異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
神界お色気バトル
『……イリゼさまでしたら、長期の出張に出ておりますよ?』
神界に行くと、親切そうな女神さまが教えてくれた。え……マジで? 神さまに出張とかあるんだな。
『…………ふーん、出張ねぇ……』
おもむろにデスサイズを取り出すミコトさん。え? 何してんの?
『え……あの、何を? お、お止めください――――』
『問答無用!』
『きゃあああああ!?』
デスサイズが一閃すると、親切そうな女神さまの服だけが切られてその場にうずくまる。
すげえ!? 服だけ切るとか漫画かアニメみたいだ! どうやったのか全く見えなかった。裸は見えたけど。ありがとうミコトさん……っていうか何してんの!?
『カケル……目に見えるものが真実じゃない……正体を現しなさい』
ミコトさんがデスサイズを構えて俺を庇うように前に出る。
『く、ククク……何故分かった? 死神』
全裸の女神が立ち上がり笑い出す。あの……隠さなくて良いんですか?
『……カケル、下がって! ……来る!』
全裸の女神から放たれるとんでもないプレッシャーが見えない刃となり、ミコトさんの服を切り裂く。何このお色気バトル!?
『くっ、中々やる……』
ミコトさんの美しい肢体が揺れる。くっ、エロい、ピンチなのに目が離せない。
実力は互角に見えるが、ミコトさんが押されている。くそっ、彼女は俺を庇いながら戦っているから、なかなか攻めに出られないんだ。
悔しい……守られるだけの自分が。せめてミコトさんをサポートしないと……メタモルフォーゼ! 『世界樹の精』
ルシア先生の姿に変身する。
無数の蔓を使い全裸の女神の隙を作る。普通ならカスリもしないだろうが、ミコトさんがいる今なら、俺の攻撃まで相手をする余裕はないはず。
『くっ、な、何よこの蔓!? あっ、しまった!?』
とうとう全裸の女神を捉えることに成功する。よし、一気に畳み掛ける!
『あ、あああ!? 嫌あああ、そこは駄目えええぇっ!?』
『良くやったカケル……』
その隙を逃すミコトさんではない。
『死になさい…………イリゼ』
へ? イリゼ様?
無慈悲なデスサイズが振り下ろされる。
『ち、ちょっとタンマ! 負けた、負けたからああああ!?』
額の1cm手前で刃がピタリと止まる。
『ふふふ、これで私の59万8千863勝5千632敗ね?』
自慢げに胸を張るミコトさん。はぁ〜眼福です。っていうかミコトさん強すぎ。
『う〜、ズルいミコちん、カケルくんのおかげじゃない!』
ジト目でにらむイリゼ様。はぁ〜こちらも眼福でございます。
『そんなことない。カケルが居なければ一瞬で終わらせてた』
悔しいが事実だ。いくら強くなっても、この二人の前ではほとんど無力。差があり過ぎて逆に気にならないレベルなんだよな。
***
『あらためて、いらっしゃい。世界樹の水筒のことでしょ? ごめんね〜テヘペロ』
可愛いは正義とは誰が言ったか知らないがまさに真理だ。というか、あれやっぱり水筒なんだな。せめて名前だけでも根源とかにしてくれないと世界観が……いや、今更だった。
――――パンッパンッ!――――
『…………』
『っ?! 痛い痛い!? な、何するのよミコちん!』
無言でイリゼ様を往復ビンタするミコトさん。
『え……何かムカついたから……』
『……ごめんなさい』
ええ……可愛いかったのに……でも、ミコトさんのも見てみたい気が……キャラじゃないけど。
『……ごめんねイリゼ。ちょっとやり過ぎた……テヘペロ』
キタああああああ!? ミコトさんのテヘペロがキタああああああ!? めちゃくちゃ照れてるのが最高でええええす!
『くっ、負けた……完膚なきまでに負けたわ……』
ガックリと崩れ落ちるイリゼ様。余計なお世話ですけど、服着ないんですか?
『何を言っているのかしら? とりあえず、するわよカケルくん?』
ははは……なるほど! たしかに合理的ですね!
***
『それで……水筒の話だけど……あれ、本当に1個で十分なのよ?』
「え? じゃあなんで世界樹が栄養不足になっているんですか?」
なぜか死神の衣装を身にまとったイリゼ様が、耳元でささやく。
『ふふっ、現場に行ってみれば分かるんじゃない?』
そりゃそうだ。ちょっと早まったかもしれない。
『良いのよ。私は逢いに来てくれて嬉しかったんだから……』
くっ、イリゼ様、死神コスが恐ろしく似合いやがる……すでに10回は死んでるね。しかもこの感触……まさか……ローブの下に何も着ていないだと!?
『カケル……どう? ……似合うかな?』
恥ずかしそうに創造神のコスプレを披露するミコトさん。死んだ……もう死んでるからあああああ!?
結局何回死んだか分からないが、大満足で下界に戻る。神界はいつ来てもガチで恐ろしい場所だ。
***
「……先輩、寝てる間に変なことしなかった?」
すいません。めちゃくちゃしました。
「公爵さま、ここまでされたらお嫁さんになるしかないのですが?」
ごめんなさいリーリエさん。もちろんでございます。宜しくお願い申し上げます。
『……私もそのお嫁さんとやらに興味があるんだけど?』
やった! ルシア先生なら大歓迎さ。ふふふ。
とりあえず、根源という名の水筒があった場所へ向かう。失われた根源は俺がここに持ってるけど、絶対に言えねえええ!?
「先輩! なんかいるよ……」
美琴が真剣な表情で前方の闇を睨みつける。
「ああ、みんな油断するなよ」
「かしこまりました公爵さま」
リーリエも油断なく剣を構える。
漆黒の闇がゆらりと動いたかと思うと、全身毛むくじゃらのもぐらのような美女が世界樹の根っこを一生懸命吸っているのが見えた。
「先輩……」
「なんだ美琴?」
「美女だからもう解決だね!」
そんなことないぞ美琴。まだ何も始まっていないじゃないか。多分。
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