異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
大掃除
「むぅ……あのリーゼロッテが、ここまでベタ惚れするとは……仕方ない、リーゼロッテとの仲を許そう」
えっ、良いの? なんか意外とあっさり、じゃなかった! 意外と命懸けだった!!
「ありがとう!! お父様大好き!」
感極まって辺境伯に抱きつくリーゼロッテ様、あ、それ不味いんじゃ……
「う、うむ、か、かわいい娘の為なら……」
ダビド様、脂汗流してヤセ我慢してるけど、大丈夫かな? 顔色悪いですよ。
「きゃあ! ごめんなさいお父様! 嬉しくてつい」
多分、骨折れてるな……神水どうぞ。
「……スマンな。おかげで助かった。それで、緊急の報告と言うのはなんだ?」
ダビド様に、一連の件を報告する。マリグノからの連絡よりも先回りしているので、辺境伯にとっては、寝耳に水だろう。
「……そうか、この私の領地でそんなことが……」
うわあ、ダビド様、本気で怒ってるぞ。歯を食いしばり過ぎて、口から血が出ているし。
「それで、本題なんですが、組織の顧客名簿の中に、この辺境伯領の貴族の名前が複数ありました。証拠隠滅される前にお知らせしようと、先回りして来たのです」
そう、俺がここに来た本題はそれだ。捜査が始まってからでは、証拠隠滅される恐れがあったから、わざわざ、ツバサを送り込んでまで、急いだのだ。
「なんだと! なぜそれを先に言わんのだ!」
いや、言おうとしたんですけど、いきなりあなたが攻撃してきたんでしょうが。
「リストは全て記憶しています。それで貴族の名前ですが――」
***
「なに? リーゼロッテが戻って来たのか?」
「はい、パレルモ様。それで、辺境伯様から呼び出しがございます」
「ほう……となると、ようやくリーゼロッテとの婚姻の許可が出たのかな」
薄暗い笑みをつくるパレルモ子爵。
「根回しのために、ずいぶん金を使いましたからね」
「これも辺境伯領を我が物とするためだ、長きに渡り、善人面を演じてきた甲斐があったと言うもの」
「では、今夜は祝宴の準備をしておかなければなりませんな」
「ハハハッ、気が早いわ! よしっ、1番良い服を出せ、あの小娘を本気で落としてやる」
***
「おや、パレルモ子爵殿ではないですか」
「おおっ、これはクズカス子爵殿、偶然ですな!」
チッ、なんでコイツが居るんだ? まさか、どちらを婿にするか、天秤にかけているのか?
だとすると、厄介だ。コイツは見た目だけは良いからな。リーゼロッテのような小娘では、コロッと騙されるかもしれん。いざとなれば、コイツの醜聞を辺境伯にバラすしかないな。ククッ、備えあれば憂いなしだよ、クズカス子爵殿。
2人が呼ばれたのは、辺境伯の執務室。謁見の間でないということは、やはり婚姻の件で間違いない。2人の口角が自然と上がる。
執務室へ案内され、頭を垂れる2人。
「2人ともわざわざ来て貰って悪かったな。呼ばれた理由はわかっているか?」
2人が顔を上げ、笑顔で声を出そうとしたのと同時に、執務室へ騎士団がなだれ込み、2人を拘束した。
「こ、これは一体どういう事でしょう?」
「は、離せッ! 私が何をしたと言うのだ!」
抵抗むなしく拘束され、喚く2人の子爵。
「お前たちには、人身売買組織との関わりの嫌疑がかかっている」
そう告げる辺境伯に、2人の顔色が変わる。
「……その様子だと、調べるまでもなさそうだな。お前たちの屋敷はすでに騎士団が押さえて捜査している。観念するんだな!」
「く、クソおっ!! あと少しだったのに……」
逆恨みで辺境伯を睨みつける2人の子爵。
その後の捜査で、2人の屋敷の地下室からは、組織に攫われ違法に売買された人々が、何人も発見された。
さらには、税金の誤魔化し、違法な薬物の販売。挙げ句には、自らの領民を組織に売りさばいている証拠も見つかり、当然2人の子爵は処刑。子爵家も取り潰しとなった。もちろん、捜査の結果、無関係だった者への救済措置は採られたが。
地下室から発見された人々は、心身ともに衰弱していたが、神水の力で、元通り元気を取り戻すことが出来た。喪われた時間や忌まわしい記憶は戻らないはずなんだけど、神水の力は本当にすごい。
結局、顧客名簿の件は、秘密裏に捜査され、国王陛下直属の騎士団が、全国各地で一斉捜査するように進言するそうだ。
すべてに関わることは出来ないけれど、被害者の回復など、出来る限り協力していこうと思っている。
「今回の件、見抜けなかった私の責任は大きい。婿殿には感謝しかない」
「む、婿殿って……辺境伯様、俺たちも偶然知ることが出来ただけです。人の心の内を知ることなんて、神様でもない限り不可能なんですから。大事なのは、これからどうするか、だと思いますよ」
実際、クロエの匂い鑑定があったから、気づけた訳だしな。
まったく、世界が滅びかかってるというのに、余計な仕事を増やさないで欲しい。同じ人間同士が信頼出来なくて、どうやって戦うと言うのだろう。
「ハハハッ、婿殿には、やるべきことが有るだろうから、跡を継げとは言わんよ。だが、子が出来たら、その子に継がせるのは譲れん。それまでは、私がこの辺境伯領をしっかり守っておくから安心すると良い」
最初は、怖い人だと思ったけど、リーゼロッテを心から心配する優しい父親だったんだな。
「ち、ちょっと、子どもなんて気が早い――」
顔を赤らめるリーゼロッテ様だけど、ここはお父様を安心させてあげないと。
「お任せください! 何人欲しいですか、リーゼロッテ様?」
「わ、私の騎士まで! もうっ、知りません!!」
えっ、良いの? なんか意外とあっさり、じゃなかった! 意外と命懸けだった!!
「ありがとう!! お父様大好き!」
感極まって辺境伯に抱きつくリーゼロッテ様、あ、それ不味いんじゃ……
「う、うむ、か、かわいい娘の為なら……」
ダビド様、脂汗流してヤセ我慢してるけど、大丈夫かな? 顔色悪いですよ。
「きゃあ! ごめんなさいお父様! 嬉しくてつい」
多分、骨折れてるな……神水どうぞ。
「……スマンな。おかげで助かった。それで、緊急の報告と言うのはなんだ?」
ダビド様に、一連の件を報告する。マリグノからの連絡よりも先回りしているので、辺境伯にとっては、寝耳に水だろう。
「……そうか、この私の領地でそんなことが……」
うわあ、ダビド様、本気で怒ってるぞ。歯を食いしばり過ぎて、口から血が出ているし。
「それで、本題なんですが、組織の顧客名簿の中に、この辺境伯領の貴族の名前が複数ありました。証拠隠滅される前にお知らせしようと、先回りして来たのです」
そう、俺がここに来た本題はそれだ。捜査が始まってからでは、証拠隠滅される恐れがあったから、わざわざ、ツバサを送り込んでまで、急いだのだ。
「なんだと! なぜそれを先に言わんのだ!」
いや、言おうとしたんですけど、いきなりあなたが攻撃してきたんでしょうが。
「リストは全て記憶しています。それで貴族の名前ですが――」
***
「なに? リーゼロッテが戻って来たのか?」
「はい、パレルモ様。それで、辺境伯様から呼び出しがございます」
「ほう……となると、ようやくリーゼロッテとの婚姻の許可が出たのかな」
薄暗い笑みをつくるパレルモ子爵。
「根回しのために、ずいぶん金を使いましたからね」
「これも辺境伯領を我が物とするためだ、長きに渡り、善人面を演じてきた甲斐があったと言うもの」
「では、今夜は祝宴の準備をしておかなければなりませんな」
「ハハハッ、気が早いわ! よしっ、1番良い服を出せ、あの小娘を本気で落としてやる」
***
「おや、パレルモ子爵殿ではないですか」
「おおっ、これはクズカス子爵殿、偶然ですな!」
チッ、なんでコイツが居るんだ? まさか、どちらを婿にするか、天秤にかけているのか?
だとすると、厄介だ。コイツは見た目だけは良いからな。リーゼロッテのような小娘では、コロッと騙されるかもしれん。いざとなれば、コイツの醜聞を辺境伯にバラすしかないな。ククッ、備えあれば憂いなしだよ、クズカス子爵殿。
2人が呼ばれたのは、辺境伯の執務室。謁見の間でないということは、やはり婚姻の件で間違いない。2人の口角が自然と上がる。
執務室へ案内され、頭を垂れる2人。
「2人ともわざわざ来て貰って悪かったな。呼ばれた理由はわかっているか?」
2人が顔を上げ、笑顔で声を出そうとしたのと同時に、執務室へ騎士団がなだれ込み、2人を拘束した。
「こ、これは一体どういう事でしょう?」
「は、離せッ! 私が何をしたと言うのだ!」
抵抗むなしく拘束され、喚く2人の子爵。
「お前たちには、人身売買組織との関わりの嫌疑がかかっている」
そう告げる辺境伯に、2人の顔色が変わる。
「……その様子だと、調べるまでもなさそうだな。お前たちの屋敷はすでに騎士団が押さえて捜査している。観念するんだな!」
「く、クソおっ!! あと少しだったのに……」
逆恨みで辺境伯を睨みつける2人の子爵。
その後の捜査で、2人の屋敷の地下室からは、組織に攫われ違法に売買された人々が、何人も発見された。
さらには、税金の誤魔化し、違法な薬物の販売。挙げ句には、自らの領民を組織に売りさばいている証拠も見つかり、当然2人の子爵は処刑。子爵家も取り潰しとなった。もちろん、捜査の結果、無関係だった者への救済措置は採られたが。
地下室から発見された人々は、心身ともに衰弱していたが、神水の力で、元通り元気を取り戻すことが出来た。喪われた時間や忌まわしい記憶は戻らないはずなんだけど、神水の力は本当にすごい。
結局、顧客名簿の件は、秘密裏に捜査され、国王陛下直属の騎士団が、全国各地で一斉捜査するように進言するそうだ。
すべてに関わることは出来ないけれど、被害者の回復など、出来る限り協力していこうと思っている。
「今回の件、見抜けなかった私の責任は大きい。婿殿には感謝しかない」
「む、婿殿って……辺境伯様、俺たちも偶然知ることが出来ただけです。人の心の内を知ることなんて、神様でもない限り不可能なんですから。大事なのは、これからどうするか、だと思いますよ」
実際、クロエの匂い鑑定があったから、気づけた訳だしな。
まったく、世界が滅びかかってるというのに、余計な仕事を増やさないで欲しい。同じ人間同士が信頼出来なくて、どうやって戦うと言うのだろう。
「ハハハッ、婿殿には、やるべきことが有るだろうから、跡を継げとは言わんよ。だが、子が出来たら、その子に継がせるのは譲れん。それまでは、私がこの辺境伯領をしっかり守っておくから安心すると良い」
最初は、怖い人だと思ったけど、リーゼロッテを心から心配する優しい父親だったんだな。
「ち、ちょっと、子どもなんて気が早い――」
顔を赤らめるリーゼロッテ様だけど、ここはお父様を安心させてあげないと。
「お任せください! 何人欲しいですか、リーゼロッテ様?」
「わ、私の騎士まで! もうっ、知りません!!」
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