異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
イリゼの過保護
『イリゼ…………』
『ひぃっ、お、落ち着いてミコちん!?』
ミコトの絶対零度のジト目に怯えるイリゼ。
『許さない…………』
『痛い、痛い、不可抗力だったのよ〜』
ほっぺたを両方同時に捻じり上げられ涙目で訴えるイリゼ。
『――――という訳なの』
事情を話してようやく離してもらいほっぺたを擦るイリゼ。
『事情は理解した……早く過保護を何とかして』
『う……それなんだけどね? 実は……』
過保護を緩和するための条件を聞いて、これ以上ないほどのジト目でにらむミコト。
『絶対わざとだね……イリゼ?』
『ち、違うよ!? いやその、想いがあふれちゃったと言いますか、あわよくばと思ったのは事実だけども、わざとじゃないから!?』
頬を染めてあわあわするイリゼ。
『ふーん……思ったよりイリゼも本気なんだ?』
『ふえっ!? あ、いや、その……うん』
ミコトはそんなイリゼをじっと見つめる。
『わかった。イリゼは親友だから……』
『み、ミコちん!? ありがとう!!!』
感涙に咽ぶイリゼ。
『じゃあカケル連れてくる』
『へ? 今から?』
顔を真っ赤にして慌てるイリゼ。
『善は急げ。早く済ませなさい』
『いや〜その、心の準備とか? 雰囲気作りとか? だって……その……初めてだし? 少し時間が欲しいなあ……なんて?』
もじもじ照れるイリゼに青筋を立てるミコトだが、何とかこらえる。
『……どれぐらい時間が欲しい?』
『そ、そうね……2、3百年ぐらい?』
ブチッっと何かが切れる音がする。
『痛い痛い痛い、そこは駄目えええぇっ!?』
乙女にはあるまじき場所を痛めつけられるイリゼ。
『ごめんごめんごめん、ちょっとした女神ジョークだからあああ!?』
イリゼの与えた過保護は、カケルをあらゆるものから守ってくれるため、イリゼ以外の女性が必要以上に接近すると眠らされたり、排除されてしまう。
結局、今夜は決心がつかなかったイリゼ。
『……仕方ない、私も一緒に手伝ってあげる。ちゃんと心の準備しておいて』
そう言い残してミコトは帰って行った。
『へ? 一緒に? 手伝うって? いやあああ!? 無理無理無理絶対に無理だからあああ!?』
神界にイリゼの絶叫が響き渡るのだった。
***
―――― 夜明け前 ――――
ダンジョンの前には一騎当万の戦士たちが集まっていた。
「よし、みんな指輪と腕輪は付けたな?」
カケルは全員にスキル付与した指輪と腕輪を渡してある。
更に言えば、カケルの統率スキルとセレスティーナの勇敢な獅子心により仲間の力は超強化されている。
おまけにカケルとお試し仮契約している婚約者たちには、カケルのステータスの1%が上乗せされる。
もっと言うならば、カケルの召喚獣であるカザネとチカゼには、魔物強化も加算されるのだから、もはや手が付けられない。
「ウサネコと守護者の皆さんは、約束通り魔物1体金貨1枚払いますので、頑張って稼いで下さいね」
「悪いなカケル! 本当にそんなに貰って良いのか?」
思わず確認する守護者のジャミール。
魔物の種類を問わず1体金貨1枚は正直破格の報酬だ。そう思っても不思議では無いが。
「甘いぞジャミール。このメンツの中で魔物を狩るのはかなりの難易度だ」
そう。ヴァレンティノの言う通り、正直獲物が残るか怪しい。気を抜いていたらあっという間に終わってしまうだろう。
「そうよ、今のうちにしっかり稼ぎなさいよね! 私が居なくなるんだから」
ソフィアは守護者を抜けて、正式に黒の死神に加入するのだ。
「くっ、言われなくてもやってやるぜ!」
「夜明けまであと10秒……8、7……」
大地全体が地鳴りを伴って揺れる。
この世界に生きるものにとって最悪の災厄のひとつスタンピード。
一度発生したら全てを破壊するか魔物が全滅するまで止まらない死の行進。
仮にこの世界にカケルがやって来なければ、バドルは完全に破壊され、復興には少なくとも50年はかかったであろう。
抗う事がそもそも無意味、ただ過ぎ去るのを待つしかない自然災害。
それがこの世界のスタンピードに対する共通認識なのだ。
だが、ここにはカケルという異世界の英雄がいる。そして勇者美琴がいる。
歴史上、勇者と英雄が共に並び立つことは無かった。
どちらも単独でスタンピードを打ち破れる規格外。
そしてカケルのもとに集いし豪傑たち。
「白銀の悪魔クロエ……参る!」
「行くわよ、シルフィード!!」
「ボクたちも負けないよ、サラマンダー!!」
「クククッ、妾が血の雨を降らせてみせよう」
クロエ、シルフィ、サラ、エヴァたち黒の死神メンバーたちが魔物の群れを粉砕する。
「魔物ども、我が糧となれ、飛剣オートクレール!!」
「最初から飛ばすわよ! 神の一撃」
「逃しません、大樹生成!!」
アストレア組のセレスティーナ、ユスティティア、サクラも負けてはいない。
「灰にお成りなさい、フレアバースト!!」
「へへっ、腕がなるぜ、魔殺水連槍撃!」
カタリナ、セシリアも最初からトップギアだ。
『魔神の力をお見せしましょう。暗黒爆裂波!!』
『ふふっ、魔物支配♡』
『メタモルフォーゼ、黒影殿』
スタンピードなど、魔物を支配する魔人3人娘の前では、赤子同然となる。
「私も負けてられないわね、うなれこん棒!!」
リーゼロッテが自身の3倍以上あるこん棒を振り回すと、一振りで数十体の魔物が粉々に粉砕される。
『この程度の魔物……お兄様のお手を煩わせることはありませんね』
ミヅハの周りでは陸なのに溺死する魔物が塁を成す。
「アンデット系は任せなさい! 聖なる裁き!!」
ソフィアの神聖魔法はアンデットに特効を持つ。無数のゾンビ、グール、スケルトン、レイス等が消滅する。
『カザネ、王さまのために、珍しい魔物がいたらゲットするわよ』
『了解だよ、チカゼ』
チカゼとカザネはカケルの為にレアモンスターを探す余裕まであった。
そして―――
「先輩、あれがボスクラスみたい。私はどっちでもいいけど?」
「じゃあ、俺が暗黒竜もらうぞ。カッコいいから召喚獣にする」
「了解、じゃあ私はあの気持ちが悪い触手モンスターだね」
「……絶対捕まるなよ? 何されるかわからん」
「んふふ~、見たい? 私がやらしいことされるの見たい?」
「くっ、見たいが駄目だ。どうせなら俺があいつに変身してやってやろうか?」
「ふえっ!? い、いや、それはちょっと……まだ早い的な?」
冗談を言いながらも、ボス格を瞬殺する2人。
こうして、史上最悪クラスのスタンピードは、人々が目覚め始めた頃には終わっていたのであった。
『ひぃっ、お、落ち着いてミコちん!?』
ミコトの絶対零度のジト目に怯えるイリゼ。
『許さない…………』
『痛い、痛い、不可抗力だったのよ〜』
ほっぺたを両方同時に捻じり上げられ涙目で訴えるイリゼ。
『――――という訳なの』
事情を話してようやく離してもらいほっぺたを擦るイリゼ。
『事情は理解した……早く過保護を何とかして』
『う……それなんだけどね? 実は……』
過保護を緩和するための条件を聞いて、これ以上ないほどのジト目でにらむミコト。
『絶対わざとだね……イリゼ?』
『ち、違うよ!? いやその、想いがあふれちゃったと言いますか、あわよくばと思ったのは事実だけども、わざとじゃないから!?』
頬を染めてあわあわするイリゼ。
『ふーん……思ったよりイリゼも本気なんだ?』
『ふえっ!? あ、いや、その……うん』
ミコトはそんなイリゼをじっと見つめる。
『わかった。イリゼは親友だから……』
『み、ミコちん!? ありがとう!!!』
感涙に咽ぶイリゼ。
『じゃあカケル連れてくる』
『へ? 今から?』
顔を真っ赤にして慌てるイリゼ。
『善は急げ。早く済ませなさい』
『いや〜その、心の準備とか? 雰囲気作りとか? だって……その……初めてだし? 少し時間が欲しいなあ……なんて?』
もじもじ照れるイリゼに青筋を立てるミコトだが、何とかこらえる。
『……どれぐらい時間が欲しい?』
『そ、そうね……2、3百年ぐらい?』
ブチッっと何かが切れる音がする。
『痛い痛い痛い、そこは駄目えええぇっ!?』
乙女にはあるまじき場所を痛めつけられるイリゼ。
『ごめんごめんごめん、ちょっとした女神ジョークだからあああ!?』
イリゼの与えた過保護は、カケルをあらゆるものから守ってくれるため、イリゼ以外の女性が必要以上に接近すると眠らされたり、排除されてしまう。
結局、今夜は決心がつかなかったイリゼ。
『……仕方ない、私も一緒に手伝ってあげる。ちゃんと心の準備しておいて』
そう言い残してミコトは帰って行った。
『へ? 一緒に? 手伝うって? いやあああ!? 無理無理無理絶対に無理だからあああ!?』
神界にイリゼの絶叫が響き渡るのだった。
***
―――― 夜明け前 ――――
ダンジョンの前には一騎当万の戦士たちが集まっていた。
「よし、みんな指輪と腕輪は付けたな?」
カケルは全員にスキル付与した指輪と腕輪を渡してある。
更に言えば、カケルの統率スキルとセレスティーナの勇敢な獅子心により仲間の力は超強化されている。
おまけにカケルとお試し仮契約している婚約者たちには、カケルのステータスの1%が上乗せされる。
もっと言うならば、カケルの召喚獣であるカザネとチカゼには、魔物強化も加算されるのだから、もはや手が付けられない。
「ウサネコと守護者の皆さんは、約束通り魔物1体金貨1枚払いますので、頑張って稼いで下さいね」
「悪いなカケル! 本当にそんなに貰って良いのか?」
思わず確認する守護者のジャミール。
魔物の種類を問わず1体金貨1枚は正直破格の報酬だ。そう思っても不思議では無いが。
「甘いぞジャミール。このメンツの中で魔物を狩るのはかなりの難易度だ」
そう。ヴァレンティノの言う通り、正直獲物が残るか怪しい。気を抜いていたらあっという間に終わってしまうだろう。
「そうよ、今のうちにしっかり稼ぎなさいよね! 私が居なくなるんだから」
ソフィアは守護者を抜けて、正式に黒の死神に加入するのだ。
「くっ、言われなくてもやってやるぜ!」
「夜明けまであと10秒……8、7……」
大地全体が地鳴りを伴って揺れる。
この世界に生きるものにとって最悪の災厄のひとつスタンピード。
一度発生したら全てを破壊するか魔物が全滅するまで止まらない死の行進。
仮にこの世界にカケルがやって来なければ、バドルは完全に破壊され、復興には少なくとも50年はかかったであろう。
抗う事がそもそも無意味、ただ過ぎ去るのを待つしかない自然災害。
それがこの世界のスタンピードに対する共通認識なのだ。
だが、ここにはカケルという異世界の英雄がいる。そして勇者美琴がいる。
歴史上、勇者と英雄が共に並び立つことは無かった。
どちらも単独でスタンピードを打ち破れる規格外。
そしてカケルのもとに集いし豪傑たち。
「白銀の悪魔クロエ……参る!」
「行くわよ、シルフィード!!」
「ボクたちも負けないよ、サラマンダー!!」
「クククッ、妾が血の雨を降らせてみせよう」
クロエ、シルフィ、サラ、エヴァたち黒の死神メンバーたちが魔物の群れを粉砕する。
「魔物ども、我が糧となれ、飛剣オートクレール!!」
「最初から飛ばすわよ! 神の一撃」
「逃しません、大樹生成!!」
アストレア組のセレスティーナ、ユスティティア、サクラも負けてはいない。
「灰にお成りなさい、フレアバースト!!」
「へへっ、腕がなるぜ、魔殺水連槍撃!」
カタリナ、セシリアも最初からトップギアだ。
『魔神の力をお見せしましょう。暗黒爆裂波!!』
『ふふっ、魔物支配♡』
『メタモルフォーゼ、黒影殿』
スタンピードなど、魔物を支配する魔人3人娘の前では、赤子同然となる。
「私も負けてられないわね、うなれこん棒!!」
リーゼロッテが自身の3倍以上あるこん棒を振り回すと、一振りで数十体の魔物が粉々に粉砕される。
『この程度の魔物……お兄様のお手を煩わせることはありませんね』
ミヅハの周りでは陸なのに溺死する魔物が塁を成す。
「アンデット系は任せなさい! 聖なる裁き!!」
ソフィアの神聖魔法はアンデットに特効を持つ。無数のゾンビ、グール、スケルトン、レイス等が消滅する。
『カザネ、王さまのために、珍しい魔物がいたらゲットするわよ』
『了解だよ、チカゼ』
チカゼとカザネはカケルの為にレアモンスターを探す余裕まであった。
そして―――
「先輩、あれがボスクラスみたい。私はどっちでもいいけど?」
「じゃあ、俺が暗黒竜もらうぞ。カッコいいから召喚獣にする」
「了解、じゃあ私はあの気持ちが悪い触手モンスターだね」
「……絶対捕まるなよ? 何されるかわからん」
「んふふ~、見たい? 私がやらしいことされるの見たい?」
「くっ、見たいが駄目だ。どうせなら俺があいつに変身してやってやろうか?」
「ふえっ!? い、いや、それはちょっと……まだ早い的な?」
冗談を言いながらも、ボス格を瞬殺する2人。
こうして、史上最悪クラスのスタンピードは、人々が目覚め始めた頃には終わっていたのであった。
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