異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
世界樹の秘密
ルシア先生と一緒に根源に向かう。
根源は下層のさらに下の最下層にあるらしく、外側からは入れない場所にあるらしい。
『じゃあ移動するからちょっとじっとしててね』
蔓が伸びて、俺と美琴、リーリエさんをぐるぐる巻きにする。
くっ、この蔓、気持ち良いんだよな。今度、メタモルフォーゼで使わせてもらおう。
しかしさすがルシア先生だ。美琴とリーリエさんの縛り方もとい巻き方が素晴らしい。ちゃんと瞬間記憶に保存済みなので、いつでも再現可能だ。ふふふ。
「あ、あの……私もご一緒してもよろしいのでしょうか?」
『今さら気にしないわよ……ただし、口外したら養分にするから気を付けてね?』
ルシア先生に釘を刺されてびびるリーリエさん。
エルフにとって、世界樹は信仰の対象であり、母なる大樹だ。その根源に触れるなど、本来あり得ない話であって、さすがの騎士団長も緊張を隠せない。
リーリエさんには申し訳ないが、やはりガーランドの関係者がいてくれた方が有り難いからね。
***
世界樹の直径は、細いところでも数キロ程度あり、下に行くほど太くなってゆく。俺たちが通っているのは世界樹の中心にある導管のようなトンネルで、根が吸い上げた魔力や養分がエネルギーに変換されていく不思議な場所だ。
謎の液体に満たされているのだが、息も出来るし、ほとんど抵抗を感じない。
『さあ、着いたわよ』
ルシア先生の拘束が解かれて最下層に降り立つ。
地中深く、明かりも無いはずだが、天井から床下までびっしりと生えた光るコケのおかげで辺りはぼんやりと明るい。
『こっちが失われた根源の場所で、あっちが無事な方の根源よ。どちらから見たい?』
顔を赤らめるルシア先生。すいません、照れるポイントが全く分かりませんが、先生が可愛いことは分かります。
「先に無事な方が見たい。比較しやすいからな」
『ふぇっ!? そんな……比較されちゃうなんて駄目えええぇっ!?』
「いや……比較しないと調べられないんだが……」
『ふぇっ!? 嫌よ……調べたりしちゃ嫌ああああああ!?』
えーと……じゃあどうすれば!?
……どうやら、根源は世界樹にとってはデリケートな場所みたいだな。
「大丈夫。優しくするから」
『……本当に? 根源の辺りの根はすごく敏感だからね? 細いし、すぐ切れたりするからね?』
先程までとは別人のように、不安げに念を押すルシア先生が可愛い。
「でも先輩、どうやって根源まで行くの?」
たしかにここから先はスペースがない。かといって無理に進めば根を傷付けてしまいかねない。
「問題ない。ただし、この先は俺ひとりで行く」
なるべく異物は少ない方が良いだろうしな。
『メタモルフォーゼ!』
ぷるぷるのスライムに変身して、内部調査開始だ。
「先輩……何でもアリだね……」
「え!? どういうことですか?」
呆れる美琴と意味が分からず混乱するリーリエさん。
『ち、ちょっと待って……そんなものを私の大事な場所に入れるつもりかしら!?』
羞恥と期待の入り混じった様子で、頬を赤く染める。
ルシア先生……間違ってないけど言い方!?
時間もあまり無いので、早速すき間から侵入してゆく。
『あ……あああ……入ってきた……ぷるぷるのが……』
ルシア先生……変な声出さないでください。
『はううう……そんな奥まで……無理よ、いっぱいで入らないわ!?』
艶かしく悶える先生を無視して奥へと進む。そして――――
(これが……根源なのか?)
世界樹の根が行き着いた先には小さな容器のようなものが置いてあり、そこから世界樹は何かを吸い上げているようだ。
嫌な予感がする。その小さな容器には見覚えがあるのだ。いや……見覚えがあるとかそんな生易しいものじゃない、ついさっき見たレベルだ。
……これ、どう見ても水筒だよな? しかも、俺のと同じなんですけど!? ミコトさんから貰ったのと同じなんですけど!?
……ってことは、この水筒の中身は神水か? であれば世界樹が育つのも納得できるけど……
衝撃の事実に頭を抱えて、一旦みんなの所へ戻る。
「あ、おかえり先輩! 何かわかった?」
「ま、まあな……なあ美琴」
「ん?」
「キスしていいか?」
「ふえっ!? べ、別に構わないけど……急にどうした……ん、んん……」
美琴を抱き寄せ、久しぶりに本気のキスをする。
神殺しのキスの前では、たとえ勇者だとしても意識を保つことはできない。5秒と経たないうちに、美琴は失神してしまう。
「あ、あわわわわ……こ、公爵様、な、なにをして……ん、んんん!?」
続けてリーリエも失神させる。
『ま、待って……なんで私まで!? んんんん……!?』
最後にルシア先生も眠らせたところで、美琴に声をかける。
「ミコトさん!」
『ふふっ、カケルったらそんなに私に逢いたかった? まだ昼間だよ?』
美しい絶世の死神ミコトさんが姿を現す。
「ミコトさん……逢いたかった」
『私も……逢いたかった』
毎晩逢ってるくせにと言われても、やっぱり逢いたいのだ。抱きしめてキスをする。俺の本気のキスを受けて意識を保てるのは、ミコトさんと、イリゼ様だけだ。
『ふわあ……どうしたの? 今日のカケル……激しい』
うっとりとした表情で俺に体を擦りつけてくるミコトさん。くっ、可愛い。すべてがどうでもよくなってくるが、聞かねばなるまい。
「あの……ミコトさん、聞きたいことがあるんだけど……」
『……水筒のこと?』
「ああ、さっき根源を見に行ったら、同じ水筒があったんだけど、偶然だよね?」
『ううん。カケルが使っている水筒はここにあったやつ』
「…………え?」
『イリゼに聞いたら、2個あるから良いんじゃない? って言われたから』
やべえええええええ!? 俺のせいだったのか!? いや違うだろう、元はと言えば、イリゼ様がOK出した訳だし? いやでもミコトさんは俺のために……実際この水筒にはめちゃくちゃ助けられてきたし。
『……カケル、もしかして困ってる? 私……余計な事しちゃったかな?』
やべえええええええええええええええ!? ミコトさんが泣きそうだ!? 彼女を泣かすくらいなら死んだほうがマシなレベル。
「何言ってんだよミコトさん! 俺はミコトさんのすべてが好きだし、してくれたこと全部に感謝しているんだ。困ってもいないし、余計なことなんて言わないでくれよ」
『カケル……本当?』
目をうるうるさせるミコトさん。ああ、可愛い……抱きしめたい……してるけど、キスしたい……してるけど。
『ふふっ、大丈夫。ちょっとイリゼのところへ行こう』
というわけで、お邪魔しますねイリゼ様?
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