異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
家族の光景
「いやー、失礼いたしました。英雄様」
恐縮しながら苦笑いするオルレアン伯爵。
「いえいえ、ちょっと驚きましたけど」
(……サクラとセレスティーナ、一体どんな説明したんだよ?)
「英雄さま、お姉さまを助けてくれてありがとう!」
おずおずと近づいて来たのは、サクラの妹カエデだ。同じ黒髪だけど瞳の色が綺麗な紅葉色だ。ちっちゃいサクラみたいで可愛い。
「どういたしまして。でも、サクラには俺も助けられているんだよ」
柔らかい髪をそっと撫でると、カエデは気持ちよさそうに目を細める。
「あ~、カエデずるい! 王子様! 私も!」
乱入してきたサクラがカエデと撫で撫でポジションを巡って争い始めた。
……カエデ、すまん前言撤回だ、サクラには困らせられてるんだよ。
「ハハハッ、あのサクラがこんなふうになるなんて、いまだに信じられないな! 英雄殿、サクラの兄で七聖剣のクヌギです。本当にありがとうございました!」
この人強いぞ……さすが大国アストレア、こんなのが七人もいるのか。
「英雄様、サクラの母モミジです。娘とサウスレアを救っていただきありがとうございます――ところで、」
モミジさんが耳元でささやく
『セレスティーナ殿下とうちのサクラ、どちらの方がお好きなんですか?』
いたずらっぽく笑うとサクラにソックリ、いや、サクラがモミジさんに似ているのか。
答えに窮していると、楽しそうに爆弾をぶつけてきた
『でも残念、私も独り身だったら良かったのに』
冗談ですよ、と笑うモミジさんにサクラが突っかかる。
そんな当たり前の光景が眩しくて、本当に助けられて良かったと思う。少なくともサクラの笑顔を守ることが出来たのだから。
できるなら、隣で微笑むセレスティーナの笑顔も守ってあげたいな。
目が合うと嬉しそうに抱きついてくるセレスティーナが最近仔犬に見えることがあるけど、きっと疲れているんだろう。
***
「物資はとりあえず以上となります。必要なものはリストを頂ければ、直ぐに用意するのでご安心下さい」
「なにからなにまでかたじけない英雄様」
頭を下げるオルレアン伯爵。
「英雄様はやめてください。俺にとって伯爵も家族なんですから。どうかカケルとおよび下さい」
「ハハハッ、そう言ってもらえると嬉しいよ。サクラもカケルくんにべたぼれみたいだからね。どうかサクラのこと、よろしく頼むよ」
「もちろんです、伯爵。絶対に幸せにします。もちろん皆さんも含めて」
「……すまん、年を取ると涙脆くなっていかんな」
涙を拭う伯爵。年って、伯爵あなたまだ40代ですよね?
「……カケルくん、そう呼ばせてもらっていいかな? 妹たちの件、本当にありがとう。親でもない私が言うのもなんだけど、2人のこと、よろしく頼むよ。あんな体質だから、生涯異性とは縁がないと諦めていたんだけどね……きっと両親も歓迎してくれると思う。今度、ガーランドへも来てくれないか」
シルフィとサラの兄、ノーラッド王子も涙ぐんでいる。優しいお兄さんで良かった。
「もちろんです、ノーラッド王子。今回の件が落ち着いたら、必ず2人を連れてガーランドへ伺わせていただきます」
「ノーラッド王子では他人行儀だろう、兄上か兄様と呼んで欲しいが」
「わかりました、ノーラッド兄上!」
満足そうに頷くノーラッド王子。
なんか一気に家族が増えたみたいで嬉しくなる。もっと頑張らないとな。 
「ところで、サウスウエストレアの奪還についてなんだが――」
オルレアン伯爵が真剣な顔で話を切り出す。
そう、サウスウエストレアは、ここサウスレアとプリメーラの中間地点であり、ガーランドとの交易の要衝だ。ここを取り戻せば、一気に状況が好転するのは間違いない。
「ああ、そのことでしたら、すでに解放済みですので、ご安心ください」
「「……は?」」
意味が分からないといった様子で伯爵と王子はポカンとしている。
「ここに来る前に、俺の召喚獣を使い街内の魔物はすべて駆逐してあります。さっきセレスティーナたちと一緒に直接確認しているので大丈夫ですよ。実は、すでにプリメーラのアルフレイド伯爵にも連絡済みで、今頃、エスペランサ砦からサウスウエストレア防衛のための騎士団が出発しているはずです」
「そ、そうか、それならば話は早いな。すぐに我々も派遣する人選を含め出発の準備を始めよう」
「はい、幸い破壊を免れた建物や店も多く、確認したところ、物資もそれなりに使えそうです。先遣隊については、俺が転移で連れて行きますので、人選が終ったら彼女に声を掛けてください」
『おいで、ソヨカゼ』
魔法陣が輝き、絶世の貧乳美少女が姿を現す。ライトブルーの髪と瞳に背中に双翼をもつカケルの召喚獣ハーピィだ。
「しばらくこのサウスレアに彼女を連絡係として常駐させますので。サウスレアを発見したのも彼女なんですよ。頼むなソヨカゼ」
『はじめまして、ソヨカゼと申します。この命に代えましても、この街と皆さまをお守りいたします』
「すごいな……ハーピィを使役するなんて初めて聞いたよ。よろしくソヨカゼ殿」
ノーラッド王子がソヨカゼとがっちり握手をする。美男美女だから絵になるね。
「そうか、君が街を見つけてくれたんだね。ありがとう、感謝している」
続いて握手するオルレアン伯爵もソヨカゼに好感を持ってくれたようでひとまず安心だ。
「では、俺はいったんプリメーラへ戻り――――」
『……お待ちください、王様』
見た目からは信じられない程の力で肩を掴み引きとめるソヨカゼ。
「なんだい? ソヨカゼ」
もう学習したよ、ご褒美でしょ、ご褒美、わかってるさ。
『どうか……お気をつけて』
あれ、ご褒美は? ここはご褒美くださいじゃないの? そんな潤んだ目で見ないで! そうだよね、女性から言わせるなんて卑怯だよね。俺最低だな。反省します。はい。
『認識阻害』
暗黒魔法で俺たちを周囲から見えなくする。
「悪かったな、ソヨカゼ。たっぷりご褒美をあげるから覚悟しろよ……」
『ふぁ、あ、ありがとうございます……嬉しい、です』
「カケルくん、彼女は大丈夫なのかい? なんかふらふらしているけど?」
「た、たぶん? 大丈夫だと思います。それでは失礼いたします」
転移で逃げるように姿を消すカケル。
「うーん、カケルくんの周囲は、なかなか大変そうだな、負けるなよサクラ!」
「うちの妹たちも癖が強いからね。カケルくんの家、なんかすごいことになってそうだよね」
オルレアン伯爵とノーラッド王子は、苦笑いしながらカケルを見送ると、急いでサウスウエストレアに派遣する人選を始めるのだった。
恐縮しながら苦笑いするオルレアン伯爵。
「いえいえ、ちょっと驚きましたけど」
(……サクラとセレスティーナ、一体どんな説明したんだよ?)
「英雄さま、お姉さまを助けてくれてありがとう!」
おずおずと近づいて来たのは、サクラの妹カエデだ。同じ黒髪だけど瞳の色が綺麗な紅葉色だ。ちっちゃいサクラみたいで可愛い。
「どういたしまして。でも、サクラには俺も助けられているんだよ」
柔らかい髪をそっと撫でると、カエデは気持ちよさそうに目を細める。
「あ~、カエデずるい! 王子様! 私も!」
乱入してきたサクラがカエデと撫で撫でポジションを巡って争い始めた。
……カエデ、すまん前言撤回だ、サクラには困らせられてるんだよ。
「ハハハッ、あのサクラがこんなふうになるなんて、いまだに信じられないな! 英雄殿、サクラの兄で七聖剣のクヌギです。本当にありがとうございました!」
この人強いぞ……さすが大国アストレア、こんなのが七人もいるのか。
「英雄様、サクラの母モミジです。娘とサウスレアを救っていただきありがとうございます――ところで、」
モミジさんが耳元でささやく
『セレスティーナ殿下とうちのサクラ、どちらの方がお好きなんですか?』
いたずらっぽく笑うとサクラにソックリ、いや、サクラがモミジさんに似ているのか。
答えに窮していると、楽しそうに爆弾をぶつけてきた
『でも残念、私も独り身だったら良かったのに』
冗談ですよ、と笑うモミジさんにサクラが突っかかる。
そんな当たり前の光景が眩しくて、本当に助けられて良かったと思う。少なくともサクラの笑顔を守ることが出来たのだから。
できるなら、隣で微笑むセレスティーナの笑顔も守ってあげたいな。
目が合うと嬉しそうに抱きついてくるセレスティーナが最近仔犬に見えることがあるけど、きっと疲れているんだろう。
***
「物資はとりあえず以上となります。必要なものはリストを頂ければ、直ぐに用意するのでご安心下さい」
「なにからなにまでかたじけない英雄様」
頭を下げるオルレアン伯爵。
「英雄様はやめてください。俺にとって伯爵も家族なんですから。どうかカケルとおよび下さい」
「ハハハッ、そう言ってもらえると嬉しいよ。サクラもカケルくんにべたぼれみたいだからね。どうかサクラのこと、よろしく頼むよ」
「もちろんです、伯爵。絶対に幸せにします。もちろん皆さんも含めて」
「……すまん、年を取ると涙脆くなっていかんな」
涙を拭う伯爵。年って、伯爵あなたまだ40代ですよね?
「……カケルくん、そう呼ばせてもらっていいかな? 妹たちの件、本当にありがとう。親でもない私が言うのもなんだけど、2人のこと、よろしく頼むよ。あんな体質だから、生涯異性とは縁がないと諦めていたんだけどね……きっと両親も歓迎してくれると思う。今度、ガーランドへも来てくれないか」
シルフィとサラの兄、ノーラッド王子も涙ぐんでいる。優しいお兄さんで良かった。
「もちろんです、ノーラッド王子。今回の件が落ち着いたら、必ず2人を連れてガーランドへ伺わせていただきます」
「ノーラッド王子では他人行儀だろう、兄上か兄様と呼んで欲しいが」
「わかりました、ノーラッド兄上!」
満足そうに頷くノーラッド王子。
なんか一気に家族が増えたみたいで嬉しくなる。もっと頑張らないとな。 
「ところで、サウスウエストレアの奪還についてなんだが――」
オルレアン伯爵が真剣な顔で話を切り出す。
そう、サウスウエストレアは、ここサウスレアとプリメーラの中間地点であり、ガーランドとの交易の要衝だ。ここを取り戻せば、一気に状況が好転するのは間違いない。
「ああ、そのことでしたら、すでに解放済みですので、ご安心ください」
「「……は?」」
意味が分からないといった様子で伯爵と王子はポカンとしている。
「ここに来る前に、俺の召喚獣を使い街内の魔物はすべて駆逐してあります。さっきセレスティーナたちと一緒に直接確認しているので大丈夫ですよ。実は、すでにプリメーラのアルフレイド伯爵にも連絡済みで、今頃、エスペランサ砦からサウスウエストレア防衛のための騎士団が出発しているはずです」
「そ、そうか、それならば話は早いな。すぐに我々も派遣する人選を含め出発の準備を始めよう」
「はい、幸い破壊を免れた建物や店も多く、確認したところ、物資もそれなりに使えそうです。先遣隊については、俺が転移で連れて行きますので、人選が終ったら彼女に声を掛けてください」
『おいで、ソヨカゼ』
魔法陣が輝き、絶世の貧乳美少女が姿を現す。ライトブルーの髪と瞳に背中に双翼をもつカケルの召喚獣ハーピィだ。
「しばらくこのサウスレアに彼女を連絡係として常駐させますので。サウスレアを発見したのも彼女なんですよ。頼むなソヨカゼ」
『はじめまして、ソヨカゼと申します。この命に代えましても、この街と皆さまをお守りいたします』
「すごいな……ハーピィを使役するなんて初めて聞いたよ。よろしくソヨカゼ殿」
ノーラッド王子がソヨカゼとがっちり握手をする。美男美女だから絵になるね。
「そうか、君が街を見つけてくれたんだね。ありがとう、感謝している」
続いて握手するオルレアン伯爵もソヨカゼに好感を持ってくれたようでひとまず安心だ。
「では、俺はいったんプリメーラへ戻り――――」
『……お待ちください、王様』
見た目からは信じられない程の力で肩を掴み引きとめるソヨカゼ。
「なんだい? ソヨカゼ」
もう学習したよ、ご褒美でしょ、ご褒美、わかってるさ。
『どうか……お気をつけて』
あれ、ご褒美は? ここはご褒美くださいじゃないの? そんな潤んだ目で見ないで! そうだよね、女性から言わせるなんて卑怯だよね。俺最低だな。反省します。はい。
『認識阻害』
暗黒魔法で俺たちを周囲から見えなくする。
「悪かったな、ソヨカゼ。たっぷりご褒美をあげるから覚悟しろよ……」
『ふぁ、あ、ありがとうございます……嬉しい、です』
「カケルくん、彼女は大丈夫なのかい? なんかふらふらしているけど?」
「た、たぶん? 大丈夫だと思います。それでは失礼いたします」
転移で逃げるように姿を消すカケル。
「うーん、カケルくんの周囲は、なかなか大変そうだな、負けるなよサクラ!」
「うちの妹たちも癖が強いからね。カケルくんの家、なんかすごいことになってそうだよね」
オルレアン伯爵とノーラッド王子は、苦笑いしながらカケルを見送ると、急いでサウスウエストレアに派遣する人選を始めるのだった。
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