表による顔を合わせての最終確認と、署名捺印がメインとなる。

 細かい課題や、二国間の問題については、会議の後、事務方や外交官同士で話し合ってもらえば良い。必要なら俺が調整役になっても構わないし。

 
 調印式はあっけないほどすぐに終わったが、これはひとえに、実現まで漕ぎ着けてくれたアルカリーゼ宰相ベルゼさんの尽力があってこそだ。

 次から次へと増える加盟国との調整、意見の擦り合わせ、想像を絶する苦労があったことだろう。感極まって涙する彼の姿を見ると嫌でも理解できてしまう。

 今回の条約は、俺が丸投げしてしまったようなものだから、彼には感謝しかない。俺にできることなら、なるべく叶えてあげようと心に誓う。

 また、この条約の調印式には、誓約魔法が使用されているので、国王が変わったとしても、国が無くなるまでは永続的に効果は続く意外とガチのヤツだ。

 満場の拍手の中で、ベルゼさんが立ち上がり頭を下げる。

 このまま閉会かと思いきや、拍手がなり止むのを待って、アルカリーゼ国王レイ=アルカリーゼが立ち上がり口を開く。


「さて、皆さん、本日の会議におけるもう一つの議題について決をとりたいと思う」


 ん!? もう一つの議題? そんなこと聞いてないぞ?


 だけど、各国首脳たちは、当たり前のように首肯するだけで、誰も質問すらしない。

 もしかして、知らないの俺だけ? まあずっと飛び回っていたし、おそらく直接関係ない案件なのだろう。


「では、カケルくんを一代限りのカケルノ連邦帝国皇帝として迎えたいと思う。賛成の者は起立を!!」

 ……は!?

 唖然とする俺の目の前で各国の代表が一斉に立ち上がってゆく。

「うむ、それでは満場一致でカケルくんをカケルノ連邦帝国皇帝とする!!」

 なんだかよくわからないうちに承認されてしまった。いや、皇帝とするって言われましても。っていうか、なんでカケルノ? 本当に好きだよね!? この世界の人たち、カケルノ大好きだよね?

 え? なにこれ……新手のドッキリ?

 突然の急展開にしばし言葉をなくすカケルであった。

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