異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
カケルの屋敷見学 後編
門をくぐり抜けて屋敷へ向かう。
「うわぁ広いね、お兄ちゃん……ドーム何個分かな?」
「うん、アリサ以外には伝わらないけど、屋敷がドーム2個分で敷地面積は7個分だな」
「旦那様、ドームとはなんだ?」
「俺がいた国の有名な建造物だよ、セレスティーナ。大きさを説明するときに便利なんだよ。ほらこれがドームだ」
スケッチブックに描いて見せるとみんなが驚いていた。独特の形しているからね。
「カルロスさん、でも良いんですか? 俺がこんなに場所を使ってしまっても」
「もちろんですよ。実は将来的にプリメーラ拡張計画がありまして、カケル様の屋敷もその計画の一環らしいですよ」
まあ日本と違って土地はあり余っているからな……魔物さえいなければだけど。
広い敷地を抜けて屋敷に入る。
「皆さま、今回1番力を入れたのが、大浴場と大寝室です!!」
カルロスさん……大浴場はわかるけど、大寝室ってなに!? 何でみんな真っ赤になってるのかな。
大浴場ははっきり言って素晴らしい出来だった。カルロスさんの屋敷よりもすごいんだが……良いのかな?
大小7つのエリアに分かれていて、和風、洋風、ジャングル風、滝や打たせ湯、足湯等、まるでテーマパークみたい。
1番大きな湯船は、グリフォンの口からお湯が注がれる凝った造りになっている。早く入ってみたい。
そして問題は大寝室だが、これはヤバい。
完全にラブホです。ありがとうございました。
誰だ? こんなもの異世界に持ち込んだ奴は!? とりあえず礼を言っておこうか。
「どうですか? この大寝室! 王宮のものと比べても遜色ないですよ」
えぇ……王宮にこんなのあったらドン引きなんですけど……えっ? お前は良いのかって? 他所はよそ、うちはうちってね。
「大丈夫ですよ、同時に50人まで可能ですからね!」
カルロスさん!? 何が大丈夫なんですか? 良い笑顔で余計な事言わないでくださいお願いします! しませんからね!
「「「「「…………」」」」」
ほら、みんな固まっちゃったじゃないですか。
「そ、そういえば、これだけ広いとメイドさんをたくさん雇わないといけないな!」
主にモフモフなメイドさんを!!
「カケル様、それならメイドギルドに頼むと良いですよ。話はすでに通してありますので」
な、なんだと……メイドギルドなんて素敵なものがあるのか? い、行きたい。今すぐにでも!!!
「よし、さっそく俺が――――」
「お待ち下さい、そのような些事で御主兄様に御足労いただく訳には参りません」
「うむ、我らが責任を持って良いメイドを見つけてこよう!」
「旦那さまはやるべきことが多いですから、ここは私とアイシャに任せて!」
「カケル様、ギルドのことなら、私とミレイヌが力を尽くして協力しますので、安心して下さいね?」
くっ、俺のメイドプランが水の泡に……
さようなら俺のメイドギルド。
「お兄ちゃん……何で泣いているの?」
『お兄様……お可哀そうに……』
「ハッ! そうだ、執事ギルドに―――」
「ああ、執事ならセントレアで王家の執事をやっていた者を見つけてあるぞ!」
「そ、そうか……ありがとうセレスティーナ」
くっ、羊の執事計画までもが………もしや背後で蠢く陰謀が……あるわけないか。
その後、自分の部屋を決めるためにみんな広間を出て行った。
部屋を出る瞬間、淋しそうな背中が目に止まる。
ああ……カケルさまが落ち込んでいらっしゃる。まるで捨てられた仔犬のよう。
駄目よアイシャ……それ以上見てはいけない。そうよ、そのまま部屋を出るの!
「あ、アイシャさん!?」
しまった……カケルさまを後ろから抱きしめてしまった! もう……手遅れ……ね。
「カケルさま……大丈夫です。私がこっそり王宮付きのメイドたちに声をかけますから! だから……元気を出して下さい。私を思うがままモフって良いですから!」
カケルさまにモフられたことが忘れられない。身体が心が求めて止まらない。
「アイシャさん……ありがとう!」
そんな顔しないで……胸がキュンキュンしちゃいますから!
ふわあ……来たわ! 優しく荒々しいカケルさまの全身モフが……その指が……温もりが……好き……大好きです……カケル……さ……ま。
***
「アイシャさん……大丈夫ですか?」
目を開くと心配そうに覗き込むカケルさまのお顔が……近い!? しかも膝枕!? あわわわ。
「……ご心配おかけして申し訳ございませんでした。もう大丈夫――――ふぇっ!?」
か、カケルさまが私を抱きしめて……?
「嬉しかったです、アイシャさん。ありがとうございました」
そうですか……こんな私でもお役に立てたのですね。
「カケルさま。私をお側においていただけませんか?」
「……叶うならずっと側にいて欲しいですよ」
「わかりました。アイシャはずっとカケルさまのお側におります。決して離れたりいたしません」
だから……私をしっかり掴まえていてくださいね。
うさぎは淋しいと死んでしまうのですから。
なんちゃって、うふふ。
「…………アイシャ? 旦那さまと何イチャイチャしているのかな?」
ふと見上げれば仁王立ちするユスティティア様のお姿が……
「ひっ!? ユスティティア様!? これは違うのです〜」
「問答無用!!」
「いやああああ!?」
無事部屋割りも決まって、もうすぐ新しい屋敷での生活が始まる。
前途は……多難そうだけどね。
***************************************************************************
≪今回登場したヒロインおよびサブヒロイン名鑑≫
【名 前】 クロエ=アルゴノート(女)
【種 族】 獣人族(銀狼族)
【年 齢】 16
【その他】 白銀の悪魔の二つ名をもつ
獣人国家、アルゴノート王国第3王女。銀髪、碧い瞳。留学で、アルカリーゼにいた為、災厄の難を逃れる。祖国を救うため、冒険者となり、予言されていた黒目黒髪の異世界人を探していたが、カケルと出会い、専属妹メイドになる。最短C級到達の記録をもっていた。現在はB級。感情を嗅ぎわける匂い鑑定のユニークスキルをもっている。獣化すると銀色の狼となる。セレスティーナ、クラウディアとは同志であり、友人。匂いフェチ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を御主兄様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 クラウディア=クリスタリア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 冒険者ギルド人気NO1受付嬢
商業国家クリスタリア大公国、第一公女。青い髪に紺色の瞳。クロエ同様、留学中で難を逃れた。ギルドで受付嬢をしながら、祖国復興のために情報収集をしている。セレスティーナとクロエは、同じ境遇を共にする同志。普段はダサい眼鏡をかけてその美貌を隠している。鑑定の能力に長けており、ギルドマスターの信頼も厚い。他のメンバーに後れを取っていることを苦悩している。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をカケル様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 シルフィ=ガーランド(女)
【種 族】 エルフ族
【年 齢】 37
【その他】 暴風の魔女の二つ名をもつ
エルフ国家、神聖ガーランド王国第一王女。翡翠色の髪と翡翠色の瞳。双子で妹のサラがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ妹のサラとともに婚約者となるが、基本的に異性に免疫が無い。風の精霊シルフィードに守られ、風の精霊魔法を使う。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 サラ=ガーランド(女)
【種 族】 エルフ族
【年 齢】 37
【その他】 紅蓮の魔女の二つ名をもつ
エルフ国家、神聖ガーランド王国第二王女。ガーネットレッドにオレンジのメッシュの髪にガーネットレッドの瞳。双子で姉のシルフィがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ姉のシルフィとともに婚約者となる。姉に比べて積極的にスキンシップをとる傾向がある。火の精霊サラマンダーに守られ、火の精霊魔法を使う。自分のことはボクと呼ぶ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 エヴァンジェリン=トラシルヴァニア(女)
【種 族】 吸血鬼族
【年 齢】 15
【その他】 吸血姫の二つ名をもつ
吸血鬼国家、トラシルヴァニア公国第一王女。白髪、赤眼。高い再生能力を維持するため、大食いしないと魔力が枯渇する。そのため吸血パートナーを探しており、自分を助けてくれたカケルをパートナーに選んだ。自分のことを妾と呼ぶ。器が大きく基本的に血を吸わせてもらえれば文句はない。血を自在に操り、変化のスキルで空を飛べる。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をダーリンと呼ぶ。通称エヴァ。Aカップ
【名 前】 セレスティーナ=アストレア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 18
【その他】 神速の白姫の二つ名をもつ 騎士団に咲く双花とも呼ばれる
大国、アストレア王国第二王女。プラチナブロンドの髪にブルートパーズの瞳。クロエやクラウディア同様、留学中で難を逃れた。現在、プリメーラ騎士団長として、災厄に襲われた諸国復興のために尽力している。都市プリメーラの最高戦力であるが、カケルの前では乙女な一面を見せる。クラウディアとクロエは、同じ境遇を共にする同志。意思を持つ魔剣イルシオンを使い、飛剣オートクレールという絶技に加え、複数のユニークスキルを使う。カケルの事を旦那様と呼ぶ。副官のサクラは、家臣で護衛。Cカップ
【名 前】 カタリナ(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 27
【その他】
A級冒険者パーティ『ウサギの耳』リーダー。紫紺の髪に紫紺の瞳。複数の属性魔法を使いこなす凄腕の魔道士。炎属性が得意。こよなくウサギを愛し、カケルの召喚獣ラビを溺愛している。アストレア出身で王女であるセレスティーナを敬愛している。カケルのことはカケルくんと呼んでいる。Dカップ
【名 前】 セシリア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 27
【その他】
A級冒険者パーティ『ネコの尻尾』リーダー。ピンクの髪に桃色の瞳。魔法も剣も使いこなす凄腕の魔法剣士。現役では数少ないゴブリンスレイヤーの称号を持つ。戦闘狂の気がある。こよなくネコを愛し、勝手に迷い猫探しの依頼を受けてパーティメンバーを困らせている。カケルのことは、カケルっちと呼んでいる。アストレア出身で王女であるセレスティーナを敬愛している。Eカップ
【名 前】 ミヅハ=ワタノハラ(女)
【種 族】 水の大精霊
【年 齢】 0
【その他】
魔人帝国率いる魔物の軍勢に住処を汚染され、消滅しかかっていたが、カケルの持つ神水の力により、水の大精霊として生まれ変わる。アクアブルーの髪にアクアブルーの瞳。妹としてカケルを献身的に支える。魂の契約により、実体化している。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をお兄様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 サクラ=オルレアン(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 騎士団に咲く双花と呼ばれる美少女
大国、アストレア王国オルレアン伯爵二女。漆黒の黒髪に桜色の瞳。主君であるセレスティーナの世話役兼護衛として、留学に同行していたため難を逃れた。現在、プリメーラ騎士団長副官として、災厄に襲われた諸国復興のために尽力している。異世界人の血が強く表れる先祖がえりで、植物を操る樹木魔法を使いこなす。ピンチにあらわれたカケルの事を王子様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 ソニア=ミッドガルド(女)
【種 族】 魔人族
【年 齢】 15
【その他】
魔人帝国ミッドガルド子爵。帝国史上最年少で子爵へと成り上がった天才少女。平和を求めるアリーセ第3皇女の懐刀として暗躍するが、捕らえられ、カケルに命を救われた。暗黒魔法と転移を得意とし、カケルと主君のアリーセをくっつけようと考えている。金髪、金色の瞳。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を主様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 リーゼロッテ(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】
バルバロス辺境伯の娘。プラチナブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳。生まれつき怪力のユニークスキルを持っていたため、他人から距離を取っていたが、壊れることがないカケルと出会い、急速に惹かれていった。父親の辺境伯の許しをもらい、正式にカケルの婚約者となった。カケルのことは、私の騎士と呼ぶ。
【名 前】 ユスティティア=アストレア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 20
【その他】 アストレア七聖剣筆頭 重剣の二つ名をもつ
大国、アストレア王国第一王女。プラチナブロンドの髪にブルートパーズの瞳。妹のセレスティーナとは容姿がそっくりで、双子と間違われるほど。休暇中に災厄に巻き込まれた際、大怪我を負いシェルターに隠れていた。重力を操るユニークスキルを有し、魔剣レーヴァテインを振るう。大国アストレアの最高戦力七聖剣の筆頭であり、カケルの婚約者。一撃必殺の神の一撃は街を消し飛ばすほどの威力を持つ。カケルの事を旦那さまと呼ぶ。Cカップ
【名 前】 ミレイヌ(女)
【種 族】 獣人族(黒猫族)
【年 齢】 16
【その他】 セレスティーナ商業ギルドマスター
眼鏡をかけた知的美人。黒猫の獣人。若くしてプリメーラの商業ギルドでサブギルドマスターとなったやり手。セレスティーナに新設される商業ギルドのギルドマスターとなる。甘味に目がない。カケルに甘えるときだけ語尾ににゃあが付く。
【名 前】 ソフィア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 17
【その他】 聖女候補 S級冒険者
アストレアの王都セントレアを拠点に活動するS級冒険者。聖女のスキルを持ち女神イリゼと意思疎通ができる。イリゼが地上に降りたいときに体を貸す約束になっている。回復魔法をメインに様々な魔法を使いこなす。カケルのことは黒髪の王子さまと呼ぶ。
【名 前】 アリサ(亜里沙)(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 フィステリア冒険者ギルド人気NO1受付嬢
カケルの前世で幼くして亡くなった妹、亜里紗の転生した姿。カケルと出会ったことで、喪った記憶を取り戻した。明るい茶色の髪と瞳。カケルと一緒に暮らすため、フィステリアからプリメーラへ引っ越した。Bカップ。
【名 前】 アイシャ=アンゴラ(女)
【種 族】 獣人族(兎族)
【年 齢】 16
【その他】 アンゴラ子爵家令嬢 ユスティティアの侍女でメイド
ユスティティアの侍女でメイドのウサギの獣人。グレーの髪に赤い瞳。極上の毛並みでカケルを魅了する。 
「うわぁ広いね、お兄ちゃん……ドーム何個分かな?」
「うん、アリサ以外には伝わらないけど、屋敷がドーム2個分で敷地面積は7個分だな」
「旦那様、ドームとはなんだ?」
「俺がいた国の有名な建造物だよ、セレスティーナ。大きさを説明するときに便利なんだよ。ほらこれがドームだ」
スケッチブックに描いて見せるとみんなが驚いていた。独特の形しているからね。
「カルロスさん、でも良いんですか? 俺がこんなに場所を使ってしまっても」
「もちろんですよ。実は将来的にプリメーラ拡張計画がありまして、カケル様の屋敷もその計画の一環らしいですよ」
まあ日本と違って土地はあり余っているからな……魔物さえいなければだけど。
広い敷地を抜けて屋敷に入る。
「皆さま、今回1番力を入れたのが、大浴場と大寝室です!!」
カルロスさん……大浴場はわかるけど、大寝室ってなに!? 何でみんな真っ赤になってるのかな。
大浴場ははっきり言って素晴らしい出来だった。カルロスさんの屋敷よりもすごいんだが……良いのかな?
大小7つのエリアに分かれていて、和風、洋風、ジャングル風、滝や打たせ湯、足湯等、まるでテーマパークみたい。
1番大きな湯船は、グリフォンの口からお湯が注がれる凝った造りになっている。早く入ってみたい。
そして問題は大寝室だが、これはヤバい。
完全にラブホです。ありがとうございました。
誰だ? こんなもの異世界に持ち込んだ奴は!? とりあえず礼を言っておこうか。
「どうですか? この大寝室! 王宮のものと比べても遜色ないですよ」
えぇ……王宮にこんなのあったらドン引きなんですけど……えっ? お前は良いのかって? 他所はよそ、うちはうちってね。
「大丈夫ですよ、同時に50人まで可能ですからね!」
カルロスさん!? 何が大丈夫なんですか? 良い笑顔で余計な事言わないでくださいお願いします! しませんからね!
「「「「「…………」」」」」
ほら、みんな固まっちゃったじゃないですか。
「そ、そういえば、これだけ広いとメイドさんをたくさん雇わないといけないな!」
主にモフモフなメイドさんを!!
「カケル様、それならメイドギルドに頼むと良いですよ。話はすでに通してありますので」
な、なんだと……メイドギルドなんて素敵なものがあるのか? い、行きたい。今すぐにでも!!!
「よし、さっそく俺が――――」
「お待ち下さい、そのような些事で御主兄様に御足労いただく訳には参りません」
「うむ、我らが責任を持って良いメイドを見つけてこよう!」
「旦那さまはやるべきことが多いですから、ここは私とアイシャに任せて!」
「カケル様、ギルドのことなら、私とミレイヌが力を尽くして協力しますので、安心して下さいね?」
くっ、俺のメイドプランが水の泡に……
さようなら俺のメイドギルド。
「お兄ちゃん……何で泣いているの?」
『お兄様……お可哀そうに……』
「ハッ! そうだ、執事ギルドに―――」
「ああ、執事ならセントレアで王家の執事をやっていた者を見つけてあるぞ!」
「そ、そうか……ありがとうセレスティーナ」
くっ、羊の執事計画までもが………もしや背後で蠢く陰謀が……あるわけないか。
その後、自分の部屋を決めるためにみんな広間を出て行った。
部屋を出る瞬間、淋しそうな背中が目に止まる。
ああ……カケルさまが落ち込んでいらっしゃる。まるで捨てられた仔犬のよう。
駄目よアイシャ……それ以上見てはいけない。そうよ、そのまま部屋を出るの!
「あ、アイシャさん!?」
しまった……カケルさまを後ろから抱きしめてしまった! もう……手遅れ……ね。
「カケルさま……大丈夫です。私がこっそり王宮付きのメイドたちに声をかけますから! だから……元気を出して下さい。私を思うがままモフって良いですから!」
カケルさまにモフられたことが忘れられない。身体が心が求めて止まらない。
「アイシャさん……ありがとう!」
そんな顔しないで……胸がキュンキュンしちゃいますから!
ふわあ……来たわ! 優しく荒々しいカケルさまの全身モフが……その指が……温もりが……好き……大好きです……カケル……さ……ま。
***
「アイシャさん……大丈夫ですか?」
目を開くと心配そうに覗き込むカケルさまのお顔が……近い!? しかも膝枕!? あわわわ。
「……ご心配おかけして申し訳ございませんでした。もう大丈夫――――ふぇっ!?」
か、カケルさまが私を抱きしめて……?
「嬉しかったです、アイシャさん。ありがとうございました」
そうですか……こんな私でもお役に立てたのですね。
「カケルさま。私をお側においていただけませんか?」
「……叶うならずっと側にいて欲しいですよ」
「わかりました。アイシャはずっとカケルさまのお側におります。決して離れたりいたしません」
だから……私をしっかり掴まえていてくださいね。
うさぎは淋しいと死んでしまうのですから。
なんちゃって、うふふ。
「…………アイシャ? 旦那さまと何イチャイチャしているのかな?」
ふと見上げれば仁王立ちするユスティティア様のお姿が……
「ひっ!? ユスティティア様!? これは違うのです〜」
「問答無用!!」
「いやああああ!?」
無事部屋割りも決まって、もうすぐ新しい屋敷での生活が始まる。
前途は……多難そうだけどね。
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≪今回登場したヒロインおよびサブヒロイン名鑑≫
【名 前】 クロエ=アルゴノート(女)
【種 族】 獣人族(銀狼族)
【年 齢】 16
【その他】 白銀の悪魔の二つ名をもつ
獣人国家、アルゴノート王国第3王女。銀髪、碧い瞳。留学で、アルカリーゼにいた為、災厄の難を逃れる。祖国を救うため、冒険者となり、予言されていた黒目黒髪の異世界人を探していたが、カケルと出会い、専属妹メイドになる。最短C級到達の記録をもっていた。現在はB級。感情を嗅ぎわける匂い鑑定のユニークスキルをもっている。獣化すると銀色の狼となる。セレスティーナ、クラウディアとは同志であり、友人。匂いフェチ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を御主兄様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 クラウディア=クリスタリア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 冒険者ギルド人気NO1受付嬢
商業国家クリスタリア大公国、第一公女。青い髪に紺色の瞳。クロエ同様、留学中で難を逃れた。ギルドで受付嬢をしながら、祖国復興のために情報収集をしている。セレスティーナとクロエは、同じ境遇を共にする同志。普段はダサい眼鏡をかけてその美貌を隠している。鑑定の能力に長けており、ギルドマスターの信頼も厚い。他のメンバーに後れを取っていることを苦悩している。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をカケル様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 シルフィ=ガーランド(女)
【種 族】 エルフ族
【年 齢】 37
【その他】 暴風の魔女の二つ名をもつ
エルフ国家、神聖ガーランド王国第一王女。翡翠色の髪と翡翠色の瞳。双子で妹のサラがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ妹のサラとともに婚約者となるが、基本的に異性に免疫が無い。風の精霊シルフィードに守られ、風の精霊魔法を使う。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 サラ=ガーランド(女)
【種 族】 エルフ族
【年 齢】 37
【その他】 紅蓮の魔女の二つ名をもつ
エルフ国家、神聖ガーランド王国第二王女。ガーネットレッドにオレンジのメッシュの髪にガーネットレッドの瞳。双子で姉のシルフィがいる。生まれつき精霊に愛されしものという加護を持つため、カケル以外の異性は触れることができない。カケルに助けられ姉のシルフィとともに婚約者となる。姉に比べて積極的にスキンシップをとる傾向がある。火の精霊サラマンダーに守られ、火の精霊魔法を使う。自分のことはボクと呼ぶ。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を貴方様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 エヴァンジェリン=トラシルヴァニア(女)
【種 族】 吸血鬼族
【年 齢】 15
【その他】 吸血姫の二つ名をもつ
吸血鬼国家、トラシルヴァニア公国第一王女。白髪、赤眼。高い再生能力を維持するため、大食いしないと魔力が枯渇する。そのため吸血パートナーを探しており、自分を助けてくれたカケルをパートナーに選んだ。自分のことを妾と呼ぶ。器が大きく基本的に血を吸わせてもらえれば文句はない。血を自在に操り、変化のスキルで空を飛べる。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をダーリンと呼ぶ。通称エヴァ。Aカップ
【名 前】 セレスティーナ=アストレア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 18
【その他】 神速の白姫の二つ名をもつ 騎士団に咲く双花とも呼ばれる
大国、アストレア王国第二王女。プラチナブロンドの髪にブルートパーズの瞳。クロエやクラウディア同様、留学中で難を逃れた。現在、プリメーラ騎士団長として、災厄に襲われた諸国復興のために尽力している。都市プリメーラの最高戦力であるが、カケルの前では乙女な一面を見せる。クラウディアとクロエは、同じ境遇を共にする同志。意思を持つ魔剣イルシオンを使い、飛剣オートクレールという絶技に加え、複数のユニークスキルを使う。カケルの事を旦那様と呼ぶ。副官のサクラは、家臣で護衛。Cカップ
【名 前】 カタリナ(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 27
【その他】
A級冒険者パーティ『ウサギの耳』リーダー。紫紺の髪に紫紺の瞳。複数の属性魔法を使いこなす凄腕の魔道士。炎属性が得意。こよなくウサギを愛し、カケルの召喚獣ラビを溺愛している。アストレア出身で王女であるセレスティーナを敬愛している。カケルのことはカケルくんと呼んでいる。Dカップ
【名 前】 セシリア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 27
【その他】
A級冒険者パーティ『ネコの尻尾』リーダー。ピンクの髪に桃色の瞳。魔法も剣も使いこなす凄腕の魔法剣士。現役では数少ないゴブリンスレイヤーの称号を持つ。戦闘狂の気がある。こよなくネコを愛し、勝手に迷い猫探しの依頼を受けてパーティメンバーを困らせている。カケルのことは、カケルっちと呼んでいる。アストレア出身で王女であるセレスティーナを敬愛している。Eカップ
【名 前】 ミヅハ=ワタノハラ(女)
【種 族】 水の大精霊
【年 齢】 0
【その他】
魔人帝国率いる魔物の軍勢に住処を汚染され、消滅しかかっていたが、カケルの持つ神水の力により、水の大精霊として生まれ変わる。アクアブルーの髪にアクアブルーの瞳。妹としてカケルを献身的に支える。魂の契約により、実体化している。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事をお兄様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 サクラ=オルレアン(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 騎士団に咲く双花と呼ばれる美少女
大国、アストレア王国オルレアン伯爵二女。漆黒の黒髪に桜色の瞳。主君であるセレスティーナの世話役兼護衛として、留学に同行していたため難を逃れた。現在、プリメーラ騎士団長副官として、災厄に襲われた諸国復興のために尽力している。異世界人の血が強く表れる先祖がえりで、植物を操る樹木魔法を使いこなす。ピンチにあらわれたカケルの事を王子様と呼ぶ。Bカップ
【名 前】 ソニア=ミッドガルド(女)
【種 族】 魔人族
【年 齢】 15
【その他】
魔人帝国ミッドガルド子爵。帝国史上最年少で子爵へと成り上がった天才少女。平和を求めるアリーセ第3皇女の懐刀として暗躍するが、捕らえられ、カケルに命を救われた。暗黒魔法と転移を得意とし、カケルと主君のアリーセをくっつけようと考えている。金髪、金色の瞳。カケルのパーティ『黒の死神』のメンバー。カケルの事を主様と呼ぶ。Aカップ
【名 前】 リーゼロッテ(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】
バルバロス辺境伯の娘。プラチナブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳。生まれつき怪力のユニークスキルを持っていたため、他人から距離を取っていたが、壊れることがないカケルと出会い、急速に惹かれていった。父親の辺境伯の許しをもらい、正式にカケルの婚約者となった。カケルのことは、私の騎士と呼ぶ。
【名 前】 ユスティティア=アストレア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 20
【その他】 アストレア七聖剣筆頭 重剣の二つ名をもつ
大国、アストレア王国第一王女。プラチナブロンドの髪にブルートパーズの瞳。妹のセレスティーナとは容姿がそっくりで、双子と間違われるほど。休暇中に災厄に巻き込まれた際、大怪我を負いシェルターに隠れていた。重力を操るユニークスキルを有し、魔剣レーヴァテインを振るう。大国アストレアの最高戦力七聖剣の筆頭であり、カケルの婚約者。一撃必殺の神の一撃は街を消し飛ばすほどの威力を持つ。カケルの事を旦那さまと呼ぶ。Cカップ
【名 前】 ミレイヌ(女)
【種 族】 獣人族(黒猫族)
【年 齢】 16
【その他】 セレスティーナ商業ギルドマスター
眼鏡をかけた知的美人。黒猫の獣人。若くしてプリメーラの商業ギルドでサブギルドマスターとなったやり手。セレスティーナに新設される商業ギルドのギルドマスターとなる。甘味に目がない。カケルに甘えるときだけ語尾ににゃあが付く。
【名 前】 ソフィア(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 17
【その他】 聖女候補 S級冒険者
アストレアの王都セントレアを拠点に活動するS級冒険者。聖女のスキルを持ち女神イリゼと意思疎通ができる。イリゼが地上に降りたいときに体を貸す約束になっている。回復魔法をメインに様々な魔法を使いこなす。カケルのことは黒髪の王子さまと呼ぶ。
【名 前】 アリサ(亜里沙)(女)
【種 族】 人族
【年 齢】 16
【その他】 フィステリア冒険者ギルド人気NO1受付嬢
カケルの前世で幼くして亡くなった妹、亜里紗の転生した姿。カケルと出会ったことで、喪った記憶を取り戻した。明るい茶色の髪と瞳。カケルと一緒に暮らすため、フィステリアからプリメーラへ引っ越した。Bカップ。
【名 前】 アイシャ=アンゴラ(女)
【種 族】 獣人族(兎族)
【年 齢】 16
【その他】 アンゴラ子爵家令嬢 ユスティティアの侍女でメイド
ユスティティアの侍女でメイドのウサギの獣人。グレーの髪に赤い瞳。極上の毛並みでカケルを魅了する。 
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