異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

魅惑のサンド召し上がれ

「ふぅ……やはり朝食前の軽い運動は至高か……」 

 もうすぐ夜が明ける。
 
 薄っすらと明るくなってきた空を眺めながら汗を拭う。

「やっぱり朝の鍛錬は気持ちが気持ちが良いな、カケルっち!」 

 朝日のように眩しい笑顔のセシリアさん。

「ははっ、控えめに言っても最高!!」

 今日からはミヤビさんも参加している。

『人数が増えるとやれることが多くなるな』
 
 カイも実践的な訓練が出来るとご機嫌だ。


 残念ながら、ここには脳筋&戦闘狂しか居ないので、軽い運動と言った俺に対するツッコミは存在しない。

 淋しくないかと言えば、多少思うところはあるが、今朝の俺はその程度で凹んだりはしない。

 だって、サンドイッチが素晴らしかったから。

 おかげで一睡も出来なかったが、後悔はしていない。


「よーし、じゃあ朝食前に風呂入ろうぜ!」

『うむ、この屋敷の風呂は最高だからな。ミヤビ殿も当然入るのだろう?』

「朝風呂か……良いですね!!」 

 と言う訳で大浴場へ向かった俺たち。



「あの…………もしかして英雄殿も一緒に入るのですか?」

 今更事態に気付くミヤビ。

「は? 当たり前だろう、もしかしなくてもそうだぜ!」

「あああ、あの……私も一応公爵令嬢であってですね、いきなり殿方と一緒――――」
「ガタガタ言わない、ほれっ」

 問答無用でミヤビの服を脱がすセシリアさん。
「いやあああ!?」
 
 露わになるミヤビさんの鍛え上げられた美しい裸身。

(グッジョブです!)

 俺は心の中でセシリアさんに感謝の念を送りながら新しい記憶のアルバムを作る。タイトルはもちろんミヤビさんだ。

 そして、婚約者たちの身体を洗うのも、未来の夫たる俺の役得……いや、役目だ。

 ふふふ、カンストするまで鍛え上げられた洗体スキルをとくと味わうが良い!!


「…………英雄殿、ここまでされた以上、お嫁さんになるしかないのですが?」

 風呂上がりの濡れた黒髪とほんのり上気した桜色の肌がたまらない色気を醸し出す。潤んだすみれ色の瞳が捨てられた仔犬のようで思わず抱きしめてしまう。

「ふえっ!? え、英雄殿?」
「もちろん、そのつもりです。嫌だって言っても離しませんからね?」

「え、英雄殿……嬉しい、死合キス……して下さい」

 ……なんか物騒なキスになりそうだ。噛み付いたりしないよね!?


***


「先輩! 朝のコーヒーは最高だね!」
「ああ、最高だ。サンドイッチもな」

「ふえっ!? ああああれはミコトさんが……バ、バカああああ!」
 
 真っ赤になって照れる美琴に周囲がざわつく。しまった、そっちの意味では無かったんだが!?

「こ、コーヒーは帝国産だからな、ありがとうアリス、ヒルデガルド」

 コーヒー豆は、最高級の物をアリスが確保してくれている。もちろんヒルデガルドのスペシャルブレンドだ。日本でなら、1杯2千円はするだろうな。

『ふふっ、喜んでもらえて光栄です。カケルさま』 

 恭しく頭を下げるヒルデガルド。専用メイド長だからといって別にクロエの真似をして、常に密着していなくても良いんだぞ? だからといって離れろとは決して言わない俺。

「やっぱりコーヒーは良いですよね。ところで大海原さん……サンドイッチについてですけど……詳しく」

 くっ、誤魔化し切れなかったか!? ち、違うんだアリス……

「んふふ〜、どうせ夜のサンドイッチでしょ? もうっ、大海原くんのエッチ!!」

 ぐはぁッ!? ひめか……言い方、いや間違ってはいないけれども……

「「「「「よ、夜のサンドイッチ!?」」」」」

 ハモらないで下さい、皆さん顔赤いですよ?


「さ、サンドイッチというのは、この異世界の食べ物のことですね? ひめか?」

 朝食のサンドイッチを凝視するミヤビさん。

「その通り、そして、夜のサンドイッチの具は大海原くん! 彼を前後からサンドして寝るのよ!!!」

「「「「おおおっ、すごい!!」」」」

 本当にすごいよな、贅沢過ぎるサンドイッチだよ! ありがとうミコトさん。


「ふふふ、さらに組み合わせは自由! 例えば、私とアリスなら親友サンド。ミヅハとアリサなら妹サンド、変わったところならリリスさまとリノさんでバドルギルドサンドなんていうのもアリです!」
 
 ひめか……最後のバジルチキンサンドみたいで美味そうだな。あと、妹サンドはヤバいから止めて!?

「貴方様……私とシルフィでふたごサンドし、て、あ、げ、る♡」 

 耳元でささやくサラの誘惑に頷くしかない。

「くっ、さすがは双子、動きが早い……アリエスさま、私たちも組みましょう! 聖女サンドで黒髪の王子さまを悩殺よ!」

 ソフィア!? お前は天才なのか……聖女サンド……好きです。大好きです。

「ちっ、クラウディアがいれば、2種のギルドサンドが出来たのに……ハッ! リリスさま、2人でギルマスサンド作りましょう」

「もちろんOKよ、ミレイヌ。あとはそうね……カミラとサキュバスサンドなんてどうかしら?」

 ミレイヌ、リリス、お前たちマジで最高だな……

「ふふっ、みんな青いわね! カタリナ、私と組んで魔法の母娘サンドよ!」

 いかん、想像しただけで鼻血出そう。

「えええぇっ!? 何か出遅れた!? ミヤビさん、2人で先祖返りサンド作りましょう!」 

 サクラよ、とても良いのだが、名前が怖い。

「ぐぬぬ……クロエがいない今、仕方がないですね。アイシャ、私たちはメイド長サンドです!」

 ぐふぉ!? 普通に美味そうだし。

「刹那、妾と組んで白髪サンドを作るのじゃ!」

「うん、了解よエヴァ」

 名前はともかく、今すぐ体験したいのだが?



「ミヅハさん、お兄ちゃん……嬉しそうだね」

『はい、お兄様のあんなに楽しそうなお姿、初めてです』

「仕方ないなあ。まったくお兄ちゃんたらエッチなんだから」
『ふふっ、そうですね! では私たちも出来たてサンドを届けるとしましょうか?』

 アリサとミヅハも愛しい兄の元へ走ってゆく。

 
 和やか? な朝食の時間が過ぎてゆく。

 様子を見守っていた蛸と烏賊の獣人メイドのクルルとクララは、互いを見つめながら、

(私たちも触手サンド作った方が良いのかな?)

 と、内心葛藤していた。

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