異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

キタカゼと太陽


『じゃあね、僕はいつでも側にいるから』

 軽くキスをしてから消えるリエル。

 知ってますよ。リエルさんいつもガッツリ見てますもんね。もう慣れたけど。

 最初は死ぬほど恥ずかしかったけど、慣れって怖いよね? 最近は安心感すらあるんだからさ。


***


 邪神が近く現れるのであれば、最優先で考えなければならないのは、切り札であるチェンジスキルを持っているイソネ君。

 邪神との対決までに、彼にもしものことがあってはならないので、現在、キタカゼたち『氷の翼』とフリューゲルに護衛任務を任せている。

 更には、念の為、ツバサたちもバックアップメンバーとして周囲の警戒に当たらせているので、全く心配していないが――――

『キタカゼ、そっちは大丈夫か?』

 キタカゼは、リーダーとして頑張ってもらっているので、ねぎらいは必要だろう。

『はい、問題があるとすれば、王さまと離れているので、少し淋しいことぐらいです』

 キタカゼが、とても可愛いことを言うので――――

『そうか。キタカゼ……ちょっとだけお前をこちらに呼んでも大丈夫かな?』
『…………1分だけ時間を下さい』
『いや、そんなに急がなくても――――』
『大丈夫です。では1分後に連絡致します』

 大丈夫かな……なんか嫌な予感が……


『お待たせしました』

 喜びを抑えきれない弾んだ声で、キタカゼから念話が届く。

『分かった、召喚、キタカゼ!』 

『王さま〜♡』

 部屋に現れたアイスブルーのハーピィクイーンが抱きついてくるので、軽く受け止めてから、しっかり抱きしめる。

「引き継ぎにしては早かったな?」
『はい、万一があってはいけませんので、国ごと凍らせてきました!』

 くっ、やはりか……たしかに確実な方法ではあるが……まあ、命に別状はないし、時間を止めたようなものだから大丈夫だろう。たぶん。

「そ、そうか、偉いぞキタカゼ」
『はい、ありがとうございます。キタカゼ頑張ってますよ、王さま』

 キタカゼは嬉しそうだな。やはり怒らなくて正解だった。判断自体は間違っていないわけだし、やはり褒めて伸ばすべきだろう。そもそも労わるために呼んだんだからな。

 当然だが、時空魔法は使用している。なるべく早くキタカゼに戻ってもらうためと、乱入を防ぐためだ。


***


 キタカゼから報告を聞きながら、ふと思いついたので、話を切り出す。

「俺のいた世界には、『北風と太陽』っていう話があってな?」
『王さま、もしかして、私の名前はそこから来てるんですか?』

「別にそういう訳でもないんだけど、その話の中で、北風と太陽が勝負をすることになるんだ」
『……どんな勝負なんですか?』
「旅人の着ていたマントを脱がせた方が勝ちっていう勝負だな」
『……それで、どっちが勝ったんですか? その勝負』

 興味深そうにアイスブルーの瞳を輝かせながら聞いているキタカゼ。本当に、お前はどこから見ても可愛いな。

「試してみるか? 俺が太陽で、お前がキタカゼだ。手を触れずに相手の服を脱がせた方が勝ち。勝った方が相手を好きにできるってことでどうだ?」

 ふふふ、どっちに転んでも損はない。いやまてよ……キタカゼのやつ、俺を氷像にして飾るとか言い出すかもしれない……しまったな。エロ限定にすべきだった。まあ負けなければいいだけの話だが。

『ふえっ!? や、ややや、やります! ぜひやりましょう』

 顔を真っ赤にしながら食い気味に勝負を受けるキタカゼ。そうこなくっちゃな!

「それじゃあ、勝負開始だ!」

『い、いやああああああ!? ふ、服が、脱がされちゃううううううう!? 駄目えええええ!』

 あっという間に下着姿になるキタカゼ。

「…………キタカゼさん!?」

 俺……何もしてないんだけど?

『くっ、さすがは王さま……このままでは私の身体がピンチです。好き放題されてしまいます……ごくり』

 ククク、なるほど、そういうつもりなら遠慮はしない。

「くらえ、キタカゼ、おらおらおらおらおらおらおらあああああ!」
『な!? あ、足の指で!? いやああん、脱がせ方がいやらしいですううう』

 手は使ってないからセーフだ。それにしても、いやっていいながら嬉しそうですねキタカゼさん?


『くっ、なんということでしょうか……すべて脱がされてしまいました』
「くっくく、観念するんだなキタカゼ。さあ、その手をどけるんだ』

『わ、わかりました。勝負は私の負けですから。ああ……私は王さまにこの身を蹂躙されてしまうのですね……ドキドキワクワクです』
 
「仕方がない奴だ。最後のチャンスをやろう。1分間声を出さずに耐えられたら、お前の勝ちだ。だが、もし声を出したらお前の身体をさらに好き放題させてもらうからな?」

『くっ、さすが王さま、ですが、私にチャンスを与えたことを後悔させて差し上げます!』

 キタカゼの気配が変わった? チャンスを与えたのは失敗だったか?

『あはああああああああああ!? 負けちゃいましたあああああ! 好き放題してえええええ!』

 ……ナイスだ、キタカゼ。清々しいまでのお約束ありがとう。

 
 その後、めちゃくちゃ好き放題した。うん、めちゃくちゃ楽しかったよ? 二人ともね。

『王しゃま……もう、離れたくないでしゅ……』

 泣く泣く帰ってゆくキタカゼが可愛くて……つい呼び止めちゃったよ。

 その後、追加でめちゃくちゃ好き放題した。悪い主を許してくれキタカゼ。

***

「イソネ君たちのこと頼んだぞ。近いうちにそっちへ行くから、それとなく仲良くしてやってくれ。信頼関係が築ければ最高だけどな」
『ふえっ!? な、仲良く!? 嫌です……王さま以外の男の人とそんなこと出来ません……』

 涙目になって首を横に振るキタカゼ。

「いや……仲良くって、そういう意味じゃないんだけど?」
『え? エッチな意味じゃないんですか?』

 そうだよな。俺が言えばそういう意味になるよな……エロい主で悪かった。

「キタカゼは俺のものだ。髪一本、羽一枚、他の奴に渡すものか」
『お、王さま……嬉しい……』


 その後、とどめに、めちゃくちゃ好き放題した。ごめん、これで本当に最後だからね。


 

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