異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

創造神 イリゼ

『やっと会えたわね? カケルくん』


 何もない真っ白な部屋の中に響く鈴のような澄んだ声。


 気が付くと俺の前には、虹色に輝く髪をなびかせる絶世の美女が立っていた。


「も、もしかして、イリゼ様ですか?」
『そうよ、私がイリゼ。この世界を創造した最高神にして、神界のなりたい顔100年連続1位の美の化身とは私のことよ』


「は、はじめましてイリゼ様。カケルです。ミコトさんから親友だって聞いています」
『えっ? 私が無二の親友ですって? そうよ、ミコちんは、私がいないとダメなんだからね! えへへへ』


 なんかちょっと変わった女神様だけど、とってもいい人? で、ミコトさんのことが大好きだっていうのはわかった。


「あ、あの……それで、何のためにわざわざここへ呼んだんですか?」
『えへへへ……えっ? あ、ああ忘れてたわ。本当は貴方が異世界に旅立つ前に授けるつもりだったんだけど……ちょっとこっちへ来て、カケルくん』


「あ、はい」


 いわれた通りにイリゼ様の近くまで歩いてゆく。


『はい、じゃあ私をお姫様抱っこしなさい』
「へ? は、はい、わかりました」


 まるで抱っこしてとでもいうように両手を広げたイリゼ様。なんかすげえかわいいんだけど。


 言われたとおりに、そっと抱き上げお姫様抱っこする。うわあ……めっちゃ軟らかくていい香りがする。髪も服も信じられないぐらいスベスベサラサラで、頭がくらくらしてくる。


「イリゼ様、これで良いですか?」
『うん、これで良いわよ……んっ……』


 イリゼ様が俺の首に腕をまわして……キスをした。それも、結構ディープなやつを。


 え、なにこれ? とか言いつつ、がっつり応えてしまう俺


『キス(極)を記憶しました』


 なんかすごいスキル覚えてしまった……


『……ん、んん、素敵だったわよカケルくん』


 しばらくして、ようやく唇を離したイリゼ様が熱っぽい視線で俺をみつめる。


 絶世の美女に見つめられて、ドキドキが止まらない。


「あ、あの、イリゼ様、これは一体?」
『ふふっ、カケルくんに女神の祝福を授けたのよ(本当はキスする必要なんてないけどね)』


「あ、そ、そうなんですね……ありがとうございます」
『あら……なんか残念そうね? うふふっ、もしまた私に逢いたくなったら、神殿に行って祈りなさい。いつでも待ってるわよ』


 そういってウインクする女神様、やばいかわいい。毎日神殿に通いそうだな俺


「ところで、イリゼ様、俺はこの世界で何かしたほうがいいんですか?」
『別にいいわよ、何もしないでも。あなたの好きに生きればいいんじゃない?』


「そ、そうなんですね。でも勇者は役目があるんですよね?」
『ああ、勇者はね。目一杯働いてもらってるわよ。今も休みなしで。そのうちどこかで会うかもしれないわね?』 


 なんだか勇者が哀れになってきた。もしどこかで会ったら、出来るだけ手伝ってあげようと心にとめておく。


『あ、残念、もう時間切れね。カケルくん、最後に一つだけお願い。どうか勇者を助けてあげてね。とってもいい子だから……』




 女神様の声が遠くなり、気が付くと女神像の前で祈りを捧げていた。


「カケルさん、ずいぶん熱心にお祈りしてましたね?」
「えっ、ま、まあな? 女神様にはいろいろお世話になってるからな! じゃあ次は二人に何か買ってやるぞ!」


「ええっ! 良いんですか? やったー、カケルさん大好き!!」
「遠慮すんなよ、俺はいま懐が温かいからな――ん、どうしたフリオ?」


「いえ、どうしてカケルさんがあんなにモテるのか学ぼうと思いまして」
「お兄ちゃん……色気づくの早いよ……」


 フリアの氷点下の視線に耐え切れず早速挫折する思春期真っ盛りのフリオ。まずはそこを乗り越えてから出直すんだなフリオよ。


***




(……行ってしまったわね。カケルくん……)


 先程まで触れ合っていた唇に指を当てそっとなぞる。


 親友の愛する男を毎日24時間欠かさず観察し、レポートを書き上げる……ちょっと待って、まさか私変態ストーカー!? いや、そんなはずない、私は女神、見守るのは仕事の一環。レポートは親友に頼まれたのだから仕方がない。よしっ、大丈夫だ。


 でも、最近は気になって仕方ないんだよね、カケルくんのこと。気が付けば目で追ってるし、レポートだって最初は嫌々だったけど、最近はなんか熱がこもってきてるし……おかげでミコちんの評判も良いしね!


 まったく、あの神たらしめ……今度逢いに来たら、どうしてあげようかしら? ふふふっ












 

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