異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
ガラス細工の心
「……な、なぜお前が生きているんだ!?」
咄嗟に身体を捻りテンスから距離をとるエストレジャ。
『あのさあ、俺が下等な人間に殺られるわけないだろ? 楽に死ねると思うなよ、ククッ』
あり得ない……確かに奴を倒したはずだ。
不死身? いやそれは無い。
身代わりの魔道具か何かを使ったのかも知れない。
(どちらにしても、あまり時間はなさそうだな……)
思った以上に傷が深い。
傷口からは血が流れ続けているが、動けているのは神剣の力だろう。
ならば動ける間にコイツを倒す。
(私に力をお貸し下さい)
輝きを増す神剣を構えてテンスを睨みつける。
「七聖剣のエストレジャ、参る!!!!」
***
『流星斬撃!!!』
「ゼェ……ゼェ、ハァ、ハァ……」
大量に流血したエストレジャの顔は蝋人形のように白く、すでに生気を失っている。
(……確信した、奴の命は有限だ)
しかし、エストレジャにはもう戦う力は残っていない。
(頼む……これで終わってくれ……)
しかし、願いは叶わなかった。
『くそっ、くそっ、くそっ!!!!! 何で俺様が人間ごときに5回も殺られるんだよ!!!!!』
蘇ったテンスが怒り狂う。
倒しきれなかったか。
残念だが、ここまでのようだ。
エストレジャは最後に愛しい婚約者を想う。
(すまないルナ、約束を守れなかったよ)
だが、みんなから貰ったこの命、未来に繋ぐことは出来るかもしれない。
婚約者ルナは妊娠している。
(お腹の子……男の子かな……女の子かな?)
顔を見ることは出来ないが、どうか無事に生まれてきて欲しい。
私は死んでも夜空の星となり、きっと2人を見守り続けるから。
だから……どうか、どうか生きてくれ。
『どうやら限界みたいだね? 勝手に死ぬんじゃねえぞ! てめぇは俺の手で切り刻んでやらないと気が済まねえ、死ね!!!!!!』
テンスの無慈悲な一撃がエストレジャを襲う。
『神の一撃』
『ぐべぁっ!?』
鈴が鳴るような涼やかな声が響き、テンスはぐちゃぐちゃに潰され絶命する。
「すまない、遅くなった」
そう言って微笑むプラチナブロンドの美女。
それはエストレジャが知る最も強く、だれより優しい人。
アストレア王国第一王女にして七聖剣筆頭、重剣のユスティティアその人だった。
今際の際にあるエストレジャであったが、最後の気力を振り絞る。
伝えなければならない。
ユスティティア様に奴のことを伝えなくては……
「がっ、がふっ……だ、駄目です……や、奴は蘇り……ごほっ」
「案ずるな、奴らが複数の命を持つことは知っている。大丈夫、傷は浅いぞ!」
(……それ、私の台詞なんですけどね……)
安心したせいか思わずツッコミを入れてしまい、そんな自分に笑ってしまう。
(ユスティティア様、ありがとうございます……貴女になら託して逝ける、笑って死ぬことが出来ますよ……)
静かに目を閉じるエストレジャ。
「こら、エストレジャ! 勝手に死ぬんじゃない」
『勇敢な獅子心』
急速に回復してゆく身体と心。
ああ……この声を、この力を私は知っている。知らないアストレア国民はいない。
『クソが、邪魔しやがって!!!』
蘇ったテンスが襲いかかってくる。
『飛剣オートクレール!!』
ユスティティアに襲いかかったテンスの首が飛ぶ。
「久しいなエストレジャ。元気そうだな?」
「……それは皮肉でしょうか? セレスティーナ様?」
そう、その人はアストレア王国第二王女、神速の白姫セレスティーナ様以外にいないではないか。
笑みが止まらない。気持ちが、勇気が溢れて止まらない。
なぜだろう……もう大丈夫だと思ってしまう。安心してしまう。
私も成れるだろうか? いや、成らなければならない、いつかあの2人のように。
『き、貴様ら……許さん。絶対に許さんぞ』
怒りに染まる目に狂気を宿し、テンスが再度復活する。
「やれやれ……しつこい男は嫌われるぞ、旦那さまの爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいだ。なあセレスティーナ?」
「わ、私は旦那様になら、もっとしつこくして貰いたいけど……」
赤面するセレスティーナ。
「あ、あのお二人とも、敵が目茶苦茶怒ってますけど……」
何だか雰囲気が変わっただろうか? 頼もしいのは前からですが、明るくなられたというか、女性らしくなられたというか……その旦那様とかいう人のおかげなのだろうか?
お2人が同じ人を旦那様と言っているように聞こえるのは少し、いやすごく気になりますが。
『はあ!? 男は強さがすべてだろうが。俺は帝国十傑のナンバーズだぞ! それに帝国で抱かれたい男ランキング上位なんだ! 適当なこと言うな!!』
(……なんか魔人が本気で真に受けて怒ってますけど……)
「ぷっ、お前みたいのがランキング上位とか何の冗談だ? 帝国にはまともな男がいないとみえる。少なくとも、旦那さまはお前の千倍は格好いいぞ!」
「お姉様!? 本気で怒りますよ! 1万です、旦那様は1万倍格好いいです!!」
『くっ、なんだと!? 俺の1万倍格好いいとか、それは最早神だろうが!!』
「ふふふっ、その通りだ! 旦那さまの格好良さはもはや神の領域。おまけに貴様が無様に潰された私の一撃を旦那さまは眉一つ動かさずに無傷で受け止めるほど強い!!!」
『な、なんだと!? 格好いい上に強いのか……』
「貴様はランキングとやらで喜んでいるようだが、そんなもの貴様の地位や肩書きに魅せられているに過ぎん。旦那様は違うぞ、本人にその気が無くとも、視線を合わせただけで、会話しただけで、手を触れただけで、歩いている姿を見ただけで女性は落ちるのだ!!! 本当の強さ、本当の格好良さとは旦那様にあると知れっ!!!!」
『ぐはぁっ!?』
な、なんか魔人が立ち上がれないほどのダメージを受けている。
しかし、ユスティティア様、セレスティーナ様、誇らしく語ってますけど、大丈夫なんですかその旦那様。もはや人間じゃないような……
どうしよう…………出にくい。ものすごく出て行きづらい……褒めてくれるのは嬉しいんだが、ハードル上がり過ぎてキツい。
これでのこのこ出て行って、あのテンスに、なんだ全然大したこと無いじゃん的な視線を受けたら、俺のメンタルが致命傷だ。
俺の心はガラス細工のように繊細なんだよ!
そうか! 要は見られる前に奴を消せば良いんだよ!!
『認識阻害』『気配遮断』『遮音結界』発動!
『転移!!』
『ぎゃあああ!?』
テンスの背後に転移して、一撃で生命核をデスサイズで両断する。
いかに魔人でも、生命核を破壊されれば蘇生出来ない。
これにて一件落着!!!
咄嗟に身体を捻りテンスから距離をとるエストレジャ。
『あのさあ、俺が下等な人間に殺られるわけないだろ? 楽に死ねると思うなよ、ククッ』
あり得ない……確かに奴を倒したはずだ。
不死身? いやそれは無い。
身代わりの魔道具か何かを使ったのかも知れない。
(どちらにしても、あまり時間はなさそうだな……)
思った以上に傷が深い。
傷口からは血が流れ続けているが、動けているのは神剣の力だろう。
ならば動ける間にコイツを倒す。
(私に力をお貸し下さい)
輝きを増す神剣を構えてテンスを睨みつける。
「七聖剣のエストレジャ、参る!!!!」
***
『流星斬撃!!!』
「ゼェ……ゼェ、ハァ、ハァ……」
大量に流血したエストレジャの顔は蝋人形のように白く、すでに生気を失っている。
(……確信した、奴の命は有限だ)
しかし、エストレジャにはもう戦う力は残っていない。
(頼む……これで終わってくれ……)
しかし、願いは叶わなかった。
『くそっ、くそっ、くそっ!!!!! 何で俺様が人間ごときに5回も殺られるんだよ!!!!!』
蘇ったテンスが怒り狂う。
倒しきれなかったか。
残念だが、ここまでのようだ。
エストレジャは最後に愛しい婚約者を想う。
(すまないルナ、約束を守れなかったよ)
だが、みんなから貰ったこの命、未来に繋ぐことは出来るかもしれない。
婚約者ルナは妊娠している。
(お腹の子……男の子かな……女の子かな?)
顔を見ることは出来ないが、どうか無事に生まれてきて欲しい。
私は死んでも夜空の星となり、きっと2人を見守り続けるから。
だから……どうか、どうか生きてくれ。
『どうやら限界みたいだね? 勝手に死ぬんじゃねえぞ! てめぇは俺の手で切り刻んでやらないと気が済まねえ、死ね!!!!!!』
テンスの無慈悲な一撃がエストレジャを襲う。
『神の一撃』
『ぐべぁっ!?』
鈴が鳴るような涼やかな声が響き、テンスはぐちゃぐちゃに潰され絶命する。
「すまない、遅くなった」
そう言って微笑むプラチナブロンドの美女。
それはエストレジャが知る最も強く、だれより優しい人。
アストレア王国第一王女にして七聖剣筆頭、重剣のユスティティアその人だった。
今際の際にあるエストレジャであったが、最後の気力を振り絞る。
伝えなければならない。
ユスティティア様に奴のことを伝えなくては……
「がっ、がふっ……だ、駄目です……や、奴は蘇り……ごほっ」
「案ずるな、奴らが複数の命を持つことは知っている。大丈夫、傷は浅いぞ!」
(……それ、私の台詞なんですけどね……)
安心したせいか思わずツッコミを入れてしまい、そんな自分に笑ってしまう。
(ユスティティア様、ありがとうございます……貴女になら託して逝ける、笑って死ぬことが出来ますよ……)
静かに目を閉じるエストレジャ。
「こら、エストレジャ! 勝手に死ぬんじゃない」
『勇敢な獅子心』
急速に回復してゆく身体と心。
ああ……この声を、この力を私は知っている。知らないアストレア国民はいない。
『クソが、邪魔しやがって!!!』
蘇ったテンスが襲いかかってくる。
『飛剣オートクレール!!』
ユスティティアに襲いかかったテンスの首が飛ぶ。
「久しいなエストレジャ。元気そうだな?」
「……それは皮肉でしょうか? セレスティーナ様?」
そう、その人はアストレア王国第二王女、神速の白姫セレスティーナ様以外にいないではないか。
笑みが止まらない。気持ちが、勇気が溢れて止まらない。
なぜだろう……もう大丈夫だと思ってしまう。安心してしまう。
私も成れるだろうか? いや、成らなければならない、いつかあの2人のように。
『き、貴様ら……許さん。絶対に許さんぞ』
怒りに染まる目に狂気を宿し、テンスが再度復活する。
「やれやれ……しつこい男は嫌われるぞ、旦那さまの爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいだ。なあセレスティーナ?」
「わ、私は旦那様になら、もっとしつこくして貰いたいけど……」
赤面するセレスティーナ。
「あ、あのお二人とも、敵が目茶苦茶怒ってますけど……」
何だか雰囲気が変わっただろうか? 頼もしいのは前からですが、明るくなられたというか、女性らしくなられたというか……その旦那様とかいう人のおかげなのだろうか?
お2人が同じ人を旦那様と言っているように聞こえるのは少し、いやすごく気になりますが。
『はあ!? 男は強さがすべてだろうが。俺は帝国十傑のナンバーズだぞ! それに帝国で抱かれたい男ランキング上位なんだ! 適当なこと言うな!!』
(……なんか魔人が本気で真に受けて怒ってますけど……)
「ぷっ、お前みたいのがランキング上位とか何の冗談だ? 帝国にはまともな男がいないとみえる。少なくとも、旦那さまはお前の千倍は格好いいぞ!」
「お姉様!? 本気で怒りますよ! 1万です、旦那様は1万倍格好いいです!!」
『くっ、なんだと!? 俺の1万倍格好いいとか、それは最早神だろうが!!』
「ふふふっ、その通りだ! 旦那さまの格好良さはもはや神の領域。おまけに貴様が無様に潰された私の一撃を旦那さまは眉一つ動かさずに無傷で受け止めるほど強い!!!」
『な、なんだと!? 格好いい上に強いのか……』
「貴様はランキングとやらで喜んでいるようだが、そんなもの貴様の地位や肩書きに魅せられているに過ぎん。旦那様は違うぞ、本人にその気が無くとも、視線を合わせただけで、会話しただけで、手を触れただけで、歩いている姿を見ただけで女性は落ちるのだ!!! 本当の強さ、本当の格好良さとは旦那様にあると知れっ!!!!」
『ぐはぁっ!?』
な、なんか魔人が立ち上がれないほどのダメージを受けている。
しかし、ユスティティア様、セレスティーナ様、誇らしく語ってますけど、大丈夫なんですかその旦那様。もはや人間じゃないような……
どうしよう…………出にくい。ものすごく出て行きづらい……褒めてくれるのは嬉しいんだが、ハードル上がり過ぎてキツい。
これでのこのこ出て行って、あのテンスに、なんだ全然大したこと無いじゃん的な視線を受けたら、俺のメンタルが致命傷だ。
俺の心はガラス細工のように繊細なんだよ!
そうか! 要は見られる前に奴を消せば良いんだよ!!
『認識阻害』『気配遮断』『遮音結界』発動!
『転移!!』
『ぎゃあああ!?』
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いかに魔人でも、生命核を破壊されれば蘇生出来ない。
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