異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
年功序列の弊害?
  ……えっと、これは一体どういう状況なのかな?
俺を出迎えてくれた、エメロードラグーンの王妃シェラザードさまと、サフィール、キトラ、ナディア、フローネの5人が妖艶に微笑む。
「英雄さま、私たちを助けていただきありがとうございます。どうかお慰めさせていただきたく……」
「シェラザードさま、キャメロニアのことなら、もう十分御礼をいただきましたから、気にしなくても良いんですよ?」
別にこんなことを期待して助けた訳じゃないからな。
「……あの、その……ですね、それはその方便と言いますか、口実と言いますか……」
シェラザードさまが、真っ赤な顔で急にもじもじし始める。本当にお可愛いですね。
「あの、カケルさま、実はですね――――」
見ていられないと、すかさずキトラが助け舟を出す。
キトラの話によると、半魚人族は、種族的に女系が強く、生まれてくる子も、3対1で女の子が多いらしい。
そうなると、慢性的な女余りで、男にとってはハーレムな状況にならざるを得ない訳だが、よりにもよって、半魚人族の男は、非常に淡泊で、しかも年に2回の発情期以外は、まったく興味を示さなくなるいわゆる草食系男子なのだとか。なんて「MOTTAINAI」んだ!!
更に悪いことには、どうやらエメロードラグーンには、歴史的に英雄の血が何度も入っているらしく、そっち系の気質は、女性に色濃く受け継がれている。つまり女性はめっちゃエロいんだってさ。
えっ!? そうすると、この国で英雄がこれだけ慕われているのって、もしかしなくても、そっちのおかげってことだろ。まさに文字通り救性主ってやつだな。女神さまありがとうございます。地上にこんな楽園を残してくださって。心からの感謝の祈りを捧げる。
しかしなるほどな、まれに漂着する船乗りが、帰ろうとせず、ここに住み着くのも当然だ。世界中の非モテ系の男たちにこの島の存在が知られた日には、船乗りが殺到してしまう。情報の開示は慎重に行わないと。
「そういう訳ですから、ここエメロードラグーンでは、殿方は貴重な共有財産なのです。少ない資源を皆で分け合って、これまで、何とかしのいできたんですよ?」
真剣な表情で熱く語るナディア。なるほど、だからあんなに……いや、なんでもないですよ?
こんな可愛い子たちに相手が居ないなんてと不思議に思っていたが、そもそも男が少なかったんだな。道理で。
「しかも、歳上から順にという掟がありますから、私たちのような若いものには全然順番が回って来ないのですよ」
フローネも不満を口にする。
何ということだ、年功序列の弊害は異世界にもあるんだな。まあ、俺はそのルールに恩恵を受けたわけだから、感謝せざるを得ないけれど。
「それにな、王族ほど英雄の血が濃いせいで、それはもうすごいのだ。なにがとは言わないがな」
サフィールが赤い顔をして、苦しい胸の内を吐露する。
そうか、サフィールも他国で言えば、公爵令嬢。さぞ辛かったことだろう。
「……成人すると同時に、血が覚醒するのです。シェーラもそのうちにそうなるでしょうけれど、もう安心ですね」
俺を見て、にっこりと微笑むシェラザードさま。お任せくださいお義母さま!
「あら、面倒を見てくださるのは、娘だけですの?」
その未成熟ボディを、惜しげもなく押し付けるシェラザードさま。え? 何? ここは未成熟祭りの会場ですか?
「何をおっしゃいますか、もう俺たちは家族じゃないですか。もちろん面倒見させてもらいますよ、シェラザードさま?」
「……シェラザード」
くっ、来たかお約束、だが焦るな、きちんと段階を踏んでこそだ。
「面倒見させてもらいますよ、シェラザードさま」
「……敬語」
「まとめて面倒みるよ、シェラザード」
「はい♡」
決まった……美しきかな様式美。これぞ至高なのだよ。ふふふ。
聞けば、シェラザードさまは、英雄の先祖返りらしく、特に性欲がお強いのだとか。
陛下がとても淡泊(だって鱈だしな)なので、王宮には、王妃さまを慰めるための専用の後宮があるそうなのだが、せいぜい気休め程度らしい。マジで王妃さまエロ過ぎ素敵過ぎでたまりません。ありがとうございます。
「あ……もしかして、俺、助けに入るの遅らせた方が良かったかな?」
シェラザードさまが襲われる前に助けたけど、余計なお世話だったかも?
「いいえ、無理やりなんて絶対嫌ですから、本当に嬉しかったんですよ? あの後、その……大変だったんですから……」
ぐはっ!? その外見で、その表情止めてください。背徳感マックス、限界突破するので。
何が大変だったとは聞きませんが、俺のせいなのは間違いない。きっちり責任取らせてもらいますから、安心してくださいね?
その後、王宮にはシェラザードの歓喜の叫びが響き渡ることになる。
「はあ……はあ……素敵……もう……英雄さま無しでは生きられませぬ……」
お可哀想に、相当欲求がたまっていたらしく、実際ものすごかった。こりゃ俺以外じゃ、相手するのは無理だね。
晴れやかな表情のシェラザードさまは、憑き物が落ちたようにお可愛い姿に戻っている。うん、飴食べる?
「か、カケルさま……次は私だ。もう……我慢できない」
なるほど、年功序列ってことだな。サフィールも、目の前でシェラザードさまのあんな姿を見せられたらたまらないだろう。
「うはあああ!? カケルさまああああああ!?」
さすがエメロードラグーンきっての性戦士。見事な戦いっぷりだったぞ。
「あの……私とナディアは同じ歳なんですけど……」
ふふふ、キトラよ、問題ない、俺には神級スキル『並行動作』がある。本当にエロ方面以外使っていない奇跡のスキルが!!
「いやああああ!? おかしくなっちゃううううう」
「だめええええ!? 凄過ぎて駄目になっちゃううううう」
さあ、残るはフローネ、お前だけだぞ?
「あわわわわ……あ、あの……どうかお手柔らかに?」
任せるんだな。超ソフトから超ハードまでこなせてこそのオールラウンダー。
「ふわあああああ!? や、優しくて……とろけちゃうううううう」
満足そうにすやすや寝息を立てるシェラザードさまたちの寝顔を見ていると、自然とほほがゆるんでしまう。
ありがとうみんな。エメロードラグーンを助けられて本当によかったよ。おやすみなさい。
――――『夢の回廊』
王宮全体に夢の回廊を発動する。せめて良い夢を。ささやかな感謝の気持ちだ。
すまんな、ベルトナーくん。俺のスキルは女性限定なんだよ。あ、でも、悪夢は喰ってやるから安心してくれたまえ。結果はどうであれ、お見合いパーティを邪魔してしまったお詫びだ。
「……お待たせ、ミコトさん」
『ん、大丈夫、今来たところ。南国の海でとか燃える』
ここからは、ミコトさんとのお楽しみタイムが始まる。熱帯の灼けるような熱い熱い夜がね。
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