異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
新たなる可能性
「よしっ、じゃあ始めようかミヅハ」
『はい、お兄様!』
屋敷に戻った後、俺とミヅハは新たな可能性を検証するため部屋にいた。
実は、スケッチブックスキルのレベルが上がった際、魔物以外の召喚契約ができるようになっただけではなく、従来の召喚獣の方も機能が追加されたのだ。
【視界共有】 召喚獣の見ている視界を共有できる。
これまで念話による通話のみ可能だったのが、これでより便利になる。地味にありがたいなあと思ってたんだけど、新たな可能性を思いついてしまった。
それがソニアからもらった転移だ。転移可能範囲が、目で見える範囲となっている以上、もしかしたら召喚獣を通して見える場所にも転移できるのではないか? と思ったのだ。実際、召喚獣が倒した経験値は俺に入るし、魂が繋がっている以上、俺の視界と判定してくれる可能性はある。
同じ意味で、魂が繋がっているミヅハもそうだ。ミヅハが倒した経験値は俺に入るし、視界共有や感覚共有もできる。むしろ、召喚獣よりも可能性が高いかもしれない。
まずは、ミヅハに部屋の外に出てもらい、視界共有する。
俺の目の前に、部屋の扉が見える。ミヅハの視界に切り替えが成功したようだ。
それでは、転移発動!
一瞬身体が浮いたような感覚とともに、ミヅハが視界に飛び込んでくる。
『実験成功ですね! お兄様』
ミヅハが嬉しそうに抱きついてくる。俺も嬉しいよ。
「よしっ、次は――どうした? ミヅハ」
次の実験に移ろうと思ったが、ミヅハが抱きついて離れない。
『お兄様……ミヅハは知っているのです。皆さまとキスをしていたことを』
そうだった……今日はミヅハがいなかったからな。仲間はずれは良くない。
「気づかなくて悪かった。じゃあ、ミヅハが満足するまで、キス、しような」
『っ! はいっ、お兄様!』
花が咲いたような笑顔でミヅハがはにかむ。俺の妹なんでこんなにかわいいんだろ。
――10分後――
『はあはあ……お兄様……ミヅハはもう駄目です。私には構わず、ここから先はお兄様お一人で進んでください』
いや……そんなこと言われても、お前がいないと実験できないんだが。
『……申し訳ございませんでした。さあ、実験を続けましょう』
神水で復活しました。
「今度は、もう少し距離を取って検証してみよう」
限界距離を探るため、少しずつ距離を伸ばして検証を続ける。結果、今のところ、距離の限界は確認出来なかった。もっと距離が延びた場合は分からないが、十分過ぎる成果だと思う。
「次は召喚獣だな。ミズハ、頼めるか?」
『はい、お兄様、……水源転移』
水の大精霊であるミヅハは、基本的にある程度の水源があれば、そこを目印に転移できる。そこで、ミヅハには地底湖まで転移してもらったのだ。まじで俺の妹が有能すぎる件。
視界共有しているので、俺の前には地底湖が見える。
さっそく転移発動。
さすがにこの距離は検証していないので、緊張する。成功したらすごいぞ。
浮遊感の後、目の前にミヅハの姿が……転移成功だ。これって、実質長距離転移だよな。
ミヅハが抱きついてきたので、再びご褒美のキス。
――10分後――
『はあはあ……お兄様……ミヅハはもう駄目です。私はこのまま水の泡になって消えてしまいます』
いや……そんな人魚姫みたいなこと言われてもな。顔が紅潮し呼吸が荒いミヅハに神水を飲ませる。
(困ったな……いきなり現れたと思ったら、今度はガッツリキスし始めたんだけど?! 無視する訳にはいかないし、本当に何してるんですか? カケル様……)
地底湖を警備する騎士団の隊長となったアベルは、突然現れたカケルの意味不明な行動に困惑していた。
「……あ、あの、カケル様、いつここにいらっしゃったんですか?」
後ろから、黒狼の獣人であるアベルさんが声をかけてくる。あ、そう言えば、ここ騎士団の人たちもいたんだよな……驚かせちゃったかな。
「どうも、アベルさん、お勤めご苦労様です。ちょっと転移の実験をしてまして、今プリメーラから転移してきたところです」
「転移ですか! しかもプリメーラから……それはすごい、獣化状態の私でも数時間かかるのに……さすがですねカケル様」
えっ……アベルさん、数時間で来れるの? 馬でも半日じゃつかないのに? さすが獣人最速は伊達じゃない。そのおかげで、セレスティーナが助けられたんだから、アベルさんには感謝しかないよね。
その後、アベルさんたち騎士団の人たちと少し談笑して、実験に戻る。特製ソーセージを差し入れしたら、めちゃくちゃ喜んでくれた。
「よし、召喚獣全員集合!」
地底湖に配置していた召喚獣を一旦戻し、レベルを最新のものに更新する。今のレベル200近いから、みんな化け物じみた強さになったよ。まさに魔王軍って感じじゃね。
「ラビ、実験するぞ」
『主、わかったうさ。いつでもどうぞ、うさ』
……言いづらかったら、うさ言わなくても良いんだぞ、ラビ。
ラビと視界を共有して転移する。
一瞬の浮遊感の後、目の前にラビのもふもふが……たまらずダイブする。カタリナさんじゃないけど、これは本当に良いものだ……もふもふもふもふ。うん、ラビは連れて帰ることに決定。
『お兄様! やりましたね』
ミヅハが、駆け寄ってくる。
そう、実験は成功した。召喚獣との視界共有でも、転移が出来ることが確認出来た。
「次は最後の検証だな……フリューゲル、行くぞ!」
『いつでも良いぞ、主』
プリメーラに残してきたグリフォンの召喚獣フリューゲルと視界共有する。
(屋敷の庭だな……これが成功すれば――)
祈るような気持ちでフリューゲルのところへ転移する。浮遊感に襲われ、視界が変わる。
『オオッ! 主、成功だな』
フリューゲルが嬉しそうに歩いてくる。
やった! これは本当に大きい。これがあれば、調査だけでは無く、救出作戦も一気に進むはずだ。クロエやクラウディア、そしてセレスティーナの母国の様子もわかる。興奮で身体が震えてきた。
ミヅハと視界共有して、一旦地底湖に戻る。
『お兄様、成功おめでとうございます!』
「ありがとうミヅハ、これでみんなを助けられるかもしれない」
飛びついてきたミヅハを優しく受け止め抱きしめる。
「……ところで、この子たち精霊?」
いつの間にか、ミヅハのまわりに沢山の精霊が集まっている。392体もいるぞ、神水で地底湖を清めた効果かな?
『はい、お兄様、すべて水の精霊とその眷族です。皆さん、お兄様にご挨拶を』
集まった精霊とその眷族たちが恭しく頭を下げる。おお……何かかわいいな。
思わず、近くにいた精霊の頭を撫でてしまった。
『水の精霊ウンディーネと使役契約しました。名前を付けて下さい』
えっ、なんか契約しちゃったんだけど……
『……お兄様、迂闊に精霊に触ってはいけません……仕方ありません、この精霊の精霊核を破壊しましょう』
氷点下の視線でウンディーネを睨みつけるミヅハ。怖いよ! ほら、怯えて震えているじゃないか。
「ま、まあ、俺の不注意だし、機嫌直しててくれよミヅハ」
『いいえ、お兄様は何も悪くないのです。触りやすい位置にいたこのウンディーネがすべての元凶です。でも、お兄様がそうおっしゃるのでしたら……命拾いしましたね。しっかりお兄様に尽くすのですよ』
「よし、お前の名前は、シズク だ。よろしくな、シズク」
『……素敵な名前をありがとな。おじさま』
「ち、ちょっと待て、シズク。なにゆえおじさま?」
『ミヅハ様がお母さまで、そのお兄様だから、おじさまだろ?』
う、そういわれると確かにそうなのか……俺まだ高校生なのに……
『……お兄様、やはり精霊核を破壊――』
「わかった、おじさまでいいから! シズクは、この地底湖をしっかり守ってくれよ」
『わかったよ、まかせとけ』
シズクが鼻息荒くやる気を見せる。うん、なかなかいい子じゃないか。
「じゃあ、帰ろうか。おいでミヅハ」
『はいっ、お兄様』
ミヅハとしっかり隙間なく抱き合い、プリメーラのフリューゲルのところへ転移する。
さあ、戻ったらまた忙しくなりそうだ。
『はい、お兄様!』
屋敷に戻った後、俺とミヅハは新たな可能性を検証するため部屋にいた。
実は、スケッチブックスキルのレベルが上がった際、魔物以外の召喚契約ができるようになっただけではなく、従来の召喚獣の方も機能が追加されたのだ。
【視界共有】 召喚獣の見ている視界を共有できる。
これまで念話による通話のみ可能だったのが、これでより便利になる。地味にありがたいなあと思ってたんだけど、新たな可能性を思いついてしまった。
それがソニアからもらった転移だ。転移可能範囲が、目で見える範囲となっている以上、もしかしたら召喚獣を通して見える場所にも転移できるのではないか? と思ったのだ。実際、召喚獣が倒した経験値は俺に入るし、魂が繋がっている以上、俺の視界と判定してくれる可能性はある。
同じ意味で、魂が繋がっているミヅハもそうだ。ミヅハが倒した経験値は俺に入るし、視界共有や感覚共有もできる。むしろ、召喚獣よりも可能性が高いかもしれない。
まずは、ミヅハに部屋の外に出てもらい、視界共有する。
俺の目の前に、部屋の扉が見える。ミヅハの視界に切り替えが成功したようだ。
それでは、転移発動!
一瞬身体が浮いたような感覚とともに、ミヅハが視界に飛び込んでくる。
『実験成功ですね! お兄様』
ミヅハが嬉しそうに抱きついてくる。俺も嬉しいよ。
「よしっ、次は――どうした? ミヅハ」
次の実験に移ろうと思ったが、ミヅハが抱きついて離れない。
『お兄様……ミヅハは知っているのです。皆さまとキスをしていたことを』
そうだった……今日はミヅハがいなかったからな。仲間はずれは良くない。
「気づかなくて悪かった。じゃあ、ミヅハが満足するまで、キス、しような」
『っ! はいっ、お兄様!』
花が咲いたような笑顔でミヅハがはにかむ。俺の妹なんでこんなにかわいいんだろ。
――10分後――
『はあはあ……お兄様……ミヅハはもう駄目です。私には構わず、ここから先はお兄様お一人で進んでください』
いや……そんなこと言われても、お前がいないと実験できないんだが。
『……申し訳ございませんでした。さあ、実験を続けましょう』
神水で復活しました。
「今度は、もう少し距離を取って検証してみよう」
限界距離を探るため、少しずつ距離を伸ばして検証を続ける。結果、今のところ、距離の限界は確認出来なかった。もっと距離が延びた場合は分からないが、十分過ぎる成果だと思う。
「次は召喚獣だな。ミズハ、頼めるか?」
『はい、お兄様、……水源転移』
水の大精霊であるミヅハは、基本的にある程度の水源があれば、そこを目印に転移できる。そこで、ミヅハには地底湖まで転移してもらったのだ。まじで俺の妹が有能すぎる件。
視界共有しているので、俺の前には地底湖が見える。
さっそく転移発動。
さすがにこの距離は検証していないので、緊張する。成功したらすごいぞ。
浮遊感の後、目の前にミヅハの姿が……転移成功だ。これって、実質長距離転移だよな。
ミヅハが抱きついてきたので、再びご褒美のキス。
――10分後――
『はあはあ……お兄様……ミヅハはもう駄目です。私はこのまま水の泡になって消えてしまいます』
いや……そんな人魚姫みたいなこと言われてもな。顔が紅潮し呼吸が荒いミヅハに神水を飲ませる。
(困ったな……いきなり現れたと思ったら、今度はガッツリキスし始めたんだけど?! 無視する訳にはいかないし、本当に何してるんですか? カケル様……)
地底湖を警備する騎士団の隊長となったアベルは、突然現れたカケルの意味不明な行動に困惑していた。
「……あ、あの、カケル様、いつここにいらっしゃったんですか?」
後ろから、黒狼の獣人であるアベルさんが声をかけてくる。あ、そう言えば、ここ騎士団の人たちもいたんだよな……驚かせちゃったかな。
「どうも、アベルさん、お勤めご苦労様です。ちょっと転移の実験をしてまして、今プリメーラから転移してきたところです」
「転移ですか! しかもプリメーラから……それはすごい、獣化状態の私でも数時間かかるのに……さすがですねカケル様」
えっ……アベルさん、数時間で来れるの? 馬でも半日じゃつかないのに? さすが獣人最速は伊達じゃない。そのおかげで、セレスティーナが助けられたんだから、アベルさんには感謝しかないよね。
その後、アベルさんたち騎士団の人たちと少し談笑して、実験に戻る。特製ソーセージを差し入れしたら、めちゃくちゃ喜んでくれた。
「よし、召喚獣全員集合!」
地底湖に配置していた召喚獣を一旦戻し、レベルを最新のものに更新する。今のレベル200近いから、みんな化け物じみた強さになったよ。まさに魔王軍って感じじゃね。
「ラビ、実験するぞ」
『主、わかったうさ。いつでもどうぞ、うさ』
……言いづらかったら、うさ言わなくても良いんだぞ、ラビ。
ラビと視界を共有して転移する。
一瞬の浮遊感の後、目の前にラビのもふもふが……たまらずダイブする。カタリナさんじゃないけど、これは本当に良いものだ……もふもふもふもふ。うん、ラビは連れて帰ることに決定。
『お兄様! やりましたね』
ミヅハが、駆け寄ってくる。
そう、実験は成功した。召喚獣との視界共有でも、転移が出来ることが確認出来た。
「次は最後の検証だな……フリューゲル、行くぞ!」
『いつでも良いぞ、主』
プリメーラに残してきたグリフォンの召喚獣フリューゲルと視界共有する。
(屋敷の庭だな……これが成功すれば――)
祈るような気持ちでフリューゲルのところへ転移する。浮遊感に襲われ、視界が変わる。
『オオッ! 主、成功だな』
フリューゲルが嬉しそうに歩いてくる。
やった! これは本当に大きい。これがあれば、調査だけでは無く、救出作戦も一気に進むはずだ。クロエやクラウディア、そしてセレスティーナの母国の様子もわかる。興奮で身体が震えてきた。
ミヅハと視界共有して、一旦地底湖に戻る。
『お兄様、成功おめでとうございます!』
「ありがとうミヅハ、これでみんなを助けられるかもしれない」
飛びついてきたミヅハを優しく受け止め抱きしめる。
「……ところで、この子たち精霊?」
いつの間にか、ミヅハのまわりに沢山の精霊が集まっている。392体もいるぞ、神水で地底湖を清めた効果かな?
『はい、お兄様、すべて水の精霊とその眷族です。皆さん、お兄様にご挨拶を』
集まった精霊とその眷族たちが恭しく頭を下げる。おお……何かかわいいな。
思わず、近くにいた精霊の頭を撫でてしまった。
『水の精霊ウンディーネと使役契約しました。名前を付けて下さい』
えっ、なんか契約しちゃったんだけど……
『……お兄様、迂闊に精霊に触ってはいけません……仕方ありません、この精霊の精霊核を破壊しましょう』
氷点下の視線でウンディーネを睨みつけるミヅハ。怖いよ! ほら、怯えて震えているじゃないか。
「ま、まあ、俺の不注意だし、機嫌直しててくれよミヅハ」
『いいえ、お兄様は何も悪くないのです。触りやすい位置にいたこのウンディーネがすべての元凶です。でも、お兄様がそうおっしゃるのでしたら……命拾いしましたね。しっかりお兄様に尽くすのですよ』
「よし、お前の名前は、シズク だ。よろしくな、シズク」
『……素敵な名前をありがとな。おじさま』
「ち、ちょっと待て、シズク。なにゆえおじさま?」
『ミヅハ様がお母さまで、そのお兄様だから、おじさまだろ?』
う、そういわれると確かにそうなのか……俺まだ高校生なのに……
『……お兄様、やはり精霊核を破壊――』
「わかった、おじさまでいいから! シズクは、この地底湖をしっかり守ってくれよ」
『わかったよ、まかせとけ』
シズクが鼻息荒くやる気を見せる。うん、なかなかいい子じゃないか。
「じゃあ、帰ろうか。おいでミヅハ」
『はいっ、お兄様』
ミヅハとしっかり隙間なく抱き合い、プリメーラのフリューゲルのところへ転移する。
さあ、戻ったらまた忙しくなりそうだ。
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