異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
トナリ町はいずこ? 聖女と秘め事
「どんだけ田舎なんだよトナリ町!?」
領都パラディで情報を集め始めた俺たちだったが、なかなかトナリ町の情報が得られない。同じ領内なのに情報が無いとか、おそらく山奥か領内の外れの町なのだろう。
「うーん、なんか良い方法はないかな、刹那?」
「そうね。メインシステムなら場所も表示できるけど?」
「マジで?」
「うん、マジで」
それを先に言って欲しかったよ刹那さん。聞かなかった俺が悪いけどさ。
「みんなちょっと待っててくれ。ちょっとイリゼスの神殿本庁に行ってくる」
「「「「いってらっしゃい」」」
  刹那とソフィアを連れてイリゼスへ転移する。
「ちょっとカケルさん、なんで私まで行かなきゃならないんです?」
次代の聖女でS級冒険者のソフィアがむくれている。ソフィアは神殿嫌いだもんな。
「いや、神殿本庁の人間に、ソフィアが俺のパートナーだってことを見せつけようと思ってな? そうすれば、神殿に来いってあんまりうるさく言ってこなくなるだろ?」
「か、カケルさん……そんなに私のことを考えてくれていたのですね……ふふっ、パートナー……つまり奥さんってことですよね! あっ!? そういえば忘れてませんか?」
「ん? 何をだ?」
『……私と既成事実を作るって言う、は・な・し、ですよ』
真っ赤な顔で耳打ちしてくるソフィア。
なんということだ……この俺がこんな魅力的なお誘いを忘れていたとは……まさか邪神の仕業? 
『でもなソフィア、神殿のルールが変わって、聖女も結婚できるようになったんだから、べつに無理に既成事実を作らなくてもいいんだぞ?』
『むぅ~、カケルさんは嫌なんですか? 私とそういうことするの』
『そんなわけあるか! なんなら今からでもいいぞ』
『本当ですか? ふふっ、じゃあこの後で……』
ひそひそ話は良いよな。なんか秘密を共有している感があってさ。
「……全部だだ聞こえなんだけど……」
それな。刹那も抱っこしてるんだから、ひそひそ話意味あるのって俺も思うよ。でも雰囲気って大事だから。
「……私は夜が良いから」
そういって真っ赤になる刹那。可愛い……可愛いぞ刹那。今すぐ夜になればいいのに。
「……私は昼で良いから」
そういってジト目でにらむソフィア。可愛い……ジト目も可愛いぞソフィア。今すぐ屋敷へ行ければいいのに。
二人を連れてイリゼスの神殿本庁に居るアリエスの元へ転移した。
「仕事中悪いなアリエス」
「……いいえ、それは構わないのですが、出来れば入浴中を避けていただけると嬉しいです」
本当にごめんなさい。今回ばかりはわざとじゃありません。言い訳させてもらえば、聖女は祈祷を捧げる際、湯浴みをするので、入浴回数は多めなんですよ? わかっているなら確認しろって? おっしゃる通りでございます。
アリエスの美しい肢体が少し上気してやたら艶めかしい。思わず見惚れてしまう。
「あ、あの……あんまり見られると恥ずかしいのですが?」
「ほら、駆、出るよ」
「カケルさん、出ましょう」
二人に引きずられるように外へ出る。いや出される。くっ、無念。
***
「お待たせしました。英雄殿、刹那様、ソフィア様」
湯浴みを終えて出てきたアリエスは残念ながら服を着ていた。当たり前か……
「また、コアシステムを使いたいんだけど、大丈夫かな?」
「もちろん大丈夫です。一緒に参りましょうか」
アリエスと一緒にコアシステムがある神殿最奥へ移動する。
『……英雄殿、私、いつでも準備出来ておりますから。身も心も……部屋も』
アリエスが移動中こっそり耳打ちしてくる。当然俺も準備万端だ。
「だから、全部だだ聞こえなんだけど……」
「アリエス様ってば意外と大胆なんですね……」
顔を赤くする刹那とソフィア。一応ここって神殿なんだけどいいのかな? いや待て、その神殿が祀っている女神様と毎日のようにイチャイチャしているんだから今更過ぎるのか。
とりあえず、トナリ町の場所を確認しなければならない。そういえばみんなを待たせているんだよな。でも、刹那にかかれば――――
「はい、終わったわ。ついでにバージョンアップしておいたから」
すげえ……1分もかかってないとか、もはや意味不明だ。
トナリ町の場所も分かった。予想通り山奥で、領地の外れにその町はあった。両方かよ、そりゃ知られていない訳だ。
「英雄殿……行ってしまわれるのですか?」
後ろからすがりつくアリエス。
「あの〜、刹那さん、3分――――」
「……駄目よ。そんなのアリエスが可哀想じゃない!」
う、言われてみればその通りだ。いくらアリエスが望んでいるとは言ってもな。
「大丈夫ですよ、刹那様。私は一刻も早く英雄殿の伴侶となりたいのです。お願いします……」
アリエスの真剣な眼差しに、刹那も渋々承諾する。
「う……仕方ない。でも3分だけよ?」
「待って! アリエス様は、後でカケルさんが迎えに来た時で良いでしょ? 今は私のターンよ」
ソフィアが、アリエスの前に立ち塞がる。その真剣な表情に、今度はアリエスが渋々承諾する。
「…………わかりました。夕方を楽しみにお仕事頑張ります」
「よっしゃあ! ありがとうアリエス様!」
***
「……やっと二人きりになれましたね、カケルさん」
「ああ、綺麗だぞ、ソフィア」
一糸まとわぬ姿で抱き合う二人。
「……私、心配なんです……」
「大丈夫、ちゃんと優しくするから」
「ううん、それは心配していないんですけど……」
「……イリゼ様か?」
黙って頷くソフィア。たしかにイリゼ様なら乱入しかねないけど――――
「きっと大丈夫だよ。イリゼ様は心優しい女神様だから」
(くっ、そんなこと言われたら乱入出来ないじゃない……)
「うん。そうですね……じゃあ作りましょうか、二人の既成事実」
「ああ、作ろうか二人で既成事実を」
「ああああああ!? もう駄目、限界……」
ソフィアと限界まで既成事実を作ったところでちょうど3分……あれ?
『ふふっ、カケルくん、覚悟は良いかしら? 見せつけられて怒ってるんだから! ぷんぷん!』
駄目ですよ!? ここは神界じゃないんですから。死んだらどうするんですか? ってあれ? 何でイリゼ様、地上にいるんですか?
『ふふふ、ソフィアがカケルくんの眷族になってくれたからよ? ずっと待ってたんだから』
ソフィアの身体で抱き着いてくるイリゼ様。
『さあ、続きをしましょうか? ソフィアの身体の限界まで愛し合いましょうね』
***
「……カケルさん。いくら何でもやり過ぎですよ? 一応私の身体なんですからね、ぷんぷん!」
そういえば、ソフィアからは見えるんだよな。やべぇ、めっちゃ恥ずかしい。
「ごめん。やり過ぎたかも」
「ま、まあ分かれば良いんです……凄く気持ち良かったから許します」
頬を染めるソフィアが愛おしい。
「じゃあまた後で迎えに来るから!」
アリエスに後ろ髪を引かれながら、パラディへ戻る。
多分アリエスの時もイリゼ様出てくるんだろうなあと思いながら。
(ふふっ、もちろんよ、カケルくん)
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