異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
ダンジョン攻略
「お姉さまああああ!」
シードラから降りると、一目散に走ってくるキトラ。
「おお、キトラ。無事だったか。む? 何があったんだ? 明らかに綺麗になっているじゃないか」
さすがサフィールは気付くか。キトラたちは、進化して半魚人からマーメイドになっている。
それにともない胸のサイズがより上品で慎ましやかなものとなり、胸の貝殻は、真珠へとグレードアップしている。え? 真珠は無理があるって? 大丈夫。光の反射で視認することはできない仕様だ。
「サフィールさま、ご無事でなによりでございます」
「おお、ナディアとフローネも一緒か。シェーラ殿下は? 一緒ではないのか?」
「お姉さま、シェーラ殿下は魚人族の国アビスにいらっしゃいます。王子との婚姻を条件に保護されておられるのです」
「くっ、なんということだ。すぐに迎えに行かなければなるまい」
「ふふっ、大丈夫ですわお姉さま、カケルさまが行ってくださるそうなので」
「なに!? か、カケルさまが行くならば、私も行かねばなるまい。案内役が必要だろう」
真っ赤になって力説するサフィール。当然妹たちが気付かないはずもなく。
「……カケルさま、お姉さままで落としてどうするんですか?」
「まあ、仕方ないですね。カケルさまですから」
「ううう……サフィールさままで……ますます存在感が!?」
「ふえっ!? ち、違うんだ、いや、違わないんだが、そんなこと言ったら迷惑……」
「ん? 俺は全然迷惑じゃないぞ? サフィールさえ良ければだけど」
「そ、そうか? ま、まあ、国を救われた身としては、その……あの……」
「まったく、お姉さまはこういうの苦手ですからね。仕方ないです、えいっ!」
キトラがサフィールの貝殻を俺の前で外す。
「うわあああああ!? キトラ、な、なななな何をするんだ!?」
慌てて胸を隠すが、俺には瞬間記憶がある。蟻が10匹、キトラ。
「あらら、カケルさまに見られてしまいましたね、お姉さま?」
「くっ、事故とはいえ、見られてしまったのは事実。かくなる上は、お嫁さんになるしかないな」
こうしてサフィールも無事? 婚約者に加わった。
「……美琴たん、駆くんっていつもあんな感じなのか?」
「そうだよ。先輩と出会ってしまったら最後、無事ではいられないんだよね。ふふふ」
「マジか……やっぱり駆くん半端ないぜ……」
「あ、それからベルトナーくん」
「ああ、俺のことなら美琴たん一筋だから安心してくれよ」
「……次、美琴たんって言ったらもう1回転生させるからね? あと、なんか勘違いしてるみたいだから言っておくけど、私も先輩の婚約者だからね。しかも筆頭婚約者! どやあ!」
「そ、そんな……筆頭婚約者って何!?」
「婚約者の中でも別格なのよ、私は! ふふん」
「……も、もしかして、駆くんって他にも婚約者いるの?」
「いるいる、それこそ掃いて捨てるほどいるよ? リアルハーレムキングだからね先輩」
「す、すげえ……それなら俺にもチャンスが……」
「そんなベルトナーくんに残念なお知らせがあります。先輩のそばにいる限り、女性に出会うチャンスはないよ? だって全員先輩しか見てないから!」
「そ、そんなあああああ!? じゃあ俺もしかして一生独身?」
「大丈夫大丈夫。うちはお給料いいから、そういうお店行けばいいじゃない?」
「……何かの聞き間違いだ……俺の美琴たんはそんなこと言わない……」
「美琴たん言うなああああああああ!?」
「痛だあああああああああ!? 何で殴るんだ美琴たん?」
「だから美琴たん言うなああああああああ!?」
「痛だあああああああああ!? ごめんなさいいいいい」
「……なんか騒がしいですね、カケルさま?」
「……うん、なんかごめんなサフィール。静かなところで今後の話をしようか?」
「はい、カケルさま♡」
「……はっ、先輩がいない? アンタのせいよベルトナー」
「痛だあああああああああ!? ごめんなさいいいいい」
美琴のサンドバッグになりつつあるベルトナーくん。なんだかとっても嬉しそうですね。
***
「じゃあ、全部で5086人。全員俺の奴隷契約済みだから、安心して使ってやってくれ、ユスティティア」
とりあえず、キャメロニアの兵たちは、ユスティティアが管理している新たなダンジョンの街に連れてきた。アストレアには港が無いので、軍船に関しては、アルカリーゼに持っていって海軍の発展のために役立ててもらう。
「ありがとう、旦那さま。素敵なプレゼントだわ」
「喜んでもらえてうれしいよ。特にこの二人は優秀だから頼りになると思うぞ」
「ガウェインと申します。日中でしたら3倍働けます。俺は小さいころからダンジョン(鉱山)で働くのが夢でした。誠心誠意頑張ります!」
「パーシヴァルと申します。夜の間でしたら3倍働けます。俺も小さいころからダンジョン(鉱山)で働くのが夢でした。誠心誠意頑張ります!」
恭しく頭を下げるガウェインとパーシヴァル。うんうん、やれば出来るじゃないか。この調子で頑張っていれば、そのうち本国が動いてくれるかもね? 24時間交代でよろしくな。
「まあ、素晴らしいわね。頼りにしています。二人とも」
花が咲いたように微笑むユスティティアに見惚れるキャメロニアの兵士たち。この分なら、ほっといても頑張ってくれそうだ。
「……ねえ、旦那さま。この屋敷内に新たなダンジョンが発生したみたいなんですけど……攻略してみませんか?」
そっと耳元でささやくユスティティア。
「それは危険だな。これは腰を入れて頑張らなくてはなるまい」
「ふふっ、それは頼もしいですわ」
頬を染めるユスティティアを抱きしめる。こんな可愛いダンジョンを放置するのは危険極まりないからな。
「よし、案内してくれ、ダンジョンはどこにあるんだ?」
「2階の寝室にありますわ、旦那さま」
装備品とアイテムを確認する。万一のことがないようにしっかり準備を怠らないのが、一流の冒険者だ。この場合は、ダンジョンだから、探索者と言ったほうがしっくりくるかもしれないが。
「ユスティティア、これを着てくれ。新しい装備だ」
当然、彼女の準備も怠らない。今回は、死神キリハさんの桐葉バージョンの制服……いや戦闘服だ。これを着用することで、俺のステータスまで自動回復するオートヒール機能が搭載されている。
完全装備で、ダンジョン攻略に向かう二人。
カケルの獅子奮迅の活躍により、無事ダンジョンが攻略されたのは言うまでもない。
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