異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
惚れた弱み
街のことは冒険者ギルドと仲間たちに任せて王宮へ向かう。
「旦那様! おかえりなさい!!」
「旦那さま〜淋しかった!」
「なっ、だ、旦那様、私も淋しかったぞ!」
セレスティーナ……なぜ張り合っているんだ。
「2人とも、俺も淋しかった。ギュッってして良いかな?」
「もちろんだ、遠慮なくギュッってするが良い」
「ふふっ、じゃあその間に私は旦那さまをギュッってするわ」
「なっ、お姉様! 私も旦那様をギュッってするぞ」
「焦らないのセレスティーナ。順番よ、順番」
俺の胸板に頭をスリスリしてくるセレスティーナを抱きしめながら背中でユスティティアの感触を堪能する。
これだ、これこそ俺の日常……やっと帰って来れたんだな。
(だ、駄目だ……この雰囲気に呑まれてはいけない! お前は誇り高い七聖剣だろう? しかし七聖剣筆頭があんな状態だし……いや、迷うなエストレジャ! ツッコミを入れるんだ、だが待って欲しい、そんなことをすれば、私がルナとイチャイチャ出来なくなるという可能性が!)
脳内で戦い続けるエストレジャ。
「だ、大丈夫かな、エストレジャさん?」
「大丈夫だ、旦那様。七聖剣は伊達じゃない」
「きっと婚約者のルナが心配なのだろう」
さすが七聖剣筆頭、何でもお見通しなんだな。
そういうことなら早く安心させてあげないと。
「エストレジャさん、大丈夫ですよ。今からルナさんたちを連れて戻りますからね。宰相が不在では国も回らないでしょうし」
「ほ、本当ですか? ありがとうございます旦那様」
「え、エストレジャさん!? 呼び方!」
「え? あ、し、失礼しましたカケル様……ついつられて」
「直す必要など無いぞ、エストレジャ」
「そうだ、特別に許そうではないか」
「ははっ、有難き幸せ!!」
えぇ……さすがに違和感が……まあ今更だから別に良いか。それよりも――――
「その前に、帝国に連れ去られた人々ですけど……」
全員の表情が真剣なものに変わる。
「テンスやイレブンから聞いた感じだと、連行された人々は奴隷としてオークションにかけられるそうです」
「なるほど……すぐに殺される心配は少ないということだな」
あくまで少ないだけで例外はあるだろうが。苦い表情でエストレジャさんが頷く。
「ああ、少なくとも公式には数十万人以上、闇ルートで横流しされた人々を含めると百万人近い人々が連れ去られた可能性がある」
「…………」
無言で拳を握りしめるセレスティーナとユスティティアの肩をそっと抱き寄せる。
「このまま帝国に乗り込んでぶっ潰すことはおそらく可能だ。でも、数百人ならともかく、さすがに数十万人の人々を助けるのは無理だ。仮に出来たとしても、こちら側で受け入れ態勢が整わなければ意味が無い」
「……悔しいが、まずはアストレアを復興することが最優先ということだな」
ユスティティアが力強く同意する。
「ああ、その上で帝国に負けを認めさせて、条約を結ぶべきだと思う。連れ去られた人々の返還交渉も含めてな」
下手に国を壊せば、弱い人々がまず犠牲になってしまう。それは避けなければならない。
「……頭では理解出来るが、何も出来ないのは辛いな……」
「手は打つさ、セレスティーナ。ソニアに動いてもらうつもりだ」
「あっ、アリーセ殿下に働きかけるのか!! しかし危険ではないか?」
「大丈夫、危険なことはさせない。テンスやイレブンたち他の魔人も護衛に付けるしな」
「たしかにそれなら安心だ。ならいっそのこと、テンスかイレブンにアリーセ殿下を襲わせて、旦那さまが颯爽とピンチを助ければいいではないか! 一瞬で完落ち間違いなしだ!」
ユスティティア……自信満々で酷いことを……
「ユスティティア……そんなことして、後でばれたらどうするんだよ!?」
「旦那様、その時は惚れた弱みに付け込めば良い」
セレスティーナ……お前まで……
「……前向きに検討するよ」
***
「じゃあ宰相御一行を迎えに行ってくるよ」
「だ、旦那様、いつもの!」
セレスティーナに行ってきますのキスをする。
「なっ!? ズルいぞセレスティーナ! 旦那さま、私にもいつもの!」
ユスティティアにもキスをする。
「エストレジャさん!」
「へ? い、いや私は結構です!?」
「違いますよ、御礼を言いたかったんです。王宮を守ってくれてありがとうございました」
「は? い、いえ、王宮を守るのは私の役目ですから」
キョトンとしているエストレジャさん。
部屋を出て、玉座がある謁見の間に向かう。
玉座の背後には巨大な肖像画が壁一面に描かれている。
建国の英雄とその妻初代セレスティーナが微笑み腕を組んでいる姿絵だ。
(エストレジャさん、本当にありがとうございました。この絵を守ってくれて……)
幼いころの明日人の姿は鮮明に覚えているが、大人になった明日人の姿は知らなかったから。
やっぱりお前は格好良いよ……明日人。
「旦那様! おかえりなさい!!」
「旦那さま〜淋しかった!」
「なっ、だ、旦那様、私も淋しかったぞ!」
セレスティーナ……なぜ張り合っているんだ。
「2人とも、俺も淋しかった。ギュッってして良いかな?」
「もちろんだ、遠慮なくギュッってするが良い」
「ふふっ、じゃあその間に私は旦那さまをギュッってするわ」
「なっ、お姉様! 私も旦那様をギュッってするぞ」
「焦らないのセレスティーナ。順番よ、順番」
俺の胸板に頭をスリスリしてくるセレスティーナを抱きしめながら背中でユスティティアの感触を堪能する。
これだ、これこそ俺の日常……やっと帰って来れたんだな。
(だ、駄目だ……この雰囲気に呑まれてはいけない! お前は誇り高い七聖剣だろう? しかし七聖剣筆頭があんな状態だし……いや、迷うなエストレジャ! ツッコミを入れるんだ、だが待って欲しい、そんなことをすれば、私がルナとイチャイチャ出来なくなるという可能性が!)
脳内で戦い続けるエストレジャ。
「だ、大丈夫かな、エストレジャさん?」
「大丈夫だ、旦那様。七聖剣は伊達じゃない」
「きっと婚約者のルナが心配なのだろう」
さすが七聖剣筆頭、何でもお見通しなんだな。
そういうことなら早く安心させてあげないと。
「エストレジャさん、大丈夫ですよ。今からルナさんたちを連れて戻りますからね。宰相が不在では国も回らないでしょうし」
「ほ、本当ですか? ありがとうございます旦那様」
「え、エストレジャさん!? 呼び方!」
「え? あ、し、失礼しましたカケル様……ついつられて」
「直す必要など無いぞ、エストレジャ」
「そうだ、特別に許そうではないか」
「ははっ、有難き幸せ!!」
えぇ……さすがに違和感が……まあ今更だから別に良いか。それよりも――――
「その前に、帝国に連れ去られた人々ですけど……」
全員の表情が真剣なものに変わる。
「テンスやイレブンから聞いた感じだと、連行された人々は奴隷としてオークションにかけられるそうです」
「なるほど……すぐに殺される心配は少ないということだな」
あくまで少ないだけで例外はあるだろうが。苦い表情でエストレジャさんが頷く。
「ああ、少なくとも公式には数十万人以上、闇ルートで横流しされた人々を含めると百万人近い人々が連れ去られた可能性がある」
「…………」
無言で拳を握りしめるセレスティーナとユスティティアの肩をそっと抱き寄せる。
「このまま帝国に乗り込んでぶっ潰すことはおそらく可能だ。でも、数百人ならともかく、さすがに数十万人の人々を助けるのは無理だ。仮に出来たとしても、こちら側で受け入れ態勢が整わなければ意味が無い」
「……悔しいが、まずはアストレアを復興することが最優先ということだな」
ユスティティアが力強く同意する。
「ああ、その上で帝国に負けを認めさせて、条約を結ぶべきだと思う。連れ去られた人々の返還交渉も含めてな」
下手に国を壊せば、弱い人々がまず犠牲になってしまう。それは避けなければならない。
「……頭では理解出来るが、何も出来ないのは辛いな……」
「手は打つさ、セレスティーナ。ソニアに動いてもらうつもりだ」
「あっ、アリーセ殿下に働きかけるのか!! しかし危険ではないか?」
「大丈夫、危険なことはさせない。テンスやイレブンたち他の魔人も護衛に付けるしな」
「たしかにそれなら安心だ。ならいっそのこと、テンスかイレブンにアリーセ殿下を襲わせて、旦那さまが颯爽とピンチを助ければいいではないか! 一瞬で完落ち間違いなしだ!」
ユスティティア……自信満々で酷いことを……
「ユスティティア……そんなことして、後でばれたらどうするんだよ!?」
「旦那様、その時は惚れた弱みに付け込めば良い」
セレスティーナ……お前まで……
「……前向きに検討するよ」
***
「じゃあ宰相御一行を迎えに行ってくるよ」
「だ、旦那様、いつもの!」
セレスティーナに行ってきますのキスをする。
「なっ!? ズルいぞセレスティーナ! 旦那さま、私にもいつもの!」
ユスティティアにもキスをする。
「エストレジャさん!」
「へ? い、いや私は結構です!?」
「違いますよ、御礼を言いたかったんです。王宮を守ってくれてありがとうございました」
「は? い、いえ、王宮を守るのは私の役目ですから」
キョトンとしているエストレジャさん。
部屋を出て、玉座がある謁見の間に向かう。
玉座の背後には巨大な肖像画が壁一面に描かれている。
建国の英雄とその妻初代セレスティーナが微笑み腕を組んでいる姿絵だ。
(エストレジャさん、本当にありがとうございました。この絵を守ってくれて……)
幼いころの明日人の姿は鮮明に覚えているが、大人になった明日人の姿は知らなかったから。
やっぱりお前は格好良いよ……明日人。
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